閑静に佇む肉匣 : 肉亭ふたご iki 本郷三丁目店

■2019.03.15（金）19:00〜訪店

■お店

閑静な雰囲気が漂う東京大学は文京区の
本郷通りから一本入った路地裏。

落ち着いた街並みの中、
『肉亭ふたご 本郷三丁目店』が静かに
佇んでます。

大きな双子のシンボルマークに白い暖簾を
くぐりますと趣のあるエントランスが
目の前に広がります。
足元の灯篭を頼りに小径を進みますと
正面に千本格子戸がお出迎え
壁際のインターフォンのスイッチを押して
名前を告げますと
係りの方がお越しです。
格子戸を開いて頂きます。
湖岸に佇む老舗旅館のような玄関が広がり
清々しい開放感が溢れてます。

靴を脱いで琉球畳の廊下を進み
個室に通されますと落ち着いた床の間に
シックな和空間の佇まい
ここはホントに焼肉屋さん？と
思ってしまいます。

肉亭ふたごからのIKIなメッセージ

「活」…上質で鮮度の高い食材への拘り
そこに最大限の手間をかけて
「馳走」としてのYakinikuを追求し続けます。
「息」…お客様と息を合わせる。拙亭がたどり着いたおもてなし、それは、格でも華でもなく「息」でした。
「粋」…日常と非日常の間に佇む和のしつらえ。作り手のこころが宿った端正な和の器。
そのすべては、最上のYakinikuのために。
「意気」…意気揚々、意気軒昂、意気投合。
どうか、大切なお客様お一人お一人の
意気が上がりますように。

■本日のお献立 弥生

○最初の一口

・牛骨のコラーゲンスープ

食前のお飲み物でお肌にも胃にも優しく
慣らし運転をさせて頂きます。
かなり牛の獣風味漂う濃厚なスープ味
牛のエキスがギュッと詰まって
体内に流れ込んでくるように感じます。
チョット冷えた体には
ゆっくり舌から体内に滋養と強壮が
染み渡って来る感じです。
後味も良し。

①先附 筍の木の芽味噌掛け

・牛筋
・木の芽味噌
・こごみ
・カダイフ

薫る香る芳りまくります。
春の匂ひ振りまく木の芽和えが
牛のテールをコトコト5〜6時間かけて
煮込んで穏やかな春の味

こごみの天辺に
ふわふわと雲みたいに浮かぶカダイフ
軽くカリッと歯に当たる食感が心地良い食材と
春を囁きかけるこごみ
其処に木の芽の甘みが和えられて
春の香りを呼び込んで
出汁にたっぷり浸された筍のうま味が
絡みます。
筍の陰に隠れてましたのは
お肉のうま煮
このお肉がとろっトロに柔らかく
優しい肉布団で歯を包み込みます。
お肉の甘味が口内に充満です。

②八寸 季節の盛合せ

・上ミノとイカのぬた和え
・ポテトサラダ
・桜寿司
・菜の花ナムル
・そら豆蜜煮
・たらこのゼリー寄せ
・花びら百合根

お肉の旨味と季節の旬を織り交ぜた春の味覚の
バリエーションが豊かに花咲く八寸
桃色にほんのりと染まって
春化粧な鱈子の煮凝りが美しい。

ポテトサラダとは思えない外観の青海苔を
塗してあるまん丸い苔模様のポテトサラダ
黒毛和牛の棒鮨は桜の葉で纏われて
春の香りを佇ませて
牛の旨味をたっぷり含んだ棒鮨です。

かなり大きな空豆さんがお供として控えて
お淑やかな蜜煮の甘さを振り撒いて
程よいアクセントの味覚。
桜の蕾が春の舞を感じさせて
百合根の花弁が八寸に散ってる様子が
桜吹雪の様な風情を感じる施しです。

舌で感じる美味しさが、
目に映る美味しさと重なって
心に春の味覚を植え付けて行きます。
このコースにサービスとして供されます
獺祭が進んじゃいます。

③御椀 海老真丈

・椎茸
・たらの芽

お出汁が美味い！
何と奥深い味わいな事
流石お肉料理屋さんです
鰹出汁に牛のテールをコトコトと煮込んで
出汁を張ってます。
いやぁ、旨味がコク深く
舌が不覚に陥らんとするのです。
海老しんじょが海老風味を吸い地に
投げかけていてテールスープみたいな旨味と
しんじょの優しさが溶け合うのです。
そのコク深い味わいが
ヒタヒタと舌にじんわり寄せてくるのです。
余韻残します。

