風薫る5月のコースは : 樋口

樋口

(ひぐち)
2024年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2024 Bronze 受賞店

日本料理TOKYO百名店2023選出店

食べログ 日本料理 TOKYO 百名店 2023 選出店

予算:
定休日
水曜日、日曜日、祝日

この口コミは、Silkmanさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

4.9

¥40,000~¥49,9991人
  • 料理・味5.0
  • サービス4.9
  • 雰囲気4.8
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
2024/05訪問17回目

4.9

  • 料理・味5.0
  • サービス4.9
  • 雰囲気4.8
  • CP5.0
  • 酒・ドリンク5.0
¥40,000~¥49,9991人

風薫る5月のコースは

 今週は梅雨の走りのような天候でしたが、この日は朝からは晴天。一年の中でも一番いいくらいの季節ですね、神宮前からの歩みでも心地よい風を感じます。さて、風薫る5月のコース、どんなお料理と対面できるか、この日をとても楽しみにしておりました。柳のなびく涼し気な階段をのぼり、引き戸をを開けますと、ほんのりとしたお香にほっとします。
 
 席につき早速ビールを、うすはりのグラスにきめの細かい生。本日いただいたものですが、

◆ 海胆と鯛出汁のにこごり

  天草の海胆とほんのりと色づいたにこごりがいぶし銀の器に映えます、濃厚で香りのよい海胆を鯛出汁の香り良い甘味に絡めていただきます

◆ 鯛の白子と鯛のちまき鮨

  ちまきの濃緑と白子の炙りのコントラストが美しい、ちまきを開けば鯛の美しい切り身をまとった赤酢のお鮨、ほんのりとした笹の香りが広がります

◆ 琵琶湖の稚鮎

  備長炭で炙られた稚鮎を頭からいただきますと、清冽な水苔のかおり、ふっくらとした身を楽しみます

◆ お椀

  鮎魚女、白髪葱、わらび、柚子の花、本枯節と昆布のうまみ・甘みが筆舌しがたい、汁の表面には鮎魚女の脂が小宇宙のようにひろがりうつくしい

◆ お造り1 鯛

  やや大味ではあるが、身のしまり・弾力が比類ない

◆ お造り2 とりがい

  ごく軽く火入れされた舞鶴のとりがい、噛むほどに磯の芳醇な香りが広がります、シコシコとした歯ごたえもよい

◆ 北寄貝と鶯豆の春巻き

  エンドウ豆の甘くほっこりとした食感と北寄貝の潮のかおり

◆ 野菜の炊き合わせ

  白アスパラの炙り、レンコンの素揚げ、うるい、こごみ、浅利出汁が山菜をやさしく包み込んでくれます

◆ 鰻の炙り

  カリカリに炙られた皮目、脂の乗った濃厚な身を山椒のさわやかな香りととともにいただきます

◆ お鍋

  芹、三つ葉、ユキザサ、月山茸、金華豚
  山菜の香りが出汁に抽出され、金華豚のきめ細かくやわらかなうまみを増幅

◆ こしあぶらの炊き込み

  抜けるようなさわやかな香りの炊き込み

◆ 穴子の炊き込み

  そろそろ穴子の本格的な季節、旬の穴子の濃厚なうまみが口中にひろがります、二膳目はほうじ茶でお茶漬けに、立派なサイズのジュンサイの味噌汁とともに

◆ 蕎麦

  本職さながらの手打ちそば、出汁とかえしのバランスのよい汁でいただきます

◆ 水菓子 びわとブラッドオレンジ

◆ 甘未 葛切り

 風薫る5月のコースをとてもたのしみにしておりましたが、期待以上のすばらしさ。5月に訪問するのは数少なかったかもしれませんが、これまでにいただいたものがないお料理がほとんど。ちまき鮨というあそびごころも楽しいですが、野菜の炊き合わせに浅利出汁をあわせるなんともいえない料理のセンス。そして鰻の芳醇なうまみ。樋口さんの卓越した技量が随所にちりばめられた構成でした。炙りの串打ちや備長炭の炙り、仕上げなどすべて樋口さんが手がけられるので、きわめて高いレベルのお料理が保たれているのでしょうね。店主自らすべて手掛けてお出しいただく、お客にしてみれば最高の贅沢ともいえます。食べあるきの師匠が「真善美」という言葉で表現されておられましたが、その言葉にお店の本質が凝縮されているようにおもいます。

 お酒は黒龍「福」、而今、天領、喜久酔といただきました。いつもながら女将様におまかせですが、お料理の内容にあわせて選定いただくので全幅の信頼をおいております。この日は特に而今の純米がよかった、さわやかな香りとほんのりとしたきれいな甘味がお料理をひきたててくれました。

 お土産にこしあぶらの炊き込みと穴子の炊き込みのおにぎりをいただき帰路につきましが、次回は鱧のきせつ。いまから待ち遠しいです。


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2024/01訪問16回目

4.8

  • 料理・味4.9
  • サービス4.5
  • 雰囲気4.5
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク4.9
¥40,000~¥49,9991人

常に進化15

 今週は列島全体が冷蔵庫のような一週間でした、神宮前からの道中も心なし前かがみになり歩みを進めますと、あたたかみのある樋口さんの灯篭がみえてきました。躙り口のような玄関をくぐりますと、いつもながらのお香に迎えられ、気持ちにスイッチがはいります。
 1月の樋口さん、今回もカウンターで繰り広げられる感動を楽しみにしておりました。さっそくビールを、いつもながら口当たりのいい薄はりグラスで。きめの細かさが際立ちます。

 今回のお料理ですが、

◆ 大根餅の白味噌餡

  お汁は本枯節の香りがきわだつまろやかなとろみ、丁寧にすりおろされた大根餅は軽く炙られうまみが凝縮

◆ 酢の物(赤貝・細魚(昆布〆)・花山葵)

