企業系チェーンでも安定した美味しさ : 過門香 赤坂溜池山王店

この日は、家内の誕生日祝いの会食でした。
我が家は、家内と次女の誕生日が近接しているため、会食が相次ぎます。したがって、自ずと料理のジャンルを分けることになります。
今年は、次女の誕生日祝いはイタリアン(@レストラン ラッセ)だったので、家内の方は中華にしようということになり、私が食べログで調べてこちらのお店を利用することにしました。

過門香は、「土風炉」や「石庫門」などを展開している株式会社ラムラのブランドの一つです。
同社のブランドは、ラグジュアリーブランドとカジュアルブランドに大別されますが、当店は、ラグジュアリーブランドの方に位置付けられます。

ちょっと調べてみたところ、私のこれまでの利用はカジュアルブランドが中心で、メジャーブランドの石庫門は、丸の内オアゾ店と神田店、御茶ノ水ソラシティ店の3店を利用しているのを始め、麹蔵（神田店、有楽町晴海通り本店）、Ｕｏ魚（神田南口店）、さくら麹といったお店を利用、レビューしてきました。

他方、ラグジュアリーブランドでも相当前に銀座の日月火を利用、レビューしたことがあるほか、昨年（2019年）には御茶ノ水ソラシティにある「和食バル 音音」もランチながら利用、レビューしました。
いずれにしてもラムラブランドにはかなりお世話になっているわけです。
ただ、評価はお店によって結構分かれていますね。

ラムラ社のブランドは、ほとんどのお店が食べログ会員店になっており、積極的な営業姿勢が伝わってきますが、同じ積極営業でもいわゆる"あの系統"の劣悪店とは明らかに異なるので、評価は分かれているものの安心感はあります。

加えて、今回は中華の利用ですが、カジュアルブランドの石庫門は複数回利用していずれでも安定した味を確認してますので、当店はラグジュアリーブランドということもあり、それなりの期待をして出掛けました（もちろん企業系なので、過度な期待はしませんが・・）。

過門香ブランドのお店は、公式HPだと全9店舗の展開なのですが、それ以外にデリカテッセンショップも4店舗運営していますね。

当店は、溜池山王駅の12番出口直結のATT新館というビル(株式会社森トラストの運営)に入居しています。
駅直結ではありますが、南北線ホームからだと7〜8分、銀座線ホームからでも6〜7分ほどはかかります。
入口は、ビルから一旦外へ出て入りますが、ほぼ濡れずにアクセスできる好立地ですね。

入るとちょっとしたホールがあり、アルコール消毒液が置かれています。
出て来た店員さんに予約の旨を告げると、検温があって、その後席に案内してくれます。
特に個室は頼んでいなかったのですが、個室を提供してくれました。
その個室、平時なら16人収容の部屋と思われましたが、我々4人の貸し切りとなりました。まだ客足が回復していないからとは言え、なんとなく悪い感じですね。

今回は、ワンドリンク付きの税込み4,000円のコースを予約しておきました。
通常料理6点＋デザートのところ、サービスで北京ダックが付きます。
よって、料理7点＋デザートのコースですね。

思い思いのドリンクをオーダーして乾杯します。
二十歳になったばかりの次女のアルコールデビューは、今回は先送りになりました。

最初の料理は４種前菜の盛り合わせ。
①ミョウガとプチトマトのアミューズ、②干し豆腐とモヤシの炒め、③白クラゲの和え物、④蒸し鶏のガーリックソースですが、中華の前菜としてはそれほど一般化しているものでもなく、当店の個性が感じられます。
企業系チェーンにしては小回りの効いた味付けという感じでなかなか美味しかったです。

続くスープは、五目入りフカヒレのスープ。
コクのある中華スープにフカヒレが贅沢に入っており、いい味を出しています。

スープに続いて出されたのが、サービスの北京ダック。
よく見られる目の前で作るタイプではなくて、春巻きの皮にロールされた北京ダックが出されます。
そして、この北京ダック、肉もしっかりついている珍しいタイプ。
北京ダックらしいジューシーさもあって美味しかったです。

次は、蒸し点心３種の盛り合わせが出されました。
上海小籠包、海鮮焼売、黒豚焼売の3種類です。
いずれも薄切りの大根を下に敷いていますが、この点心、なかなかです。
特に上海小籠包は、大きな海老も入っており、肉汁がジュワッと染み出し、とても美味しかったです。
焼売も本場の点心のレベルに近かったと思います。

魚料理は、海老ときのこ入り玉子炒め銀アンカケが運ばれてきました。
これは大衆中華によくある味で、やはり企業系チェーンかなということを感じた料理でしたが、プリプリのエビが入っており、味は決して悪くなかったです。

肉料理は、若鶏の上海香酢仕立て。
小松菜炒めが添えられています。
この料理に合わせて中国茶(鉄観音)も出されました。
蒸し暑い日だったので、サッパリ感のある黒酢は余計美味しく感じますね。
ただ、料理としてはやや平板な感じはありましたが。

食事は、汁なし坦々麺です。
冷製でしたが、四川山椒の香りとピーナッツの香ばしさが特徴的。
ただ、奥深い旨味には欠け、今流行りの専門店の味にはやや届かなかった印象でした。

デザートは、杏仁豆腐ですが、一風変わった杏仁豆腐で杏仁の風味はするのですが、カルピスベースのような感じです。
ブルーベリーも添えられてさっぱりしていますが、残念ながら私の好みとはちょっとズレてましたね。

料理はやや尻すぼみの傾向はありましたが、全体としては安定した美味しさがあったと思います。
企業系チェーンでこのレベルの味が出せれば御の字でしょう。

誕生日のプレートもサービスしてくれましたし、満足のいく時間を過ごすことが出来ました。
それにしても、客にとっては有難いのですが、当店のような大箱店舗(店舗情報によれば220席)でこの日のような客入りだと厳しいのは明らかですね。
接客もとても良かったのですが、それだけに却って気の毒に思えてしまいました。
是非、今の荒波を乗り越えて頑張ってもらいたいですね。