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食べログ そば EAST 百名店 2024 選出店
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相変わらず天ぷらも蕎麦もハイレベルだが、やや人気が出過ぎたか
午前中に都心に出掛ける用事が有り、暫くご無沙汰のこちらに寄る算段を巡らす。
このご時世で直近の状況は分からないが、昨年訪れた際には満席で入れなかったことがあり、念のため前日に予約を入れておいた。
開店時刻の11時半を指定したため間に合うか少し心配したが、用事は早めに終わったので無事に到着。
いくつかアクリル製の仕切りが設けられた、カウンター中ほどの席が用意されていた。
店は若主人と助手の男性、それに両親にあたる先代ご夫妻の4人体制。
料理は予め「おまかせランチコース」(3,800円)を頼んでおいた。
内容は一応「先付・椀物・天麩羅・蕎麦」という流れのようだが、あくまでも'おまかせ'なので、どのようなものが出てくるかは'乞うご期待'といったところ。
まずは生ビール(プレミアムモルツ)をもらう。
付き出しの「搾菜の浅漬け」は味や歯触り、さらに色合いにもフレッシュ感があり、これを摘まみながら料理の出を待つ。
「蕎麦豆腐とこごみの揚げ出し」:四角にカットされた自家製の蕎麦豆腐が、こごみとともに薄衣で揚がられた熱々に、そばつゆベースの餡が掛かり大根おろしが天盛りされている。
表面はカリッとしているが崩すとトロっとした舌触りで、濃い目の餡と相俟って中々美味しい。
「からすみ蕎麦」:茹で上げた蕎麦に唐墨パウダーが掛かっており、よく和えて口に運ぶ。
食感も味加減も悪くないが、やや生臭みが出ているのが惜しい。
この後が天麩羅になるが、ひと手間掛けられたものも混じる。
「車海老の頭」:揚げは浅めだが、サクッとした食感で脚もパリパリと食べられる。
「車海老」:ほどよい大きさ。中がレアの仕上げで甘みが楽しめた。
「水茄子」:初物とのこと。こちらも浅めの揚げでジューシーな旨味を塩で。
「ズッキーニの柚子胡椒」:ほとんど素揚げ状態のズッキーニをカットし、自家製の柚子胡椒風味の醤油を塗し、まぐろ節が掛かっている。ひとひねりしたアイデアが面白く味も上々。
「帆立」:殻から剥いて紐だけを外し、さっと揚げた帆立が半分にカット。ほど良い火通りで身もコライユも実に美味しい。
「シャンピニオン」:大ぶりのシャンピニオンが半割に。こちらも浅めの火通りでサクッとした食感も楽しい。
この時点で追加を訊かれ、口頭で何品かの'おすすめ'が伝えられた。
その中から2品を注文。
「鱚」:江戸前の鱚は、箸を入れるとほろりと崩れるが旨味が濃い。半身は塩で、半身は天つゆで味わう。
「蛤」:剥く前の姿を見せてくれたがかなり立派な蛤で、揚げて半分にカットしたものに銀餡が掛かっており、絶妙な火入れでジューシーかつ濃厚な旨味を堪能。
コースに含まれる天ぷらの最後は「かき揚げ」か「穴子」が選択できるが、久々に「かき揚げ」を選ぶ。
「芝海老のかき揚げ」:表面には揚げ玉がこんもり盛られた'かんだ藪スタイル'だが、色は薄目の仕上がり。
崩せば結構な数の芝海老が顔を覗かせる。
中々の大きさのせいか火通りも油切れも今一つといった感じで、あともう少し長めの揚げの方が好ましく思う。
天ぷらはほとんど塩で食べてしまったが、それだけ素材の良さがストレートに味わえた。
敢えてレモンを添えない点に、ご主人の見識が感じられる。
そうとは言え天つゆも決して悪くない出来で、粗めに下ろされた大根おろしも合間に摘まむのに好適。
酒についてが後になったが、冷酒を頼むと半合の量が洒落たワイングラスで供される。
銘柄はお勧めに従い「鍋島」ついで「豊盃」を頼んだが、いずれも天麩羅には良く合った。
蕎麦は'常陸秋そば石臼引き'の「十割せいろ」。
