素材を最大限に活かしたフレンチ : 蒼

西麻布の「蒼」さんを訪問。
イノベーションフュージョンの有名店ですね。

今回は、ワインのペアリングも合わせたコース(72000円)となります。
正直、、、一食の値段は、最高値かもしれません。

さて、どんな料理が提供されるのでしょうか？

クルクルとした螺旋階段を登って入店します。
ドアはオシャレな門構えですね。
入口の「蒼」という看板も、青く輝いています。

入店すると、和と中華も入ったようなモダンな内装に、オープンキッチン型のカウンター席が広がります。

シェフから丁寧な挨拶を受けて、席に着きます。
この時点で、結構、期待値高めです。

以下、順番に。

□ 愛媛藤本さんより　神経締め真鯛のコンソメ
濃厚な真鯛のコンソメ。
舌に絡みつく感じが何とも言えません。

□ 明石 田幸一より　浦鰆　お米と中国甘酒のソース
レモングラスで燻製にされた鰆は、火の入れ方も含め、絶妙すぎて、本当に感動物です。

□ 真鱈無洗白子と黒トリュフのグラタン
白子の爆弾という表現が相応しいグラタン。
ベシャメルソースも味わいが良く、濃厚な白子と合わせると感動物です。

□ さかな人長谷川さんより長井の赤座海老ビスクと共に
この赤海老、初めての食感で、本当に美味しかったですね。
海老の旨みもそうなのですが、ビスクの濃厚さも半端ないです。

□ 佐渡より　ずわい蟹のリゾット
蟹の量の方がお米よりも多いリゾット。
蟹の旨みも絶妙なのですが、お米の硬さがストライクで、とても濃厚なリゾットでした。

□ 尾藤農園より3年熟成キタアカリ　黒トリュフ
　貫井農園の椎茸　自家製バター
ジャガイモと椎茸だけで、こんなにインパクトのあるお皿になるの？
と驚きのある一品。
ジャガイモは三年に熟成物で甘味が凄く、椎茸と自家製バターの濃厚さにも感動があります。

□ 勝浦より地金目鯛　本日の仕立て
パリパリに焼かれた金目鯛のアクアパッツァ。
鯛の味とスープの濃厚さがたまらない一品。

□ 東農園よりパプリカのムース
パプリカを煮詰めて、作ったほぼパプリカだけのムース。
パプリカの複雑な味わいを残しつつ、甘みもある絶妙な一品。

□ 水晶文旦のグラニテ
お肉料理の前のお口直し。
確かに不思議とリセットされます。

□ 上田畜産　丹波玄の炭火焼き
コースの提供中も何度も何度も火入れをして、冷ましてを繰り返していた神戸牛のステーキ。
柔らかさが半端なく、絶品。

□ 12ヶ月特別飼育の地頭鶏　一山いけすの地蛤
蛤と鶏のお出汁が濃縮されたリゾット。
貝のエキスが詰まっていて、このタイミングでこれが出てくるのが素晴らしいですね。

□ 浜松より天使音マスクメロン
シェフが最高のメロンと考えるメロン。
このメロンを切るために、専用の鋼の包丁を用いてカットされています。
甘い。

□ 特別飼育比内地鶏卵のアイスクリーム
マイナス5℃までしか冷やしていないアイスクリーム。
カスタードの濃厚さを感じ、冷たさをそんなに感じない絶妙な舌触りのアイスクリーム。

□ 小菓子&コーヒー
シュークリームが焼きたてなのですが、持つとずっしりと重さを感じます。カスタードが詰まってます。
濃厚で美味しい。

お料理の総評ですが、どれもこれもハイレベルで、大変美味しかったです。あまり文句の付けようがないレベルでした。
正に、素材を活かした美味しい料理でした。

シェフは料理の合間も、笑顔でとても丁寧に説明をしてくれます。
お客様の様子にも、絶えず目配せをされていて、お客様の満足度を意識されているように思いました。

コースの終わりに、少しお話しをしましたが、このスタイルに行き着いたのは、元々はソースやハーブなどの足し算の料理を提供していた所、生産者の方から「これ、美味しいけど、俺の素材でなくても多分美味しいよね。」と言われたことがきっかけになったようです。

そこから、素材の持ち味を最大限に活かす、繊細な日本の食材に合った調理法に徐々に切り替えていき、このような出汁を生かす方法に変化をしていったようです。

もっとも、出汁と言うのは比喩で、フレンチの基本はソースなので、あくまで素材を活かしたソースを提供しているとのご説明でした。

素材によってクセが強いものなどは、足し算のソースを作っていくとのことだったので、「なるほどな」と大変勉強になりました。

とても良いお店で、また来てみたいと思わせるに十分なお店でした。

ワインのペアリングも大変素晴らしかったです。
シャンパン、白、赤、最後のデザートワイン、どれをとっても隙がなかったです。

支払手段ですが、クレジットカードの事前決済でお支払いをしました。

大変美味しかったです
また来れるようなら伺いたいです。
ご馳走様でした。