惜別の辞 業態変更&移転前「最後の絶品料理」・・・気がつくと朝(笑) : Abats.

この口コミは、hongo555さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

5.0

¥15,000~¥19,9991人
  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0

5.0

¥4,000~¥4,9991人
  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
2020/08訪問12回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥15,000~¥19,9991人

惜別の辞 業態変更&移転前「最後の絶品料理」・・・気がつくと朝(笑)

8月末でこちらのお店を閉めると聞いたのが前回伺った時。
突然のことで冗談かと思いましたが店主の気持ちは決まっていたようです。
あっという間に最終日と相成りました。

コロナで売り上げが激減する店&閉店する店があるなか、こちらは勝手連的常連(笑)が応援に大挙して押しかけて繁盛するという稀有な店です。
しかし、コロナ禍で思うところあったようで、料理を提供するよりも厳選した素材でシャルキュトリを販売する店舗を出したいとのこと、こちらのお店を閉めて11月くらいを目処に江戸川橋界隈で再スタートを切ることになりました。

今日は本郷のお店の閉店を惜しむ常連で寿司詰め満員、席がないのでワインだけ飲んで店主に声を掛けて帰る客もいます。
皆さん名残惜しそうに店主と言葉を交わしています。
でも、3密じゃないかこれ、入口のドア開けといてよ!・・・といってもひっきりなしに誰かが出入りするのでドアは開けっ放しと同じです(笑)。

それだけこの店は愛されていたわけで。
これも店主の傍若無人な振る舞いと物言い(笑)とは対極の、繊細で他では味わえない料理の数々を知ってしまった客がせっせと通った結果です。
店主は中途半端に体育会で(笑)、若い客にはグラスワイン頼むと注ぐ手間かかるからボトルにして勝手に飲んでろとか言う割に、私のような年上にはボトルで頼んでいてもグラスが空く前に注ぎに来る男です。

この店には本郷に住んで以来10年以上、折に触れ通いました。
季節のジビエと魚介、全部一から手作りのシャルキュトリ、他ではあまり見かけない美味しいワイン、何よりエレガントで唸るしかない料理の数々と、忙しくなるのが嫌いで料理が一段落すると私の前に椅子を出して一緒に飲み始めちゃうラフな態度がこの店のユニークな、まさに独自という意味での特徴でした。

グランメゾン級の料理が出てきて、素晴らしいワインが供され、自家製の4年ものの蝦夷鹿のハムが前菜に出てくるガストロノミアをずっとワンオペでやり続けてきました。
店主が性格的にほかの料理人を使えないタイプであることは重々承知していることですけど(笑)、もしこの人が後進をきっちり指導して優秀なチームを作れていたなら、確実に星やらビブグルマンやらが後ろからついてくる店になっていたことと思います。
ただ、そういう店になって欲しいという気持ちは全くなくて、地元で飛び切り旨い料理とワインを出してくれる大好きなビストロであり続けてくれると信じて疑わずに10年通っていたわけですから自分にとっては生活の一部&日常そのもの、なのでこちらを閉めると聞いた時の衝撃はすごかった。
この街で生活してきてこれほど落胆し残念に思ったことはありません。
時の流れは無情です。

でも、最後のディナーはいつもと変わらずスタート。
カウンター正面の厨房奥が見えるいつもの席に座り、いつものように出てくる泡をいただきます。
そしてここのところ毎回決まって出てくる砂肝のコンフィ。
自宅でも火を入れていただくことがあったのですが、やはり店の味には仕上がりません。
強火で表面だけ火入れして、コンフィなのにカリッと仕上げるのが独特で美味しいんです。
これもこの店で食べる最後ですけど、いつもと変わらず美味しい(当たり前だ)。

店主が出してくれた最初のワインはK19AK_DDという山梨の白ワイン。
意外だ、国産も出すんだね。もちろん初めて飲みます。
白ですがオレンジワインのようなくすんだやや明るい橙色です。
香りは爽やかでりんごのようです。
口に含むと軽くて甘く、後から若干の酸味と苦味が感じられます。
色のイメージもあるのか、少し柑橘系の味わいもあります。
肉にも魚介にも合いそうなユーティリティプレイヤーです。
美味しいなぁ。こういうワインをどこから見つけてくるんだろうか。

アミューズの後は魚介が出てきました。
今日はシャルキュトリじゃなく魚介メインと聞いていましたのでそれはそれで楽しみです。
出てきたのは黄羽太です。おお、ハタを使うとは珍しい。
根セロリと梨をゴロゴロと切って黄羽太とマリネしてあります。ライムの香りが爽やかなセヴィーチェですね。
北海道の実家から送ってきた香りの高い茗荷とブロッコリースプラウトが味のアクセントです。
黄羽太は淡白ながら旨味が十分で、根セロリや茗荷の苦味と梨の甘さが絶妙。
あれ、こんな料理もできるんだね。すごいなぁ。
ワインとのアッビナメントも抜群です。
秋を先取りしたような一品でした。

お次の料理は大きな帆立の貝柱と自家製ベーコンのソテー。
マッシュした茄子が敷いてあります。
素材の味だけで塩は使っていないようですが十分旨い。
ベーコンの塩味が帆立を肉のようにがっちりした味わいに引き立ててあります。
噛み締めると徐々に肉が魚介に変化していく感じ。
なんとも不思議でオリジナリティのある料理です。
敷いてある茄子の甘みがまた帆立の旨味を強調しています。
よくこんな料理思い付くね、と店主に聞いたらパクった!と言ってました(笑)。

K19AK_DDにはちょっと荷が重かったので、即飲み干してマコン・フュイッセにチェンジ。
ドメーヌ・ジルーの2006年シャルドネです。
これは素晴らしく旨い。こんなワインどうやって引いているんだろうか。
数は少ないけど美味しいワインだと言っていましたがまさにその通り。
リュット・レゾネのビオワインです。
シャープな香りと伸びやかな甘み・酸味があり、かなりの後引きです。
ベーコンの香りをまとってソテーした帆立の貝柱にピッタリハマりました。

次も魚介かな・・・とよく見たら鮑の肝焼きです。
なんだか最後に大盤振る舞いしてないか?(笑)。
ちょっと独特の匂いがしますがにらをソテーしてマッシュしバターと一緒に焼いてあるんだそうで。
また面白いことするねぇ。
香りは思いの外きつくなく、鮑の肝とニラとバターが一緒になるとこんな味なの?という料理でした。
ワインでフランベしてから使っているので、ほんのり甘い香りもしますが味は男前です。
マコン・フュイッセにしておいて良かった。
この硬派なテクスチャをしっかりサポートしてくれました。
こういう時のビオワインって外れるとどうしようもなくなりますが、今日は大当たりです。

で、美味しくて興奮気味に食べていると今度はサラダです。
桃とグリーンアスパラガスとチコリを和えたあっさりしたサラダ。
ニラバターで焼いた鮑の肝の後ですから、リセットですね。
でもコントルノのような皿でもそこは店主の技が効いていて、苦味のあるオリーブオイルががっちり桃の甘みを引き出しています。
苦甘いっていうのは口の中がさっぱりしますね。

カウンターの奥で食事しているご夫婦と思しきお二人には見覚えがなかったのですが、この店を閉めた後に入居するイタリアンのシェフと奥様だと店主に紹介してもらいました。
もう次が決まってるんだ、やること早いねぇ(笑)。
トスカーナで修行してきたそうですから、オープンしたら一度伺ってみることにします。
ほぼ居抜きでお店を使うようですけど使い難くないんだろうか。でも開店が楽しみです。
たっぷり召し上がって皆さんに挨拶してお帰りになりました。

いよいよメイン。この店で味わう最後のメインはなんでしょう・・・
お、羽太ですね。黄羽太ではなく真羽太です。鮑の次は羽太とは頑張ったね。
敷いてあるソースは鮑の肝です。
肝焼きの残りかと思ったけど(笑)当然別に仕立ててあります。
皮目がこんがり焼けていてとても美味しそう。
付け添えはクスクスです。

切りつけは小さめですが身は厚くとてもジューシーです。
身から脂がじわじわと湧き出してきてさすが羽太ですね、旨味がぎっしりです。
この時期でも真羽太が獲れるところがあるのか聞いたら、知り合いの漁師の網に偶々引っかかったんだとか。
季節外れの美味しい味覚を楽しませてもらいました。
でもこれで最後か・・・

と思ったら、今度は仔牛肉が出てきました。
客の気持ちをよく理解しているようです(笑)。
ホワイトヴィールがポアレしてありますよ。
下に一緒に炊いたフォンと焼き目のついた赤パプリカが敷いてあります。
中は半生ですが、フォンで炊いてあるのでとてもジューシーで軽い。
柔らかいだけでなく、肉の弾力が感じられて食べ応えがあります。
こんなに美味しいポアレは食べたことないなぁ。

あの料理も最後、この料理も最後、みんな最後と思ってしっかりいただきました。
こんなに美味しい料理を、こんなにフランクに楽しく食べさせてくれた店は他にありません。
今日で閉めてしまうとは本当に残念です・・・
これまでいただいた数々の料理はしっかり記憶に留めてありますが、これからは思い立ってもいただけないとは悲しい。

惜別の想いが募り、いつまでも立ち去らない客と一緒に飲み会が始まりました。
料理のサーブは終わったので、店主はいつものようにドッかと私の前の椅子に座ってワインをガブガブ飲みます。
どの客も残念な気持ちでいっぱいでしょうに、湿っぽい空気は皆無です。
この店らしく、ラフにぐいぐいワインを飲んで楽しく語り合いました。

で、気がつくと翌朝(笑)。
店主と終電を逃して帰れなくなった客に、近所なのに飲み汚くて居座った客(我々夫婦です)の6人で飲み続けました。

これまで本当にお世話になりました。
この店ほど素敵な店にこれから出会える自信はありません。
もし出会えるとしたら、11月開店予定のシャルキュトリ専門店でしょうか。
次の店でも大いに楽しませてもらいたいものです。

店名も変えないそうですから、Abats.第二章がこれから始まるわけですね。
シャルキュトリの販売なら毎日早く店を締めることができますから、まだ小さいお子さんの面倒も見られます。
とても子煩悩な店主ですから、お子さんの成長を身近で見守れるようにとの考えもあったんでしょう。
客より家族です。当然です。
でもこの店を愛した客が結構たくさんいたことも忘れないでね。

ご馳走様でした!!・・・とは今日(今朝)だけは言いたくないなぁ。
大好きな店でした。

これまで本当に本当にありがとうございました!!

  • Abats. - 砂肝のコンフィです いつものアミューズなんだけど最後のアミューズ

    砂肝のコンフィです いつものアミューズなんだけど最後のアミューズ

  • Abats. - 慣れ親しんだカトラリーともこれでおさらばだ

    慣れ親しんだカトラリーともこれでおさらばだ

  • Abats. - 1本目のワインはK19AK_DD ラベル下のQRコードを読むと聴かせて寝かせた曲が聴けるらしい

    1本目のワインはK19AK_DD ラベル下のQRコードを読むと聴かせて寝かせた曲が聴けるらしい

  • Abats. - 甲州種で造った白ワインです ただ甘いだけだった日本のワインがこんなに美味しく進化しているなんて驚きです

    甲州種で造った白ワインです ただ甘いだけだった日本のワインがこんなに美味しく進化しているなんて驚きです

  • Abats. - セヴィーチェとは最初から変化球系の皿が登場(笑)

    セヴィーチェとは最初から変化球系の皿が登場(笑)

  • Abats. - 黄羽太に根セロリと梨を合わせてあります 実家の茗荷の香りが素晴らしい

    黄羽太に根セロリと梨を合わせてあります 実家の茗荷の香りが素晴らしい

  • Abats. - この自家製パンは次の店でもシャルキュトリと一緒に販売するのかな

    この自家製パンは次の店でもシャルキュトリと一緒に販売するのかな

  • Abats. - 帆立の貝柱と自家製ベーコンのソテー マッシュした茄子が敷いてあります

    帆立の貝柱と自家製ベーコンのソテー マッシュした茄子が敷いてあります

  • Abats. - マコン・フュイッセにチェンジ ドメーヌ・ジルーの2006年シャルドネです

    マコン・フュイッセにチェンジ ドメーヌ・ジルーの2006年シャルドネです

  • Abats. - 鮑の肝焼きはニラバターで焼いてありました これは絶品です

    鮑の肝焼きはニラバターで焼いてありました これは絶品です

  • Abats. - 今日のメニューが何も書かれていない黒板が店の終わりを告げています この光景には胸が詰まってしまう

    今日のメニューが何も書かれていない黒板が店の終わりを告げています この光景には胸が詰まってしまう

  • Abats. - 桃とグリーンアスパラガスとチコリを和えたサラダ 口直しの割には結構なポーションだ

    桃とグリーンアスパラガスとチコリを和えたサラダ 口直しの割には結構なポーションだ

  • Abats. - メインは羽太のグリルでした 最後のメインです

    メインは羽太のグリルでした 最後のメインです

  • Abats. - 知り合いの漁師の網に偶々引っかかった季節外れの羽太が最後のメインとはこの店らしい(笑)

    知り合いの漁師の網に偶々引っかかった季節外れの羽太が最後のメインとはこの店らしい(笑)

  • Abats. - メインは食いしん坊向けに魚と肉両方ありました(笑) 仔牛のポアレです ポアレする前にフォンで炊いてありますね

    メインは食いしん坊向けに魚と肉両方ありました(笑) 仔牛のポアレです ポアレする前にフォンで炊いてありますね

  • Abats. - この厨房で魔法のように次々と素晴らしい料理が出来上がっていくのを呆然と眺め続けましたが今日で見納めです

    この厨房で魔法のように次々と素晴らしい料理が出来上がっていくのを呆然と眺め続けましたが今日で見納めです

  • Abats. - 何だかワインが勝手にポンポン開いてカウンターに置かれて飲み会に

    何だかワインが勝手にポンポン開いてカウンターに置かれて飲み会に

  • Abats. - 店主は価格に関係なく美味しいワインを本当によく知っています・・・で一緒に飲み続けて気がつくと朝(笑)

    店主は価格に関係なく美味しいワインを本当によく知っています・・・で一緒に飲み続けて気がつくと朝(笑)

  • Abats. - もう明かりが灯ることのない店の入口・・・本郷で12年 本当に楽しい&美味しい店でした ありがとうございました!新店にも期待しています!