微粉のため中太で綺麗に揃い、ソリッドな食感と共に滑らかさも兼ね備えた優れた仕事。
やや辛めなつゆの仕上がりも上々で、徳利で出されるため天つゆの小鉢にも足して、これに浸したかき揚げに蕎麦を絡めても実に美味しい。
蕎麦湯は通常こちらでは手が加えられ粘度が付けられたものが出されるが、今回もお願いして「釜湯」のままを出してもらった。
サラッと伸びるため蕎麦猪口の他、天つゆの小鉢にも注いで余すことなく飲み干す。
技術面では相変わらずのハイレベルな仕事ぶりを確認。
天麩羅はかき揚げの出来だけ少し残念に思った以外は、大いに満足。
どれにも精妙な仕事が施され、ご主人の腕前の確かさが示されていた。
蕎麦の出来もそれに劣らず、水準以上が保たれている。
勘定は天麩羅の追加や酒も頼んだため8,000円を超えたが、満足度に照らせばリーズナブル。
一方で今回は人手が足りなかったせいもあり、サービス面でのバタバタ感が目に付いた。
やはりホール専門のスタッフは居た方が良いと思うし、提供の順が狂うなど段取りの悪さも気になった。
またカウンター内の巾が狭く、ご主人も若い衆も体格が良いこともあって、動きが交錯する際の窮屈さは明らかで、落ち着きの無さを感じてしまった。
創業200年に近い老舗だが、現在のような天麩羅に力を入れ蕎麦にもレベルアップを図ったのは、今の主人に代替わりした10年ほど前から。
こちらも最近は、昼でも天麩羅を一通り楽しんだ後に蕎麦で〆るスタイルが定着し、コースを注文する客がほとんど。
10席ほどのカウンターのみだが、揚げの担当はご主人一人でコース内容も複雑のため、提供はどうしてもゆっくり目になる。
以前はサラリーマンがランチに気軽に立ち寄ることも出来たが、時間が読めずそれも儘ならなくなったのは仕方ない。
このようなタイプでは、今や予約が取りにくいことでも有名になった「蕎ノ字」があるが、あそこに比べれば値段もお手頃のため、やや簡便ながら安直に寄れるこちらの人気も高まっている状況。
ご主人の実力は確実に向上しており、「蕎ノ字」に決して引けを取らないと見る。
このままのスタイルを続けるのでならば、昼もあちらのように完全予約制に移行させても良い気がする。
こんなご時世でもあり、店にとっては仕事に余裕が持てるし、客の方もそれなりの心構えで臨めてゆっくり出来ると思う。
昼でも天ぷらで一杯やって蕎麦で〆る使い方が相当
都心に出掛けた帰り、淡路町で途中下車する。
時刻は13時すぎで、この時間帯でも「まつや」や「藪」はまだ立て込んでいることが予想されるため、今回選んだのは久しくご無沙汰しているごく近所のこちら。
しかし此処も一階の12席ほどのカウンターは、外人さんを含め7分の入り。
運よく空いていた、作業の様子が横から眺められる壁際の席に通された。
こちらは前回のレビューで述べた通り、かつては普通の町場の蕎麦屋であった。
7.8年前の代替わりを機に'十割の手打'に切り替え、さらに若いご主人は天ぷらに力を入れ、それらを前面に出してやや高級路線に転向させた蕎麦屋。
品書きには一般的な蕎麦も多少載っているが、数種類の「天せいろ」と天ぷらと蕎麦を組み合わせた手軽なコースが用意されており、これらが一押しのようだ。
私も2.3回訪れて好ましい印象が残っており、今回も当然ながらこちらが目的。
注文は「天麩羅ランチコース」にする。
以前に比べ値段は少し上がっているが、内容にも多少変化が見られる。
前菜が'サラダ'から'旬菜三点盛り'となり、天ぷらの野菜が一品増え、その代りデザートが付かなくなったようだ。
最初にご主人から苦手な食材について、きちんと訊かれる。
生ビール(サントリープレミアムモルツ)のグラスを傾けるうちに、前菜の「旬菜3点盛り」が長皿で登場。
内容は「大和真菜と黄菊・しめじの煮浸し」「小肌の甘酢〆」「金時芋のレモン煮」で、どれも丁寧な仕事が感じられ味も良い。(ちなみに大和真菜とは奈良の伝統野菜のようで、見た目も味も小松菜に近かった)
