浅草のフランス風ロシア料理 : ボナ・フェスタ

浅草にあるフランス風ロシア料理店です。
定番のロシア料理に独創的な工夫を加え、ここだけの料理を提供。
浅草地域に数多くあるロシア料理店中、一番の人気店です。
1988年開店。
場所は田原町駅から浅草駅方面へ浅草通りを約5分。
間口は狭いですが品の良い白壁に茶色の扉、頭上に赤字に白抜き文字の看板が出ています。

夜訪問。
席は予約しました。
当日。
店内は奥行きがあり、落ち着いた雰囲気。
座席は通路を挟んで左右にテーブル席を配置。
隣のテーブルとの間隔は広めです。
接客はマダムとスタッフの2名で担当。
気さくで明るく、てきぱきした対応です。
気取りのないところがいいですね。

ディナーはコース料理のみ（価格は税抜き、サービス料300円）。
構成はアミューズグール・前菜・スープ・肉料理・デザート・飲み物。
前菜・スープ・肉料理はプリフィクス。
肉料理（5,000円、7,600円、7,900円）に書かれた価格が基本料金です。
魚料理(1,000～1,100円）は別料金。

出された料理は以下の通り。
お飲み物はグラスワイン（白）ボルドー（750円）。
辛口で適度なコク。
●アミューズグール
ミニ帆立のフリット
玉のような6粒フリットの下に酸味のあるコールスロー。
ワインのおつまみです。

●オードブル
・C プチ前菜6種（ザクースカ）（私の選択）
彩りがよい6種の前菜。
・里芋ロースト
・アンチョビパイ（小さなクロワッサンのような形）
・スモークサーモン
・ミニトマトのマリネ
・玉子のスフレ、トマトソース
・カマンベールチーズ
印象に残ったのは里芋ロースト。
表面はかりっと仕上がり、中はねっとり。

・A 海の幸と野菜の盛り合わせ（連れ）
タコ・スモークサーモン・サワークリームで和えたにしんの酢漬け
レタス・ビーツ細切り・イタリアンパセリ
マスタードドレッシングがけ。
タコ好きの連れは大満足。

●バター
無塩バターにバニラビーンズと蜂蜜を混ぜたもの。
ほのかに甘いバターは次に出されるミルクパンと好相性。
食事に甘いバターをいただくのは初めて。

●ミルクパン
ブリオッシュのような玉子とバター入りの丸パン。

●スープ
カップ入りのスープは器も熱々。
・A トマト風味のボルシチスープ（私）
サワークリームのトッピング。
トマトベースのボルシチはさらりとしてやや甘め。
具は角切り牛肉・細切りビーツ・ジャガイモ。

・C ウニとタマゴのこんがり焼いたスープ（+500円）（連れ）
シェフのスペシャリテ。
オーブンで焼き目をつけたもの。
連れの感想は
『玉子の味。ウニはよくわからなかったけれどクリーミーで味は良い』
とのこと。

●蒸したてライ麦パン
フェンネル入りライ麦食パン。
蒸して熱々・ふわふわの状態で出されます。
フェンネルの香りがいい感じ。

●メイン（肉料理）
・A ロシア風キャベツロールのトロトロ煮（5,000円）（私)
ブイヨンで煮込んだ後にトマトソースで煮込んだロールキャベツをクリーム系トマトソースで覆い、サワークリームのストライプを入れた美しいロールキャベツ。
付け合わせはマッシュポテト・ほうれん草炒め・人参グラッセ。
ロールキャベツの断面はキャベツと牛肉の層状。
見た目より軽め、サワークリームの酸味が全体を引き締めていました。

・B ロシア風やわらかハンバーグ（5,000円）（連れ）
デミグラスソースにサワークリームのトッピング。
付け合わせはマッシュポテト・ほうれん草炒め・人参グラッセ。
こちらは少し味見。
生地はふんわり柔らかく軽いです。

●デザート
洋梨のワイン煮、バニラアイスクリーム・柿・ラズベリー・ブルーベリー・ミント添え。
洋梨丸ごと1個、黄色とワイン色に染め分けた美しいコンポートです。
ケーキは入っていなくてもボリューム満点。
洋梨のサクサクした食感とバニラアイスクリームが好相性。

●食後の飲み物
紅茶、自家製ジャム添え。
ガラス器入りの紅茶は熱々。
ジャムを入れれば、おなじみのロシア紅茶です。
紅茶は濃いめに入れてあり。ジャムを多めに入れても甘すぎません。
ジャムにはお酒が入っていないので、お酒が弱い人も大丈夫。
今回はコーヒーを注文しませんでしたが、コーヒーとクリームの層が素敵なガラス器入り。
こちらもロシア風です。

コースの内容は期待通り、どの料理もおいしかったです。
料理はランチ並の速度で出され、待つことはありませんでした。
速度優先でも、メインを楽しんでいる最中にデザートのカトラリーを出すのは待って欲しかったけれど・・・。
滞在時間は1時間30分弱でした。

昭和の時代。
浅草のロシア料理の老舗「マノス」でボリュームの多さにギブアップ。
その後、ストロバヤやラルースも訪問したけれどコース料理は遠慮してきました。
ここは、そんなロシア料理の先入観を払拭できる店。
シェフは「マノス」のご出身ということですが、洗練された独自の世界を展開されています。
滞在中もひっきりなしに予約の電話が入っていたので、訪問時は予約をするのが確実です。