  黒胡麻酢が素材の滋味を引き出してくれる、花山葵のかおりが春のことぶれ

◆ 海老芋と数の子の西京漬け

  ごく軽く西京漬けされた数の子はうまみが前面に、海老芋はねっとりしたきめ細かいうまみ

◆ 甘鯛と新筍のお椀

  木の芽の香りがよい、本枯節のうまみ・深みが凝縮されたお椀、新筍は竹林の香り、身のしまった甘鯛は脂ものり群を抜く素材

◆ お造り(鯛・メジマグロ)

  鯛は弾力が半端なく甘味・香りが傑出、メジは腹カミ、皮を備長炭で軽く炙られ炭の微かなかおり、透き通るような脂のうまみをかんじる

◆ 河豚と菜の花、ほうれん草

  白子の酒盗和えは耽美な海の香り、河豚は3㎏を超えるりっぱなサイズだが数日寝かせた身は軽く熟成され、うまみ・甘味が印象的

◆ 百合根のおかゆ

  蛤の出汁はほんのりと甘い香り、うまみが凝縮されている、百合根のほくほくとした食感とともに楽しむ

◆ ホンモロコの炙り

  淡水魚ならではの水ごけの香り、淡白ながらふかいうま味は稚鮎を思わせるほど

◆ 聖護院大根

  かつお出汁がしっかりと染みた聖護院大根ならではの甘味、うまみ

◆ 鼈の炙り

  脂がのりつつ身のしまった鼈、くさみは微塵もない、山椒の香りとともに楽しむ

◆ 芹のごはん

◆ 蕎麦

◆ 水菓子

 どのお料理も樋口さんならではの感性がかんじられ、卓越した技量で素材のうまみが引き出されています。仕事は最小限のように見せてはいますが、その実、薬味や隠し味など素材の魅力を引き出すための工夫や試行錯誤、趣向がいたるところに垣間見え、いつもながら、どのお料理にも深い感銘をうけました。ちょうど1年前の同時期に訪問していますが、お料理はがらりとかわっており、お献立に心を砕いておられるのだろうなと痛感した次第です。
 お酒は女将さんの見立て、当方の嗜好もご存じですのでもっぱらお任せです。この日は黒龍 しずく、想天坊(新潟)、日高見、貴、喜久泉と少しずついただきました。辛口の想天坊が印象深かったですし、貴の深み、奥行きもよかった。
 次は春ですが、待ち遠しいですね。


 

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2023/10訪問15回目

4.8

  • 料理・味4.9
  • サービス4.5
  • 雰囲気4.5
  • CP4.5
  • 酒・ドリンク4.9
¥40,000~¥49,9991人

常に進化14

 今週は季節がかなり進みましたね、秋の乾いた空気はとても心地よく好きな季節です。神宮前からの歩みもなんとなく軽やかな気分となるから不思議です。
 さて、今月の樋口さん。訪問をいつもこころ待ちしておりますが、この季節はとりわけ楽しみ。暑い夏が過ぎ、秋の食材がお献立に並ぶのを考えるとそれだけでも嬉々として気持ちとなります。 暖簾をくぐり店内に入りますと微かなお香の香り、この日の幕開けです。
 カウンター席につき、早速ビールを。うすはりグラスでお出しいただくビールは滑らかな泡が際立ちます。
 
 本日いただいたものですが、

◆ 白甘鯛と黒無花果の酢の物

 香りのよい無花果の葉に覆われた一品、甘鯛は身のしっかりとした弾力、黒無花果は口直しとして香りがよい

◆ 鮎の塩干・バチコ・銀杏の炙り
 
 翡翠色の銀杏は今秋はじめて、半身を控え目に塩干された鮎は風味豊か、バチコは特有の磯の香り

◆ モクズガニの飯蒸し

 からすみをまぶされた飯蒸しは、モクズガニの出汁をたっぷりと吸い込みうまみが凝縮

◆ お椀

 うすぎりされた松茸がぎっしりと詰まったひろうすのおわん、松茸は深い鬱蒼とした森の香り、お汁は甘味と深みのある昆布出汁

◆ お造り 戻り鰹

 たっぷりと脂ののった戻り鰹、しっかりとした身で鰹特有の香りを楽しむ

◆ お造り 真鯛

 真鯛の造りはこちらの代名詞といっても過言ではないが、弾力の強い真鯛はうまみ・甘味・繊維質が比類ない

◆ 焼き物 のどぐろの炙り

 丁寧に炙られたのどぐろはきれいな脂、くどさは微塵も感じない、間人産とのこと

◆ にしんと京茄子の炊き合わせ

 足の速いにしんだが、身がしまった甘味は秀逸、京茄子はたっぷりの出汁がしみた上品なかおり

◆ 香茸とますたけの天ぷら

 香茸は滋味深く森の香りがよい、ますたけは初めていただくが色あいがますに似ているキノコ、しゃきしゃきとした食感を楽しむ、蜆の出汁が味に深みを与えてくれる

◆ イチボの炙り

 きれいな脂の和牛、赤身肉のしっかりとしたうま味

◆ 穴子と蕪の炊き合わせ

 しっとりと密度の高い良質の脂の穴子、穴子特有の旨みと少し土っぽい香りがよい

◆ 松茸ご飯

 ごく薄く切られた松茸を竈でたきあがったご飯に散らし10分ほど蒸す手法、松茸の食感とうまみ・香りが凝縮された出色の松茸ご飯

 冷酒は、いつもながら、女将さんの見立てですが、鄙願(秋上がり、新潟特有の奥行と深みのある辛口、余韻がいい)、伯楽星(食事のじゃまをしない食中酒、繊細で軽やかな香り)、而今(フルーティーで品のある香り、上品な甘味と程よい酸味)といただきました。お料理の内容により順番に出していただきました、好みもあるのでしょうが、小生には而今が傑出していたようにかんじました。

