我が家の誕生日祝いの会としてはちょっと異質 : 鳥茶屋 別亭

この日は、私の誕生日祝いの家族での会食です。
もうおめでたい年では無いのですが、誕生日祝いの会食は、ここのところ欠かさずやっていますので、今回もそれに従って行うことになりました。
実際の誕生日からはかなり遅れた日にちでの実施となったのですが、これは当初予定されていた日に次女が急に高熱を出してドタキャンになったため。
仕切り直しでこの日行うことになりました。

最近の我が家の誕生日祝いの会食は、イタリアンを中心とした洋食系に偏っていた感があったのですが、今回は私のリクエストもあって、神楽坂にあるこちらの老舗日本料理店で行うことになりました。

神楽坂は、私の会社の社員にとっては、社宅からの通勤経路途上になっている人も多く、高田馬場とともに途中下車して飲んでいくのにはうってつけの場所でした。
今は、そんな機会も減りましたが、私も以前その社宅住まいだった時代もあり、たまに先輩に誘われて飲み歩いたものです。
当店は、そんな時に利用したお店の一つ。
この年になると妙に昔懐かしさが込み上げて来ることがあり、今回もそんな思考の延長線上でリクエストしました。

鳥茶屋は、日本料理の中でも、うどんすき、関西料理といったジャンルのお店。創業は昭和38年と言いますから、まさに高度成長期の真っ只中。
往時の隆盛が偲ばれますが、それでもその後の幾多の浮沈を乗り越えて今なお暖簾を守り続けているのは立派だと思います。
それは、私を連れてきてくれた先輩たちのようなご贔屓さんがあってのことなのでしょうね。

今回は、神楽坂の本通りから一本入ったいわゆる「芸者小道」と呼ばれていたらしい石畳小径の途中にある当店＝鳥茶屋別邸の方を予約してくれていました。

11時半からの予約で11時20分頃着いたところ、石畳の坂道には、人が溢れかえっています。
最初は何事か要領を得ませんでしたが、どうやらまだ開店していないらしく、予約客も予約していない客も入り乱れて待っていたようです。
それにしても、予想以上の人気。
ただ、最近は、行列店に行くと外国人観光客が必ずかなりの割合でいるのですが、当店は、ほとんどが日本人。加えて女性比率がとても高いのが特徴です。
しばらくすると、店員さんが出てきて予約客の誘導を始めました。
我々も前に並んでいる人たちを抜かして案内してもらいました。

我々が通されたのは1階にある半個室。
1階席はカウンター席と部屋の名前の付いた半個室がある感じです。
我々の誘導された部屋は4人用テーブル1卓の部屋で、卓上には小鉢と前菜が埃除けが掛けられて並んでいました。
中央には鍋をかけるテーブルビルトイン型のコンロがあります。

席に着くとすぐに店員さんがやって来て埃除けを取り除きドリンクの注文を聞きます。
料理は予め予約してあった(ランチのうどんすきコース、税サ込み@2,850円)のでお茶のみお願いすると「それではお始め下さい。」とのこと。
卓上の料理に箸をつけることとします。

小鉢はヒジキの煮付け、前菜は昆布の和え物と鶏肉の松風焼きでしたが、どれも上品な味わいでとても美味しかったです。
ただ、どうでもいいことかもしれませんが、鶏肉の松風焼きが、人によって大きさが倍以上違うのはいただけませんでした。

続いてお造りが出されます。
白身と中トロのお造りで、お上品なサイズながらもしっかりとしたお造りでした。

鍋の前の料理は、次の煮物でおしまいですが、その煮物は豚の角煮でした。
柔らかく炊かれ薄味の出汁で味を整えてある豚の角煮で美味しかったです。

角煮を食べ終わったあたりで、うどんすきの鍋が運ばれて来ました。
全体に料理の提供タイミングは丁度いい感じです。
店員さんの応対は、人によって違う感じですが、全体に若い人の方が丁寧で、ベテランはやや慣れが感じられる分手抜きも感じました。

うどんすきの食べ方は説明がありますので、それに従っていただきます。
最初は、はまぐりが開くまではそのまま加熱し、はまぐりが開いたら、まずそのはまぐりを食べてから鶏肉ほかの具を汁に少し馴染ませます。
極太のうどんに鶏肉を中心に練り物、麩、海鮮、湯葉、野菜類などが入っていますが、関西風の薄味の出汁はとても美味しく、皆箸が進みます。
うどんは、我が家の鍋では定番の群馬県前橋市の高山麺業の極太麺と比べても勝るとも劣らない太さ。
恐らく国産小麦を使用しているのだと思いますが、とても美味しかったです。
半分くらい食べたところで、餅を投入しますが、その餅も鍋にはよく合いますね。

鍋の火加減や汁の量の加減については、店員さんがいいタイミングでチェックして適宜割り下を足してくれたりするので心配ありません。

鍋の後は、ライチシャーベットが出されて〆となりますが、全体に料理は秀逸でボリュームで面でも満足度は高いです。

老舗の料亭にもかかわらず料金表示がオール込みだったのも高評価の要素になりますね。
さすがの人気店という印象。
夜の部はいついけるのか見当が付きませんが、可能であれば再チャレンジしたくなりました。