次いでご主人が揚げる天ぷらが、懐紙を敷いた長皿に一品ごと置かれていく。
出された順に「むかご串刺し」「車海老頭」「車海老」「ズッキーニ」「あおり烏賊紫蘇包み」「下仁田葱 自家製柚子胡椒乗せ」「さごちの切り身」。
揚げの技術は以前にも増して上々で、一流天ぷら屋に匹敵する出来栄え。
車海老は中心がレアの仕上がりで、あおり烏賊の食感も良く、天種としては珍しいさごち(鰆の若魚)も良かった。
野菜も在り来たりでない点が面白く、中でも独特の甘味が生かされた下仁田葱の印象が残る。
ほとんど塩で食べるが、天つゆもきちんと出され、その中に入っている粗目に削られた大根おろしが、天ぷらの合いの手に摘むのにもってこいだった。
酒に「日高見」を一合もらい、ちびちびやりながら天ぷらを丹念に味わうが、なかなかの満足感である。
その後にタイミング良く、蕎麦の設えが運ばれる。
先につゆの味を確認するが、出汁とかえしのバランスの取れた江戸前ならではの仕事。
蕎麦は今回は、横長の箱に2種盛りとなって登場。
ともに十割だが、白っぽい方は「摩周産」、星も見える田舎風の黒っぽい方が「音威子府産」とのこと。
ともに香り良く、食感も喉越しも申し分のない。
蕎麦の茹で上げは高齢の先代主人が担当しているが、手捌きにベテラン職人の技が見て取れる。
蕎麦湯はこちらでは通常、別仕立てのかなりの濃度のものが出される。
今回は敢えてご主人に'釜湯のままでお願いできますか'と言ってみたら、快く応じてくれた。
実際につゆを割って見ると、気持ち良く伸びてすっきりと〆られた。
やはり江戸前の伝統に鑑みれば、こちらの方が好ましく思う。
実に快適な時間を過ごすことが出来た。
随所にご主人の意欲的な姿勢が感じられ満足度は高い。
今回のコースは2,800円だが、天ぷらも蕎麦も前回よりもレベルアップが顕著で、内容からすればCPは良好。
ビールと酒を含めても4,000円ちょっとは、リーズナブルに感じる。
スタッフは当代と先代の2組のご夫妻に、他に若い衆が二人という体制。
アットホーム的な和やかな空気感が、好ましい雰囲気を醸し出している。
こちらの真骨頂は、天ぷらで一杯やって蕎麦で〆ることを改めて確認。
こういったスタイルは「山中」が有名で、最近は人形町に「蕎ノ字」という優秀店も誕生したが、こちらも決して引けは取らないと思う。
この辺りの蕎麦屋では老舗の2軒に目が向きがちだが、独自のスタイルを築き上げたこちらの存在感も大きい。
星の評価は少し上げさせていただいた。
便も良いので、これからも定期的に訪れたい。
天ぷらの美味い蕎麦屋。両者はなかなかのレベル
食べログの都心の蕎麦屋のランキングで、見慣れない店が上位に顔を見せるようになったので気になっていた。
しかも場所は火災に遭った「藪」はじめ多くの老舗が集まる、私にとっても馴染み深い「淡路町」の一角である。
「志乃多寿司」や「近江屋」の並びの表通りに面しているが、オフィスビルに組み込まれており、目の前には最近完成した「ワテラス」なる再開発の巨大なビル群がそびえ立っている。
この界隈は良く知っているつもりだったが、正直ここに蕎麦屋が在ることは分からなかった。
4年間のブランクの後に再開されたというがその歴史は古く、創業は幕末と言うから大変な老舗である。
「松竹庵」と言う屋号の蕎麦屋は、こちらの他に「人形町」はじめ下町に何軒か在るようだが、その系譜については承知していない。
この辺りでもこちらに比べれば新しい明治創業の、「藪」や「まつや」が超人気店であるのに対し、ひっそりと暖簾を保ち続ける地味な存在だったようだ。
主人は元アスリートという話を聞いたことが有り、店を継ぐに当たっては手打の蕎麦と天婦羅の技術を習得して、満を持しての再開となったとのこと。
先代と思われる両親が、若き主人をサポートする。
店内は2階にはテーブル席も有るようだが、1階はカウンターのみで明るく清々しい雰囲気。
初回は昼の早い時間帯に寄ってみた。
