サービスランチでも肉の質は上々です。コスパも良い！ : 巣鴨 金剛苑 神田小川町店

食べログのアルゴリズムはベールに包まれていますが、経験的には、業種(ジャンル)によって、高い評価が出やすい業種とそうでない業種があるように感じています。

高い評価が出やすい業種の典型的なものにラーメン店やカレー店などがありますが、例えば私のランチの定番スポットになっている神保町駅周辺500mエリアで検索してみると、ラーメン店については、全部で47店のラーメンジャンルのお店がヒットしますが、その中で食べログ評価が3.5点以上のお店は23店あり、3.5点以上のお店の比率は48.9%になります。
カレー店については、カレージャンル59店に対して3.5点以上30店ですので、比率は50.8%です。
神保町がカレーの聖地と言われていることもあるとは思いますが、3.5店以上店の割合ではラーメン店を上回ってますね。

これに対して、経験的に高い評価のお店が少ないと思われる焼肉店で同様の計算をしてみると、店数は19店、3.5点以上のお店は僅かに1店ですから、3.5店以上のお店の比率は5.3%にとどまり、やはり経験則は当たっていることになります。

この差は何なんでしょうかね？
他ジャンルでは、寿司で28.6%、カフェで21.8%、蕎麦屋で20.8%という結果になります(いずれも神保町駅500m圏内の例)ので、やはりラーメン店やカレー店は際立って高いけれど、焼肉店は際立って低いということが言えそうですね。

一般的には、外食のジャンルによって満足度の差がそれほど極端に出ることは考えられないので、見方を変えれば、ラーメン店は食べログ評価は高いけれど、実際にはそれほどでも無いレベルのお店が多い、逆に焼肉店は食べログ評価が低くても意外にいいお店に出会える可能性が高いと言ってもいいのかもしれませんね。

そんなことを考えていたら、この日は焼肉が食べたくなりw、かねてBMしていた当店を目指すことにしました。
当店は、店名の通り、巣鴨で半世紀近く続く焼肉の老舗「焼肉 金剛苑」の支店として、この地に2014年11月にオープンしたお店です。
巣鴨の本店は、力のある精肉卸との結び付きを武器に良質の肉をお手頃な価格で提供するお店として人気のお店らしいので、当店にも期待するところがありました。

当店の場所は、駿河台下交差点近くの靖国通りと本郷通りに挟まれた三角地帯、俗称カレートライアングルと言われているエリアの一角にあります。
このエリアは、カレー屋さんばかりクローズアップされがちですが、それ以外も含めて食べログ的に妙味のあるお店が集積している穴場的なスポットでもあるんですね。

この日は、ちょっと雲は多めながらも、すっかり秋めいてきた清々しい気候でもあったので、職場からブラブラ歩いて当店までやって来ました。
午前中の仕事が少し長引いたこともあり、到着は、12時15分頃とランチのピーク時間帯と重なりました。
前面道路に出されている看板脇の階段を上っていくと、そこがお店の入口。
扉を開けて入店すると入ったところにあるレジで先客の3名グループが会計をしているところだったので、それが終わるのを待って入店します。
店内はかなり混んでおり、退店した3名が座っていたと思われる4人用テーブル席のみが空いていたので、グッドタイミングの訪店となりました。
店員さんの案内でそのテーブル席に座りました。

卓上には定番メニューと思われるメニューブックのほか、1枚紙のランチメニューが置かれています。
それを見るとサービスカルビランチ＠890円、サービスロースランチ＠700円となかなかリーズナブル。
これ以外にカルビランチ＠1,400円、ロースランチ＠1,200円というのもあるので、サービス価格のランチは"安かろう"なのかも、との懸念も正直頭をもたげます。
それでも、初訪問時はトップメニューを頼むべしとの定石に従い、サービスカルビランチを注文しました。

暫く待っていると、店員さんがやってきて、丁度退店したばかりの隣のテーブルに移ってくれるかと聞きにきます。
どうやら3人グループの後続客が来た模様だったのですが、まだ料理も提供されていないので、何の問題もなく了解したところ、烏龍茶をサービスしてくれました。
まだ若い中国系？の外国人店員さんでしたが、どうやらその人の一存でサービスしてくれたようです。
客を第一に考え、かつその基本に立って権限を店員レベルに下ろしているお店の体質が見て取れたようで、とても素晴らしいことだと思いました。
たかが烏龍茶一杯でも、気持ち良さはお金には代え難いですからね。

サービスカルビランチは、待つこと5分ほどでの提供でした。
テーブルにビルトインされている無煙ロースターで焼きながらいただきます。

カルビは、予想以上に上質の肉です。
刺しの入り具合も良いですし、とろけるような食感もあり、カルビの美味しさを満喫できます。
流石にA5とは言いませんが、A4クラスと言われても違和感はありませんね。
サービスカルビランチの肉でこれなら、@1,400円のカルビランチの肉質は推して知るべしかもしれません。
それでも、この肉質なら、私のようなB級舌人間は、サービスカルビランチでも十分な満足感を得られますね。

付け合せのナムルやカクテキなども、手作り感があって、なかなか美味しかったですし、スープはわかめスープですが、焼肉には付き物のスープなので、文句はありません。

巣鴨本店の評判から見て期待はしていたのですが、それでも間もなくオープン丸7年を迎えるにしては食べログ的にはレビュー21件、評価3.23点とイマイチの盛り上がりなので、期待もそれなりでした。
少なくともその期待は、大きく上回りましたね。

冒頭書いたように、焼肉店は、食べログの評価が低く出がちなジャンルだということが改めて認識されたような気がしました。
そこそこ流行ってはいましたが、並ぶまではいかなかったところを見ると、こういうお店が本当の穴場の良店ということになるのではないでしょうか。