    もう明かりが灯ることのない店の入口・・・本郷で12年 本当に楽しい&美味しい店でした ありがとうございました!新店にも期待しています!

  • {"count_target":".js-result-Review-119781621 .js-count","target":".js-like-button-Review-119781621","content_type":"Review","content_id":119781621,"voted_flag":null,"count":164,"user_status":"","blocked":false}
2020/07訪問11回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥15,000~¥19,9991人

8年ものの岩中豚&4年ものの蝦夷鹿!絶品シャルキュトリ

本郷三丁目に燦然と輝く孤高のガストロノミア、Abats.です。
現在はランチ休止中で、毎週水〜土のディナーのみ席数を限って営業しています。
毎日300人だ400人だと東京のコロナ新規感染者は増加中ですから、本郷界隈も夜の人出はさっぱりです。
どの店も閑古鳥が鳴いてますが、こちらは少数ながらも毎日コンスタントな来客があるようです。
さすが人気店、旨いものを手頃な価格で楽しませてくれる店には胃袋を掴まれた客が夜な夜な訪れて来るんですね。

それにしてもGoToトラブル(笑)は継続するのにお盆の帰省は自粛しろだの、総合的に判断すると爆発的感染には至っていないだの、認識の甘さと対応の迷走ぶりばかりが目立つ昨今、せめてしっかり肉でも食って夏負けしない身体を作ろうとやってきました。
夜の飲食は基本的に徒歩圏&なるべく短時間で済ますように心掛けています。
9日間で1万人も感染者が増えている状況ですから、最早どこで感染しても不思議ではありません。

さて、本日電話してから伺ってみると先客はお一人様が2名だけ、我々と離れた席に座っていますのでソーシャル・ディスタンスは保たれています。
換気もしっかりして3密を回避した上で営業しています。

先づ泡をいただいて黒板メニューを拝見しましたが、先日から大きく変わっていません。
こういう時は黒板に書かれていないメニューが出てくることを期待してお任せにします。
それでもワイフは鮎のコンフィがあったら必ず入れてとリクエストは怠りません。
任せたんだから任せればいいのに(笑)。

アミューズにはいつもの砂肝のコンフィ。
軽く火を通してあって、美味しそうな香りを纏って小皿に乗って出てきます。
これ食べるとAbats.の料理始まりっていう実感が湧きます。
胃の噴門部も開くというものです(笑)。

ワインはオススメのカラバーリョ、マルヴァジアです。
シチリアの白ワインですが、よく見たらSalinaと書いてあります。
サリーナってシチリアの脇の小さな小さな島ですよ。
ストロンボリ島よりは大きいけど。
あんなところでワイン造ってるのかと、ちょっとびっくりしました。
あとで調べてみよう・・・

産地には驚きましたが、ワインは酸味があってややドライ、至って飲みやすいです。
レモンのような柑橘系の香りがします。
これはこの店の料理に合うな。
出足快調です。

最初に出てきたのはシャルキュトリ各種。
あら、この店に似合わないかわいいポーションですけど、貯蔵庫を整理していて偶然発掘された長期熟成系(笑)なので是非とのこと、それは有難き幸せです。
貯蔵庫から偶然発見って・・・そんなことあるのかなと思いつつ、自分に当てはめるとCDやLPの棚を整理していて、レアなCD発見したり同じアルバムが複数(それも3枚とか)出てきたりすることがありますから、まあそういうことなのかなと。

それにしても、8年ものの岩中豚に4年ものの蝦夷鹿、真鴨は2年、一番短い合鴨でも1年寝かせてある(正確には知らずに寝てた)・・・って凄いね。
お任せしたらメニューに載っていないものがいきなり出てきましたよ。
任せて良かったです(笑)。

どれも水分がすっかり抜けて肉の持つ旨味が凝縮されています。
小さいですが噛むほどに旨味が溢れ出してきて、一枚でワインが一本空きそう。
特に蝦夷鹿は大変エレガントな旨味があって、忘れがたい味でした。
岩中豚もとても旨い。はっきり言ってヤヴァいくらい旨い。
他の肉ももちろん旨いんですけど、岩中豚と蝦夷鹿にヤラレました。

お次は薩摩地鶏と栗のパテ。
スライスして重ねてあります。
パテですが栗が固いので食べやすいように配慮してくれているんですねきっと。
若鶏のバロティーヌ、パテ・ド・カンパーニュ、それにブーダン・ノワールを勝手にAbats.三大シャルキュトリと呼んでいますけど(笑)、それに次ぐ旨さ。

と思ったらブーダン・ノワールが登場。
やはり1年ほど寝かせたものらしく少ししかないけど食べてとのことです。
普通は腸詰にしますが、こちらではパテとしてつくります。
このほうが寝かせるのに向いているんでしょうか。
濃厚な旨味とスパイスの香りが素晴らしい。
マルヴァジアでは負けてしまいそうです。
フルボディの赤が欲しくなりますが・・・今日は蒸し暑いから白で。

Le Rocher des Violettesという(フランスのワインは全くわからない)シェニンブラン100%の白ワインが出てきました。
桃のような甘い香りがしますが、案外ドライで酸味もそこそこあります。
香り華やかでボディはしっかり、喉越し爽やかですね。大変美味しいです。
ところでモンルイ シュル ロワールってどこだ?(笑)

お次は突然のガスパチョ!
この店でガスパチョが出て来るのは初めてですが、これだけ蒸し暑いと確かに飲みたくなる味です。
グリーンと赤の2層になってますね。オシャレです(笑)。
下層のグリーンはスパイシーなきゅうりで胡椒が効いています。
上はもちろんトマトで生にんにくが効いたエッジの効いた味。
程よい酸味もあって喉を冷たく滑っていく感じが堪らない。

通称スペインのフライパン地方、グラナダでもセビージャでもヘレスでも毎昼&毎晩欠かさずいただいていました。
レシピは店ごとに違うそうですが、トマトとにんにくたっぷりという基本は同じです。
グラナダの露店で飲んだガスパチョが美味し過ぎて忘れられません。おかわりしたもんなぁ(笑)。
なんてことを思い出す美味しさでした。
しかも冷えたワインととてもよく合います。

さて、ワイフお待ちかねの鮎のコンフィが出てきましたよ。
前回いただいたものよりさらに太った立派な天然鮎です。
よくこんな鮎が手に入るものだと感心します。
完成まで1週間ほど寝かせてあるそうですが、骨もほろほろと崩れるほど柔らかく、甘い身とほろ苦いワタと一緒にいただくと盛夏の味です。

長らく鮎は塩焼き&土鍋炊き込みご飯に勝る食べ方はないと思っていましたが、ここ数年鮎のコンフィをいただくようになってその考えがぐらついています。
興奮する旨さというか、嗅覚、味覚&食感、視覚に訴える旨さです。
お任せにリクエスト入れてくれてありがとう(笑)。

今度はお肉ですね。
ホロホロ鳥のソテーに自家製ベーコンが合わせてあります。
肉汁にワインとワインビネガーを合わせたシンプルなソースが回し掛けられており、軽い味わいに仕上げてあるのに旨味がすごい。
先日、中目黒でいただいたホロホロ鳥のグリルも絶品でしたが、これはそのさらに上を行く旨さです。
ベーコンの燻製香と脂がホロホロ鳥の淡白な美味しさにインパクトを加えていて、ソースの軽い酸味と甘味が余韻を楽しませてくれます。

いつも感心するんですけど、グランメゾン並みに完成度の高い皿がさりげなく出てくる店です。
シェフに人を育てる能力とか、統括して作品を作り上げる能力があれば、今頃どこぞの有名レストランの顔として活躍しているんではないかと妄想してしまいます。
この人にそんな能力ゼロだもんね(笑)。

ということで、客も少ない&知った顔ばかりなので、あとは適当にワインが開いて飲み会になりました。
シェフも飲むので全員で割り勘です。
こういう客との繋がりを仕事としてではなく軽やかに楽しめる仲間ウチのサロンのような雰囲気が、この店の真骨頂なのだと改めて思いました。
よく覚えてないけど一体ワイン何本空けたんだろう・・・

ああ楽しかった。
少人数で適切な距離を保って換気を怠らなければ、十分楽しむことができますね。

ご馳走様でした!!!

  • Abats. - 黒板メニューは少しずつ変わるのでよく見ないと変化がわかりません(笑)

    黒板メニューは少しずつ変わるのでよく見ないと変化がわかりません(笑)

  • Abats. - アミューズの砂肝のコンフィ 温めてあって香りが素晴らしい 食欲全開の合図です!

    アミューズの砂肝のコンフィ 温めてあって香りが素晴らしい 食欲全開の合図です!

  • Abats. - 長期熟成の豚 鹿 鴨などが出てきました

    長期熟成の豚 鹿 鴨などが出てきました

  • Abats. - なんとサリーナ島で生産されたワイン登場! よく手に入ったね

    なんとサリーナ島で生産されたワイン登場! よく手に入ったね

  • Abats. - 薩摩地鶏と栗のパテ 旬の隠元のサラダが添えられています

    薩摩地鶏と栗のパテ 旬の隠元のサラダが添えられています

  • Abats. - パテは食べやすいようにスライスして出してくれました

    パテは食べやすいようにスライスして出してくれました

  • Abats. - 毎回絶品のブーダン・ノワールですが今日は1年もの さらに絶品!

    毎回絶品のブーダン・ノワールですが今日は1年もの さらに絶品!

  • Abats. - シェニンブランって滅多に飲まないけど爽やかで美味しいワインです

    シェニンブランって滅多に飲まないけど爽やかで美味しいワインです

  • Abats. - 2層構造のガスパチョです 初めていただきましたが本格的

    2層構造のガスパチョです 初めていただきましたが本格的

  • Abats. - ワインにも合うしパンを浸して食べても旨い〜!

    ワインにも合うしパンを浸して食べても旨い〜!