 この日お出しいただいたお料理はどれも昨年の同時期とは異なるものでした。自然の恵みである素材から最小の仕事で最大の魅力を引き出す、これこそ日本料理の神髄との主観ですが、それを具現化しつつも異なるお料理。引き出しの多さ、非凡な才能、驚嘆するばかりですが、お店に通えることに感謝しかありません。
 次回の訪問を楽しみにしつつ家路につきました。


 

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2023/07訪問14回目

4.7

  • 料理・味4.8
  • サービス4.3
  • 雰囲気4.3
  • CP4.3
  • 酒・ドリンク4.8
¥40,000~¥49,9991人

常に進化13

 こちらには季節ごとにお邪魔していますが、この季節は鮎・鱧など魅力的な食材が旬ですね。今回の訪問もこころ待ちにしておりました。原宿の喧騒を抜けますと、樋口さんの玄関横にある柳が風にゆれ涼しげに迎えてくれます。微かなお香の香りを感じつつ期待が高まる心持でカウンター席につきます。

 まずはビールを、ビールサーバーやグラスの手入れがいいのでしょう、泡のきめ細かさがとても印象的。うすはりタンブラーでいただきます。

 本日のメニューですが、

◇ 玉蜀黍のソルベ

  目に美しい鮮烈なレモンイエロー、凍ってはいるがどこまでも甘く香りがよい、暑い外からくるとほっとする一品

◇ 鱧の炙り

  見事に骨切された身のしまった鱧、完熟梅と青梅の梅肉の薬味の違いを楽しむ

◇ お凌ぎ(にえばな・卵豆腐・鮎の酒蒸し)

  卵豆腐をいただくのは何年ぶりだろう、出汁のうまみがとても深い、卵かけご飯のようにいただく

◇ 虎魚と冬瓜のお椀

  吸い地はどこまでもやさしい、昆布と鰹出汁のうまみ・心地よさ、虎魚は淡雪のごとき食感

◇ お造り(真鯛・シマアジ)

  真鯛は樋口さんの代名詞だが強い弾力の圧倒的な食感、甘味・香りが際立つ
  一方、シマアジは上質な藁で炙られ抜けるような香り、身のしまったきめ細かい脂

◇ 鮎

  丁寧に丁寧に炙られた鮎は頭からいただく、水苔のさわやかな香りを楽しみしつつ脂ののった身は比類ない

◇ 和牛(いちぼ)

  サシが入りつつも脂は抑えられ、赤身の旨味・滋味をしっかり感じる

◇ 小鍋(フカヒレとずいき)

  生姜の効いたすっぽん出汁はとろみ・深みが印象深い、立派なサイズのフカヒレは食感がよい

◇ 青鰻の炙り

  岡山の青鰻、冷凍・真空保存された花山椒をかけていただくが、青鰻は上質な身のしまり、きれいな脂の乗り、さわやかな香りと三拍子そろった逸品

◇ 新生姜の炊き込み

  新生姜のさわやかな香りとともに油揚げの出汁で深みの出た炊き込みを楽しむ

 お酒は、女将様の見立てで、黒龍 しずく・日高見 弥助・一歩己(福島)・喜久泉といただきました。お料理にあわせておすすめいただきましたが、序盤は余韻がのこりつつも料理のじゃまをしないすっきりとした辛口、中盤からはボディのしっかりした深み・奥行をかんじる銘柄へ。喜久泉は田酒とおなじ酒蔵、善知鳥が一等のお気に入りですが、喜久泉の華やかな香りを堪能しました。

 実は、ちょうど1年前の同じ時期にも訪問していますが、お料理のほぼすべてが一新されておりたいへん楽しむことができました。お客は常にあたらしいものを求めてしまいますが、そうしたわがままにもしっかりとお応えいただける樋口さん。ご本人は和食にたいするご自身の哲学をお持ちであるからこそ、さまざまな応用・発展性があるのでしょうね、軸はぶれていないところが信頼の証かな、と勝手にかんじています。
 若手のお弟子さんも増えていましたが、みなさんのキビキビとした動きも緊張感がありよかった。カウンター席でいただく和食は臨場感にあふれ、お料理のたのしさが増幅されますね。
 
 次は秋、いまから待ち遠しいです。


 

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2023/04訪問13回目

4.7

  • 料理・味4.8
  • サービス4.3
  • 雰囲気4.3
  • CP4.3
  • 酒・ドリンク4.8
¥40,000~¥49,9991人

常に進化12

 今週は後半にかけ、初夏らしい天候でした。北の高気圧のおかげで、乾燥した空気の暖かさ、欧州の夏を思い出すほどです。そうした日の夕暮れ時、神宮前からこちらの向かいますが、春から初夏にかけての端境期、どんな食材か楽しみです。
 樋口さんはとおりから数段あがった場所にありますが、入口付近の庭木も新緑で鮮やかです。微かにお香のかおる玄関口から、カウンターへ、早速ビールをいただきます。