④御造り 和牛サーロインの軽い炙り雲丹巻き

・雲丹

鮪の漬けの様に牛のお刺身を漬けたものの中に
生雲丹さんがお隠れ遊ばしで御座います。
おほほほほと舌さんが笑みを浮かべて
牛の助さんと雲丹の格さんが
名コンビを演じて踊りまくりです。
一口でお口に方張ると
誠に美味なる喜びの美声が響き渡ります。
ルール違反な鉄板コンビ。
この旨味同士の組み合わせは反則料理とも
思えます。
舌に入り込んでくる生肉は
中とろみたいに舌の中程で蕩けて行き
もう、その甘味の円やかさに
陶酔してしまいます。
お肉の旨味と生雲丹の甘味が同時攻撃してくる
官能的な肉布団で御座います。

⑤名物 肉亭のだしだれ焼き

・和牛うちもも
・牛骨の出汁

賄いの方が焼いてくれます。
焼いた直後にお肉を牛骨の出汁に
サッと潜らせて旨味を膨らませます。
まさに肉絨毯です。
大きく広がる一枚のうちももを網の上に
置きますとジュ〜ッという音とともに
モクモクモクと煙が立ち上り
お肉の甘い香りが鼻腔を突いてきます。
牛骨のお出汁のタレは牛骨スープから雑味を
取り除いた様な澄んだ味で
牛の甘味を圧縮して品の良い
コクが浮き上がってくる味わいがあります。
その出汁にサッと浸らせてからうちももが
熱々な旨味をお口に放り投げてくるのです。
これは実に美味い！

⑥にく匣 厳選黒毛和牛五種盛合せ

さぁ、待ちに待った肉匣です。
お薬味は、

・山葵
・コチュジャン
・柚子ぽん酢おろし
・特製のタレ

ご登場しましたのが牛ぎゅう詰めセットの
これこそ酒池肉林な肉匣
その魅惑的なお肉の勢揃い模様に
興奮状態で有ります。

・厚タン二枚
・ミスジ一枚
・サーロイン二枚
・トモサンカク二枚
・上ハラミ一枚
・海老
・太ネギ
・アスパラ
・エリンギ
・茄子
・牛脂

この肉匣がお一人様ずつ眼前に配置された瞬間
全員お口を揃えて、わぁ〜と放ち
女性陣はキャ〜とお叫び
見ただけでテンション超舞い上がります。
何とも雅な出で立ちなのでしょう。

では、早速厚切りのタンから焼き始めます。
此方のタン様、誠に厚みのある膨よかな
肉質にて
まさに肉の味覚をたん能で有ります。
タンの持つ粘り強さと肉自身の甘味が
ジューシーに溢れかえります。

ミスジ様、脂のノリが宜しいようで、
ジュワジュワに焼いてますと
ジュージューに脂が肉襞から浮き出てきて
その脂質の甘味が肉片を覆い尽くして
パクリと頂きますと
こりゃウメェ〜、この上なくお肉が柔らかくて
旨味が脂と一緒にお口の中を駆け巡るのです。

サーロインも言うことなし、
文句無く豪快な美味さで
そのサシの細やかさが
耽美な旨味をお口に散乱し、
蕩ける様に柔らかい食感を楽しめます。

また、
赤身とサシのバランスの良いトモサンカクさん
モモ肉としては一番霜降りの多い部位なので、
甘味が突出してます。
気品溢れる旨味を振り撒いて舌を
喜ばしております。

立て続けにお肉三昧の味覚に振り回されて
舌が忙しくなってチョツトお疲れ気味の所に
塩梅よくお葱と茄子さんを焼いてお口直しを
セットします。

シメのお肉は大きく広がるハラミ
赤身の肉質が柔らかく脂質も豊かで
お肉の持ち味が濃厚に現れ
旨味が迸る味わいを頂けます。
ハラミを食べると
オォ、食ったぞ〜とばかりに満足度が
高まります。

⑦口直し 季節のシャーベット

舌が熱くなってる所をヒンヤリと冷まして
お口をリセットです。

⑧御食事 1 秘伝の卵かけご飯

・赤だし
・香の物
・雑魚山椒

卵の黄身が濃厚な甘みを携えて
ご飯を蹂躙しつつ
その甘味で舌を蕩けさせます。
お醤油の甘さも手伝って美味しさが
膨らみ続けます。

この黄身の濃厚な
ネットリ感
トロリ感が
たっぷり舌に抱き付いてきて
秘伝のタレ漬け卵の甘味が冴え渡ります。
これは印象的なTKGです。

⑨御食事2 盛岡冷やし麺

出汁の氷が表面に浮いてます。
出汁の氷自身が冷麺をうま味で冷やして
浸し地の様に絡んできます。

うずらの卵
腰の強い麺
ピリ辛具合のバランス
辛すぎず甘過ぎず
それでいてピリッと引き締まった冷麺

この全てが融合して冷麺料理全体を調和させて
美味なる味覚を舌に届けてくれます。

⑩甘味 抹茶ムース

・餡子
・きな粉

抹茶ムースに漉し餡を掛けてます。
お好みできな粉を添えて頂きます。

⑪甘味

・俺じなるヨーグルト

誠に艶やかに4つのIKIを頂きました。
粋な日常を堪能させて頂き
活きた馳走に感動です。