青山「「星のなる木」侘び寂びと豪華さを同時に楽しめる季節限定「伝統懐石　温故知新」。 | フードアナリスト　西麻布女子　美・食・旅　ブログ : 青山 星のなる木

「肩ひじ張らずに、でも見た目も美しい懐石のお店に行きたい。」と日本に出張に来ているクライアントからのリクエスト。
どうやら料亭にはよく招かれるようで、もう少しリラックスした雰囲気の和食をご所望です。

先日個室でいただいたランチの雰囲気がとてもよかったので、青山「星のなる木」に再度伺うことに。

前回とは異なる個室で、キラキラとしたビルの灯りが遠くに見えてキレイ。
金糸の帯のテーブルセンターも海外からのお客様には喜ばれます。

4月27日までの限定コース「伝統懐石　温故知新」をお願いしました。

＜先付＞
蛍烏賊と春野菜　芥子酢味噌
新じゃが芋　うるい　筍　こごみ

自然を切り取ったような筍皮の演出で、春の美味しさの代表的素材が集合！
こごみとうるいのほろ苦さ、軽い歯触りの筍、蠱惑的な食感の蛍烏賊。
派手さはなく、しみじみを春の訪れをかみしめるような侘び寂びを感じる美味しさです。

和食ですが、シャンパーニュでスタートです。

＜春八寸＞
えんどう豆寄せ豆腐、芹の浸し　プロシュート　生姜　糸賀喜、　鴨ロース煮　有馬山椒卸し　焼き葱　木の芽、百合根、里芋フォアグラ味噌田楽　シブレット、桜鯛手毬寿司、蛸の柔らか煮　花弁大根、たらの芽桜海老香煎揚げ。

先付とは対照的に華やかな八寸。
黒塗りに氷餅で描かれた枝垂桜でお花見をしながら、お庭でいただくお膳。

特に印象に気に入ったのは、

萌黄色の新緑に桜がひとひら散った寄せ豆腐。

蛸にほどよく味がしみ込んだ柔らか煮。

衣の中から春の息吹がほとばしるたらの芽の揚げ物。

＜椀物＞
潮仕立て　地蛤　菜花　木の芽　金箔

地蛤の潮の香りとふっくらとした身。
金箔が、柔らかな陽射しが注ぎキラキラと輝く水面の春の海を表現しているのかな。

お造りにあわせて「酔鯨　純米吟醸　吟麗」。
シトラス系の爽やかな香りとコクがあります。

＜御造り＞
生本鮪と旬魚介の御造り　静岡県産山葵　土佐醤油　あしらい一式

鹿児島の勘八、岩手の鮃、本鮪は奄美大島。
甘くてモチモチとした鮃、切符のよい旨みの鮪、脂がのりコリコリとした勘八と、それぞれの美味しさを引き立てる酔鯨は、本当に万能。

＜焼物＞
金目鯛とアスパラの木の芽焼き

プリッとした身から脂の甘みが舌の上に広がります。
脂ののった金目鯛ですが、木の芽焼きでとても上品な味わいに仕上がっています。

＜蒸物＞
オマール海老の茶碗蒸し　黒トリュフ　シブレット　香スプーン

個室に運ばれてきた時からトリュフの香りが鼻腔をくすぐります。
実は、蓮華にトリュフオイルが添えられていて「香スプーン」になっているのです。
蓋をとると黒トリュフがお目見え。

オマール海老のソースが濃厚なので、トリュフオイルが加わるととても華やかな美味しさになります。
懐石料理の花形は椀物と言われますが、私の中ではこの蒸し物が一番印象に残りました。

＜箸休め＞
獺祭大吟醸のソルベ　黒塩添え

日本酒で口の中をサッパリと。
黒塩できりりと味の輪郭が締まります。

＜強肴＞
宮城県産霜降り黒毛和牛サーロインの網焼き　千草　熊本西原村柚子胡椒　一ノ関味噌

網で焼いても脂の旨みが残る立派な霜降り。
柚子胡椒、一ノ関味噌の力強い薬味がよくあいます。

チリ最古のワイナリー「コルネラーナ」のカベルネ・ソーヴィニョンを選んで正解。
オーク樽の香りや程よいタンニンが、スパイシーな柚子胡椒、コクのある一ノ関味噌と呼応して、霜降り肉の美味しさを高めます。

