確実に旨いモノが食えます : レストラン タニ

再訪。
外苑前駅から徒歩5〜6分ぐらい、大通りからちょいと脇道に入ったトコにある仏料理店。
シェフの谷利通さんは横浜生まれカリフォルニア育ち。ジビエの名店、広尾「アラジン」で腕を磨き、フランスやスイスで武者修行を重ね、帰国後は「アラジン」のスーシェフとかやられていたそうな。
出身店の「アラジン」同様に、お皿の主役がドンッ!と主張してくるかのよな解りやすく美味しいお料理を提供しています。


ほぼ一年ぶりとなるレストランタニへの再訪。ホントはタルトタタンがある時期に行きたかったのですが、都合の良い日の予約が取れなくて泣きました。席数を絞って営業されているらしく、土日ランチはすぐに予約が埋まってしまうので行きたい場合は早めに予約しとく必要があります。


接客は前回同様にマダムが担当。彼女の穏やかで温かみのある接客もここんちの魅力のひとつです。我々が前回座ったテーブル位置を覚えてくれていた事にも感激しました。

ランチコースは数種あるようですが、我々(二人で行きました)がオーダーしたのは
6300円(税サ別)のコース。　よするに前回と同じコースです。前回は昼から旨いモノが続々と登場しましたが、果たして今回はどうなるかしら?

ランチコース(6300円)
スパークリングカクテル(1800円)
グラス白(1600円)
グラス橙(1600円)
別途消費税＆サービス料。


アミューズ：ヤリイカのタルティーヌ。ベースはビスケット生地かな?軽い塩気のある生地と柔らかな甘味の生のヤリイカってのはシンプルだが良い組み合わせです。のっけからテンション上がるアミューズですわ。キャビアのアクセントも絶対に必要なヤツ♪


パン：バケットです。しかも自家製なんだとか。後にソース回収で大活躍します。バターも提供されますが、とにかくソースがめちゃ旨なのでバター使う余裕がありません。

前菜：鰊マリネのサラダ仕立て。
春告魚とも呼ばれる鰊が登場。しっかり季節の食材を使ってるの嬉しくなりますね。味の乗りまくった鰊を強めに〆て、これまた酸強めのヴィネグレットソースで合えた野菜と一緒に頂きます。
酸がキツくなりそに思うのですが、食べてみると意外と柔らかく感じるのは鰊の下に敷いたヨーグルトソースのお手柄でしょう。
これも旨いなぁ。


前菜：オニオングラタンスープ。３月なのに妙に冷え込んだ日だったせいか、アッツアツのオニグラが用意されていました。
むっちゃ嬉しい₍⁠₍⁠ ⁠◝⁠(⁠　ﾟ⁠∀⁠ ﾟ⁠ ⁠)⁠◟⁠ ⁠⁾⁠⁾
タマネギ大量虐殺したスープはコンソメの旨味とタマネギの甘味をギュウっと凝縮した深く濃い味わい。チーズの塩気も良いですね。
こりゃたまらん旨さだわ。　


魚料理：蒸し煮にした真鯛。ソースは蛤 アサリ 帆立の出汁を使ったバターソース。
鯛の身はふっくらしっとりと良い状態に蒸し上がっています。が、真鯛よりも印象に残ったのがソースとソースを吸った春野菜達。
貝の旨味たっぷりのバターソースを絡めて食べる春キャベツや筍が旨すぎます♪


肉料理：肉料理は三択問題。私は豚足を選んでみました。同行者は牛タン赤ワイン煮込み。
私の豚足は、ボルチーニ等のキノコを細かく切って炒めて作ったシャンピニオンデュクセルを豚足で包んで、それにパン粉の衣を着せて焼き上げるという大変 手間のかかってたお料理。
サクッと軽い衣を割ると、中からキノコの良い香りがブワッと立ち上がってきて匂いだけでもう美味しい。
外側はサクッとしていますが、中は豚足のコラーゲンでトロリンプルリンの官能的テクスチャ。コラーゲンの甘味にキノコの旨味が重なりとても重層的かつ濃密な味わいですが、ソースが軽い酸味のあるマスタードソースなので濃いけど食べ疲れしないという絶妙なライン。
これはこの日１番の素晴らしいお肉料理でした。\⁠(⁠๑⁠╹⁠◡⁠╹⁠๑⁠)⁠ﾉ⁠♬


