料理はどれもハイレベル。ただ、我々にとっては、もう少し料理の提供がスピーディーだったらと思いました。 : ラ・パスタイオーネ

今年も夏のボーナスが出ました。サラリーマンにとっては、半年間の働きに対するご褒美ですので、年によって多少の凹凸はあるにせよ、いくつになっても嬉しいものです。

昔ほど支給日を指折り数えるということは無くなりましたが、昨年からは長女も就職したことでスポンサーが増えたのは有り難いこと。
普段は、記念日等はランチ食事会で済ませる我が家ですが、スポンサー増により、この日はディナーを楽しむことにしました。

今回選んだのは麻布十番にある当店。我が家はイタリアン好きなので、食事会のジャンルは圧倒的にイタリアンが多いのですが、その中でも品数の多いイタリアンを出来る限り選ぶようにしています。
当店に白羽の矢が立ったのは、品数そのものと言うより、パスタが３品含まれるコースがあったため。イタリアン好きというのを掘り下げていくと、ピッツァかパスタが好きということとほぼイコールですので、このコースは大変魅力的に映ります。

当店のもう一つのこだわりがワインで、ワインについては素人同然の我が家のメンバーだけにその点はいささか気にはなったものの、やはりパスタ３品コースは捨て難く、予約を入れた上で出向くことにしました。

当店の場所は、地下鉄南北線の麻布十番駅の１番出口から徒歩３～４分ほど。麻布通りの二の橋交差点を右折して50ｍほどの左手にあるYREビルの１階にあります。

18時半の予約で、それより5分前くらいに到着しました。お店の入口には「満席」と表示されています。やはり、予約正解でした。

店内は、テーブル席のみで、入口脇の通りに面したところに2席ある他は、奥にちょっとした小部屋風の間があって、この日はテーブル席が4卓12席がセットされていました。
我々は、その奥の4人卓に案内されました。

予約していたのは、シェフのおまかせパスタコース税込み5,184円。
前菜2種にパスタ3種、デザートが付くコースです。

まずは、我が家らしくスパークリングワイン系とソフトドリンクで乾杯した後、料理が提供されます。

乾杯後8分ほどで前菜の一品目がサーブされます。舟形マッシュルームとルッコラのサラダなのですが、これがなかなかのボリューム。舟形マッシュルームは山形県産のこだわりマッシュルームです。ベジファーストにもなりますし、とにかくとても美味しかったです。

前菜は2品付くのですが、次の前菜の提供まで23分掛かりました。ワイワイガヤガヤとワインを楽しむ人にはこれくらいの間隔がちょうどいいのかもしれませんが、我が家のような飲みよりも食事を楽しむ客には、やや待たされ過ぎの感があります。
そのお待ちかね(笑)の前菜２品目は、エゾシカのサルシッチャ（ソーセージ）。
このサルシッチャ、待たされただけのことはある絶品のサルシッチャでした。シカ肉と言っても臭みは全く無く、スパイシーながらも旨味たっぷり。ちょっと甘めのバルサミコ風のソースとの相性もバッチリです。

次からがパスタなのですが、一皿目のパスタが出されるまでやはり23分掛かりました。その一皿目は、生ウニとアンチョビ、アボガドのペペロンチーノ。パスタは、リングイネです。美味しいです。それ以外の言葉が見当たらないですね。とにかく素材の取り合わせが絶妙です。この組み合わせは素人では思い浮かびません。

二皿目のパスタはそれから24分後の提供です。ここまで提供時間の間隔がほぼ等しいと、わざと間隔を開けて提供しているようにも思えます。それでも、やはり我々にとっては、やや長く感じる時間帯です。
二皿目のパスタは、ホタテ貝とホワイトアスパラのトマトソース。フィットチーネでの提供です。フィットチーネは、生パスタと思われますし、今ではあまりメジャーでは無くなっているホワイトアスパラはトマトソースと良く調和しますね。これもとても美味しかったです。

三皿目のパスタの提供は、二皿目から25分後。ここまでくると、もはや「なるほどですね」と思いたくなります(笑)
その三皿目は、サマーポルチーニのリゾーニ。お米のような形状のパスタ「リゾーニ」をまさにリゾット風に仕上げています。ポルチーニの香りと滑らかなリゾーニのハーモニーが絶妙。これも素晴らしいパスタでした。

パスタ３品は、ほぼ期待通り。このコースを頼んで良かったと思います。

デザートはハイビスカスとハチミツのパンナコッタ。ハイビスカスの香りがしっかり出ており、ハチミツの優しい甘さで包み込んだパンナコッタで、これもとても美味しかったです。

ドリンクを各自１杯に留めたこともありますが、この素晴らしいコースで1人6,000円をちょっと超える程度。コスパも決して悪くありません。

今回は、我が家にとってはちょっと冒険したかな？と思われる麻布十番でのイタリアンでしたが、全く後悔はありません。
若いカップル客の多いお店で、家族連れにはやや場違い感が無きにしも非ずでしたが、満席の盛況ぶりは良くわかるお店でした。

これまで、イタリアンでも素晴らしいと思ったお店が閉店していくのを嫌というほど見てきましたが、当店には是非とも長く続いて欲しいと思います。