＜御食事＞
南部釜使用　岩手県産純情プレミアム　ひとめぼれ、明太子　縮緬山椒　香の物、赤出汁　京桜味噌仕立て

お腹は一杯のはずなのに、南部釜で炊いたお米のよい香りに誘われて1膳半いただきました。

＜甘味＞
湘南ゴールドの寒天　苺　キウイ　ミント　檸檬シャーベット　エルダーフラワーの泡

酸味のあるレモン、エルダーフラワー、湘南ゴールドと柑橘系でまとめた軽い口当たりのデザートは、主張しすぎずコースを爽やかに締めくくります。
フレンチやイタリアンとは異なる和の特徴ですね。

春の食材はもちろんですが、木の芽が多用されていたのも春を感じました。
脂があるものはサッパリと、淡い味わいのものには風味を加える使い方が素晴らしいです。

食事にこれだけ季節感を盛り込めるのも和食ならでは。

丁寧な接客、個室での懐石料理ですが、堅苦しさがなく、海外からのお客さまも気軽におつれできる雰囲気がとても魅力的なお店です。

【青山星のなる木】
住所：　東京都渋谷区神宮前５−５１−８　ラ・ポルト青山４Ｆ
電話：　03-5485-1234

4月の新年度を控えて、打ち合わせや新メンバーの顔合わせが続いています。
新しい仕事を紹介してくれた知人を、お礼がてらランチにお誘いしました。
「表参道近辺で和食」のリクエストがあり、友人に推薦してもらった「青山星のなる木」に伺いました。
2名から個室をお願いできるので、ゆっくりと食事ができて便利です。

お店に相談をして、春らしさ満載の「百花繚乱」のランチコースに。

＜宝七揃え＞
赤貝とうるいの芥子味噌掛け、和牛八幡巻き　牛蒡、人参、蕗、ずわい蟹と寒締め法蓮草の砧巻き　黄身酢、河豚皮寒天寄せ　紅葉卸し　浅葱、百合根金団海老そぼろ射込み、
菜の花　スモークサーモン、本鮪と真鯛のお造り

食紅で桜色に染めた米粉と桜の蕾が趣向を添える先付。
「わぁ～美しい！」という一言を聞き、こちらにお世話になってよかったと再認識。

通常ならシャンパーニュをお願いするところですが、「甲州」のスパークリングがオンメニューされていることを知り、和食を合わせたくて選択。
先付と優等生的にピタリとあうマッチングです。

＜温物＞
トリュフの茶碗蒸し　男爵餡掛け　若鶏　トリュフオイル
織部焼の蓋をとると、トリュフオイルの香りが！
男爵芋の餡がコクを加え、ポタージュのようにも感じます。
男爵芋、トリュフ、若鶏、卵。
100%フレンチになってもおかしくない食材ですが、上手く和風の茶碗蒸しに落ち着いています。

チリのシャルドネ。
昼間のなのでグラスでお願いできるワインを探したらハウスワインでした。
酸味と香りのバランスがとてもよい。

＜四季映　八寸＞
鴨つみれ　椎茸　油揚げ　芹　白菜出汁　振り柚子、煮穴子　小蕪と湯葉の亀甲飴掛け　梅麩　山葵、イベリコ豚実山椒焼き、鰆蕗の薹味噌焼き、海老芋東坡揚げ

鴨、穴子、など赤ワインが嬉しくなる食材の八寸。
和食の特徴である、食材の多さと豊かさを感じられるメニューにつられて。

白と同じ作り手「Cornellanaコルレナーラ」のカベルネ・ソーヴィニョン。
こちらは主に穴子、鴨と合わせました。

＜食事＞
岩手純米プレミアム「ひとめぼれ」河豚ご飯　大根　人参、香の物、赤出汁

〆は岩手純米プレミアム「ひとめぼれ」の河豚ご飯と榎の赤出汁。
八寸と同時に配膳されましたが、こちらからタイミングを知らせて持ってきていただくこともできます。

＜甘味＞
苺あんみつ
苺、苺クリーム、苺寒天、バニラアイスクリーム、みかん、キウイ、餡子、求肥、ミント

フレッシュ、クリーム、寒天と異なる食感の苺づくし。
季節を反映しつつ、特に女子にテッパンの苺のスウィーツとは、なんとも嬉しいです！

実は今回のランチメニュー「百花繚乱」3800円（税別）は、なんとお一人様でも予約できるそうです。
今心の中で、ディナータイムか、再度お一人様でランチタイムか、正直迷っています。

【青山星のなる木】
住所：　東京都渋谷区神宮前５−５１−８　ラ・ポルト青山４Ｆ
電話：　03-5485-1234