 本日いただいたものですが、

◆ こしあぶら と ふきのとうの天ぷら

  鯛の白子と和えていただきますが、こしあぶらは目にも鮮やか。春の山菜のかすかなえぐみが印象的な先付

◆ 筍 障泥烏賊 蕗 の木の芽和え 

  朱の器に映える黄緑色、蕗のシャキシャキ感、障泥烏賊のねっとりとした甘み、筍のほっこりとした食感

◆ 蛤出汁のおかゆ

  白アスパラの甘味、ほくほくとした春の香り

◆ 鮎魚女 わらび 筍豆腐のお椀

  本枯節のうまみ・コク・香りが絶妙、鮎魚女のプリプリとした食感・甘味、筍豆腐の凝縮した香り

◆ 鯛、海胆の造り

  鯛の弾力・うまみ・甘味、玄界灘の海胆は濃厚なうまみと深い香り

◆ 渡り蟹

  内子のオレンジが美しい、身のしまった渡り蟹を独活・こごみとサラダのようにいただく

◆ 蛍烏賊の石焼

  シーズン終盤だが水晶のようにうつくしい蛍烏賊、熱せられた石で軽く炙るとさっぱりとしたうまみ・甘味がひろがる

◆ 筍・鯛の子・若芽の炊き合わせ

  朝掘りの筍の白い姿と若芽のコントラストが美しい、ふっくらとしたうまみ、さくさくとした食感

◆ 青鰻の炙り

  花山椒が散らされた青鰻の炙り、脂の乗ったしまった身・炙られた皮の香りをさわやかな花山椒が包み込む

◆ グジ・水茄子・浜ぼうふうの春巻き

  変化球だが、水茄子・浜ぼうふうがグジの甘味に深みを与えている、封じ込められたうまみ

◆ 岩手牛のしゃぶしゃぶ

  花山椒をまとったまろやかなしゃぶしゃぶ

◆ 筍の炊き込み

  これが一番好きかな、ほっこりとした食感、香りと甘み、山菜特有のほろ苦さをご飯の甘味が増幅

 お酒ですが、こちらでは、吟風・しずく・仁左衛門など黒龍をいただくことがおおいのですが、今回はあえて奥様の見立てでセレクトしてもらいました。いただいたのは、鄙願・喜久酔・蒼空・伯楽星、いずれも辛口の大吟醸で深み・奥行き・芳醇さとも出色なのですが、とくに喜久酔がよかったですね。いつものことですが、お料理にあわせてのおすすめいただいた銘柄には感銘をうけるものがあります。

 こちらのお店の魅力は、吟味された素材をその本来の味・うまみを最大限かつ最小限の仕事で引き出す技量でしょうか。さりとて、堅苦しいものではなく、時折ご主人とかわす何気ない会話が緊張感をほぐしてくれ上質な時間を過ごすことができます。今回は春の恵みを楽しみにしておりましたが、期待以上のすばらしいお料理の品々でした。
 進化のとまらない樋口さん、これからも通います。
 

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2023/01訪問12回目

4.7

  • 料理・味4.8
  • サービス4.3
  • 雰囲気4.3
  • CP4.2
  • 酒・ドリンク4.8
¥40,000~¥49,9991人

常に進化11

 今週は寒かったですね、神宮前からこころなしか前かがみになりながら、お店に向かいます。訪問は4ヶ月ぶり、晩秋にうかがい走りの香箱蟹をいただきたかったのですが、残念ながら予約できず。今回は真冬ですが、どんな食材がいただけるのか、とても楽しみにしておりました。
 通りから数段あがり玄関にはいりますと、微かなお香とともに個々のお店固有の香り・空気感とでもいいましょうか、「あぁ、樋口さんだな」と感じます。小生はこうした境界を超え、ハレの次元に入る瞬間に無上の喜びを感じます。

 カウンターにつき早速ビールを、寒くてもやはり最初はビール。いつもですが、丁寧に手入れされたサーバーから注がれるビールの泡はとてもきめ細かい。

 本日いただいたものは

◆  雲子・牛蒡のすりながし

   粗おろしされ食感のある牛蒡が炙られた雲子のよくからむ

◆  海老芋とからすみ

   素揚げされた海老芋がねっとり甘い、からすみは塩加減は控えめでやわらかく潮の香りをかんじる

◆  閂と山菜
  
   山菜はこごみ・うるい・うど、黒ゴマを配されたかつお出汁(微かな酢)でいただくこぶ締めされた閂は甘い

◆  車エビ・大根もちのお椀

   車エビのビスクを白味噌で深みをくわえたお椀、海老の濃厚な香りが驚くほど、
   切り干し大根は凝縮された味がとてもよい

◆  お造り

   淡路の真鯛、真鯛は樋口さんの定番だが、甘味・弾力・うまみとも比類ない

◆  お造り2

   石鯛と天草の根つき鯵、石鯛はほとんどいただいたことがないが、独特の手法で神経締めされた石鯛は磯の香りはほとんどかんじない、マナガツオのようなまったりとした味と食感
   天草の根つき鯵は脂ののりもよく、藁で炙られ香りもよい

◆  おしのぎ

   河豚の骨で出汁をとったおかゆ、繊細な味と香りを楽しむ、海の香りをかんじるぜいたくなおかゆ

◆  河豚の酒盗

   白子ポン酢の和えていただく、ほんのりと感じる橙の香りとともに、河豚の食感をたのしむ

◆  津居山の焼きガニ

   調理寸前まで動いていた松葉ガニ、炭火で炙られた焼きガニは繊維が凝縮され、うまみ・甘味・香りが強烈

◆  聖護院大根

   利尻昆布のまったりとした出汁がたっぷりと染みた一品

◆  猪肉コンフィ

   7時間かけじっくりと煮られた猪肉は獣臭はみじんもかんじない、猪の滋味を感じる

◆  にえばな

 こちらに通って10年以上となりますが、いただいたお料理ははじめていただくものがほとんど。ご主人は、イマジネーションをはたらかせ常にあたらしいものに挑戦したいとお笑いになられますが、こうした料理人スピリットがこちらのお店の最大の魅力といっても過言ではないでしょう。厳選された素材の魅力を、出汁のうまみと卓越した調理手法でひきだす技量はうなるよりほかありません。

