緻密な組合わせ＋素材を活かす＝オルグイユ : オルグイユ

カンテサンス、憧れですね私には。そんなお店で岸田シェフの元研鑽を積まれた加瀬シェフのお店へ今回初訪問です。
まだ若いシェフです！　３３歳ですか～。にもかかわらず既に２０１７ミシュラン一つ星獲得！
まだまだこれからどれだけ成長されるのか、楽しみな若いシェフへの期待値は勝手に膨らみます。
『オルグイユ』フランス語で「傲慢」、傲慢の中に存在する誇りを表現とホームページに。さて、わたくし本日その傲慢、感じられるのか(・・?

食べログサイトからネット予約ですんなり予約完了です。以外にあっけなかたですが、予約できたのですから嬉しい限りです。
マイレビ様達も行かれてますね。
なるほどなるほど、お店に看板がないのですね。ググッて行けばなんとかなるかな。ビル名も分かってますし。
外苑前より徒歩で約１０分、本日はお日様が若干陰り気味で、気温は３０℃ぐらいでしょうか。一時の殺人的な猛暑に比べれば大分楽ですが、湿度は高めですから汗がやはり・・・(;^ω^)

ランチはおまかせコースのみ　￥7,800（税抜）　
ミネラルウォーター代別途　￥600
アルコールはシャンパーニュ地方のみとの事ですので、軽く３杯でのペアリングをお願いしました。

☆アミューズ
蕎麦粉で作った薄焼きの生地に、玉葱と生姜を甘味がでるまでキャラメリゼし、イカ墨を合わせ、その上に剣先烏賊をフレッシュな物とフリットにした物をのせ、手に取って食します。熱々の状態ですので手に伝わる感覚がまず刺激され、口の中では何とも言えない甘味がフワッと拡がります。イカ墨のコクのある味が烏賊を包み込みます。蕎麦粉の香りも鼻を刺激し、見た目の色の鮮やかさと相まって五感が総動員されますよ。楽しい一品です。美味しい(^^)v

☆京都由良川の天然鮎
だいぶ大きく育った鮎を、仕込みとして風にあて皮目を乾燥させてます。そうする事で、焼き上がりがパリット香ばしくなるそうです。開店前から下焼きを施し、お客様の食事のタイミングを計り３００℃のグリルで二度目の焼き、その後フリットし油にくぐらせ、頭から骨までを柔らかくし、更に三度目のグリルへ。頭から尻尾まで全ていただけます。内臓には枝豆を炙り一緒に合わせてますが、苦みにコクが合わさり良いです鮎様。枝豆を炙って添え、グリーントマトに胡瓜を合わせたソースの色合いがグリーンで美しい！アクセントに山葵を入れる事で一味締まったソースです。鮎・ソース・枝豆を全て一緒に食べましたが、苦みに酸味・枝豆の食感と豆の旨味が渾然一体となり、更に皮のパリットした食感、う～ん旨い(^^)v
お料理の緻密な組み立てが素晴らしいです！日本の夏にぴったりな食材の和テイスト、いいですね！大好きです。

☆平貝・フランス産セップ茸・イベリコ豚の生ハム・ツル紫
セップ茸（フランス語でポルチーニの事）を網焼きにして、平貝の上に、その上にはツル紫と色合いが鮮やかです（写真では若干分かりずらいですが）。このお料理は、全てを一緒に食べて初めて完成された味に組み立てた繊細な物だと感じました。平貝の淡白だが貝独特の甘味と食感、セップ茸の芳醇な香り、ツル紫のほろ苦さ、貝のお出汁で作られたソースにムール貝、それをイベリコ生ハムの塩気が全てを包み込んで、凄いですねこんなお料理初めてです。食材の味や香り食感を感じながら、融合した旨さの素晴らしい事。生ハムと貝類を合わせる発想、おそれいりましたm(__)m