  • Abats. - 旬のピークを迎えた天然鮎をコンフィに 塩焼きより美味いかも

    旬のピークを迎えた天然鮎をコンフィに 塩焼きより美味いかも

  • Abats. - 一週間以上かけて完成するそうです 頭から尻尾まで全部残さずいただきました

    一週間以上かけて完成するそうです 頭から尻尾まで全部残さずいただきました

  • Abats. - ホロホロ鳥とベーコンのソテーです ソースが絶品でワインが際限なく飲めそう

    ホロホロ鳥とベーコンのソテーです ソースが絶品でワインが際限なく飲めそう

  • Abats. - 割り勘でワイン飲もう!とポンポン開けて飲み始めましたが・・・このあと何本空いたのかな(笑)

    割り勘でワイン飲もう!とポンポン開けて飲み始めましたが・・・このあと何本空いたのかな(笑)

  • {"count_target":".js-result-Review-118728601 .js-count","target":".js-like-button-Review-118728601","content_type":"Review","content_id":118728601,"voted_flag":null,"count":131,"user_status":"","blocked":false}
2020/06訪問10回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥10,000~¥14,9991人

6月から待望のディナー再開! 当面は席数限定&水〜土営業

毎度お馴染み本郷三丁目に燦然と輝く唯我独尊の味わい、肉ビストロAbats.です。
シャルキュトリの旨さ、ソシソンの出来栄え、テリーヌ&パテの味わいに特徴ある一品料理の数々、ポーションどれを取っても勝手に(海外の)グランメゾン級だと思っております。
ワインも個性的で美味しいものがラインナップされていて、しかも呑み助(笑)のシェフが全部飲んでから仕入れているので、出てくる料理との相性もぴったりです。

さて、緊急事態宣言が解除されて営業体勢はどうするのか電話したところ、当面は席数を減らして(ってもともとカウンター8席&テーブル6席でしたけど)ディナーのみ営業を再開するとのことです。
ディナーは水曜日から土曜日まで、ランチはしばらく再開の予定はないそうです。

ということで久しぶりにAbats.のディナーを味わいに来ました。
ご機嫌伺いに電話したら、席が空いていたものですから。
メニューは黒板にあるものか、コースかお任せかです。
コースはワインを飲むための5皿でメインは別だそうです。
で、今日のコースってなに?と聞くとまだ決めてないって(笑)おいおい。
つまりコースもお任せってことですね。

じゃあその適当コース(笑)でワインを飲んで、足りなかったらメインをドーンといきましょう。
シャルキュトリの盛り合わせも2人前で5,800円と黒板に書いてあるので注文しようかなと思ったら、もうそんなに食べられる年齢じゃないでしょ、と軽くあしらわれ(笑)メインもあることですからコースで我慢です。
ちくしょ〜、何だか悔しい・・・

ということで泡をもらってコースのスタート。
客は我々を含めて5人ですからかなり間が空いています。
入口も開放しているので3密は回避できてますよ。

ワインはお任せのCoteaux du Giennois2014で、かなりのミネラル感があって軽くはなく、控えめな柑橘系の香りがします。
最初から肉を食べる気満々なので、軽くて華やかはなしでお願いしたらドンピシャが出て来ました。
これはとても好みの味です。
そういえばこちらでワインを任せて外れたことってないよなぁ。

最初はアミューズがわりの砂肝のコンフィ。
軽くプライパンで温めて脂をしっかり出してから小皿で提供されます。
予め低温の油で火入れしてありますからしっとり柔らかくてはっきりした塩味です。
これはこのミネラル感のあるワインに合うよね。最初から美味しいです。

お次はパストラミビーフです。
今日はランプ肉だそうで、薄く切りつけてオリーブオイルを纏わせてありますね。
十分熟成していて肉の素材としての味がはっきりと伝わって来ます。
強い旨味がじわじわ出て来て、赤ワインが欲しくなります。
こういうボディのしっかりした白ワインでも負けそうです。
添えられた酢漬けのキャベツも良いアクセントですね。

ワイフには鴨のソシソン、私には長期熟成のパテ・ド・カンパーニュが出て来ました。
鴨のソシソンはフレッシュで鴨肉の癖のない旨味が前面に出てます。
香りも爽やかでわずかに使ってあるハーブが効いていますね。
パテ・ド・カンパーニュは反対に濃厚。
どっしり重い肉質で、ステーキを食べているような食べ応えです。
長期熟成って1年くらいでしょうか(聞けよ)。
旨味が溢れ出してきて、いつまでも噛んでいられます。

肉が続いたので今度はスープ。
ワイフには大好物のグリーンピースのポタージュ、私にはグリーンアスパラの粗濾しスープ。
肉から一転して軽さと甘さが楽しめます。
ブロードがしっかり効かせてあってコクもありますね。
コースの真ん中にスープってこちらの店ではよくありますが、なかなかいいアイディアです。

さて、ワインがルーブル・ド・ペローというシャルドネに替わりました。
貴腐ワインが足してあるそうで、酸味がやや高くわずかに苦味も感じます。
白ワインですが、これもシャルキュトリにとても合いそうだ・・・と思っていたら、ブーダンノワールにりんご煮と赤キャベツが添えられて登場。
おお、結構なボリュームだよ。

チョコレートのような黒に近いワインレッドですが、口当たりはとても滑らかで上品なブーダンノワールです。
これも結構な期間寝かせてあって、甘みと旨味のバランスが良く、しかもとても濃厚なのに口の中できれいに消えていきます。
後味が軽いので、白ワインでも十分戦う余地があります。
むしろ勝ってるかも(笑)。唸るほど旨いとはこのことですな。

コースの最後はワイフのリクエスト通りに天然鮎のコンフィです。
養殖かと思うくらい立派なサイズ(25cmくらい)で、きっと藻を食いまくっていたんでしょうね。
ふっくら太っていてとても美味しそうです。
コンフィなので香りもしっかり残っており、頭から齧るとスイカの香りがします。
さすが香魚。
6月に解禁になったばかりだというのに(例年そうだよね)もうこんなサイズの天然鮎がいただけるとは幸せです。

泡1本にワインを2本飲んだのでワイフはもうお腹いっぱいだそうです。
では私だけリダニョーか山形豚のソテーをがっつり・・・と思ったけど、自家製の美味しいパンが残っているので、もう一品パテをいただくことにしました。

赤のグラスワインをもらって、追加したのは薩摩地鶏と栗のパテ。
日本三大地鶏の薩摩地鶏のモモとムネを層状に敷き詰めて、間に栗と香辛料とハーブを入れ、じっくり寝かせた逸品です。
美味しそ〜!コースに入っていなかったので思わず追加です。

薩摩地鶏の肉の旨味がたっぷりで、栗は甘味ではなく食感と香りのアクセントですね。
豚肉とはまた違って繊維質でじんわりと旨味が増していきます。
酸味の強い赤ワインとも相性がいいです。
鶏肉は焼酎にも日本酒にもビールにもウイスキーにも赤ワインにも合いますね。

ああ美味しかった。
4月7日の緊急事態宣言を受けて店内での飲食提供を休止してから約2ヶ月、久しぶりにAbats.の個性的で美味しい肉料理とワインを楽しむことができました。
やっぱりこちらの食事は味わいといい、素材といい、ボリュームといい、技術といい比較できるような店がありません。

単に個性的というと何か違う気がする。
ふわっと軽いのに肉の濃厚な旨味が引き出されていて、何を食べてもAbats.の料理です。
肉を熟成させて美味しくすることに本当に長けているシェフです。
こういう状況になって、改めてこの店の凄さを実感しました。

ご馳走様でした!!!

  • Abats. - 当面は水〜土のディナー営業のみ

    当面は水〜土のディナー営業のみ

  • Abats. - 変わらず河馬紳士が店内を睥睨しています

    変わらず河馬紳士が店内を睥睨しています

  • Abats. - アミューズがわりの砂肝のコンフィ 軽くソテーしてあってもうここから美味しい

    アミューズがわりの砂肝のコンフィ 軽くソテーしてあってもうここから美味しい

  • Abats. - Coteaux du Giennois2014です ソーヴィニヨンブランなのにミネラル感が強くて美味しい

    Coteaux du Giennois2014です ソーヴィニヨンブランなのにミネラル感が強くて美味しい

  • Abats. - ランプ肉のパストラミビーフ 熟成が進んでいて濃厚な旨味 こういう微妙なバランスの肉料理が得意です

    ランプ肉のパストラミビーフ 熟成が進んでいて濃厚な旨味 こういう微妙なバランスの肉料理が得意です

  • Abats. - 旨味と酸味、甘味そして少しの苦味が食欲を増進

    旨味と酸味、甘味そして少しの苦味が食欲を増進

  • Abats. - 鴨のソシソンです これはフレッシュな甘さと鴨肉の軽さの絶妙なバランス

    鴨のソシソンです これはフレッシュな甘さと鴨肉の軽さの絶妙なバランス

  • Abats. - 長期熟成のパテ・ド・カンパーニュ とてもまろやかなのに肉々しい

    長期熟成のパテ・ド・カンパーニュ とてもまろやかなのに肉々しい

  • Abats. - パンは自家製 多めに焼いてあったら必ず買って帰ります

    パンは自家製 多めに焼いてあったら必ず買って帰ります

  • Abats. - グリーンピースのポタージュはワイフに出てきました 少しもらったけど

    グリーンピースのポタージュはワイフに出てきました 少しもらったけど

  • Abats. - グリーンアスパラの粗濾しスープ ブロードが効いていて堪らない美味しさ

    グリーンアスパラの粗濾しスープ ブロードが効いていて堪らない美味しさ

  • Abats. - ルーブル・ド・ペロー シャルドネです

    ルーブル・ド・ペロー シャルドネです

  • Abats. - 貴腐ワインが足してあって酸味とほのかな苦味が好き

    貴腐ワインが足してあって酸味とほのかな苦味が好き

  • Abats. - ブーダンノワールにはりんご煮と赤キャベツが添えられていました

    ブーダンノワールにはりんご煮と赤キャベツが添えられていました

  • Abats. - シャリ感を残したりんご煮と酢が効いた赤キャベツがナイスサポートです

    シャリ感を残したりんご煮と酢が効いた赤キャベツがナイスサポートです

  • Abats. - このテリ!脂がしっとり浮き出していますが驚くほど爽やかで軽い

    このテリ!脂がしっとり浮き出していますが驚くほど爽やかで軽い

  • Abats. - トロッとしていて濃厚なのに後味が軽い 最高のブーダンノワールでした

    トロッとしていて濃厚なのに後味が軽い 最高のブーダンノワールでした

  • Abats. - 鮎のコンフィは少しだけ温度を上げて出てきました

    鮎のコンフィは少しだけ温度を上げて出てきました

  • Abats. - 天然と聞いてびっくり このサイズの天然鮎にはなかなかお目にかかれません

    天然と聞いてびっくり このサイズの天然鮎にはなかなかお目にかかれません

  • Abats. - さすが香魚 スイカというかきゅうりというか爽やかな川魚です

    さすが香魚 スイカというかきゅうりというか爽やかな川魚です

  • Abats. - 追加でいただいた薩摩地鶏と栗のパテ 熟成具合が素晴らしい うまさ大爆発です

    追加でいただいた薩摩地鶏と栗のパテ 熟成具合が素晴らしい うまさ大爆発です

  • Abats. - 若鶏のバロティーヌとリー・ド・ヴォーのパテ ワインが無限に飲めます(笑)

    若鶏のバロティーヌとリー・ド・ヴォーのパテ ワインが無限に飲めます(笑)

  • {"count_target":".js-result-Review-116874644 .js-count","target":".js-like-button-Review-116874644","content_type":"Review","content_id":116874644,"voted_flag":null,"count":136,"user_status":"","blocked":false}
2020/01訪問9回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥4,000~¥4,9991人

至福のランチ 拳2つ分の巨大マンガ肉を喰らう

今日は本郷でランチタイムです。
ご近所でなにウロチョロしてるんだって感じですが、今日は所用があって夫婦揃って午後半休なので、こんな天気の良い日はいそいそとAbats.に向かうことにしました。

ランチの目的はガッツリ肉を喰らうこと。
先日ディナーで伺った時は、(この店としては)少量多品種の皿を堪能したのですが、塊の肉は食べられなかったのでランチで欲望を満たす作戦です。
肉欲っていうのは本来はこういう意味ですよね(笑)。

本日のランチメニューは・・・あら、蝦夷鹿のパイ包み焼きが消されてる!
一人分くらい残ってるかも(いやしい)と思って、シェフに聞いたら開店直後に瞬間蒸発したそうで(笑)。残念です。
でも豚肩ロースト、子羊肩ロースト、ピエ・ド・コションの詰め物、シャルキュトリ盛り合わせはあります。
では・・・豚肩ローストとピエ・ド・コションをお願いします。
両方とも巨大な肉を喰らう豪快なランチです。

13時以降は松前産人参のポタージュスープが付くとメニューに書いてあります。
でもこちらのシェフはとても気前が良いので、13時前でも関係なく振舞ってますね(笑)。
ディナーの時もグラスが空いているとワイン注いでくれたりするし。
自分でルール作って自分でぶっ壊してますよ。面白い&良い人だ(笑)。

シェフと話をしつつ待つこと暫し、先にその松前産人参ポタージュが出てきました。
きっと実家の北海道から届いた人参をガンガン擦り下ろして惜しげも無く投入したと思われるスープです。
オリーブオイルが回しかけられていて見るからに美味しそう。

早速いただくと濃厚で甘くて、ブロードが効いていて&香りが抜群。
自家製のパンを千切って一滴残さず掬い取っていただきました。
ランチにこんな美味しいスープが出てくるなんて、午後仕事があっても手に付かないよ。
午後半休で良かった(笑)。

さて、メインの塊肉が目の前にやってきました(写真参照)。やたっ!
豚肩ローストとピエ・ド・コションは、両方とも期待通り巨大です。
重さを聞くと、目分量だけど500gくらいかなって(笑)。
我々のギラついた目を見て、少し大きく切り出してくれたようです。ありがとうございます。

逸る気持ちを抑えつつ、ピエ・ド・コションをカットして一口。
溢れ出す肉汁を下顎で受け止めながらガシガシ噛みます。
豚肉ってこんなに美味しかったっけ?っていうくらい美味しい。
揚げてとんかつにするのも大変美味しいですけど、豚足にひき肉をたっぷり詰めてローストすると、もう最高に美味しい肉の完成です。
なんじゃこりゃ。美味過ぎだよ。

