エース続投中 : カレー専門店 クラウンエース 上野店

上野でカレーといえばやはりここしかない！！
ちょっと久しぶりに老舗のカレースタンドであるクラウンエースを訪れた。
コロナ禍には一時は惜しまれながらも閉店してしまい
しかしその数か月後に常連さん達の熱い要望の元見事に復活をはたしたクラウンエースではあったが
リニューアルして再営業してからここまでは
コロナはその後もまだ続いているものの今日も元気に続投中の様子だ。
この日来店した１時半過ぎの時間にも５人程外で待つ人々の姿も見られ
相変わらずにこの店が愛されているようで、別に店の関係者でもなんでないのだが妙に嬉しくなってしまう。
ちなみに余談ではあるがこの店で女性のお客さんを未だかつて見たことがない。笑
リニューアルされてからのメニューは
特選カレー(ポークカレー)、カツカレー、ハンバーグカレーの３択制となり
もっともリニューアル前の豊富なメニューがあった時でも
この店ではカツカレー大盛り以外食べたことがなかったのだが
今回はハンバーグカレー大盛りを初めてチョイスしてみた。

注文してから約５分ほどでハンバーグカレーがやってきた。
いつも同様に黄金色に輝くカレーソースの上にはいつものカツの代わりにハンバーグが初めましてとばかりに乗っている。
福神漬けとラッキョウを乗せて早速頂いてみる事に。

意外と言ってはなんだが素朴な風貌ながらもちゃんと手ごね感が感じられてちょっと懐かしい食感のハンバーグだ。
これは冷凍物では絶対にないはず。
これがチキンや野菜が溶け込んでマイルドでなめらかなコクの洋風なカレーソースと相性バッチリ合う。
スパイス感は少なくコク重視のカレーかもしれないが
カレースタンドのカレーは汗をかかないで食べられるこの位が自分的にはちょうどいい感じだ。
初トライのハンバーグカレーもカツカレー同様に美味しく頂け満足であった。

今度ここを訪れる時にはカツカレーとハンバーグカレーの選択で大いに迷いそうだ。
今後も「エースは投げるよどこまでも」の精神で頑張ってもらいたい。
上野にクラウンエースがある安心感をしみじみと感じた優しい午後のひとときなのであった。

コロナ禍でいろいろなお店の営業情報が錯綜していた頃
やはりこちらのお店の情報も錯綜していた。
今年の１月に惜しまれつつ閉店したという情報。
緊急事態宣言に伴い休業しているだけだという情報。
常連さんからの強い希望ですぐさま４月には復活したという情報。
いったいどの情報を信じれば良いのだろうか。
そんなに何度もこの店を訪れた訳ではないし、
ましてや特に深い思い入れがこの店にあった訳ではない。
それなのになぜかどれが本当の情報なのかが妙に気になってしまった。
それだけ老舗ならではの独特の魅力がこの店にはあったという事なのであろう。
できる事ならば続けていて欲しい。
そんな思いで百聞は一見にしかずとばかりに上野近くで用があった際に足を運んで確かめてみることにした。
すると、以前と同じ上野アメ横の入り口近くで
以前と同じいかにも昭和のカレースタンドていう風貌で元気に営業しているではないか。
とりあえずは一安心だ。
それならば、ちょっと久々だけど復活をとげたこの店で
いつも通りにカツカレーを頂いていかない訳にはいかない。

お店は以前と同じく食券器前に行列ができいていて
相変わらずの盛況ぶりのようだ。
やはりこの店のファンは多いようでちょっとうれしくなる。
コロナ対策を施した一方の方向のみを向いたカウンターのみの席という以前と違う内装に変わっており
以前は無駄に多かった印象の従業員の数も必要最小限になった様子で
席を案内されてから料理がでてくるまでのオペレーションも随分とスムーズになり
メニューは少し減ってちょっとだけ値上がりしたものの
無駄をそぎ落として現在の時代に合わせた
進化した形のクラウンエースの姿がそこにはあった。

