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おいしいコーヒーがもたらす、黙りこむことのよろこび。
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ジュリアス・スージー
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店舗情報（詳細）
「みんなで作るグルメサイト」という性質上、店舗情報の正確性は保証されませんので、必ず事前にご確認の上ご利用ください。 詳しくはこちら
店舗基本情報
| 店名 |
閉店
大坊珈琲店（ダイボウコーヒーテン）
|
|---|---|
| ジャンル | カフェ |
| 住所 | |
| 交通手段 |
表参道駅から83m |
| 営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
| 予算（口コミ集計） |
|
席・設備
| 個室 |
無 |
|---|---|
| 禁煙・喫煙 |
全席喫煙可 2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法）が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
| 駐車場 |
無 |
| 空間・設備 | 落ち着いた空間、カウンター席あり |
特徴・関連情報
| 利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
|---|---|
| 初投稿者 | |
| 最近の編集者 |
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ファッション雑誌を立ち読みするつもりで、
交差点の脇のちいさな本屋に立ち寄ってみたら、
指揮者と小説家の対話の本が目にとまった。
その本は、音楽好きの小説家が聞き手になって、
指揮者の音楽人生を問いかけ、
かれに追想をうながし、
あらためてかれの音楽観をつかみださんとする本のようだった。
ぼくもまた音楽は好きなので、
その本を（つい出来心で）買って、
コーヒー屋へ入って、読みはじめてみた。
その店は、すばらしく澄み渡ったおいしいコーヒーをふるまう。
その本に書かれていたことはこんなことだ。
その指揮者が受けた音楽教育、
楽譜を徹底的に読み込むことの大切、
師事したバーンスタインとカラヤンの音楽観の違い、
それにもとづくオーケストラ団員との接し方の違い、
若い日の貧乏暮らし、おもいがけない機会の到来、
成功への階梯、レコーディングによるキャリアビルディング、
かれのブラームス、マーラーへの愛着、
作品に潜む、魅力の数々、
恩師への恩返し、
若い音楽家から才能を引き出すよろこび。
指揮者と小説家はまったく違った宇宙に生きている宇宙人同士であるようだ。
ただし、ふたりのあいだには大いなる善意があって、
だからこそ、ふたりの会話は
必ずしも噛み合っているとはおもえないにもかかわらず、
緊張感を持ちながら続き、さまざまな記憶を引き出し、気づきを生み、
そのプロセスを正確に伝えようとするその本は、
他のどんな音楽の本とも似ていない、
だからその本にはかけがえのない魅力がある。
とはいえ、あるいは、それは音楽にとってほんとうは余計なことかもしれない。
にもかかわらず、そこにこそこの本の美質はあって。
そうおもったとき、それはけっして余計なことではなくなっていて。
そんなことをおもいながらぼくはその本を読んだ、
人何倍もおしゃべりなぼくが、すばらしく澄み渡ったおいしいコーヒーがもたらす、
黙りこむことのよろこびを味わいながら。
ぼくと女友達とインド料理、ときどきフランス料理。
http://tabelog.com/rvwr/000436613/