デザート：苺のモンブラン。
さすがに３月なのでタルトタタンはありません。ですが、苺モンブランも美味しかったので問題なしや!
モンブランって名前だけど、栗もメレンゲも使っていません。表面のクリームは苺シャンティ。皿に敷いてあるのは苺ソース。シャンティの中にはフレッシュ苺とショコラアイスが潜んでいました。
苺×ショコラは定番かつ鉄板。ベタこそベターってヤツね。ショコラアイスがしっかり緩くしてあるあたり抜かり無しですね。
この苺モンブラン、美味しいのでもっと大きいサイズで食いたいでーす!　コレならサロン．ド．テ．アンジェリーナのオリジナルサイズモンブランぐらいの大きさでも超余裕っすよ。ちな、写真撮影する前に食ってしまった(爆)


カフェ：食後の飲み物は色々な選択肢あり。私は紅茶を頂きました。可愛らしいカップで飲むアールグレイは良いですなぁ。


今回も凄く良かったです。まだ２回目ですが、既に「タニさんへ来れば確実に旨いモノが食える」という安心感すらあります。前菜やお肉はもちろんですが、デザートまでしっかり美味しいってのが甘いモノ好きな私には特に嬉しい。小さな店だとデザートがイマイチってケースがちょいちょいあるんでね。
お料理の美味しさだけでなく、落ち着きのある店内空間や、マダムの穏やかな接客も大好き。
唯一の難点はお料理提供テンポがゆったりしている事。とはいえ、ランチであれだけ作り込んだお料理を提供しているのですからソコはしゃーなしだ。ツマラン料理を出されるよりはずっと良い。
あまり気張らずに美味しい仏料理でランチしたいって時にはオススメの店のひとつです。

初訪問。
外苑前駅から少し離れたエリアにあるフランス料理店。いち太 海味 鳴神といった高評価店が密集しているエリアです。オーナーシェフは広尾 アラジンで修行されたとか。アラジンのお料理がツボだった私にはそれだけで気になるのですが、マメに更新されてる店Facebookを拝見すると なにやら旨そうな料理が色々とあるようで………

気になったので行ってみる事に。某予約サイト経由で予約してから二人で行きましたが、週末ランチはかなり人気らしく 直近の席は取れませんでした。訪問を予定されてる方、予約は早めにしたほが良いですよ。


お店の場所は少しわかりづらいかも。大通りから脇道に入ったトコ、しかも二階なのでナビだけ見てたら通り過ぎちゃいそになりました。さういや アラジンも二階だったなぁ。

お店のキャパもアラジンと同じぐらいかな。キラキラ派手な内装でわなく、落ち着いた大人のレストランといった設えなのもアラジンに似ています。カウンター席とかは無くて 全席テーブル。コロナ対策かな？ 席数間引いてるようでしたし、アクリル板も設置されてるので安心して食事できます。


ランチでもテーブルには真っ白なクロスがかけられセッティングもビシッと決めています。クラシックフレンチという噂でしたのでオシボリ無しかと予想してましたが、オシボリ有りでした。パックのオシボリなのが少し残念ですが、これもコロナ対策でしょうね。


接客はマダムらしき女性が対応してくれました。柔らかな物腰での対応に加えて、Facebookで料理を見たと伝えたら 料理に関わる様々な話も聞かせてくれました。和やかなムードで食事が出来ましたので とても良い接客だったと思います。

オーダーしたのは
ランチコース（6270円+税）
ドリンクはグラスで泡 白 赤を一杯づつ。
会計12000円ほど。

ランチコースは数種ありましたが、我々が頼んだコースは
アミューズ+冷前菜+温前菜&魚料理&肉料理&デセール&カフェ という内容。肉料理以外は内容が決まってますが、肉料理のみ三択問題でした。


アミューズ：本シシャモのフリット。なにやら良い香りのするフリットが登場。もちろんアツアツです。香りの正体は蕎麦粉。小麦粉でわなく蕎麦粉の衣で揚げてるので香りが良かったのですね。シシャモは腹に卵がみっちり詰まったメス。シンプルながら 美味しいです。香りがポイントなんでしょうね。良いスタートです。

パン：自家製ライ麦パン。焼きたてでの提供なのが嬉しい。美味しくて すぐ食べてしまったら即座にお代わりを持ってきてくれたのも嬉しい。お代わりパンはバケットでした。


冷前菜：瞬間燻製にした鰹のサラダ。スモークの良い香りを纏った鰹は ねっとりした舌触りと たっぷり乗った脂の旨さもあり美味。良い鰹を使ってるようですね。酸強めのヴィネグレットソースも脂の乗った鰹との相性バッチリで◎。上に乗せてあるチュイルからは生姜やローズマリーの香り。チュイルを砕いてサラダに混ぜて頂きます。


