焼き物にもっとシズル感があればなおよろし : 焼鳥今井

久々に伺いました。店内の様子が、ガラスを通して見える景色が、相変わらずいい風情を出してます。

一番下の5,200円のコース（ご飯もの抜きのコース。税別。）を予約時に注文しておきました。
内容は、レバーのパテから始まり、ナチュラルな葉っぱのサラダ、焼鳥6種、野菜焼3種、うずらの卵。

鳥は普通に美味しいのですが、もう一つ、シズル感が足りない。脂感が足りないというか、酒を飲みたくなる高揚感がもう一つ・・・肉の質や状態のせいなのか、それとも厨房の換気が良すぎて、焼いている薫りや煙が全く漂ってこないことに起因するのか？まぁ、店の立地や雰囲気ゆえ、普通の焼き鳥屋とは違うのは百も承知なのだが、美味しい焼き鳥を食べたい立場からは、もうちょっと物足りなさを感じたのは事実。

お酒はビールで始め、ワインをボトルで。自然派ガメイのCote de Brouilly 2017 / Alex Foillard。焼き鳥にはドンピシャな選択。これは市販では4700円程度のものを、7300円？程度で。良心的なお値段だと思います。しかも、普通、焼き鳥屋ではまず合わせられないものなので、その点でも有難い。

食事のないコースを頼みましたが、やはり物足りず、最後に追加で串一本、そして親子丼1個を2人でシェア。これは安定のうまさ。

というわけで、とても唆る雰囲気の外観、広くかついい雰囲気の店内。ナチュラルワインに日本酒は竹鶴と、色々選びどころの多い良店。それだけに、もうちょっと、シズル感なり旨さ感、炭を使っている店ならではの香りなどで五感を喜ばせて欲しいと思うのは、私だけでしょうか？

こちらは、数年前に自然派ワインの聖地的ワインバーのご主人に教えていただいた焼鳥屋。当時は千駄木にあったが、行けず仕舞いのまま閉店してしまったと思っていたら、なんと神宮前に移転オープンしていたのだった。

銀座線外苑前か青山一丁目あたりから１０分弱歩いた裏通りの、昔ながらの商店街と洗練された店が入り混じった、この辺り独特な、静かな場所にある。

とても雰囲気のある、かつやり過ぎ感のないカジュアルな外観に期待しつつ重い扉を開けると、どーん！と結構長くスタイリッシュなコの字型カウンター、その中でご主人含め計５名ほど？が忙しそうに立ち回る。まるでフレンチのキッチンスタジアムにも見える。ワインボトルがたくさん見えるので尚更なのだ。

この日は初めてなので、4,800円のコースを選択。コースはもう一つ、7,800円もある。こちらは、デザートから〆の親子丼までついたもの。焼き物は同じのようだ。もちろんアラカルトもあり。そしてこちらの一番の特徴はワイン、とりわけヴァンナチュレル、いわゆる自然派ワインがとても充実していること。しかもそのラインナップは、なんでもいいから集めた的なものではなく実力派ワイナリーのものが集められている。

コースの内容は以下のとおり。印象としては自然派ワインを追求するだけあって、最初のスープから、塩だけで味付けした、繊細な味わいのもの、野菜焼きもごくシンプルだがそれだけに素材そのものの味わいがしみじみ。焼き物も旨い。コースだけではちょっと足りなかったので、つまみにチーズ、そして親子丼で〆た。

ビールの後選んだワインは、二人でボトル１本。グラスでも白３種、赤１種あるようだ。
自然派好きには最も愛されるガメイ種。ブルゴーニュ・モルゴンの１本を。普通ならボジョレーヌーボーの、いちご飴的な特徴が知られているが、同じガメイとは思えぬ深く複雑、しかもチャーミングなワイン。素晴らしく焼き鳥に合いました。１本８,０００円前後だったか。

振り返ると、２回目以降はアラカルトで行った方が好きなもの選べていいかも。せっかく焼き鳥屋なのだから焼き物をもっと食べたかったという印象。ともかく、この活気とキレイで明るい感じ、そして自然派を中心とするワインが色々楽しめる、なんとも心地いい店。通いたい店。

・本日のスープ：赤い大根？に、塩だけで味付け
・自家製レバーのパテ：パン、バターと干し柿付き。バターと干し柿の組み合わせがいい。
・ナチュラルな葉っぱのサラダ：ルッコラ、豆腐、トマトなど。ルッコラの美味しさが印象的。
・焼鳥６種：レバー、正肉、磯部巻き、砂肝、２個の塊、つくね（不正確ですが）。味わいが全体的にちょっとキレイ目な印象。個人的にはもうちょっと炭の香りのするワイルドなものが好きだが。。。
・野菜焼き４種：緑色の大根、雪なんとかにんじん、しいたけ、アスパラガス）大根が旨い。
追加で、
・北海道山田牧場のチーズ：これは旨い。
・親子丼：これは名物的な存在。