 お酒は黒龍(しずく、仁左衛門)といただきましたが、仁左衛門はやや辛口の大吟醸、深み・奥行きがとてつもない。黒龍は料理の邪魔をしない酒ともいわれますが、仁左衛門がどうしても主役になるくらいの逸品。

 本日もすばらしいお料理の品々な繰り出していただき感謝しかありません。
 次回の訪問もたのしみです。

   

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2022/09訪問11回目

4.7

  • 料理・味4.8
  • サービス4.3
  • 雰囲気4.3
  • CP4.2
  • 酒・ドリンク4.8
¥40,000~¥49,9991人

常に進化10

 朝晩はずいぶんと涼しくなりましたね、この夏の暑さには辟易することも多かったですが、朝の涼しさにはほっとします。秋は味覚の季節ですが、日本は四季があるため海山の主役もかわります。そうした季節季節の食材を昇華させた日本料理はほんとうに歴史・伝統を感じます。
 樋口さんに伺うのはいつも楽しみですが、秋は殊更、心待ちにしていた訪問です。
 
 カウンターにつきさっそくビールを、いつものことですが、うすはりタンブラーに注がれたクリーミーな泡は比類がないもの、先日行った神泡XXとは比較にならないくらい。うりはりは口あたりもよく(乾燥した気候も相まって)進んでしまいます。

本日いただいたお料理ですが、

◆ すっぽん茶碗蒸し 

ていねいに出汁をひかれ地味深い
しょうがも体をあたためてくれる

◆ レンコンと香茸のてんぷら
  
香茸は山のめぐみを感じる
シャキシャキとしたレンコンは
食感がよい

◆ モクズガニ

あまく香りのよいモクズガニを
からすみのパウダーがひきたててくれる

◆ グジとマツタケ

本日一番の感銘を受ける
マツタケは官能的な香りでしっとりと
みがしまっており、ここ数年では上位

グジの身はホロホロとして甘味・
身のしまりとも上質

◆ 造り:タイと唐津のウニ

唐津のウニは香り・濃厚さが印象的
タイはこちらの代名詞だが、弾力・
香り・甘味がしっかり

◆ 鱧とマツタケの春巻き

一口齧るとなかからマツタケの芳香が
たちのぼるが、鱧を合わせ、春巻きとする
ところにご主人のセンスを感じる

◆ 落ち鮎と焼きマツタケ

マツタケは焼きにとどめをさすが、
強烈な香りにめまいを感じるほど

琵琶湖の落ち鮎はこぶりだが
ミズゴケの香りが凝縮
卵のふっくらとした食感もよい

◆ いちぢくの酒蒸し

柚子みそが酒蒸しされ甘みが凝縮された
香りのよいいちじくをひきたてる

◆ 牛モモの炙り

塩コショウのみのシンプルな炙りだが
それだからこそ、素材のよさが光る

◆ 鰊と冬瓜

足の早い生鰊だが、身がしっかり
昆布出汁が鰊のうまみをひきだす

◆ 岡山の青ウナギ

終盤に青ウナギがでるのは驚き
ふっくらとした身は、口に入れると
ふわっと柔らかく、とけるような
食感と肉厚な身が魅力的

◆ マツタケごはん

水晶のように輝く新米み
たちのぼるマツタケの香りが
この日のフィナーレにふさわしい

 冷酒は黒龍をいただくことが多いのですが、今回はみむろ杉・宝剣・天領・東北泉という流れでいただきました。お料理にあわせつつ、その冷酒の魅力につき解説をいただき、いつもながら奥様の見立ては出色です。

 この日は他のお客様が席をたたれたあと、しばし樋口さんと会話することができました。ご自身でもいろいろなジャンルのお店に行かれ、そのお店のお料理が示唆する魅力をこちらのお料理にも反映なさっておられることもお聞きしました。
 こちらのお店の魅力は一言では言い表せられませんが、常に研鑽され料理の質を高めておられるところに感銘をうけています。これからも通い続けたいたいせつなお店です。

 

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2022/06訪問10回目

4.7

  • 料理・味4.8
  • サービス4.3
  • 雰囲気4.3
  • CP4.2
  • 酒・ドリンク4.8
¥30,000~¥39,9991人

常に進化9

今年の梅雨は短そうですね。じめじめ・しとしとよりは、暑くても晴れたほうがいいかな。気温の上がったこの日、強い南風をうけつつ、神宮前から今夜のお料理に思いを馳せながら歩きます。
お店の玄関口の柳も梅雨時の湿度を吸い生き生きとした印象です。

カウンターにつき、早速ビールを。こちらの生は、泡が非常にきめ細かく、サーバーなど手入れが行き届いておりとても気に入っています。暑い中を歩いた後、うすはりグラスでいただくビールは筆舌に尽くしがたいうまさ。