「車海老と帆立のかき揚げ天せいろ」を注文したが、カウンター越しに天婦羅の作業の一部始終が眺められる。
「かき揚げ」はこんもりとした立体感のある仕上がりで、火通りの加減も良くなかなか美味い。
海老が活け物のである証に、海老の頭の素揚げも添えられている。
当然ながらこのようなスタイルなので、天つゆと蕎麦つゆは別々に出されるが、濃さに差は無かったので、天つゆの器でかき揚げと蕎麦を一緒に味わうことで、美味さの相乗効果が生まれ、より美味しくなった。
カウンターでの高級天ぷら屋と同じスタイルは嬉しく、これに蕎麦が付いて1,600円はお得である。
他にも各種の「天せいろ」のメニューが、用意されている。(蕎麦に出来については後述)
2回目はこの「天ぷら」を肴に一杯やりたいと思い、初回に目を付けていた「昼のランチコース」を目的に、やや遅い時刻に訪れる。
ビールは生だけのため、「サントリープレミアムモルツ」を注文。
まずコースの前菜として「サラダ」が出される。
レタス・トレビス・玉ねぎや蕪の薄切り・トマトなどで彩が良く、和風ドレッシングの加減も良い。
天ぷらは「車海老とその頭」・大分産「鯛の大葉包み」・「舞茸」・北海道産「南瓜」・「帆立」といったラインナップ。
もちろん揚げ立てが、一品ごと出される。
海老や帆立の真ん中がレアの仕上がりに、上々の腕前を感じる。
江戸前天ぷらの定法では、鱚やメゴチといった丸のままの小魚を使うのに対し、鯛の切り身を揚げるのは面白いアイデア。
大根おろしたっぷりの「天つゆ」と塩が付くが、レモンを添えないのは考えが有ってのことと思う。
酒を追加しようと思ったが、天ぷらを丹念に味わううちに機を逃してしまった。
蕎麦は十割という事だが、微粉でエッジの立った堅打ちで、香りも有りなかなかの仕上がり。
「つゆ」も薫り高く、濃さは中庸で上品な出来。
唯一残念のは「蕎麦湯」が別仕立てで、それもかなりの粘度が添加された、ドロドロの重湯状であること。
最近の風潮でこういった流行物を好む人もいるが、蕎麦主体の店ならまだしも、コース仕立ての天ぷらの食事として出される蕎麦の〆には相応しくなく、これが後味を著しく損ねている。
決してマニア指向の蕎麦屋ではないのだから、これだけは是正をお願いしたい。
食後のデザートは「酒粕のブランマンジェ」で、甘さを抑えた大人の味で美味しかった。
初回の「かき揚げ天せいろ」に比べれば、天ぷらと蕎麦がそれぞれ独立した料理として出されるので、一体感を楽しむ「天せいろ」本来の醍醐味とはちょっとずれる。(一緒に出してほしいと言えば、そうしてくれるのだろうが)
しかし両者のレベルが高いため、美味さの相乗効果を生まずとも、それぞれを味わっても満足度はまずまずである。
揚げたての天ぷらを一品ずつ出す店としては、「松翁」「蕎楽亭」系が思い浮かぶが、落ち着いて味わえる点では、こちらの方が勝っている。
蕎麦は一般的な種物や季節ものなどもやっているが、ほとんどの客は天ぷらが付いたものを注文するようだ。
夜は「天ぷら」の他に一品料理もメニューに載るが、やはり主体は天ぷらと蕎麦。
相対で客と接する、若主人の愛想の良さも好印象。
こういったスタイルで「天ぷら」と「蕎麦」が並立する店と言えば、宇奈根の「山中」が在るが、同じようなコンセプトの店が都心に現れたことは喜ばしい。
こちらも今後は、この辺りの美食地帯の一翼を担う一軒として期待が持てる。
余談ながら、帰り際にこの店の裏手へ回ってみたら、暫く更地になっていた「藪」の敷地で「地鎮祭」の後片付けをやっていた。
そろそろ再興に向けての建設工事が始まるようだ。
どんな店が出来上がるかが楽しみである。
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蓼喰人
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店名 |
