さすがは、やなか珈琲店の直営店。全てにレベルが高い！ : 珈琲専門店 三十間 青山店

この日はプライベートの用事で青山霊園までやって来ました。
我が家の菩提寺は別の場所にあるのですが、何故か管理しているお墓が、菩提寺のお墓の他に青山霊園にもあるんですね。
このあたりの詳しい事情は、亡くなった両親からの引き継ぎはほぼ無く、これらの管理の仕事については、白紙からのスタートになってしまいました。

菩提寺の方は、両親の葬儀には住職さんに来てもらいましたので、自然にキャッチアップ出来た形なのですが、青山霊園の方はそうはいきません。

そもそも何でこちらにも墓があるのか、父の存命中ににそれとなく聞いたこともあるのですが、何でも疫病の蔓延を防ぐために墓を分ける必要があったとかで、詳しい理由は分からず終い。
いずれにせよ、管理事務所と接触して、相続手続きは済ませないといけないと思い、何度か出向くことになったわけです。

管理事務所には登記簿に準じたようなリストが備え付けられており、それを見ると、墓の場所や使用者、埋葬者などがずらずらと書かれているのですが、古文書を見るような感じで、全く記憶に無い名前が記載されています。
第一、読めない(判別出来ない)字もありますしね。
加えて、その使用者の相続手続きについても、お役所仕事で色んな書類が必要になり、面倒くさいの一言。
本気で墓じまいまで考えましたが、墓じまいは墓じまいでそれなりのコストがかかるので、結局出した結論は先送り。
プライベートのことなのですが、なんか仕事で良く見る光景だなと思ったりもしましたw

それでも、古い人の名前とともに当時の住所なども記載されているので、自分のルーツをたどるには数少ない手掛かりであるのは間違いなく、そのあたりは前向きに捉えたいと思っていますが、さすがにネット情報が発達した時代とは言っても、個人的なルーツに関する情報についてはそこから探り出すのは至難の業で、住所を頼りに地元の図書館あたりで古文書を調べるのが一番の早道かもしれません。
和菓子の御用商人だったことと、屋号については分かっていますので。
仕事を完全リタイアしてたっぷりと暇が出来たら、そんなことを探るのも楽しみの一つになるかもしれませんね。

さて、この日は、その青山霊園での所用に合わせる形で、うどんEAST百名店で未訪となっていた「手打 しまだ」を訪問しました。
ランチを終えた後に仕事に戻る選択肢もあったのですが、こんな日くらいゆっくりしようと午後は休暇としましたので、ランチの後は時間があります。
絶好の秋晴れにも恵まれていたので、表参道から渋谷駅まで歩くことにし、その途中にある当店でランチ後のコーヒータイムを楽しむことにしました。

当店は、東京のコーヒー通の間にはかなり浸透している「やなか珈琲店」が運営するお店です。
やなか珈琲店は、東京都内に34店舗、愛知県に1店舗の計35店舗を展開するコーヒー専門店です。
店舗販売以外に通販ショップも開設しています。
運営主体は、株式会社やなか珈琲で、愛知県一宮市の業務用コーヒーメーカーである有限会社エムジーコーヒーの子会社になります。
それで愛知県にも店舗があるんですね。
コーヒー豆の鮮度を重視しており、注文ごとに生豆から焙煎して販売するのが特徴。
焙煎には時間がかかるため、店舗で購入する時は、あらかじめ来店して豆を指定し、焙煎後に受け取るというのが一般的になっており、1号店は、平成11年に東京・台東区谷中に出したので、それが店名の由来になっているようですね（やなか珈琲店 谷中店）。
当時は、家庭用コーヒー豆の販売拠点としての位置付けだったようです。

当店の場所は、青山通りを渋谷に向かって右側の歩道を歩くと、国際連合大学本部のちょっと手前のあたりになります。
この日は、所用とちょっと遅めのランチを済ませた14時頃の訪店になりました。
なかなか渋い外観の建物の中にある重厚な造りの階段を上がるとそこがお店の入口になっています。

店内は案外広くて、店舗情報では53席となっていますが、確かにそれくらいはたっぷりありそうです。
テーブル席(丸テーブル、角テーブル)のみで、カウンター席はありません。
そして、各席が比較的ゆったりと取られているので、寛げる雰囲気です。

そこそこ人は入ってましたが、平日ということもあり、混雑しているとは言えません。
スタッフから空いている好きな席へどうぞと言われ、窓際の2人用丸テーブル席に居を得ました。

席に着くと、スタッフがメニューを持ってきてくれますが、このメニュー、木の枠で囲まれたなかなか重厚感たっぷりのメニューで、表面がコーヒーメニュー、裏面はスイーツメニューで、フードはありません。
やなか珈琲直営店らしく、コーヒーメニューにはスペシャルティコーヒーがズラリと並びます。
その中に本日のコーヒーというサービスメニューがあり、通常価格より割安になっています(@780円)が、この日はブラジル/サントアントニオとのことでしたので、まずはこれを注文することに決定。
コーヒーとケーキのお店だけにやはりケーキも頼むことにし、チーズケーキ@700円を付けました。
セット割引▲200円がありますので、〆て1,280円ということになります。

待つこと7分ほどでチーズケーキとブラジル/サンアントニオが同時にサーブされました。
コーヒーはアルミ製のコーヒーサーバーに入っての提供で自分でカップに注ぎますが、そのカップはしっかりと温められています。
そして、豆の説明が書かれた小さな栞のようなものも添えられています。

肝心のコーヒーの味ですが、これもさすがやなか珈琲という感じですね。
程よい酸味としっかりしたコクの感じられるコーヒーで、抽出温度も適温なのでしょうね。
香りもまろやかでかつ香ばしさも兼ね備えています。
久しぶりに美味しいコーヒーを飲んだような気になりました。

チーズケーキもしっとりした生地ですが、しっとりし過ぎることはなく、ほどほどにスポンジ感もあって、かつチーズの香りが全体に行き渡っています。
柔らかい酸味も心地良く、これは美味しいチーズケーキです。
チーズケーキは好物ですので、これまで色んなタイプのものを食べてきましたが、食べた後の爽やかさという意味ではトップクラスだと思います。

@1,280円は決して安くは無いですが、セット割引200円もあり、何よりこのクオリティですから満足度もとても高いです。

そんなことで、コーヒーもケーキも文句無くハイレベルで、加えて雰囲気も素晴らしいお店。
コーヒー道を極めようと邁進しているやなか珈琲の真髄を感じるにはもってこいのお店ではないでしょうか。
いささか褒めすぎの嫌いもありますが、それだけのお店だったと思います。