さて、6月のお料理、何が繰り出されるか心躍る瞬間です。今回いただいたのは

◇ 先付 鱧・焼き霜

  いきなりこの時期の主役登場、
  肉厚の鱧を完熟の梅肉が甘味・香りを
  引き立てる 

◇ お通し ウニと芽芋
 
  鯛の出汁ジュレがウニのうまみを増幅
           
◇ 前菜 メヒカリと花おくらの天ぷら

  太白油で揚げられたメヒカリは
  上品な鱚のよう、塩がいい

◇ お椀 白甘鯛とにゅうめん

  すっきりしつつ深みのある鰹出汁、
  皮目を炙り白甘鯛の甘み・うまみを増幅

◇ お造り トリガイの炙り
  
  軽く火入れされたトリガイは香り・甘みが
  比類ない、きわめて上質な繊維   

◇ お造り2 鯛

  樋口さんといえば鯛、弾力・香りが
  すばらしい

◇ お凌ぎ 鱧鮨

  香ばしく炙られた鱧、茗荷とえごまの
  鮨飯が引き立てる
  抜けるような香りのえごまを使う非凡さ

◇ 焼き物 鮎

  島根・高津川のきわめて上質な鮎
  皮は脂をおとしパリッと、ミズゴケのかおり・
  脂ののりに感嘆 

◇ 揚げ物 賀茂茄子

  軽く揚げられた賀茂茄子はジューシーで
  水分たっぷり、かおりもよい

◇ 箸やすめ シントリ菜のおひたし

  鰹出汁のおひたし、シャキシャキ感

◇ 追肴 蕪の炊きもの

  ホタテと鶏の出汁という山海の絶妙な
  バランス、蕪は身がしっかりして 
  香り高い

◇ 焼き物2 鰻の炙り

  身のしまり・脂ののり・香りとも
  至上の鰻 
   
◇ ごはんもの 新ショウガの炊き込み

  お米は水晶のようなうつくしさ、
  新ショウガのさわやかな香りが
  うまみ・甘味を引き立てる

◇ ごはん代わり もり蕎麦

  香り・のど越しとも本業顔負け
 
◇ 水菓子 メロンと小夏

梅雨時はうまみが増す時期ではありますが、選りすぐりの食材を卓越した技量とイマジネーション、引き出しの多さで繰り出されるお料理の品々、今回も驚きの連続でたいへん楽しませていただきました。こちらは軸はぶらさず、華美ではないが、芯のしっかりした、そして一品一品が主張をもつお料理に大いなる魅力を感じています。

今回のお酒は、当方の好みを知り尽くしていただいている女将さんの見立てで黒龍(しずく・福)、天領をいただきました。お料理に合わせおすすめいただく冷酒も極上でした。

次はマツタケの季節の訪問が楽しみ、暑い夏も乗り切れそうです。

    

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2022/03訪問9回目

4.7

  • 料理・味4.8
  • サービス4.3
  • 雰囲気4.3
  • CP4.2
  • 酒・ドリンク4.8
¥30,000~¥39,9991人

常に進化8

今週は寒の戻りがありましたが、週末にかけ春の陽気がもどりました。道中の桜は3分咲きといったところでしょうか、それでも季節を感じますね。
本日は春の樋口さんのお料理を楽しみに訪問します。
今回は前日にマイレビ様の投稿がありましたので、しっかりと予習をしました。

磨きこまれた白木のカウンターにつき、まずはビールを。こちらのビールは、サーバーの手入れも行き届いており、クリーミーな泡立ちがうれしい限り。

◇ 先付     車海老・そら豆・蛤出汁
         蛤の出汁が滋味深く、少し冷えた体を温めてくれます
         そら豆の緑が美しい

◇ お通し    春子・卯の花
         春を感じる取り合わせ、かつお出汁のきいた卯の花が
         軽く〆られた春子の甘み・さっぱり感を引き出す
         
◇ 前菜     ふぐ白子と山菜ウド
         備長炭で炙られた白子と太白油で揚げられたウドと
         絡めていただく、白子はクリーミーかつ濃厚で雑味がない 

◇ お凌ぎ    ほうぼう出汁のおかゆ
         お米に自信なれけば出せない一品、ほうぼう出汁はやさしく 
         ほんのりとした海のかおり     
 
◇ お椀     鮎魚女とウルイ・わらび
         きわめて上質なカツオ出汁が鮎魚女の耽美な甘さを昇華
         春の山菜は目にも美しく、季節を感じます
        
◇ 造り     鯛と初鰹
         こちらの鯛は外れがない、弾力がすばらしくうまみ・甘味を楽しむ
         藁であぶられた上りカツオは香りもよく、さっぱりとした脂の
         魅力を引き出す、玉葱醤油のさわやかさとよく合う
     
◇ 追肴     蛍烏賊の岩石焼き
         透き通った美しい蛍烏賊を熱せられた岩石で火を入れ
         香り・音を楽しみつつ、輪郭のはっきりした味を楽しむ

◇ 箸やすめ   若竹煮
         本日楽しみにしていたお料理、朝掘りの若々しい
         タケノコに木の芽そして若布、滋味深い春の贅沢
        
◇ 焼き物    さくら鱒
         備長炭で皮目を炙られた鱒のしっかりした味を
         まったりとしたマッシュルームソースと絡めていただく

◇ 揚げ物    稚鮎の春巻き
         太白油で揚げられた稚鮎はミズゴケの香が鼻孔をくすぐる

◇ 止め鍋    近江牛のランプ肉と白アスパラ
         近江牛のランプ肉はきれいな脂で地味深い
         白アスパラはさわやかな甘味を感じる

◇ ごはんもの  豆ごはん
          
◇ ごはん代わり  蕎麦はいつもながら本職を凌駕するような香り・のど越し

◇ 水菓子     いちご・オレンジ

お酒は小生が全幅の信頼を置く奥様の見立て、この日は黒龍(しずく・福)・天領・紀土(無量山)。
お料理に合わせ提供いただいき、どれもすばらしいものでした。

この日の樋口さんのお料理の品々は素材を愛で、その魅力を極限まで引き出し提供されるお料理の品々はどれも美しく、芸術性すらかんじます。卓越した技量とセンスを随所にみられました。

常に研鑽を重ねられ進化がとまらない樋口さん、次回も楽しみです。

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2021/11訪問8回目

4.7

  • 料理・味4.8
  • サービス4.3
  • 雰囲気4.3
  • CP4.2
  • 酒・ドリンク4.8
¥30,000~¥39,9991人

常に進化7

霜月の樋口さんへ、といっても来週には12月。こちらのお店にお邪魔して10年くらいになりますが、11月の下旬はほとんどなかったかもしれません。食材に期待膨らませつつ、明治神宮前からの道のりを歩みました。そういえば、気候はすっかり変わりつつありますね。いつもながらの趣のあるアプローチへと到着。