手打蕎麦 松竹庵 ます川
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受賞・選出歴 |
そば 百名店 2024 選出店
食べログ そば EAST 百名店 2024 選出店
そば 百名店 2022 選出店
食べログ そば 百名店 2022 選出店 |
ジャンル | そば、天ぷら、日本料理 |
予約・ お問い合わせ |
03-3251-1043 |
予約可否 |
予約可 御予約昼・夜共に可。 |
住所 | |
交通手段 |
丸ノ内線「淡路町」・新宿線「小川町」より3分 淡路町駅から190m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算 |
¥10,000~¥14,999 ¥4,000~¥4,999 |
予算(口コミ集計) |
¥10,000~¥14,999
¥5,000~¥5,999
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 電子マネー不可 QRコード決済不可 |
サービス料・ チャージ |
昼の部•夜の部共にサービス料5% |
席数 |
10席 (1階カウンター席のみ。) |
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最大予約可能人数 |
着席時 10人 |
個室 |
無 |
貸切 |
可 |
禁煙・喫煙 | 全席禁煙 |
駐車場 |
無 |
空間・設備 | 落ち着いた空間、カウンター席あり |
ドリンク | 日本酒あり、ワインあり、日本酒にこだわる、ワインにこだわる |
---|---|
料理 | 野菜料理にこだわる、魚料理にこだわる |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 隠れ家レストラン |
お子様連れ |
子供可 ディナータイムはお子様連れ不可 |
ドレスコード | なし |
オープン日 |
1830年 |
備考 |
【昼の部】 |
初投稿者 | |
最近の編集者 |
|
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大学時代からの友人3人と、遅めの新年会で利用。
我々くらいの年齢になると会社勤めだった連中も大体リタイヤしており、学生時代からの友人との呑み会は昼に催す機会が増えている。
と言っても食事向けの客が多い店ではゆっくりはできず、居酒屋系で昼から開けている処もあるが雰囲気はあまり良くないため、選択肢は案外少ない。
そんな中で私が日頃から馴染みにしている蕎麦屋では'昼に一杯'が楽しめる店が多く、今回も幹事と相談してこちらを選ぶ。
現在こちらは昼も夜もコースのみのスタイルに移行しており、それ目当ての予約客で連日盛況だが、その分ゆっくり出来ることが見込める。
11時半の開店時刻に入口前に客が参集、定時に暖簾が掛かり店内に導かれる。
我々には10個の椅子が並ぶカウンター奥の3席が用意されており、他の7席も予約客ですぐに埋まる。
現在は揚げに専念するご主人とサポートする職人、他に接客担当の女性の3人で賄われている。
以前は先代ご主人夫妻が手伝っていたが、決して広くない厨房内の慌ただしさがかえって目立ってしまっていた。
現在は予約客オンリーのため、この体制でも十分のようだ。
まずは生ビールなど、好みのものをもらって乾杯。
料理は「おまかせランチコース」を頼んである。
内容は「先付け・天ぷら(海老・旬魚3種・野菜3種)・かき揚げ又は穴子天・十割のもり」で、全員同時スタートなので坦々と進行していく。
先付けは2品でまず「炙り〆鯖の酢の物」が出された。
皮目を少し炙って平造りにされた〆鯖と若芽、さらに粗く刻んだガリに、三杯酢が掛けられている。
鯖は丁寧に〆られており、穏やかな酢の加減も好ましい。