温前菜：たっぷりキノコのコンソメ。訪問前に店Facebookを見て 気になっていた料理が登場♪ これは嬉しい(^_^) しかも料理に用いたキノコのサンプルを見せてくれるというプレゼンも盛り上がりますね。コンソメ自体は さほど重厚ではないのですが、たぶんキノコの薫りを目立たせるために あえてコンソメが一歩引いてるバランスにしてあるのでしょう。事実、キノコの薫りや食感を存分に楽しめる美味しいスープになっていました。


魚料理：ヒラメのヴァプール。蛤を使ったバターソース。魚料理はポワレ（焼き）ではなくヴァプール（蒸し）で。ソースは白身魚には…の王道バターソースに蛤出汁を加えて。魚の味よりもソースの旨さのほうが印象に残りました。


肉料理：子羊背肉のロースト&メルゲーズの盛り合わせ。肉料理の選択には多いに悩みましたが、結局は大好きな子羊肉に。これが大正解(о´∀`о)
子羊らしい良い薫りを存分に楽しめる背肉は柔らかく火入れされ かつ旨味も逃げておらず抜群の旨さ。
メルゲーズ（子羊のソーセージ）はハーブとスパイスをガッツリ効かせた中東テイストのワイルドな味で、子羊好きの私には たまらない味わい。
ソースはシンプルにジュ……との事でしたが、いやいや このソースの煮詰め具合！ よくあるゆるゆるシャバシャバで出汁感皆無なジュとは雲泥の差ですよ。このソースがあるからこそ、子羊肉が更に輝きます。うん、フレンチのソースはこうでなくっちゃ♪
同行者のチョイスは牛タンシチューのポットパイ。これまた店Facebookで気になっていた料理です。同行者が一口たりとも わけてくれなかったので味はわかりませんが、くれなかったという事は 旨かった…という事で間違いないでしょう。


デセール：紅玉リンゴのタルトタタン。大好きなタルトタタンがキター♪o(ﾟ∀ﾟo)
これも店Facebookで気になってたんですよ。でもテイクアウト用のホール販売が主体らしいのでランチのデザートでわ提供されないだらうと諦めていたんですが……まさか提供されるとは(^_^)
しかもコレがスゲー旨いでやんの。リンゴは表面がキャラメリゼされてパリっとしてますが、その中はじっくり火入れされ ねっとりと羊羹のよになった紅玉。しっかり甘いのですが、紅玉ならでわのキュン❤️とくる酸味もしっかり活きているうえに、キャラメリゼ部分の微かな苦味も加わって 極上の味わいです。パイ生地の出来に多少の不満はありますが、個人でやっているフレンチレストランのデセールで これほどのレベルの品が食べれるならば文句はありません。添えてあるバニラアイスもしれっと旨いのですが、紅玉の前でわ霞みます。
最後に挨拶に出てきたシェフによると、人気有りすぎて焼くのが間に合わないぐらいなんだとか。うん、あんだけ旨けりゃ人気あるのも当然ですわ。てか、私も注文しよっかな？注文方法は店Facebookに記載されてますので、興味ある方は覗いてみると良いでしょう。


カフェ：いくつか選択肢があったのですが、マダムいわくリンゴのフレーバーティーがあるという事でしたのでソレを。したらば……
アップルティーや( ☆∀☆)
おそらく タルトタタンで使った紅玉の皮を煮て香りを移したのでしょう。リンゴの甘さと香りを楽しめる美味しいアップルティーでした。てか、コレを提案してくれる事がナイス過ぎる。タルトタタン&アップルティー。端的に言って最高。


いやぁ美味しかったですね。やはりお料理の方向性はアラジンに似てますので、ああしたタイプのお料理が好きな人ならきっとツボると思います。実際 私はツボりました。
ちょっと残念だった部分はお料理の量。よく食べる人には物足りなく感じるボリュームかと。特に肉料理は、美味しかっただけに もっとたくさん食べたかったなぁ。とはいえランチですからね。ガッツリ食いたいなら夜に…という事なのでしょう。あとグラスワインが赤 白 ともに二種づつしか選択肢が無い&価格が高いのも残念。ボトルで頼むほが良いのかもしれませんね。

最後は シェフ自らのお見送りまで。満席で忙しいだらうに恐縮です。お料理の味は正直 好みど真ん中ですし、Facebookでの情報発信もマメにされてますので また気になるお料理があったら寄らせてもらいます。一人予約可能なのもポイントね。