堪らず泡をグラスで一杯もらうことにしました。
ワインなしでこれを食べるなんて犯罪です(笑)。
la flautaという微発泡の白で、とてもさっぱりした口当たりです。
これがあれば肉を食べ続けられます。

ワインを飲んで肉を喰らうとさらに美味しくて笑うか泣くか、感情を爆発させないとどうにかなりそう(大袈裟だ)。
・・・他の客は大人しく普通に食べてますけど、平気なのかな。
というか周りを見回すと女性客が圧倒的多数、男性客は私を含めて3人です。
このボリュームのお肉を喰らいに来るのは専ら肉食女子なんですね。

ワイフの豚肩ローストもすんごい肉汁。溢れ出す食べる化粧水ですね(笑)。
豚肉好きで良かったなぁ、としみじみ思います。蝦夷鹿も食べたかったけど。
こんな豪快な脂たっぷりの豚肩を塊で食べられる幸せと肉を噛みしめまくりました。

あ、肉の下にはたっぷりとワイルドライスとレンズ豆が敷いてありますね。
これも肉を咀嚼する合間に一緒にいただきます。
ふっくら炊けていて美味しいだけでなく、溢れた肉汁を綺麗に受け止めてくれるので全量摂取ができます。
理想的なランチ(これがランチでいいのかというのは別にして)です。

泡のグラスもあっという間になくなってしまい・・・
まだ肉は塊のまま大量に残っているので、仕方なくワインをお代わりすることにします。
だってワインがないと食べられないんだもん。
今度は赤にしよう。

これ旨いよとシェフが出してくれたのは、la petite commanderieというカリニャンとシラーのビオでした。
カルカッソンヌですから南ですね(それくらいはわかる)。
香りがとにかく素晴らしくて、抜栓した途端にバラのような芳香が立ち上ります。
香りと同じく味もふくよかで、舌に乗るととてもエレガント。ちょっとうっとりしちゃう味です。
昼からこんなに旨いワイン飲んじゃってどうしよう(笑)。

ここからは冷めたら嫌なので肉とワインだけに集中。
肉を咀嚼して&感激して、ワインの香りと味を楽しみました。
大満足です。ガッツリ肉を喰らう目的は果たしました。
ミッション・コンプリートです。
あ、ワイン空いちゃった。ボトルで出すから・・・(笑)。

さて、クレマが仄かに苦甘いエスプレッソをいただいて今日の極上肉ランチも終了。
本当に美味しかった。わざわざ食べに来る甲斐のあるランチです。
これで1,500円はコスパ良過ぎですよ。
我々はワイン飲んじゃったので1,500円じゃ済みませんでしたけど(笑)。

この店がご近所で&会社のそばになくて本当に良かった。
もし会社のそばにあったら、通い詰めて午後は仕事しない不良会社員になってしまいますからね。

今日もご馳走様でした!!


  • Abats. - 本日のランチメニューです 少しずつ入れ替わるらしい

    本日のランチメニューです 少しずつ入れ替わるらしい

  • Abats. - 実家から送ってきたと思われる松前産人参の濃厚ポタージュ これ旨いです

    実家から送ってきたと思われる松前産人参の濃厚ポタージュ これ旨いです

  • Abats. - 自家製のパン このパンでポタージュを残さず掬っていただきます

    自家製のパン このパンでポタージュを残さず掬っていただきます

  • Abats. - メインのピエ・ド・コション 中に豚挽肉がパンパンに詰まってます

    メインのピエ・ド・コション 中に豚挽肉がパンパンに詰まってます

  • Abats. - マンガ肉いただくならワインがないとね(笑) 泡をグラスでもらいました

    マンガ肉いただくならワインがないとね(笑) 泡をグラスでもらいました

  • Abats. - マンガ肉の下にはワイルドライスとレンズ豆がたっぷり敷いてありますよ

    マンガ肉の下にはワイルドライスとレンズ豆がたっぷり敷いてありますよ

  • Abats. - ピエ・ド・コションの断面 肉汁溢れ出してきます

    ピエ・ド・コションの断面 肉汁溢れ出してきます

  • Abats. - 泡があっという間になくなったのでla petite commanderieというビオワインをいただきました これ激ウマです

    泡があっという間になくなったのでla petite commanderieというビオワインをいただきました これ激ウマです

  • Abats. - エチケットもかなり素敵です カリニャンとシラーの混合です

    エチケットもかなり素敵です カリニャンとシラーの混合です

  • Abats. - これぞマンガ肉(笑) 豚肩ローストです 笑っちゃうほどデカい!

    これぞマンガ肉(笑) 豚肩ローストです 笑っちゃうほどデカい!

  • Abats. - さすがにワイフは全部食べきれないだろう・・・と思ったらペロッと(笑)

    さすがにワイフは全部食べきれないだろう・・・と思ったらペロッと(笑)

  • Abats. - 食後はゆっくり珈琲のクレマを楽しみました

    食後はゆっくり珈琲のクレマを楽しみました

  • Abats. - 看板は豚がモチーフですからやはり豚肉が看板なんですね

    看板は豚がモチーフですからやはり豚肉が看板なんですね

  • {"count_target":".js-result-Review-112896285 .js-count","target":".js-like-button-Review-112896285","content_type":"Review","content_id":112896285,"voted_flag":null,"count":107,"user_status":"","blocked":false}
2019/12訪問8回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥20,000~¥29,9991人

美味し過ぎ&いつも食べ過ぎ(笑) 第三子出産おめでとう!

毎度お馴染み、唯一無二の料理を食べさせてくれるAbats.です。
昨日メールが来て3人目のお子さんが無事産まれたとのこと、おめでとうございます!
母子ともに健康です。良かった良かった。
3人の男の子を育てるのは大変だと思いますけど、しっかり営業して家族を支えてください。

ということで早速売り上げに貢献しないと(笑)。
美味しいものを食べさせていただくと、お子さんがすくすくと順調に成長する仕組みです。
他のお客さんもたくさん食べてたくさん飲んで協力して下さいね。

まずはキノコのゼリー寄せで泡を飲んで乾杯。
豚肉のブロードで事前に冷やし固めた旨味たっぷりのアスピックです。
ゼラチンは使っていませんから、フォークでホロホロと気持ちよくほぐれます。
口の中に広がる旨味が強いので、この分量でもグラスがすぐに空いてしまいます(笑)。

ワインはこちらではいつもお任せです。
飲んだことのないワイン&よく知らないフランスのワインが出てくるので、お任せしたほうが食事とのマリアージュを安心して楽しめます。
一本目はモンテ・ディ・ロアリのビオが出てきました。
アンフォラに入れて一次発酵させてからジュースを加えて瓶詰し、瓶内二次発酵させたマルヴァジア主体の無濾過微発泡ワインです。
ラベルの通りヴェネトのヴァレッジォで生産された白ですね。
セミドライで口当たりが軽いので魚や野菜のマリネのようなアンティパストにはかなり向いています。
こちらでイタリアのワインが出てくるなんて珍しいな。

さて、アミューズの次は久しぶりのシャルキュトリ盛り合わせ。
以前はえげつない量が盛り付けられていましたが、復活してからは普通の量+エクストラくらいになりました。
それでもロースハム、ジャンボノー、合鴨のスモーク、鴨の生ハム、蝦夷鹿の生ハム&サラミ、猪のラルドという豪華な盛り合わせです。
こんなの出されたらワインがいくらあっても足りません(笑)。
どんどん食べて&ワインもガブガブ、これがAbats.のすごいところ&怖いところです。

一本目を飲み終えたらすぐに二本目が出てきました。ワンオペなのによく見てますね。
今度もマルヴァジアのビオだ。またイタリアのワインです。宗旨替えしたのかな(笑)。
クアルティチェッロという名前のエミリア・ロマーニャで造られたワインです。
フルーティなのにミネラル分があってシャルキュトリにぴったりです。
ジュースのように飲んでしまいそう(笑)。

さて、至福のシャルキュトリタイム(笑)が終わり、蝦夷鹿の3年ものの生ハムが異常な旨さだった、いや猪のラルドも凄かったとか話していたら、今度は根セロリのサラダと蓮根のサラダと一緒に煮込み料理が出てきました。
本日のスペシャリテ、鮑と海老、烏賊に塊のジャンボノーをゴロゴロ入れて&ワインたっぷり入れて煮込んだ小鍋仕立てのブレゼです。

あれ、こんなのメニューに載ってないよ、と言ったら、ちょっと思いついて作ってみたんだそうで・・・思いつきでこんなものができるなんて凄過ぎ。
鮑も海老も烏賊もジャンボノーもゴロゴロしていてとても食べ応えがあり、すべての旨味が溶け出したスープというかとろみの強いソースがまた絶品です。
もちろん自家製のパンに一滴残さず塗りつけていただきました。
これは本当に素晴らしい美味しさ、魚介と肉の旨味がバランス良く合わさったポルトガルのカタプラーナ鍋のような味わいでした。美味し過ぎだよこれ。
一緒に出てきた根セロリと蓮根もブレゼとワインの良い橋渡し役で、給食のように三角食べしました。

またワインがあっという間に空いてしまい(笑)、今度はイグニスという名前のコート・デュ・ローヌになりました。
グルナッシュとシラーが半々のフルボディですが、甘さもしっかりあって、肉にも魚にも合わせやすそうな味わいです。
南イタリアの甘みのはっきりした赤ワインが好きな我々としては、とても美味しくいただけました。

メインの焼き上がりまでこれ食べてて下さい、と言われて出てきたのは仔牛のモツ煮です。
味噌はもちろん入れてないと言っていましたけど(笑)、両国や錦糸町の大衆酒場で出てきそうな美味しいモツ煮込み。
普通、こういう味はアル添の日本酒か焼酎のお湯割にぴったりなんですけど、不思議と赤ワインにも合います。
むしろ赤ワインにぴったりと言ってもいいくらい。
今日もどんどん機嫌が良くなってきました。毎度のことですけど。

さて愈々メイン、今日は真鴨のグリルがドカンとやってきました。
結構なデカさです。真鴨ってこんなにデカかったかな。
完璧に血抜きがしてあって香りはとても良いです。若干の血の香りも野趣がありますね。
しっかり火が通っているのに柔らかくて、噛むと肉の旨味が溢れ出てきます。
脂はほぼ落ちていますが、肉に溶けた脂を回し掛けてあるので、肉のツヤも味わいも素晴らしい。
さっきいただいた鮑もとても美味しかったのに、もうそんなこと忘れて鴨肉にかぶりついてます。

この鴨肉にワインを・・・と思ったらラ・レジャンド・フォンレオーというオー・メドックの赤が出てきました。
こちらはカベルネとメルロだそうで、鴨肉との相性も良いですね。
まあすでに3本空けているので、何飲んでも一緒かもしれないけど(笑)。
こんない美味しい鴨料理は久しぶりに食べました。
やっぱりAbats.の食事はいつでも大満足です。

この店では食後の珈琲をいつも飲まないので(一時出なかったことがあったので何となく頼まなくなりました)、もう少しワインを飲もうかな・・・と思ったら先ほどのイグニスがポンとテーブルに置かれましたよ。
相変わらずシェフはよく飲んでよく食べる客には気前がいいです(笑)。ありがたくいただきます。

ということでアミューズ、オードブルのシャルキュトリ、ポワソン替わりのブレゼにメインの真鴨をがっつりいただき、ワインを4本(もらったワインも空けちゃったので5本だ)飲んで、デセールすっ飛ばして本日の食事もめでたく終了。
今日もヤヴァい美味しさでした。
何の緊張感もない和やかな雰囲気で、途轍もなく&こちらの期待を軽く超えてくる美味いものがポンポン出てくる凄い店です。
パスタとかリゾを出さないのもとても良いですし、シェフが選んでいるワインの品揃えも個性的で素晴らしい。
しかもシャルキュトリは買って帰れるので、ウチ飲みにも対応可能です。万能選手ですね。

そういえばクリスマスの丸鳥の詰め物や年末年始のシャルキュトリ詰め合わせの販売も始まっていました。
どちらも5,400円、価格以上のボリュームと美味しさは(勝手に私が)保証しますので、よろしかったら是非。

今日もご馳走様でした!!
お腹いっぱいです!!