2品目は「蕎麦がきの金時人参のすり流し」で、練り上げた蕎麦がきの上に、出汁で柔らかく煮て潰した金時人参にとろみを付けた餡がたっぷりと掛かっている。
モッちりした蕎麦がきと、金時人参の自然の甘さが生かされた優しい餡との取り合わせが秀逸。
天ぷらは次のようなラインアップで、ほど良い間を置いて一品ごと懐紙の上に揚げ立てが置かれて行く。
「車海老」:しっかり目の火通りだが、甘みと旨味は感じられる。
「茄子」:産地や品種を失念したが、トロっとした食感が好ましい。
「太刀魚」:肉厚の切り身で中はホクホクの揚げ上がり。
「マッシュルーム」:大ぶりが4つ割りにされているが、ジューシーな旨味が口に広がる。
「アオリイカ」:やや火が通り過ぎで、身も硬かったのが残念。
「蕗の薹」:はしりのため小振りだが丁寧に葉が広げられており、香りとほろ苦さが楽しい。
「牡蠣」:小粒だが一口齧れば、熱いジュースがほとばしる。
この後で追加を訊かれる。
この日は魚の種類は少なかったが、その中から「グジ」(甘鯛)を選択。
鱗を立てて揚げるグジならではの調理法で、サクサクの歯触りが心地よい。
最後の一品は「小海老のかきあげ」の方を選ぶ。
前回はちょっと残念な仕上がりだった記憶があるが、今回は火通りも油切れも良好。
サクッとした仕上がりで、小海老一粒ごとがきちんと天ぷらとなっており味も上々。
ほとんどを塩で食べたが、こちらでは昔からレモンは添えない。
レモンの酸味は結構強いため、時として素材本来の持ち味を損ねることがあり、理に適っていると言える。
もちろん天つゆも丁寧な出来で、粗目におろされた大根おろしと合わせると美味しい。
酒についてが後になったが、こちらでは通常冷酒は5勺くらいの脚付きのグラスで供される。
注文したいと告げると、ご主人は5.6本の一升瓶を目の前に並べてくれた。
いずれも選りすぐった銘柄で少し迷うが、2種を選択。
「シン・ツチダ」:添加物なしの米・水・麹のみで作られ、精米歩合も90%と流行の吟醸酒などとは対極の製法の酒。
色も薄黄色で、爽やかとは一線を画する複雑で深みのある味わいが好ましい。
「而今 千本錦 生」:こちらは吟醸酒でフルーティーな口当たりと、すっきりした後味が良かった。
いずれも天ぷらの美味さと相俟って楽しめた。
蕎麦はかき揚げが出された直後に出され、もう少しずらしてくれると有り難かったが、10人前を順次茹で上げて提供するため致し方無いようだ。
しかし蕎麦の出来は上々で、シャキッとした歯触りで香りもある。
十割なので繋がりに多少難があるが、啜るには問題なく喉越しも良好。
つゆも江戸前伝統のバランスの取れた味わい。
蕎麦湯は前回は釜湯のままをお願いしたが、今回は注文を付けなかったため手が加わったスタイルで登場。
しかし注いでみると思ったより粘度は少なく、つゆの旨さと相俟って悪い印象は無かった。
概ね満足できる会食となった。
先付けの2品の出来も良かったし、天ぷらの技術にも安定感が見られた。
蕎麦もしっかりした仕事で、〆の満足度もまずまず。
以前は一般客も居たため提供のリズムが狂うことも有ったが、今はゆっくりコースを楽しむ気持ちで臨む客ばかりなので、和やかで落ち着いた雰囲気。
仕事振りにも余裕が見られ、天ぷらを乗せる敷紙を頻繁に替えるなどサービス面でも好印象。
コースは最近少し値上がりして5,300円(税・サービス料別)だが、内容からすればリーズナブルに思う。
トータルの支払いも酒の値段が分からなかったが、1人一万円ちょっとは相当である。
今では予約が取れないことでも有名になってしまった人形町の「蕎ノ字」も、開店当初に昼に訪れた際はこんな感じだった。
まずまずのレベルの天ぷらと蕎麦が一緒に楽しめる処としては「松翁」「蕎楽亭」系があるが、昼は落ち着かず一杯やって寛ぐにはやや不向き。
その点こちらは予約をすればゆっくり出来るため、私のような人間には有難い存在である。
これからも折を見て足を運びたい。