まずはビール、サーバー・グラスとも手入れが行き届き、泡がとてもクリーミー。

◇ 先付     タラの白子(そば粉揚げ)、牛蒡のだし汁
         太白油で揚げられた白子は香りもよくパリッとした食感
         牛蒡のだし汁は濃厚で地味深い 

◇ お通し    海老芋の唐揚げ、アンキモ
         アンキモはとても上手に仕事がなされ繊細な仕上がり、ホクホクした海老芋と楽しみます
         
◇ お凌ぎ    鯖棒鮨
         ごく軽く〆られた鯖はとても脂がのっており、この時期ならでは
 
◇ お椀     鼈
         ほんのりと生姜の効いた出し汁はとてもいい香り、鼈は身離れもよく上質で臭みはいっさいなし
      
◇ 造り     鯛
         鯛は弾力がすばらしくうまみ・甘味を楽しむ、これほどの鯛は久しぶり

◇ 造り2    鰆
         藁であぶられた鰆は香りもよい、脂がのりつつも身はしまっており玉葱醤油のさわやかさとよく合う
     
◇ 追肴     香箱蟹
         香住のもので極めて上質、宝石のようなうつくしさ
        
◇ 焼き物    甘鯛の松笠焼き、栗の茶巾
         脂のたっぷりのった甘鯛は鱗が松笠のようでうつくしい、甘味・身のしっかり感
         

◇ 煮物     蕪
         鰹出汁で炊かれた蕪は箸をいれるとほろける、上質な鰹出汁         
         
◇ 焼き物2    丹波牛の炙り
         脂は控えめで肉本来のうまみ、滋味を感じる

 
◇ 焼き物3   津居山の松葉蟹炙り
         蟹の炙りは香り・甘味・うまみと蟹本来の味が凝縮されています

◇ ごはん    蟹と山椒のご飯
         蟹のうまみがご飯にしっかりとにじみ出ているが、山椒のさわやかさがアクセント        
          
◇ ごはん代わり  蕎麦はいつもながら本職を凌駕するような香り・のど越し

◇ 水菓子    柿

この日の冷酒は奥様の見立てにおせ、いただいたのは、日高見(宮城)、喜久酔(静岡)、宝剣(広島)、黒龍 吟風(福井)。辛口からしっかり、淡麗、ふくよかへと出していただいた冷酒はどれもお料理の魅力を倍増してくれました。

こちらのお店は写真は禁止なのですが、あまりに美しい香箱蟹だけ撮らせていただきました。

進化の止まらない樋口さん、今回は旬のはじまった松葉蟹、それも極めて上質な香住の香箱蟹と津居山の松葉蟹を堪能させていただきました。甘鯛の松笠焼きも鱗まで美しくたいへん楽しませていただきました。

次回も楽しみです。

  • 樋口 - 玄関へのアプローチ

    玄関へのアプローチ

  • 樋口 - 香住の香箱蟹のうつくしさ

    香住の香箱蟹のうつくしさ

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2021/09訪問7回目

4.7

  • 料理・味4.8
  • サービス4.3
  • 雰囲気4.3
  • CP4.2
  • 酒・ドリンク4.8
¥30,000~¥39,9991人

常に進化6の

すっかり秋めいてきましたね、18時の予約ですが、そのころにはとっぷりと日も暮れ、季節の移いを感じます。
玄関へのアプローチは打ち水が打たれ、すがすがしい気持ちとなります。

前回から2ヶ月ぶりの訪問、今回は秋の味覚を楽しみに伺いました。
今回いただいたのは、

◇ 先付     ウニ・ずんだ・にこごり
         大葉の花が散らされた先付は目にも鮮やか
         カツオ出汁のにこごりとともにいただきます

◇ お通し    笹ガレイの炙り・銀杏・里芋
         銀杏は翡翠のようにうつくしい、笹ガレイは
         ゆずに効いた出汁で丁寧に炙られています、
         里芋のねっとりとした食感も楽しみます

◇ お凌ぎ    モクズガニ
         カラスミの散らされたモクズガニの下には
         もちごめ、走りのカニはとてもフレッシュ          
 
◇ お椀     鱧・松茸・芋茎
         落ち鱧はきれいな脂がのっています、岩手の松茸は
         かおり・しっとり感とも比類ないもの
         上質な鰹出汁のお椀
      
◇ 造り     鯛・アオリイカ
         鯛は弾力がすばらしくうまみ・甘味を楽しむ
         アオリイカは香りもよくねっとり
    
◇ 焼き物    鰆の炙り
         藁の香りが絶妙、鰆は脂たっぷりながら身は締まっており
         大味な感じはしない
         炙りの直前は骨切り心地よい響きを楽しんだが 
         脂がのりつつも身のしまった肉厚の鱧、炙りで味は凝縮

◇ 焼き物2   焼きマツタケ
         この日一番、土壌・松という自然の香りが焼きによりひきだされている
         
◇ 焼き物3     鱒の炙り
         マッシュルームも出汁に使った醤油での炙り
         神経締めされた鱒は身がしまっており、臭みは一切なし

 
◇ 強肴     香茸と鱧の春巻き
         香茸の上品な香りが秀逸、脂をのった鱧をひきたてる

◇ 強肴2    山形牛の炙り
         部位はイチボ、香り・上質な脂・しっとりとした肉質、
         きわめてバランスのとれた味わい

◇ 追肴     フカヒレと冬瓜
         本来は中華の食材だろうが和風にアレンジ、店主の工夫・ 
         イマジネーションを感じる

◇ ごはん    松茸ご飯
         炊きこむのではなく松茸を最後に加えフレッシュさを残す
         熟練の技
         いくら・香の物とともにいただくが、おかわりがとまらない
         