  • Abats. - 今日のメニュー 正面にしか出ていないのでア・ラ・カルトで頼みたい人は先に写真に撮って眺めましょう

    今日のメニュー 正面にしか出ていないのでア・ラ・カルトで頼みたい人は先に写真に撮って眺めましょう

  • Abats. - アミューズのキノコのアスピック フォークでホロホロ崩して泡と一緒にいただきました

    アミューズのキノコのアスピック フォークでホロホロ崩して泡と一緒にいただきました

  • Abats. - 本日の1本目 マルヴァジア主体のビオでした 微発泡で酸味が程よくて美味しかったです

    本日の1本目 マルヴァジア主体のビオでした 微発泡で酸味が程よくて美味しかったです

  • Abats. - だんだんボリュームも元に戻りつつあるシャルキュトリ盛り合わせ 本日は7種類です これにパテ・ド・カンパーニュが乗ったら元通りだ

    だんだんボリュームも元に戻りつつあるシャルキュトリ盛り合わせ 本日は7種類です これにパテ・ド・カンパーニュが乗ったら元通りだ

  • Abats. - 本日の2本目 エミリア・ロマーニャのマルヴァジアです 1本目と同じマルヴァジアなのに味わいがかなり違いますね 

    本日の2本目 エミリア・ロマーニャのマルヴァジアです 1本目と同じマルヴァジアなのに味わいがかなり違いますね 

  • Abats. - 自家製のパン フェンネルシードが練り込んであってちょっとオリエンタルな感じの美味しいパンです ついお代わりしちゃう(笑)

    自家製のパン フェンネルシードが練り込んであってちょっとオリエンタルな感じの美味しいパンです ついお代わりしちゃう(笑)

  • Abats. - 根セロリのサラダ マヨネーズで軽く和えてあって食感は大根サラダみたい

    根セロリのサラダ マヨネーズで軽く和えてあって食感は大根サラダみたい

  • Abats. - 蓮根のサラダ さっぱりしているので口直しにちょうど良い

    蓮根のサラダ さっぱりしているので口直しにちょうど良い

  • Abats. - 本日のスペシャリテ 魚介とジャンボノーのブレゼです 鮑に海老に烏賊がゴロゴロ入ってます 悶絶級の美味しさ

    本日のスペシャリテ 魚介とジャンボノーのブレゼです 鮑に海老に烏賊がゴロゴロ入ってます 悶絶級の美味しさ

  • Abats. - 本日の3本目&5本目(笑) コート・デュ・ローヌのイグニスです フルボディなのに魚介にも合うから凄い

    本日の3本目&5本目(笑) コート・デュ・ローヌのイグニスです フルボディなのに魚介にも合うから凄い

  • Abats. - 牛モツ煮込み 軽い味わいなのに旨味がスープに溶け出しています ちょっと二級酒か焼酎が飲みたくなる味(笑)

    牛モツ煮込み 軽い味わいなのに旨味がスープに溶け出しています ちょっと二級酒か焼酎が飲みたくなる味(笑)

  • Abats. - 本日の4本目 ラ・レジャンド・フォンレオーです シャトー・フォンレオーのセカンドだそうですが味わいが深くて鴨肉にぴったりでした

    本日の4本目 ラ・レジャンド・フォンレオーです シャトー・フォンレオーのセカンドだそうですが味わいが深くて鴨肉にぴったりでした

  • Abats. - メインは真鴨のグリル 血抜きが完璧で肉は柔らかくジューシー こんなの出てきたら他で食べられなくなります

    メインは真鴨のグリル 血抜きが完璧で肉は柔らかくジューシー こんなの出てきたら他で食べられなくなります

  • Abats. - 本日飲んだワイン達 お付き合いいただいてありがとうございました(笑)食事を楽しくしてくれるのはワインですね

    本日飲んだワイン達 お付き合いいただいてありがとうございました(笑)食事を楽しくしてくれるのはワインですね

  • {"count_target":".js-result-Review-110587822 .js-count","target":".js-like-button-Review-110587822","content_type":"Review","content_id":110587822,"voted_flag":null,"count":115,"user_status":"","blocked":false}
2019/10訪問7回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥10,000~¥14,9991人

【完全禁煙】他では食べられない唯我独尊の料理たち

毎度お馴染み、Abats.です。
最近肉イタリアンだの肉フレンチだのにフラフラ出かけてみて、今更ながらこちらの肉料理の実力を思い知らされた次第です。
早速電話して席をお願いしました。

今日は(も)お任せです。
こちらは今食べたいものがどうのではなく、どんな美味しいもの出してくれるのか口を大きく開けて待っていれば良いので(笑)、最近はメニューの黒板見てあれこれ言わず、出されたものを喜んで食べてます。
もちろん黒板はチェックして、これはというものはリクエストしますけど。

今日は蝦夷鹿のこれといったのがないとのことなので、野禽をメインにします。
毛を毟られてボディになった野禽をずらりと並べてもらうとかなりワイルドな感じですが、どれも美味しそうです。
ちょうど良い感じになった山鳩をメインにお願いすることにして今日のAbats.がスタート。

最初は豚肉のスネのjambonneauです。
ジャンボノーというと骨付きハムのイメージですが、ハムではなく低温で火入れしてあるそうで。
火入れして溶け出した肉の脂質とゼラチン質で固めるんだとか。
余計なものが一切入っていない自然な味わいで、豚肉の繊維質な食感と柔らかい塩味と甘みのバランスが素晴らしい。
シェフが全部自分で作ってますから安心してがっつきます。
パリで食べたジャンボノーはかなり塩が強くて(それはそれで美味しいんですけど)たくさんは食べられませんでしたが、こちらはいくらでもお腹に入りそうな優しい塩味です。素材の良さがよくわかります。
豆と煮込んでもとても美味しいので買って帰ろうっと。
こちらは自家製のソシソンやらパテやらをグラム単位で販売もしているので、急な飲兵衛の来客とか、夜中に突然ワインが飲みたくなった時とか、朝起きてとにかく肉を食べないと気が済まない気分の時などにとても助かります(笑)。
あ、言い忘れましたが、付け合せの茹でインゲンも甘くて美味しいですよ。

お次はホロホロ鳥のガランティーヌ!
これ大好物なんです。良い肉質のホロホロ鳥が入荷した時以外作らないので、あって嬉しい。
脂の甘みと肉の上品な香り、噛み応えのあるしっかりとした肉の塊です。
ほんの少しの塩と胡椒が味を引き立ててくれますね。
表面に薄っすら張ったアスピックも絶妙の味わいです。

こんなの食べたらワインが止まりません。
これ1つで150gはありますから、いくらでも飲めそうな気がします。
今日も最初から絶好調だ(笑)。
ワインはchateau de Caraguilhes(カラギズ)というラングドックのビオです。
カリニャンとグルナッシュのブレンドだそうですが、タンニンがしっかり感じられる少し重めな味わいで、肉料理にとてもよく合います。

次に出てきたのは鵯(ひよどり)のムースです。
こちらも骨まですり潰して入れ込んである自家製で、同じく店で焼いているパン(これが下手なパン屋より美味しいパンなんですよ)と一緒にいただきます。
口の中で旨味が弾けてますよ。これはヤヴァい旨さ。
レバーペーストに思いっきり旨味を足して味を濃くした感じです。

これ、炊きたてのご飯に盛って山わさびを乗せて醤油かけて食べたら10杯は食べられるんじゃないかな(笑)。
牛乳で伸ばして味を整えて、根菜を炊いてもきっと美味しいと思います。
もちろんパンに乗せてそのまま味わうのが一番シンプルに美味しいですけど、あまりに美味しいので他のアレンジを考えてしまいます。
残しておいてちびちび食べよう・・・(笑)。

メインの前にスープが登場。
今日は豚の骨で取ったブロードにキノコを細かく切って旨味を加えた食べるスープとのことです。
スープボウルの脇に乗せてあるのは・・・食べてみるとすぐにわかりました。ラルドですね。
それも半端なく美味しい。
ここまで透明になっているということはかなりの長期間寝かせてある極上ラルドだと思われます。
どれくらい寝かせてあるの?と聞いたら、3年以上だと。
そりゃすごい。
脂が酸化した感じは微塵もなく、旨味に甘味、塩味に若干の苦味もあってこれはずっと口に入れておきたい「肉のガム」ですね(笑)。
キノコが主役と思わせて実は肉素材がポイントとは相変わらず上手です。
途中からパンを追加して、スープに浸していただきました。堪らんなぁ・・・

怒涛の旨味攻撃を食らって圧倒されてしまいましたが、ワインを飲みながらメインが出てくるまで砂肝のコンフィ(ホロホロ鳥のデカい砂肝です)をつまんで小休止。
相変わらず美味しいものだらけで、しかも独特の味わいを楽しませてくれる店です。
全部一人で仕込んで、下拵えして、料理して、盛り付けて客に出してワイン用意して、下げて洗い物してですから本当に大変なはずですが、自分一人が気ままで良いんだとか。
弟子を育てるなんてことには全く興味がない一匹狼シェフ(笑)です。

さて、メインの山鳩のグリルがやってきました。
山鳩は小さいイメージがありましたが、見たところ案外肉厚でボリュームがありますよ。
肉汁に加えて作った少し酸味とコクのあるソースがたっぷりかかっています。

一口含むととてもジューシーで柔らかく、野禽のクセなど微塵もありません。
ほんのりバターの香りをまとってとても美味しく仕上がっていますね。
肉の旨味を付け添えの白茄子と芽キャベツのソテーがひきたててくれます。
特にこの白茄子がとても新鮮で美味しいです。
山鳩に気持ちが集中していましたが、この茄子の美味しさにも驚きました。
やるなぁ。さすが一匹狼(笑)。

食後に珈琲をいただいて、大満足の肉三昧コース終了。美味しかった。
単に美味しいだけでなく、どこにも似ていない個性的な料理を堪能しました。
ハマると通い続ける羽目になると思いますよ(笑)。

ご馳走様でした。体調管理に留意して近々また寄ります!


  • Abats. - 本日の黒板メニューです 10月から消費税が上がったので少し値上げしたようです

    本日の黒板メニューです 10月から消費税が上がったので少し値上げしたようです

  • Abats. - 豚スネのジャンボノー 繊維質な肉の食感と脂の旨味が溢れ出てきます

    豚スネのジャンボノー 繊維質な肉の食感と脂の旨味が溢れ出てきます

  • Abats. - ホロホロ鳥のガランティーヌ こんなのがご近所で食べられるなんて本当に幸せ

    ホロホロ鳥のガランティーヌ こんなのがご近所で食べられるなんて本当に幸せ

  • Abats. - chateau de Caraguilhes ラングドックのビオです 酸味はあるものの甘味がしっかりしていてタンニンとのバランスも良いワインでした

    chateau de Caraguilhes ラングドックのビオです 酸味はあるものの甘味がしっかりしていてタンニンとのバランスも良いワインでした

  • Abats. - 鵯のムース 母が鵯越小学校卒です 関係ないけど(笑)

    鵯のムース 母が鵯越小学校卒です 関係ないけど(笑)

  • Abats. - 自家製のパンです これがそんじょそこらのパン屋より美味しい

    自家製のパンです これがそんじょそこらのパン屋より美味しい

  • Abats. - 牛豚の骨からとったブロードで炊いたキノコスープ

    牛豚の骨からとったブロードで炊いたキノコスープ

  • Abats. - 3年熟成の半透明なラルド付きです こっちがスープの主役ですね

    3年熟成の半透明なラルド付きです こっちがスープの主役ですね

  • Abats. - メインの山鳩のグリル 付け添えの白茄子と芽キャベツを含めて最高の味でした!

    メインの山鳩のグリル 付け添えの白茄子と芽キャベツを含めて最高の味でした!

  • {"count_target":".js-result-Review-108531874 .js-count","target":".js-like-button-Review-108531874","content_type":"Review","content_id":108531874,"voted_flag":null,"count":107,"user_status":"","blocked":false}
2019/04訪問6回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥3,000~¥3,9991人

ランチ復活!1,500円でボリュームたっぷり日替わり激旨ランチが食べられます

本日は仕事で御茶ノ水まで来たので、ちょっと足を伸ばしてこの前夜伺った時にランチを再開したと聞いたAbats.に寄りました。
先日いただいたリー・ド・ヴォーの美味しさが忘れられず、ちょっと寄ってまだ食べられるのか確認しておこうかと。
電話かチャットで聞けば良いんですけど、やっぱりなんだかんだ理由をつけて寄りたくなる店なんです(笑)。

午後1時過ぎにお店に着くと店内は数名の先客のみ。
ランチタイムのピークを外して伺うとすぐに入れそうですが、メニューによっては売り切れてしまうこともあり、食べられないかもリスクとトレードオフです。
ランチは1種類だけの用意で毎日変わリ、何を出すかはAbats.のウェブサイトに掲載されるそうです。

今日は何が食べられるのかな?
私はサイトを観ずに来たので、何が食べられるのか楽しみです。
あ、夜はワンオペですがランチタイムは女性のホールスタッフがいます。
ランチは短時間で勝負ですから一人では対応しきれないんでしょうね。

さて、ランチを聞いてみると今日は仔羊のステーク・アッシェ、スープはカリフラワーのポタージュだそうです!
先日いただいた仔羊のテリーヌが激旨でしたから、今日も仔羊がステーク・アッシェでいただけるなんて、これは期待できます。
ステーク・アッシェ(Steak Hache)はフランスの家庭料理の代表格、叩いた肉を塊まりにして焼いて食べる肉100%のハンバーグ、肉のパテです。