☆高知土佐のスジアラ　オクラ
スジアラ？聞き覚えがありませんのでググってみました。
スズキ系ハタ科、体調は１ｍ前後に成長する、全体が赤く、赤褐色もしくは青い小さな斑文が無数にある。味は究極の美味だが、一般には馴染みは薄いようです。
お料理ですが、皮目はパリッと身はレアに焼き上げ、スジアラのお出汁をオリーブオイルでつなぎ、サフランを加えたソースを合わせています。オクラは二種類、緑色の火入れした物と、赤色はビネガーを合わせ塩もみした物。その上にオクラの花びらが添えられていますが、ほのかにオクラの味がします。先程までの計算された組み立てではなく、素材を活かしたお料理です。皮目に振られた塩の加減がいいです。白身で脂がのったスジアラ自身の美味しさを引き出す為のあっさりとしたソースがいいんでないの～(・ω・)ノ

☆フランスラカンのホロホロ鳥
胸肉とささ身はしっかりとロースト、モモ肉はスパイスを合わせから揚げ風に仕上げています。付け合せはアンディーブと山芋のグリエ。鶏の旨味がぎゅぎゅっと詰まった美味しいお料理です。から揚げ風にシェフの遊び心が垣間見える様で楽しいです。皮目のパリットした食感に、脂が香ばしくていいです。ボリュームがこのメインに来て圧巻でしたが、美味しいな～と思いながら気づけば完食してました（笑）山芋も香ばしく焼かれほくほくでした。

☆デセール
フロランタン（フランスの焼き菓子）の中にアールグレイのアイスクリーム、上にはローストし細かくきざんだカシューナッツ・ヘーゼルナッツ、アーモンドのスライスを。焼きたての温かい生地にアイスクリームの冷たさが楽しめました。

☆生チョコ
☆エスプレッソをダブルで

店内は１０席のみとこじんまりとしており、シェフがカウンター越しにお客様を見渡せる造りとなってます。食事中、幾度となくシェフの視線を感じました。お料理の進行を実際に目視していたんでしょう。
お料理なさる光景が見られ、音と匂い香りがまさにライブで感じられ、これもわたしにはご馳走です。
盛り付けをなさる姿は、終始真剣そのもの！調理スタッフ様は男性・女性が一名ずつで、シェフを含め三名でお皿を取り囲むように一斉に盛り付けをパートごとに行っています。素晴らしい連携です(^^♪
加瀬シェフの私のイメージは、「Ｔｈｅ料理人」どのお料理にも妥協しない姿勢が目に焼き付ています。
目で見ながら、指先で感じ、音で火入れを見極め、香りで仕上がりの最終確認（これはわたしの想像です）。

ソムリエ様のセレクトがまたお料理にぴたりとはまり、凄く私自身楽しめましたし、美味しいシャンパーニュを味わえました。ホロホロ鳥に合わされた赤、これは飲みやすかったですし、鳥の肉の旨味と相性抜群でした。生産者が年間９３０本のみの生産量の中から、オルグイユさんへ２４本の提供だとうかがいました。それを飲ませていただき感激してしまいました。
ありがとうございます。

ある程度お料理がお客様への提供が落ち着いた段階で、シェフ自ら厨房を拭き掃除され始めました。いいですね清潔感があって。

『傲慢』傲慢の中に存在する誇り。
今回一度目の訪問では、わたくしのイメージはある程度持てましたが。まだまだ理解には程遠いようです。
何回か伺って初めて解るのかな。もっと加瀬シェフについて見てみたいです。
季節ごと食材に合わせてメニューを変えられるとの事でしたので、次回はそのころ合いに連れ合いと訪問したいと思います。是非カウンターを予約させていただいて。

今までに味わった事が無いフレンチに出会え、とても感激しました。
最後にシェフから、「今日一日、素敵な日でありますように」そう嬉しいお言葉をいただきました。もちろん、加瀬シェフをはじめ、素敵なソムリエ様、一生懸命働かれている調理スタッフ二名様に出会えたのですから、こんなに素敵な日はありません。
気付けば２時間３０分が経過していました。
ゆっくりと楽しく美味しいお料理を楽しめました。

ごちそうさまでした。