素朴且つ野菜使いで繊細 seoson3 : アカーチェ

2年ぶりに訪問し写真を大幅にリニューアルしました。今回も6人用半個室での夕餉です。コースは8500円（税サ別）のプリフィクス一本で、以前でいうと8000円コースと同様の構成で、その中からなら追加も可能であります。熱いお絞りでホッと（洒落に非ずw）しつつ選んだのは以下の品々。

～本日の前菜～
「本鮪のカルパッチョ マスタードソース」　〇・・・マグロの味は薄いが、皿のキャンバスに描かれた美しい食材達に感謝。
「グアンチャ－レのサラダ仕立て レモンソース」　◎
「ホワイトアスパラガスのポタージュ ピンクアスパラガス添え」　〇
「ホタルイカのパナート グラチネ風」　〇
～パスタ～（6種より選択）
「自家製ピッチ トマトソース 燻製チーズかけ」　〇・・・燻製の香りが程よく美味しい。水分が多めな麺なのか少しダレて感じたのが惜しい。
～メイン～（5種より選択）
「ビゴール黒豚の炭火焼」　〇・・・所謂豚臭さのない美味しさ。脂も切れが良く甘い。肉質自体はサッパリ系。
～ドルチェ～（3種より選択）
「ズッパ・イングレーゼ」　〇
「パン/紅茶」　〇
これに「泡：フェラーリ」（7200円）「赤：'07バローロ」（9400円）「赤：'07ブルネロ」（11500円）を三名で頂き、サービス料10％含め一人2万ちょい。

グアンチャーレのねっちりした食感と仄かな塩気が野菜とマッチしてすんなり体内に取り込まれて行く感じが秀逸でした。今回感じたのはその豊富に使われている野菜に香りや甘みを以前ほど感じなかった事。そしてコース全体が大人しく感じた事でしょうか、しかし選ぶ内容にもよるのですから自己責任かもですね。季節的に”丸蟹のビスク”がなく、瑞々しく香り豊かなバーニャカウダがない事も影響しているのかもしれません。

しかし相変わらずマダムの接客は丁寧で知識豊富、来店履歴も管理されているのでしょう「前回いらした時とは違ってパスタもメインも1種類ずつになりました。勿論追加も可能ですよ。」というのはお客さんにとっては嬉しい一言ですね。今回は貸切状態という嬉しいような寂しいような・・・なんでだろう？場所かなあ。
料理（素材）がパワーダウンしたのは否めなく、評価を若干下方に修正しますが、大好きなレストランである事になんら変わりありません。
ごちそうさまでした♪
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（2013年3月）
1年半ぶりに6人用半個室を3人で利用です。指定しなくても2人じゃなければこちらに通して頂く事が何度かありました。ゆったり出来て気持ち良く過ごせますね。人員等の関係で最近はメインダイニングとこちらの個室しか使ってないのかなあ、当日予約だと満席で断られる事もしばしばありましたが当日訪問してみると我々含めて3組のみでしたので、確認はしていませんが、ふと感じました。コース（10000円　税サ別）内容は以下の通りです。

～前菜～
・天然ヒラメのカルパッチョ マスタード風味　○・・・マスタードマヨでインパクト大なスタート　彩り綺麗
・黒トリュフが入ったパパロット　△・・・モロコシとほうれん草の滋味なスープにトリュフ香が広がり付与
・鱈の白子と京芋のマンテカート風　◎・・・後述
・オマール海老のポルペット フリコ添え　◎・・・芋?をプリプリ海老のパン粉焼きで挟む　海老ソース芳醇
～メイン～
・アンコウの煮込み シチリア風　○・・・ホロリと柔らかくバルサミコも柑橘香も穏やか　皮は舌で融ける
・トリッパの煮込み ミント風味（牛頬・ラムチャップとの選択）　◎・・・定番　トマト淡くハチノス軟くミント軽く
～パスタ～
・米とグリンピースのスープリゾット風　△・・・豆の土臭さを活かした皿　素材的に好みではないので御免
・自家製ビーゴリ ホロホロ鳥のラグー　◎・・・後述
～ドルチェ～
・カカオプリン（モンブラン・ジェラート入りフルーツスープとの選択）　◎・・・甘さ控えビターで軽い　大人
これに'08パドゼ・'07ブルネロ・'03バルバレスコを好みに合わせて選んで頂き一人2万円強。

印象的なのは白子と京芋の前菜。ネットリした芋が濃厚な海のミルクを口中に貼り付け、自身の素朴な大地の香りも引き立たせる非常に複雑なんだけど安らげる優しい味わいで、添えられた食用タンポポ茎の苦味が口直し的アクセントになる計算された一皿、素敵です。もう一つは順番をメインの後にして頂いた（先か後か選ばせてくれます）パスタ。ヴェネト地方の郷土パスタであるビーゴリは極太でモッチリとして表面ざらつき口当たりが独特です。素材同様アッサリ仕上げたラグーソースとよく絡み、日本人の胃袋を掴んでいるなあという印象を抱きました。剛とも言える麺に柔のソースが優しく寄り添う一皿です。
以前のレビューと重複しますが、全体を通して野菜類による大地の恵みと呼べる素朴な滋味を存分に活かし、それでいて非常に完成度の高い料理群、素晴らしいです。今回はバーニャカウダも丸蟹のビスクもありませんでしたが大変満足できました。

マダムの接客は、気配り・目配り・料理説明・ワイン説明・親切丁寧・出過ぎない、完璧です。今回もシェフ共々御丁寧な送り出し、美味しかったですし良い時間を過ごせました。
ごちそうさまでした♪
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（2011年10月）
青山霊園西側、外苑西通り沿いの侘びしげな場所にあるイタリアンの有名店。奥村シェフの手によるイタリア郷土料理を楽しみに2年に一度は訪れています。メニューは基本的にコース一本しかなく、前菜4皿・パスタ2皿・メイン2皿・ドルチェ・コーヒー、少量ずつとはいえボリューム十分の多皿構成で10000円（税・サ別）。メインとパスタを1品ずつ抜くと8000円というシステムです。味はソース全般が野菜や果物の滋味溢れる甘さを纏い、素朴ですが完成度の高い料理群です。中でもミント風味のトリッパと穴子のフリット、バーニャカウダが印象的でした。

落ち着いた暗めの照明や内装もそうですが、マダムの上品かつ丁寧で暖かい接客と機転が利いた気配りは名店と呼ぶに相応しいでしょう。勿論ワインの選択も的確。こちら立地的にハンデを背負っているし、メニュー選択の余地がない（肉とデザートは選べます）のは残念ポイントですが、その料理とシェフ＆マダムによる見送りの丁寧さで暖かな余韻が心身を包み込みます。