客が来てから叩いてある肉を計量&手捏ねしてフライパンで表面を焼き、さらにオーブンでじっくり火入れしていきますから、ランチでも全く手を抜かない姿勢を貫いています。素晴らしい。
結構どっさり計量しているので、どれくらいのボリュームなの?と聞くと300gとか。
おお、それはなかなかの大きさですね。

焼き上がる少し前にカリフラワーのポタージュと自家製のパンが出てきました。
パンは夜も出しているしっかり小麦の香りと旨味を感じる一品、カリフラワーのポタージュは初めていただきます。
ポタージュはカリフラワーがたっぷり入っていて濃厚ですが、ほんのり甘めで優しい味わいです。
カリフラワーの素材の味と上手に炊かれたブロードが合わせてあって、上品な香りがします。
うん、とても美味しいですね。さすがです。

パンをポタージュにちょっと浸してもぐもぐしながらステーク・アッシェを待ちます。
約10分後大きな肉の塊が焼けて出てきました。
結構迫力あるなぁ(笑)。

下にソースと茹でたキャベツが大量に敷いてあり、さらに上にはこれも結構なボリュームのマッシュポテト、パセリも彩りを添えています。
早速一口いただくと、とてもジューシーで肉汁ジュワジュワです。仔羊の脂肪分と柔らかくミンチされた肉がよく合わさって美味しいです。美味しすぎです(笑)。
ステーク・アッシェというと普通は肉だけなんですが、こちらはクミンやグリーンペッパーが練りこんであり、香りも味も素晴らしいです。
にんじんも少し入っていてパセリとの色合いもきれいですし。
しかもフレンチマスタードやら何やらいっぱい合わせてあるソースがまた美味しくて、ガンガン食べてしまいます。
うーん、ランチにわざわざ足を運ぶだけの甲斐のある料理ですね。さすがです!
マッシュポテトは対照的に塩と酢のシンプルな味付けで、これもバランスがいいです。

こ、これは…ワインが飲みたいぞ(笑)。
食べ終わってから飲んでも仕方ないので、ここは迷わずソーヴィニヨン・ブランをいただきました。
一杯くらい良いよね。
ということで、ミネラルを感じるさっぱりした白をいただいて完食しました。
私の後もどんどんお客さんが入ってきます。やっぱりランチも人気なんですね。
付近にお勤めの方に愛されてるんだと思います。

とても美味しいランチをいただけて幸せでした。満足満足。
ご馳走様でした!!!

  • Abats. - カリフラワーのポタージュです パンも自家製です

    カリフラワーのポタージュです パンも自家製です

  • Abats. - カリフラワーのほんのりした甘みとブロードのコクと香りがマッチしてとても美味しいです ランチで出すレベルじゃないでしょう

    カリフラワーのほんのりした甘みとブロードのコクと香りがマッチしてとても美味しいです ランチで出すレベルじゃないでしょう

  • Abats. - メインは仔羊のステーク・アッシェ

    メインは仔羊のステーク・アッシェ

  • Abats. - 結構でかいです 300gだそうですが私のはさらに大きいみたい(笑)

    結構でかいです 300gだそうですが私のはさらに大きいみたい(笑)

  • Abats. - キャベツとマッシュポテトがまた美味しい

    キャベツとマッシュポテトがまた美味しい

  • Abats. - ステーク・アッシェの断面です 肉汁が溢れ出てきます 人参が良いアクセントです

    ステーク・アッシェの断面です 肉汁が溢れ出てきます 人参が良いアクセントです

  • Abats. - たまらずワインを飲んでしまいました このソーヴィニョン・ブラン美味しいなぁ

    たまらずワインを飲んでしまいました このソーヴィニョン・ブラン美味しいなぁ

  • {"count_target":".js-result-Review-100643713 .js-count","target":".js-like-button-Review-100643713","content_type":"Review","content_id":100643713,"voted_flag":null,"count":105,"user_status":"","blocked":false}
2019/04訪問5回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥15,000~¥19,9991人

絶品のシャルキュトリ&パテ&リードヴォー 最近は魚も見事で隙がありません

いつもとんでもなく美味しいものを食べさせてくれる近所の名店です。
ついついワインをガブガブ飲んじゃってすぐ3〜4万円コースになっちゃうのが玉に瑕ですが、美味しいんだから仕方がありません。
というか、他の客の2倍くらい食べて3倍くらい呑んでますから、むしろ安いと言えるのかも。
今日も何か美味しいもの食べさせてよ、とお任せでお願いします。

店の入口正面の壁に本日のメニューが板書されてますが、眺めているとあれもこれも食べたくなって収拾がつかなくなるので、一通り眺めてから徐ろに「お任せで」とお願いします(笑)。
どれだけ喰うか&呑むか店主がよく知っているので安心です。

今日のスターターは砂肝のコンフィ。
軽くオイルに浸してからオーブンでじっくり焼き上げてありますが、少しも硬くない絶妙の火入れ加減。泡にぴったりですねぇ。相変わらず最初から美味しいです。
こちらのお店は店主お一人なので、料理は次から次に出てくる訳ではありません。
ですから食事はのんびりゆっくりいただくことにしています。
あ、こちらは酒を飲まない方は食事できません。食事だけというのはNGなんです。
ランチはもちろん飲まなくてOKですが、ワイフが平日休んだ際にランチに寄ったら何も言わずにワインが出てきたそうです(笑)。呑兵衛大歓迎の店です。店主もかなり呑みます。

お次はシャルキュトリの盛り合わせ。以前のやんちゃなボリュームの盛り合わせはやめて普通になりました。なんであんなに盛り付けてたの?と聞いたらその時の自分がわからないと言ってました(笑)。
蝦夷鹿の生ハム、合鴨のスモーク、鴨の生ハム、ウリ坊のコッパとラルド、それにロースハムです。
全部こちらの店で作っています。それぞれの肉の旨味がしっかり引き出されていて、塩気も控えめながら十分です。回しかけられたオリーブオイルが食欲をそそります。
マコン・ペロンヌをボトルでいただいて、お肉をゆっくり噛みしめました。
このワインは如何にもブルゴーニュというふっくらした味わいのシャルドネですが、ミネラル感もあってとても美味しいです。貴腐ぶどうを加えて苦味を少し出しているんだとか。
肉に負けないしっかりしたボディですね。酸味もあって飲み飽きません。

さて、よく飲んでよく食べる我々に前菜がもう一品でてきました。
仔羊と猪のパテです。仔羊をテリーヌにするなんて結構な手間がかかるんじゃないかなぁ。
脂が多いし骨っぽいからテリーヌにするだけの肉を用意するのがまず面倒ですが、きっと根気よく作ったんでしょうね。感謝していただきます。
しっかりした肉々しい旨味が口に広がり、しっとりとしていて食べやすいです。
仔羊のテリーヌなんて初めて食べましたよ。これは美味しいです。
猪のテリーヌはくるみが混ぜ込んであり、食感の違いも含めて良いアクセントです。
猪のしっかりした肉感と香辛料の香りが絶妙ですね。こちらもとても美味しいです。
よくできてるなぁ。自家製でここまで作るなんて、マニアです(笑)。

口直しには独活のピクルスが登場。意外です。
店主の実家の北海道から届いたものをピクルスにしたんだそうです。なるほど。
パリッとした食感と爽やかな酸味が素晴らしい。天然物なので香りもまだまだしっかり残っていて、ほんのり苦味もあるのが春っぽいです。
マコン・ペロンヌとの相性もいいですね。口の中がさっぱりします。

さあ、今日のメインは何かな。
白を飲んでいるので、それに合わせて魚介が出てきました。
お、烏賊の印籠詰だ。
烏賊墨と下足を合わせた黒いソースが合わせてあります。
とても良い香りですね。
オーブンでじっくり焼いてあって柔らかく、中には烏賊の卵がたっぷり入っています。
烏賊墨と下足のソースも上品な香りでめちゃくちゃ美味しい!こりゃたまらん!
ワインをメイエ・フォンネのリースリングにして、ソースもパンで掬って残らずいただきました。
こんなに美味しい烏賊料理が近所のフレンチビストロで味わえるなんて幸せだ。

はい、もう一品できました、と出されたのは鮭のグリル。
これも実家の北海道から送られてきた天然物を熟成させて使っているそうです。
同じく北海道から届いた行者にんにくのソテーが付け合わせです。
行者にんにくって醤油漬けにするだけかと思っていたんですが、ソテーするとあの独特の風味がなくなって甘くて上品な味になるんですね。知らなかった。
ほんのり苦味もあって鮭のグリルと良く合います。
肉の前菜に魚介のメインとはなかなか良いですね。お腹にも優しいし。

ご機嫌で食べていたら、さらに被せてたけのこのグリルが出てきました。
まだ出すんだ(笑)。もちろん食べますけど。
この時期は友人の東北の生産者から送ってもらった筍を湯がいて、一晩浸けてから焼くんだそうですが、もう本当に素晴らしい旨味。
付け添えのアンチョビムースがまたとてもよく合います。
よく考えられたAbats.らしいというか店主らしい一皿です。
独活に烏賊に行者にんにくに筍かあ、春満載のコースですね。最高です。
お任せにして良かった。

お腹もかなり膨れてきて、そろそろデザートかなと思ったら、なんとお肉が焼かれてどーんと出てきましたよ。
まだ食べられますよね、と聞かれてうんまあと頷いたらこれです(笑)。
こんがりと美味しそうに焼かれたお肉に何かのラルドが乗せてありますね。
これ何?と聞いたらまず一口食べてみてと。
口に放り込むとなんとも柔らかい食感です。
ミルキーですが、口の中でばらける感覚もありますね。
食べたことがあるようなないような…わからないので教えてもらったら、仔牛のリー・ド・ヴォーでした。
おお、ぷるんとした食感はシビレ=Sweetbreadだったんですね。これはまた珍しいものを。
仔牛の胸腺は母牛のミルクを飲むのに必要な器官で、成長するとなくなるらしいですから仔牛にしかありません。
焼肉屋さんで出てくることはありますけど、フレンチでも使うんですね。
ラルドは猪でした。
ラルドをリー・ド・ヴォーに合わせるとミルキーな食感にジュージーさが加わり、いつまでも噛んでいたいような旨味に変化します。これはすごい。

これは赤ワインが欲しくなる味なので、エピヌイユのピノ・ノワールをグラスでいただきました。
ラベルにブーケ・ドゥ・グロゼイユと書かれていますね。赤スグリの花束ってどういう意味だろう。
酸味があってやや軽い味わいでしたが、リー・ド・ヴォーにとてもよく合いました。
夢中で食べちゃいましたよ(笑)。

もうお腹いっぱい。
このポーションで8皿も食べれば膨れますよね。
デザートも入りません(笑)。

満足満足。何も言うことなしです。
これだけ食べて飲んでですから、やっぱりコスパは抜群です。
本日は2人で3万円ちょっとでした。
19時から食べ始めて店を出たのは23時前、4時間近く飲んだり食べたりしましたが、何だかあっという間でした。

自宅まで歩いて帰れる距離にこの店があるなんて、本当に我々は運が良いです(笑)。

ご馳走様でした!!


  • Abats. - 本日のメニュー シャルキュトリが復活してますが昔のやんちゃな量ではないそうです(笑)

    本日のメニュー シャルキュトリが復活してますが昔のやんちゃな量ではないそうです(笑)

  • Abats. - 砂肝のコンフィです 寝かせて使うので旨味が増してます

    砂肝のコンフィです 寝かせて使うので旨味が増してます

  • Abats. - ほら普通の盛り合わせになってます ちょっと寂しい気持ちもするけど

    ほら普通の盛り合わせになってます ちょっと寂しい気持ちもするけど

  • Abats. - 誰がどうみてもパンです このパンも店で焼いています 結構凝り性です

    誰がどうみてもパンです このパンも店で焼いています 結構凝り性です

  • Abats. - ブルゴーニュのマコンですが貴腐ブドウが苦味用に加えてあります 個性的ですがシャルキュトリに合います

    ブルゴーニュのマコンですが貴腐ブドウが苦味用に加えてあります 個性的ですがシャルキュトリに合います

  • Abats. - 左が仔羊のテリーヌ 右が猪と胡桃のテリーヌです

    左が仔羊のテリーヌ 右が猪と胡桃のテリーヌです

  • Abats. - 独活をピクルスにするなんて!

    独活をピクルスにするなんて!

  • Abats. - メイエ・フォンネのリースリング

    メイエ・フォンネのリースリング

  • Abats. - メインは烏賊です 印籠詰に烏賊墨ソースが敷いてあります すごく美味しい!

    メインは烏賊です 印籠詰に烏賊墨ソースが敷いてあります すごく美味しい!

