日本に昼がやってきた。サラメシ食うならもつ鍋「角源」。 : 角源

　20年4月よりランチ営業を始めたようです。
　以前夜にお伺いして、驚愕の美味しいもつ鍋と刺身をいただきました。まさか昼営業をされているとは知らず、「ランチ」の大きな暖簾に身体が引きつけられました。
　ランチはこの時期だけの対策か、恒久的に営業するのかは聞きませんでした。

　カウンター席は一席ごとに透明アクリルで間仕切りされています。オーダーが入ってから魚を焼き始めるので多少時間がかかります、とのことでした。少し入店が早すぎたようです。

「真サバ灰干し」¥920
　ご飯、味噌汁はおかわり無料だそうです。おかずは、銀鮭も捨て難かったのですが今日はサバにしました。ところで灰干しってなんでしょう？どうやら火山灰に挟んで干したものだそうです。洗浄した魚をセロファンに包んで火山灰でサンドして、半日から一日置くそうです。灰が、水分と生臭さを吸収し、塩分も半分くらいになるそうです。

　あっ！ 美味い！ 灰干し、美味しい。この脂のノリ感、すごい。普通の一夜干しでさえ脂のノリが倍増するのに、この灰干しときたら！ メシにあう！
　そのお米がまた美味しいんです。ホクホクでお米が立ってます。私好みの、ちょい柔らかめ。

　味噌汁。具材は、豆腐、玉ねぎ、揚げ、キャベツ。こんな贅沢な味噌汁がおかわり自由とは。しかも美味しんです。塩加減少し強めの味噌汁。

　これに生姜焼きが付きます。さすがにいい肉ではありませんが、生姜がよく効いた、これまたメシによく合う肉料理です。


　干した焼き魚、粒立ったお米、具沢山の味噌汁、生姜が効いた小鉢。これ以上なにを求めようか。日本の昼メシ、ここにあり。

　大将、女将さん、ご馳走様でした。またほとぼりさめたら夜にお伺いします。あー美味しかった。

　かなり以前からずっと訪問したくてしょうがなかった、九州料理の酒場「角源」さんにようやくお邪魔することとなりました。東京ドームシティの喧騒から東に外れた静かな一角。ここに酒場があるなんて、という場所です。

　夜18:00。お店に灯りがともり暖簾がかかります。今夜はコースで予約してあります。席を確保しておいて正解でした、私が飲み終える頃には満席でしたから。まあ小さなお店なんですけど。
　ご家族での経営ですね。先代を継いだ二代目が厨房で腕を奮っています。ホールを仕切るママはお人柄がよくアットホームな雰囲気の酒場です。

　お通しのハマグリの煮物が、すでにお店の実力を表現しています。これは期待できますよ！

「お刺身盛り合わせ」
　すごい。…すごい！何このブ厚さ！大間の本鮪が12mm厚です。ヒラメにはえんがわ付き。おそらく九州の島で獲れたであろうおそらく天然のブリ。そして炙り〆さば。迫力満点の盛り皿です。気持ちも盛り上がりますね。
炙り〆さば、いいですね。ていうか全部いいですね。間違い無いですよこのお店。間違い無いですよ二代目の目利きと腕。

「トマトサラダ」
　これまたいいボリューム。きゅうりが乗って、ドレッシングも美味しい。一度冷静にさせてくれる料理です。

「アジフライ」
　自家製のタルタルソースだそうです。アジ、ホクホク。タルタル、タルタル。年の終わりのハーモニー。すげえ美味い。

　刺身、サラダ、フライとここまでの流れも完璧ですね。酒飲みの気持ちをよくわかっていらっしゃいます。

「もつ鍋（塩）」
　見てくださいこの美しい鍋を。青々しいニラたちが手を繋いで寄り添い、鍋のフタのようにスープともつを守っています。コンロ、フルスロットで爆炎を鍋底に送りたまえ。火山の如き鬼の間欠泉を吹き上げよ。

　グラグラと煮え始めたならニラや揚げを混ぜ返し、地獄の底からモツたちを助け出そうではないか。おぉモツ男たちよ、いよいよ逢瀬の時ぞ。

　もつの種類は、小腸、ハツ、センマイ、とお見受けします。

　醤油ではなく塩にしたのが個人的には大正解。この鍋、美味っ！ニラもキャベツも新鮮でシャキっ。ニンニクチップも効いているし、少ないですが鷹の爪も充分大活躍です。

　小腸は脂ノリノリ。新鮮そのもの。
　ハツは小さめにカットしてあって、たまに混ざって入ってきますが、小腸の脂感に対して多少の「肉らしさ」を持って変化をつけてくれます。大きな仕事です。
　この得体の知れないセンマイらしくないセンマイ、これは性別に関係なくグロいと思ってしまう方はいるでしょう。でもコリっとして美味しいです。
　すごいですね、このもつ鍋。東京でこの純度のもつ鍋はそうそうありませんよ。

　〆に麺を持ってきました。おじやもチョイスできますが今夜は麺を。おお、〆にしてはすごいボリューム。でもこのスープならイケちゃうんですね。野菜の旨みともつの脂が相まって、最強のラーメンが出来上がっています。これ、カップ麺として売り出したらどうなんでしょう。人気出ますよ。ああ美味い。

　大満足の酒場です。「もつ鍋の店」と謳いながらそれだけではない、二代目渾身の料理たち。人気なわけですよ、美味くて安いくて居心地がいいんですから。参りました。必ずまた来ます。
　ごちそうさまでした。