東京都台東区　上野駅すぐにある　品格が漂い　大将の技量が高い　天麩羅と寿司の名店　天通さん : 上野 寿司 個室 天通

本日もかっとばしてまいりましょうー。
コメントじゃんじゃんどうぞ。

東京都台東区上野駅からすぐの、天通さんに御邪魔しました。

麻布十番で10年連続ミシュランを獲得店した,よこ田さんの暖簾分けです。

よこ田さんと言えば天麩羅に「カレー塩」を世界で初めて導入した店です。
いまはいらっしゃいませんが、あのおやっさんのとてもきめ細やかな天麩羅の出し方と
食べ方を思い出します。

上野駅浅草口から出て3分ほどの場所にあります。
大通りの裏を入ってすぐの2階です。

大将の温かい出迎えを受け、カウンターに座ります。
結論を先にもってきますが、一見さんでも入りやすい大将の気遣いと心遣い。

3時間以上滞在しておりましたが、温かみのある接客と具材を深く知った説明。

どなたでも納得するレベルのカウンター談義でございました。
2万円を超えると味はどっこいのところが多いですが、対面でネタをさばくプロの話をじっくり聞けるのもまた楽しみの１つ。非常に楽しく充実したひと時でございました。

オープンしてまだ1年半ほど、店内も非常に綺麗です。
複数人で来店。

鮨と天麩羅コース　15000円をオーダー。

カウンターがL字型に10席ほど。
完全個室として区切ってあるテーブルが5つほどあります。

まずは生ビールで乾杯。
続いて、焼酎でもいただこうという話になり、

刻の一滴　シャルドネワイン樽　芋焼酎をロックで選択
シャルドネの樽漬けのため木樽からくるほのかなシナモンの風味とともに、
薩摩司さんの深みのある芋焼酎がマッチする。

そしてもう1杯は同じシリーズの麦。
刻の一滴　ピノ・ノワールワイン樽　麦焼酎
魚系はこちらの麦焼酎で麦の香りがかなりあり合いました。


●先付と前菜
クラゲと柿の白和、サンマのオクラ紫干し、落花生
シャリ感のあるクラゲと柿を白和えで融合させる味の妙。
サンマはまさに秋刀魚と書く秋の魚。そこにとろみのあるオクラが塩梅よく載ります。
落花生はまさにこちらも今の時期で殻をとると身の詰まったパンパンの実が姿を現します。

落花生は拙宅でも作ってますが、ここまでのサイズと味は難しいですね。

ナスと生ハムの前菜はナスの煮込み方が絶妙で醤油ベースのナスと塩ベースの生ハムのマッチングが素晴らしかったです。

●季節の椀物
海老真薯　澄まし仕立て
大振りの練り物が入り中もびっしりと歯応えのある海老がすり身ではいり、
歯応えも抜群。澄ましの出汁の味が最後まで舌に残る印象的な味でした。


●お造里
赤身中トロ、サワラ、甘エビ（卵付）
マグロは国内の時期による最適な港を選びチョイスするとのこと。
ヒカリモノはサワラ。この鰆は春の魚と書きますが、これからの冬場が一番釣れるし美味しい。
特に西日本は最高の漁場です。痛みが早いのでこの鮮度で食べられるのは嬉しいです。

甘エビは通常の味。
意外と甘エビの卵を丁寧にほぐすのも今季のいる作業なのですが、
そこらへんもしっかりされてます。

刺身包丁はドイツのゾーリンゲンを使ってました。
日本の包丁のメッカ、岐阜県関市にも支店があります。

かなりハイランクのゾーリンゲンでしたが、薄いものを崩さずにスパッと切るには、
このゾーリンゲンの包丁で、他の和食は日本の包丁を使っておりました。
間違いないですね。特に甘エビがぷりぷりで美味しい！

●いくらの小丼
大粒のいくらを集めてしっかりと醤油漬けにしたもの。
シャリは愛媛産の「ひのひかり」
これは嬉しいですね。最高に良いコメでした。

●茶碗蒸し
よこ田さんは茶碗蒸しが美味しい。
和栗、里芋、松茸と野菜たっぷり。
ここも例外なく、少しだけトロみががっていて舌触りがまろやか。具沢山です。

●壱 天麩羅 2種
車エビ　
ハゼ

油の少ないかりっとした焼き上げで胃もたれしない。
車エビは足の先から頭まですべて美味しく食べられます。

本家よこ田さんのような「食べ方」の指導がないところも嬉しい方は多いのでは。
ピンク岩塩中心の味付けで、元祖「カレー塩」はなし(笑)

●弐 天麩羅 3種
マコモダケ
かぼちゃ
オグラ

こちらは野菜シリーズ。衣の適度な厚さ、野菜の香ばしさを天麩羅でも感じられる技術。
さすがでございます。

●握り 5貫
大トロ
愛媛の天然真鯛
ニューカレドニアの天使のエビ
サバ
牡蠣

大トロと赤酢シャリの黄金セットは言うことなし。
さらに米の銘柄が愛媛産のひのひかりとは最高でした。

このレベルの店はマイナーな四国のコメを使う店が非常に少ないですが、
思い切ったチョイスと充分な後味が残る米本来の旨さ。
非常にうれしかったです。

天然真鯛はわたしも愛媛に釣りに行くのでもっと美味しく食べられるなと感じました。
昆布〆して時間が経ったほうが美味しいと言われますが、わたしは釣りたてを食べているため、
実が固いうちのほうが真鯛は美味しいですね。

サバも一級の味。関サバを堪能いたしました。

牡蠣は大振りでやっとこの季節になってきたなという感じです。
東北産の天然牡蠣の大振りさ。身の張りも素晴らしく普段牡蠣を好んで食べることはなかったのですが、カキの握りが一番印象に残りました。

●雲丹のONEスプーン
バフンウニのてんこ盛り。下には赤酢シャリがあり、ミニうに丼と言った感じです。
柔らかくて溶ける味というよりも、身がしっかりと詰まって味わいがあるというウニでした。

●揚出し
あなごの揚げ出し
ここでこのアナゴの味がしっかりと染みた出汁は最高ですね。
この上に焼酎のお湯割りか何かを掛けて呑んだら美味しいでしょうね。
御下品なのでやりませんでしたが。。

●巻物
トロと山ゴボウの巻物。
トロとヤマゴボウと日の光を組み合わせたので、それそれは美味しいです。

玉子
本家よこ田さんと同様、裏漉しをして、蒸して固めており吉兆の仕出しに出てくる玉子と同じ風合いでした。

●止椀
なめこと大葉の赤出汁　
ここら辺で汁物が欲しいところでの登場。通常の味でした。

御抹茶
甘味と一緒に召し上がりますので、甘みと苦みのバランスをとっていて、
飲んでいてもこの抹茶の深みを強く感じることが出来てよかったです。

●甘味
黒蜜ほうじ茶アイス、きなこのお団子、あずき、和歌山キウイ。
抹茶とのセットですので、このほのかな甘さが口の中に抹茶と２つの味を生み、
サッパリさせてくれます。

上位コースでしたが、非常にバランスがとれていて、とくに飲み物が御安い。
お料理を考えればもっとお値段を上げてもらっても良いくらいです。

ある程度の金額を払い総合的に御得に感じる。素晴らしい店でした。

全体的にすべて美味しくいただきました。
また御邪魔させていただきます。

有難うございました。