  • Abats. - 烏賊アップ

    烏賊アップ

  • Abats. - メインその2 鮭のグリルに行者にんにくが添えられています ああ美味しい

    メインその2 鮭のグリルに行者にんにくが添えられています ああ美味しい

  • Abats. - 夢中で食べていたら筍のグリルも登場 柔らかくてコリコリしていて香りが良くて何も言うことなしです

    夢中で食べていたら筍のグリルも登場 柔らかくてコリコリしていて香りが良くて何も言うことなしです

  • Abats. - 筍アップ ね美味しそうでしょ

    筍アップ ね美味しそうでしょ

  • Abats. - 筍にはアンチョビのムースがついています もちろん筍と一緒にいただくんですが、パンに塗って食べると抜群に美味い

    筍にはアンチョビのムースがついています もちろん筍と一緒にいただくんですが、パンに塗って食べると抜群に美味い

  • Abats. - メインその3 仔牛のリー・ド・ヴォーです メインが3品ってお任せだから?(笑)

    メインその3 仔牛のリー・ド・ヴォーです メインが3品ってお任せだから?(笑)

  • Abats. - 猪のラルドが添えてあってこれがまた素晴らしく美味

    猪のラルドが添えてあってこれがまた素晴らしく美味

  • Abats. - ピノ・ノワールのエピヌイユをもらって仔牛のリー・ド・ヴォーをいただきました

    ピノ・ノワールのエピヌイユをもらって仔牛のリー・ド・ヴォーをいただきました

  • {"count_target":".js-result-Review-100407700 .js-count","target":".js-like-button-Review-100407700","content_type":"Review","content_id":100407700,"voted_flag":null,"count":98,"user_status":"","blocked":false}
2018/08訪問4回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥15,000~¥19,9991人

夏真っ盛りの味を楽しみました これだけ美味しいと夏も悪くないです 暑いけど(笑)

全国的に猛暑ですねー。
テレビでは連日熱中症の危険が水分が塩分がミネラルがと言っていますが、こんなに連呼すると耳に入らなくなるんじゃないかと勝手に心配しています。
私は暑いと食欲が落ちるんですけど、ワイフは反対に食欲が増進するそうで(笑)、気がつくとこちらの席の予約が入っていました。
食べろと。あ、はいはい。
abats.なら望むところです!

ということで、いつものカウンター席に陣取ると早速グラスの泡が出てきました。
盛夏のabats.劇場の開演です。楽しみー!
やっぱりこの席に座るとテンション上がります。
自然と胃も活性化しているようで、泡が良い感じに染み渡りました。準備万端です(笑)。

まずはアミューズ代わりの泉州の水茄子(旬ですね〜)に自家製の鶏もも肉の生ハム添え。
水茄子の爽やかな甘みと生ハムの塩味の組み合わせ、またそれぞれの食感の違いがユニークです。
甘塩っぱいとワインがスイスイ喉を通っちゃうんですよね。これは危ないアミューズです。

次は、冷蔵庫からゴソゴソ四角いホテルパンのような深いトレーを出してきて何を分厚く切っているのかと思ったら、鯖です、間にマンゴー挟んでます、とのこと。
甘エビとマンゴーのジュレがけは食べたことがありますが、鯖と合わせるとはちょっと驚きです。
でもこれが食べてみると実に美味しい。
マンゴーの上品な甘みと鯖のイノシン酸がこんなに合うなんてねぇ。
マンゴーに何か秘密があるのかな。本日一番の驚きでした。
グランメゾン級に手の込んだ料理が次々と出てくるのに、こんな冒険しちゃうのもこの店らしいなと感心しました。

驚きはさらに続きます。今度は50度のお湯で3時間湯煎した牛ヒレ肉を薄切りにして、ほんの少しオリープオイルと黒胡椒を纏わせた一皿です。パストラミ・ビーフですね。
まるで日本酒の火入れのようですね。
付け添えのトレビスは色を合わせたかったからとか。
確かにアントシアニンと牛肉って色の相性は良いですね。
この牛肉が絶品でした。パストラミっぽくもありますが、ソースのないザウアーブラウテンのようなイメージでしょうか。
牛肉の旨味と甘味が十分に引き出されていて、生肉のようで生肉でない食感です。
これでいつの間にか赤ワインが1本なくなりました。早くも2本です。

お次はガスパチョです。いきなりスペインに飛びましたが、この店ではよくあることです(笑)。
偶にカザフスタンとかトルコとかベネズエラに行くこともあるので楽しいです。
ガスパチョの下にはシェフの実家の北海道から送られてきた新鮮なキュウリがムース状になっていて混ぜても、もしくは2層のままいただいても美味しいです。
最初はそのまま、後半は混ぜていただきましたが酸味と塩気のバランスが良くて牛肉の濃厚な味がきれいさっぱりリセットされます。
途中にこういう夏らしいスープが出てくるのは本当に気持ちが良いです。
夏も悪くないなぁ(笑)。

さて続いて出てきたのはパテ・ド・カンパーニュです。
休業前のやんちゃしていた頃を彷彿とさせるようなボリュームですが、当時はシャルキュトリの盛り合わせはフードファイター専用メニューのようでしたから、それから比べると大人しくなりました。
でも美味しさは以前より増して、さらに旨味がどんと出て熟成が進んでいます。
ワインも3本目が残り少なくなりました。何だか今日はワインがスイスイ入ります。

本日は是非これを食べてもらいたかったと出てきたのが、鮎のコンフィです。
大型の天然鮎(!)をオリーブオイルに漬けてからじっくり極低温で火入れした一品ですが、もうこれは本当にどうにかなりそうに美味しい鮎でした。
鮎をそのまま炭火で焼いて食べるのが一番美味しいと50年以上信じて疑いませんでしたが、それはこの日にあっさり覆りました。鮎はコンフィでいただくのがベストです。断言します!

で、コースは一応これで終了とのことですが、すっかりテンションが上がってしまったので肉を出せと強請ったところ、豚肉のandouilleをサッとソテーにしてくれました。
早く一緒に飲みたいから料理はここまでねと言われ(笑)、じゃあメインではなくてワインのアテにするかと敷いてあったレンズ豆に移ったプティ・サレ風の豚肉の旨味を楽しみながら、ここから先はワイン大会になってしまいました。

気がつくとワインが5本が空(笑)。やばい。
久しぶりにやってしまいました・・・
それもこれも出てくる皿が美味しすぎる所為です、って文句言う話じゃないんですけど。
厳選されたビオワインは、いつも旅行と食事とヨーロッパサッカーの話題の潤滑油、もとい潤滑酒です。

ご馳走様でした!!!


  • Abats. - 泉州の水茄子に自家製鶏生ハムを乗せたアミューズ ジャブがストレート並みの威力です

    泉州の水茄子に自家製鶏生ハムを乗せたアミューズ ジャブがストレート並みの威力です

  • Abats. - 鯖とマンゴーの冷製 こんなに美味しい組み合わせがあるなんて感激です ワインがすぐになくなります(笑)

    鯖とマンゴーの冷製 こんなに美味しい組み合わせがあるなんて感激です ワインがすぐになくなります(笑)

  • Abats. - 50度で3時間湯煎した牛ヒレ肉に同じ色のトレビスを合わせたパストラミ

    50度で3時間湯煎した牛ヒレ肉に同じ色のトレビスを合わせたパストラミ

  • Abats. - 北海道の実家から送られてきたキュウリのスープを敷いたガスパチョ 暑い夏にはこれですね

    北海道の実家から送られてきたキュウリのスープを敷いたガスパチョ 暑い夏にはこれですね

  • Abats. - やんちゃだった試合を彷彿とさせるパテ・ド・カンパーニュ 東京一の美味しさです 保証します

    やんちゃだった試合を彷彿とさせるパテ・ド・カンパーニュ 東京一の美味しさです 保証します

  • Abats. - 最初の1本はエチケットが記録されていました(笑)

    最初の1本はエチケットが記録されていました(笑)

  • Abats. - 全長20cm超 今年の天然ものは大きいです!

    全長20cm超 今年の天然ものは大きいです!

  • Abats. - オリーブオイルに漬けて超低温で火入れしたコンフィ 悶絶する旨さ

    オリーブオイルに漬けて超低温で火入れしたコンフィ 悶絶する旨さ

  • Abats. - もっと食わせろとお願いしたらアンドゥイユが出てきました

    もっと食わせろとお願いしたらアンドゥイユが出てきました

  • Abats. - 敢えてお肉を細かくミンチせず食感を残したワイルドなアンドゥイユです ワインがいくらあっても足りない美味しさ!

    敢えてお肉を細かくミンチせず食感を残したワイルドなアンドゥイユです ワインがいくらあっても足りない美味しさ!

  • {"count_target":".js-result-Review-88477523 .js-count","target":".js-like-button-Review-88477523","content_type":"Review","content_id":88477523,"voted_flag":null,"count":130,"user_status":"","blocked":false}
2017/12訪問3回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥15,000~¥19,9991人

硬軟自在 グランメゾン「級」の手の込んだ料理がカウンターでいただけます

いつも食べログで皆さんのコメントを拝見していると、ああ、こんな店が近くになったらなぁ〜、この店に行くなら、こことここをルートに入れてツアーにしないとなぁ〜などとアームチェアトラベラーさながら日々妄想を膨らませている(笑)のですが、私の身近にも本当にこの店があって良かったと思える店があります。

それがこちらのAbats.です。
ギリギリ徒歩圏かなくらいの距離にあるので勝手にご近所扱いしていますが、グランメゾン級のいろいろ手を加えた、または豪快&シンプルな料理の数々が、気の置けないシンプルな空間でいただけます。
この店が近所にあって良かった。幸運です。

店内の半分以上はキッチンスペースで、仕込みから何から全て一人でやっているので、こんなにスペースがいるのかと思うくらいですが、まあシェフが好きなように&思うがままに腕を揮うにはこれくらい必要なんでしょうね。
キッチンは綺麗に片付けられて&磨かれており、とても気持ちの良い空間に保たれています。
ここで美味しいものが魔法のように作り出されていきます。
クリエイティブな料理というよりはオーソドックスな欧州&周辺各国の料理をシェフが自分流にアレンジして出してくれるんですが、昼前から相当時間をかけて毎日仕込みをやっているようで(見てないけど)、客に見えないところからみるみるうちに素材がお皿の上に構成され、やがて自分の前にすぅぅ〜っと出てきます(笑)。
オープンキッチンなのに、何をしているのかイマイチわからないのも楽しいです。
そういう意味では不思議な店ですね。
さて、今回はちょっと嬉しいことがあったので、ささやかなお祝いをしに伺いました。
で、champagneで乾杯。シェフも一緒に乾杯してくれました。

初冬はきのこの旨味が増す時期ということで、きのこのゼリー寄せからスタート。
旨味が強くて、噛みしめるほどに口の中に幸福感が広がります。
こんな量じゃなくてもっと食べさせて欲しいですが(笑)、まあコースなので大人になりましょう。
乾杯したダニエル・デュモンとも相性が良く、テンションが上がります。
次は意外というか変化球的な(今まで出したことないでしょ)あん肝寄せが登場しました。
しかもとんぶりと長芋をいろいろ工夫した(らしい)ソースを乗せて食べると、えも言われぬ美味しさです。
何でこの組み合わせでこの味になるんでしょうか(笑)。
北海道のご実家から送ってもらっている野菜や素材を使用しているとのことで、素材の特性をよく見極めて美味しさを引き出すシェフの技量に感心しきりです。

さて、アミューズとオードブルでchampagneを空けた後、前回もいただいてワイフがとても気に入ったクプールがメインのクロ・サンティーユをいただきます。
すると出てきたのが鶏肉を使った一皿(メニューが軽くなったよね〜 笑)で、鶏肉で作ったモモハムとレバーのパテでした。
本当に上手に作ってあります(ってプロに失礼ですが)から、咀嚼する喜びと旨味の広がりを味わいつつ、ワイングビグビです。
さらに、鶏の様々な部位の旨味を凝縮したような特製モツ煮込みが出てきました。
正統派フレンチとは言えませんが、これは非常に、いや異常に美味しいです。
鶏って捨てるところがないとはシェフのいつもの口癖ですが、本当にその言葉を実感します。
旨味が余すところなく引き出されていて、ちょっと日本酒が飲みたくなる味でした。
でもクロ・サンティーユの酸味との相性も非常に良いです。

その後はアントレ。
ワイフの前に置かれたのは蝦夷鹿のキョフテ、私は小鴨のアローストです。
キョフテというのは、中東ではポピュラーなミートローフのような料理なんだそうですが、シェフはトルコにもいたことがあって、そこのお店で覚えたんだとか。
趣味はシルクロードを旅先で買った馬に乗って彷徨うことだそうですから(笑)、実に様々な地域の料理の引き出しを持っている人です。ああ面白い。
しかもどの皿も実際に見たイメージを遥かに上回る美味しさですから、何も言うことはありません。
で、キョフテは程良い火の通り加減で柔らかく、ワインベースのやや酸味のあるソースが絶妙です(お行儀無視で一口もらった)。
私のアローストは、小鴨を丸ごとじっくり焼いて部位ごとにバラして再構成した一皿で、ムネ肉は淡白なのに肉汁もあり、モモは噛み応えがありますがソースとの相性が素晴らしいので、噛むほどに旨さが増していく感じです。飲み込むのが惜しいです(笑)。
もちろんお行儀無視でワイフに一口献上しました。

今回も大満足のお皿をいただきました。
コースとしての総合力&意外性も含めた構成力はお休みする前よりも格段に上がっている印象です。
本当に美味しかった。
本当にこの店が近くにあるありがたさをしみじみ感じつつ、幸せな気分でお店を後にしました。

あ、年末は28日までだそうです。29日はお正月用のシャルキュトリセット(もちろん注文しました)の販売のみです。ご予約受付中です(ちょっとお店の宣伝モードでした 笑)。

ご馳走様でした!!!
年末年始に英気を養って、来年も美味しいものを食べさせてください。
え、1月は10日くらいまで休むって? おいおい(笑)。


  • Abats. - 初冬の味覚 きのこのゼリー寄せ

    初冬の味覚 きのこのゼリー寄せ

  • Abats. - ダニエル・デュモンで祝杯

    ダニエル・デュモンで祝杯

  • Abats. - あん肝寄せ とんぶりと長芋の特製ピクルスソースでいただきます

    あん肝寄せ とんぶりと長芋の特製ピクルスソースでいただきます

  • Abats. - 鶏ももハムとレバーパテ パンがいくつあっても足りないよ〜!