今回もいつも通りにカツカレーを大盛りで注文し
大いにこちらのカツカレーの魅力を楽しんできた。
以前はカツにカレーがちょっとかかったスタイルで提供されたのだが
カツにはカレーはかけずに提供するスタイルに変わった様である。
しかし肝心のカレーの方は以前と全く変わっていなかった。
黄金色に輝くカレーの色も
サラリとしたその食感も
辛さ控え目でコク重視のカレールーも
小さくてうすいながらもカラッとしっかり揚がった名脇役のカツも
何もかもが昔のまんまだ。
客人に若い人や女性をほとんど見かけないのも昔のまんまだ。
昭和の時代によく食べた
何となく洋食屋さんぽいコクのある財布に優しいちょいウマカレーてスタンスが
懐かしくもあり嬉しくもある。
店の上を電車が通るたびにゴトゴト揺れて
それでも食べる手を止めることなく一心不乱に食い続けるカレー。
永年培われてきたこのスタイル。
これはもう紛れもなくひとつの文化なのである。

真実は、
今年1月に惜しまれながら一度は閉店したのだが
常連さんたちの強い希望ですぐさま４月に復活して
そして現在も元気に営業中ということのようである。
ひとつの時代の終わりをひとびと達の手でまた復活させて
こうしてまたエースの輝きを放ち始めたのであった。

久々にアメ横までやってきた日曜日の昼下がり。
上野公園でのお花見の季節とも重なり
いつも以上の人で上野の街はごった返していた。
アメ横特有のこの雑多な風景はいつ来ても変わらない。
この雑多な風景に紛れ込むようにして
昔から変わらない昭和を絵にかいたような外観のカレー店が目の中に飛び込んできた。
「カレー専門店　クラウンエース」
外観のみならず、名前もなんか昭和っぽくて微笑ましいではないか。
昔からその存在を知っていながら食べる機会がなかったが
今日は幸いにもまだお昼を食べていないし、満を持してお邪魔してみる事にしよう。

店内はいびつな造りの１５席ほどのカウンターのみで
THE　昭和　スタンドカレー的な風景が何とも懐かしい気分にさせられる。
昼時という事もあり店はかなりの大盛況で先客が５人ほど席が空くのを待っている様子。
食券機でカツカレー大盛りを購入したわけだが
これが６００円という今時驚きの安さ。
５分位待ったところで店員さんに誘導された席に腰を下ろし店内を見回してみる。
みな一心不乱にカレーを食べ
食べ終わったらサッと席を立ち
空いた席にまたすぐ違う客人が腰を下ろし
また一心不乱にカレーを食べ・・・。
そんな風景を眺めているうちに私の席にもカツカレー大盛りが運ばれてきた。

黄金色に輝くカレーにルーにカラッと揚がったカツ。
王道ぽい外観のこのカツカレーをさっそく頂くことにしよう。
カレーはとろみが少なくさらっとした感じ。
スパイシーさは少ないがマイルドな辛さが何とも心地良い。
家庭ではなかなかだせない独特のコクがある。
カツは小振りで薄目だがカツカレーのカツはこの位がちょうどいい。

驚きの美味しさこそないかも知れないが
何とも安心できる美味しさがここにはある。
きっと、いかに安くて万人に美味しいと言ってもらえるカレーというものを追及していった結果
この味にたどりついたのだろう。
おそらくはずっとこれからもずっとこのままの
永久不変のカツカレー。
いいじゃあないですか。
おっと、いけない！
こんな感慨深く考えていないで、他の客人のように食べ終わったらサッと席を立たないと。

私の座っていた席には
すぐに私と同年代位のお客さんが座って
満足そうにカツカレーを頬張るのであった。
この味。この風景。この空間。
時代は流れてもこれからも上野には
きっとクラウンエースが君臨し続けるであろう。