未知の世界？へいざ、そこには下町人情あふれる空間が : ブラウン

昨年の６月ごろ当店アシスタントと浅草へ行って、新仲見世通り周辺を散策していた時、偶然あるお店を見つけました。そこは「喫茶　定食　居酒屋」と書かれた赤い置き看板と、「おいしいカレーライス」「カラオケ１曲１００円」他が書かれた黄色い立て看板のある、「ブラウン」というお店でした。

当店アシスタントが１曲１００円のカラオケに惹かれて、入店してみようかと考えました。しかし既にお蕎麦と牛スジ煮込みを食べた後だったのと、地下へ続く得体の知れぬ？（ネット情報はまったくなかったので・・・）店舗でやや抵抗があったのとで、今回は入店せずに帰りました。次回浅草へ来た時には寄ってみようかな？と思っていたら、それ以来約１年半近く浅草へ来る機会がありませんでした・・・（「田原町」へは昨年９月にちょこっと行きましたが・・・）

先月の中頃に約１年半ぶりに浅草へ来た時、帰り際に再びこちらのお店の前を通り、存在を思い出しました。しかしこの時も散々飲み食いした後だったので、また次回という事で帰路に着きます。帰ってネットで調べると、・・・やはり有力な情報はありません・・・。こうなったら店頭の「おきがるにどうぞ」を信用して、入ってみるしかないです。もしかするとこちらの前を通られた多くの方々が、私たちと同じ迷いに陥っていたのかもしれないですね。

そして今日当店アシスタントと再び、浅草へやってきました。雷門通りの右側の歩道を雷門から国際通りへ進み、右手に「オレンジ通り」という通りが見えたら、その１本奥の道を右に曲がって少し進み、「伝法院通り」に入る手前のところに今回の目的地「ブラウン」はあります。時間は１５時をちょっと過ぎたところ、地下へ続く階段に差し掛かった時、ややご年配のご夫婦が階段を上ってきました。「こちらのお店はどんなお店ですか？」なんてお聞きするわけにもいかないので、意を決して入店します。

地下まで降りて、入り口のドアを開けます、「こんばんはぁ！」。中は結構広い空間で、その奥のテーブル席に、白髪のややご年配の男性が座っていました。お客さんかな？と思っているとその男性が、「１５時で一旦終わってしまったんですよ、ごめんなさい」と、物腰柔らかな口調で教えてくれました。どうやらこちらのご主人のようです、後半は１７時からだというので、この日は別のカラオケスナック（みたいなお店？）に行って、また次回にする事にしました・・・＾＾；

さてカラオケスナック（みたいなお店？）が１７時で終わってしまい（１７時以降は追加料金が発生するため・・・）、前回浅草へ来た時に立ち寄った「ペンプティハウス」というファッション雑貨店で、お店用のお香と当店アシスタントの洋服を購入します。さてそろそろ夕食の時間かな？と思っていた時、ふと先程の「ブラウン」にあった、「おいしいカレーライス」が頭をよぎります。・・・というわけで再び、「ブラウン」へ向かいます。

入店すると先程のご主人が出迎えてくれます、店内は広々した空間にこじんまりとしたカウンター席と、数席のテーブル席（ソファー）が配置されています。先客は２名、１名の男性の方は分かりませんが、もう１人の女性の方は顔馴染みのようでした。メニューはほぼ壁に短冊状に貼られていて、その１つに「お一人様テーブルチャージ２００円」と書かれています。ここまで来たのでそれはよしとして、奥のテーブル席に腰掛けます。

「すみませんねえ再びきていただいて」、ご主人は優しい口調でそういいながら、温かいおしぼりを持ってきてくれました。今回は私も当店アシスタントも、当初の目当ての品である、「おいしいカレーライス　６００円」を注文しました。本当は他にも多くのおつまみ類があったので、そちらも注文したかったのですが、とりあえず今回はカレーライスをおつまみに、ビールをいただこうと思います。ご主人の話では、「カレーはちょっと辛めですけど美味しいですよ」との事で、どうやら自家製のようです。

こちらのお店はご主人一人で営業しているためか、やや時間はかかります。カレーは冷凍（冷蔵？）してあらかじめ作っておいたものですが、電子レンジで時間をかけて丁寧に温めているようです。まあ喫茶店とか居酒屋って意外と、レトルトのカレーだったりする事が多いので、自家製のカレーだというだけで期待感が高まります。カレーを待っている間に、やはり顔馴染みの男性数名が入店してきて、カウンター席に腰掛けました。

１０分ちょっと経った頃、「すいませんお待ちどう様でした」といいながら、ご主人がカレー・味噌汁・お新香、そしてカレー用のスプーンとお冷やを運んできてくれました。若干ココナッツのような甘い香りの混じった、カレーのいい香りが伝わってきます。ここで瓶ビールを注文すると、「一番搾りとスーパードライがありますよ」という事なので、キレのいいスーパードライにしました。

瓶ビールとグラス二つと共に、鶏肉と根菜の煮物を出していただきました。まずはビールを注いで、いいお店に出会えた事に乾杯！です。

カレーはよくあるパターンである、「最初は甘く感じるが段々辛くなってくる」タイプではなく、最初から程よい辛さが伝わってくる私好みのタイプでした。ココナッツのような甘い香りがしていたわりには、カレー自体には甘ったるさはなく、隔し味程度に何か香りを持たせているのかも知れません。具はニンジン・じゃがいも（確か入ってた・・・）の他に、牛肉と牛ホルモンがたくさん入っいて、これらを煮込むことによりまろやかさが出ているようです。

カレーとセットの味噌汁は、具の内容は忘れましたが（大根だったような・・・）、塩加減が強すぎないすっきりした味わいでした。お新香はキュウリのもので、ぬか漬けのようでしたがぬかくささはほとんど感じられず、ぬか漬けギブな私でも美味しくいただけました。

一緒に出してもらった煮物には、ニンジン・大根・がんもどき（厚揚げ？）・こんにゃく・さといもなどが入り、こちらも塩加減が控えめな出汁の味わいがまろやかなスープが、具材によく染み込んでいます。こんなに豪勢なお通しなら、出てきてうれしいです。

食事が終わりかけたところで、当店アシスタントがカラオケを始めました。55点以上のぞろ目の点数が出ると、ご褒美がもらえるようです。３曲歌いましたが、残念ながらぞろ目の点数は出ませんでした。しかし比較的いい音質で歌うことが出来、それだけで充分です。ご主人や常連のお客さんも、歌った中間と終わりには、コールや拍手を送ってくれました。

ごちそう様でした、思い切って足を運んでよかったです。牛肉と牛ホルモンの種類が入ったカレー、中々味わえないです。カラオケも歌う人だけがお金を払うシステムなので、めったに歌わない私はその分飲食につぎ込む事が出来るのです・・・＾＾；

帰り際にも優しいお言葉をかけていただけ、当店アシスタントの描いた絵のポストカードも、受け取っていただけました。お会計を済ませると、・・・あれ？、お通しの分とチャージ料って入ってるっけ？？？。またお伺いした時にでも聞いてみようかな＾＾

「発見」から約１年半後にお伺いした、今回の「ブラウン」、下町人情を感じ取ることが出来るよいお店でｒした。