    鶏ももハムとレバーパテ パンがいくつあっても足りないよ〜!

  • Abats. - Abats.特製モツ煮込み

    Abats.特製モツ煮込み

  • Abats. - 蝦夷鹿のキョフテ 中東のミードローフみたいなものまで出してきます

    蝦夷鹿のキョフテ 中東のミードローフみたいなものまで出してきます

  • Abats. - 小鴨のアロースト

    小鴨のアロースト

  • Abats. - 鴨の部位ごとの味と食感の違いが楽しめます

    鴨の部位ごとの味と食感の違いが楽しめます

  • {"count_target":".js-result-Review-77459994 .js-count","target":".js-like-button-Review-77459994","content_type":"Review","content_id":77459994,"voted_flag":null,"count":67,"user_status":"","blocked":false}
2017/11訪問2回目

5.0

  • 料理・味5.0
  • サービス5.0
  • 雰囲気5.0
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥10,000~¥14,9991人

祝! 復活!! 東京で一番美味しいシャルキュトリ&ソシソンがまた食べられる!!

こちらの店は、たぶん東京では一番、全国でも有数のシャルキュトリ、ソシソンがいただけるフレンチを主体としたワインバーだったんですが、オーナーシェフが過労で体調を崩し、春先から半年ほど休業していました。
お店には「閉店します」との貼紙があり突然のことで驚きましたが、めでたく10月から再開しました。良かった良かった。
何せオーナーシェフ1人でワインサーブから片付け&皿洗い、もちろん料理も全て一から仕込みをするので、長年の疲労が蓄積していたんだと思います。
体調が戻ってまた料理ができるようになったことを心から祝福したいと思います。

復活後はメニューが変わりました。
これまではアラカルト主体でシャルキュトリをお腹にパンパンに詰めて自分がソシソンになった気分で帰る店だったのですが(笑)、10月からは3800円と6000円のコースのみ、店の電話をなくしたので予約は直接お店に行くか常連さん経由だけ、という「半会員制」みたいな仕組みです。
これまでは9席ほどのカウンターに6人掛けのテーブルが一つあったのですが、テーブルはなくしてしまい、そのかわりにシャルキュトリのテイクアウト販売が始まりました。
それと常連さん専用のドア脇の2人掛けエクストラテーブルも健在です。

まずは泡をいただきながらメニューを…あ、そうだ、見なくていいんだ、お任せだ(笑)。
今日は肉までがっつり行きたいので、6000円のコースをお願いしました。

「トサカをキノコと固めたよ」と最初に出してくれたのはゼリー寄せです。鶏のトサカのコリッとした食感とキノコの旨味がゼリーにたっぷりと含まれていて、ちょっと熱燗が呑みたくなりましたが(笑)、ミネラルをしっかり感じるリムーのシャルドネとも抜群に合います。
お次は鯖。冷製ですが甘みを強く感じる美味しい鯖で、付け添えの柿のシトラス漬けとの相性が良いですね。サルサヴェルデが良いアクセントです。
こういう軽いお皿も出すようになったなんて心境の変化かな、何れにしても腕を上げたな(笑)。
3皿目はムール貝とセロリのムースです。
もともとムール貝は香草類と相性が良いのですが、ほんの少し粗めのムース状にして食感を残すところがらしいですね。これでは白ワインがすぐになくなるのも道理です(と言って次を飲む 笑)。

ここからはお肉ですが、以前ならドーンとシャルキュトリの盛り合わせのところを、また鶏肉できました。おお、軽い。
鶏肉のモモを固めてソシソンにしてありますが、温度を上げて少し柔らかさと香りを出しています。
付け添えのリードボーソースがお皿を舐めたくなるほどの美味しさ(笑)で、さすがに舐めるわけにはいかないのでフォークで丁寧に掬って全部いただきました。
クプール主体のクロ・サンティーユは良い酸味があって食欲を増進させてくれます。いろいろな品種が混ざっているそうで、ボディはミディアムですが鉄分も果実味もタンニンもしっかりあります。

で、グラニテ代わりの黄人参のポタージュ。
箸休め的にソルベなんかを出すのはよくありますけど、ポタージュも良いですね。
甘いものは得意じゃないのですが、甘みの強い黄人参そのままの味で、玉ねぎとかパプリカとか、余計なものが入っていないのが良いです。シンプルに黄人参と甘みを引き出すためのほんの少しのお塩だけ。
メインの前にもう一品、ホロホロ鳥のバロティーヌが胸肉のハムとともに登場。
メインを待たずに赤ワインを空けさせようって魂胆でしょうか(笑)。
ファルスには同じ鶏肉の様々な部位が使われていて、微妙な味と食感の違いが楽しめます。
ハムのアスピックはゼラチンなどが入っていない純粋なもので、こんなに美味しいのは久しぶりにいただきました。
これだけでワインがグラス3杯は必要な美味しさ。食べ終わるのが惜しいです(笑)。

さて、メインに辿り着きました。ここまでのんびり1時間半くらいでしょうか。
こういうお店はゆっくりゆっくり食事を楽しむことができるのが嬉しいです。
これだけカジュアルな店でありながら、グランメゾンの趣さえ感じます。
ワイフは和牛のイチボ、私は蝦夷鹿のランプ肉をそれぞれソテーしてもらいました。
おお、ボリュームが以前の半分以下だ(笑)。ここにも心境の変化を感じます。
でも黄ニラのソテーが敷かれた蝦夷鹿のランプ肉は丁度良い火加減で、最後に振りかけた数粒の塩が味を引き締めています。
シンプルに美味しい。脂身のない赤身を咀嚼する喜びを堪能します。

純粋にお皿に向き合って食べること。味わうこと。飲むこと。そして楽しく時間を過ごすこと。
その全てがこの店で味わえます。
ちょっとワイルドな感じのワインを飲みながらのシェフとの会話が本日のデセールでした。

ご馳走様でした。そして復活おめでとう!!
これからも体調に気をつけて美味しいものを食べさせてくださいな。


  • Abats. - トサカのゼリー寄せ

    トサカのゼリー寄せ

  • Abats. - ラングドック リムーのムスカイヨが造ったシャルドネ100% ミネラル分たっぷりで柑橘系の香りと味 鶏にも鯖にもよく合います

    ラングドック リムーのムスカイヨが造ったシャルドネ100% ミネラル分たっぷりで柑橘系の香りと味 鶏にも鯖にもよく合います

  • Abats. - 鯖のクルードと柿のシトラス漬 サルサヴェルデ

    鯖のクルードと柿のシトラス漬 サルサヴェルデ

  • Abats. - ムール貝とセロリのムース 超美味!!

    ムール貝とセロリのムース 超美味!!

  • Abats. - 鶏モモ肉の温かいソシソンとリードボーソース ウルトラ美味!!

    鶏モモ肉の温かいソシソンとリードボーソース ウルトラ美味!!

  • Abats. - クロサンティーユのミネルヴォア 良い酸味と鉄分 デリケートな味でした

    クロサンティーユのミネルヴォア 良い酸味と鉄分 デリケートな味でした

  • Abats. - 黄人参のポタージュ 激美味!!

    黄人参のポタージュ 激美味!!

  • Abats. - ホロホロ鳥のバロティーヌと鳥胸肉のハム

    ホロホロ鳥のバロティーヌと鳥胸肉のハム

  • Abats. - これはやられる美味さ

    これはやられる美味さ

  • Abats. - ワイフのメイン 和牛のイチボ山椒ソース 黄ニラ添え

    ワイフのメイン 和牛のイチボ山椒ソース 黄ニラ添え

  • Abats. - 私のメイン 蝦夷鹿のランプ肉のソテー

    私のメイン 蝦夷鹿のランプ肉のソテー

  • Abats. - 熟成が進んだところを表面だけ一気にソテー

    熟成が進んだところを表面だけ一気にソテー

  • Abats. - ラングドック ルスーラのトリゴン 結構ワイルドで何にでも合いそう

    ラングドック ルスーラのトリゴン 結構ワイルドで何にでも合いそう

  • Abats. - 忘備録として往時のやんちゃなシャルキュトリ盛り合わせを これで1人前

    忘備録として往時のやんちゃなシャルキュトリ盛り合わせを これで1人前

  • {"count_target":".js-result-Review-75602679 .js-count","target":".js-like-button-Review-75602679","content_type":"Review","content_id":75602679,"voted_flag":null,"count":41,"user_status":"","blocked":false}
2014/08訪問1回目

-

  • 料理・味-
  • サービス-
  • 雰囲気-
  • CP-
  • 酒・ドリンク-

口コミが参考になったらフォローしよう

hongo555

利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。問題のある口コミを連絡する

hongo555さんの他のお店の口コミ

hongo555さんの口コミ一覧(1018件)を見る

店舗情報(詳細)

「みんなで作るグルメサイト」という性質上、店舗情報の正確性は保証されませんので、必ず事前にご確認の上ご利用ください。 詳しくはこちら

店舗基本情報

店名
閉店 Abats.(アバ)

このお店は現在閉店しております。店舗の掲載情報に関して

ジャンル ビストロ、惣菜・デリ、フレンチ
住所

東京都文京区本郷2-31-3 二木ビル 1F

交通手段

・本郷三丁目駅 丸の内線3分, 大江戸線4分
・水道橋駅 三田線10分, JR線15分
・春日駅 三田線6分
・御茶ノ水駅 JR線20分

本郷三丁目駅から309m

営業時間
  • ■営業時間
    【ランチ:予約不可】
    月~金/11:30~14:30
    ・日替わりでのパン・ポタージュ・メインの単一メニュー[税込1500円]です。

    【ディナー:予約可】
    水、木、金、土/18:00~23:00
    ・ディナーでは、アルコール類のご注文をお願いします。
    ・ディナータイムはサービス料として500円をお願いしています。

    ■定休日
    日曜・祝日

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算

¥5,000~¥5,999

¥1,000~¥1,999

予算(口コミ集計)
支払い方法

カード不可

サービス料・
チャージ

税なし、サービス料500円

席・設備

席数

15席

(カウンター9席とテーブル席6席)

個室

貸切

禁煙・喫煙

全席禁煙

駐車場

空間・設備

オシャレな空間、カウンター席あり

メニュー

ドリンク

ワインあり、ワインにこだわる

特徴・関連情報

利用シーン

一人で入りやすい 知人・友人と

こんな時によく使われます。

ロケーション

隠れ家レストラン

お子様連れ

既にお店にいらした経験のある方による貸切時を除いて、ベビーカーはNGです。

ドレスコード

カジュアルで大丈夫です。

オープン日

2009年3月24日

初投稿者

アレグリアスアレグリアス(2)

最近の編集者

編集履歴を詳しく見る

ブログに店舗情報を貼る

食べログの会員になるとレストラン情報を編集する事ができます!この機会に是非ご登録ください!

従来の問い合わせフォームから問い合わせる レストラン情報編集のガイドライン

周辺のお店ランキング

本郷×ビストロのランキング(点数の高いお店)です。

  • 1 a table - 料理写真:

    a table (ビストロ、フレンチ、ワインバー)

    3.79

  • 2 hide mode - 料理写真:

    hide mode (ハンバーガー、ビストロ、ラーメン)

    3.68

  • 3 フランス大衆食堂ブイヨン本郷3 - 料理写真:

    フランス大衆食堂ブイヨン本郷3 (フレンチ、ビストロ、食堂)

    3.44

  • 4 フラテッリーニ - 料理写真:

    フラテッリーニ (イタリアン、ビストロ、バル)

    3.33

  • 5 REGAL - 料理写真:

    REGAL (イタリアン、ビストロ、オイスターバー)

    3.29

食べログ限定企画

店舗運営者の方へ