◇ ごはん代わり  蕎麦はいつもながら本職を凌駕するような香り・のど越し

◇ 水菓子    洋ナシ・巨峰 マンゴー・ココナツソースかけ

この日は秋の味覚の素材をたっぷりと堪能、とくに松茸は過去にいただいた中でも1・2を争うほど上質なもの、自然の産物ですからこれも一期一会ですね。素材をみてもっとも適した調理法で仕上げる店主のイマジネーション・工夫・応用力はほんとうにすばらしい。常に進化しており、客を飽きさせない。通い続けたいお店なのは間違いありません。

次回の予約をとりつつお店をあとにしました。

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2021/07訪問6回目

4.7

  • 料理・味4.8
  • サービス4.3
  • 雰囲気4.3
  • CP4.2
  • 酒・ドリンク4.8
¥30,000~¥39,9991人

常に進化5

前回から3カ月ぶりですが、夏場の訪問はほんとうに久しぶりかもしれません。そうしたこともあり本日の食材を楽しみにしながら明治神宮前から歩きます。他のレストランへの道中もそうですが、ここ数か月入店時間が早いことから、見える風景がことなりなんとなく違和感がありますね。
この日もはっきりしない天気ですが、エントランスへのアプローチはしっとりと雨に濡れ、これはこれで雰囲気があります。

◇ 先付     毛蟹(噴火湾)、白オクラ、焼きナス
         ゆずの香りを効かせたジュレがアクセント、
         毛蟹は香りもよく繊細な味

◇ お通し    鮑を煎り出汁
         出汁で煮含め、片栗粉をつけて揚げた鮑、
         鮑の香りが立ち上ってきます

◇ お凌ぎ    アナゴのつけ焼き
         この季節のアナゴは何物にも代えがたい
         深みのある甘さ、しっとりと密度の高い良質の脂を感じる 
 
 
◇ お凌ぎ2   アンキモとイチジク
         アンキモは冬と思っていたがこの季節はさっぱり
         表面にアーモンドを削ったイチジクとともに出すのは
         なかなかのセンス

◇ お椀     アコウ、ジュンサイ、ゴマ豆腐
         アコウは繊細な甘みと旨みが凝縮されとても上品
         ゴマ豆腐は葛で仕上げられいい出汁となっている
      
◇ 造り     鯛、シマアジ
         通常は明石だが今年はモノがなく、今日は鹿島
         つよい弾力、脂が乗りしっとりと琥珀に色づくうまみ
         シマアジは数日寝かせたものだが、上質な脂の深みとコク
    
◇ 焼き物    鱧の炙り
         炙りの直前は骨切り心地よい響きを楽しんだが 
         脂がのりつつも身のしまった肉厚の鱧、炙りで味は凝縮

◇ 焼き物2   ウナギの肝
         きれいな味わいのウナギの肝の炙り、上質な海苔とともに
         巻きものにしていただく

◇ 強肴     鮎の炙り
         山陰を代表する清流、高津川の鮎、
         水苔が凝縮されたとても深い香りでうまさは際立つ
 
◇ 強肴2    金華豚
         しっとりと上品な甘みのある脂と繊細な味わいを兼ね備えた肉質
         真っ赤な梅のソースが味を引き締める

◇ 追肴     蕗とバチコの天ぷら
         蕗は沖縄?おおぶりでほのかな蕗のかおり、むしろシャキシャキとした
         食感を楽しむ、バチコは磯のかおり・濃厚なうまみとも上質

◇ ごはん    新生姜がほんのり効いた炊き込み
         新生姜のさわやかな香り・さっぱりとした味わい        

◇ ごはん代わり  蕎麦はいつもながら本職を凌駕するような香り・のど越し

◇ 水菓子    メロン・モモ・巨峰 マンゴーソースかけ 

◇ 甘味     葛切り

禁酒令となる直前のすべりこみ、まずは生ビールでのどを潤し冷酒へ。
この日も黒龍(しずく・吟風・火いらず)、黒龍は食事を邪魔しない冷酒として
とても気に入っていますが、食事の構成に合わせ最初は比較的やわらかなしずく、
輪郭のはっきりした吟風、とろりとした生酒の火いらずへと移行。
冷酒は奥様の見立てですが、黒龍のラインナップはすばらしく、
食事との相性は比類なくこの日も多いに堪能しました。
次回は9月、まつたけが楽しみです。

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2021/03訪問5回目

4.7

  • 料理・味4.8
  • サービス4.3
  • 雰囲気4.3
  • CP4.2
  • 酒・ドリンク4.8
¥30,000~¥39,9991人

常に進化4

明治神宮前からの道中夜桜もちらほらと観る機会があり、季節の移ろいを感じます。前回から半年ぶり、魚・山菜など春の食材をいただくのを楽しみにしておりました。

◇ 先付     蛤の出汁でとられた空豆のお椀
         蛤のうまみがたっぷりと出た上品な出汁、ほくほくした
         味のしっかりした空豆を引き立てます。

◇ お通し    春子の卯の花和え
         軽く〆られた春子は見た目も美しい、桜の花をほんのすこし
         きかせた卯の花とよく絡みます 

◇ お凌ぎ    松葉蟹のお寿司 
         松葉蟹には土佐酢のジュレがそえられ、松葉蟹の甘く上品な味を  
         ひきたてます 
         錦糸玉子・三つ葉もからみ、彩りも見事

◇ お椀     アイナメのお椀
         うまみのたっぷり出た鰹出汁、アイナメは透明感があるものの
         脂が多く、しっとりとした美味しさ 
         ごく薄い独活がアクセント 

◇ 造り     鯛
         樋口さんといえば鯛ですが、透き通る身の美しさ
         繊維のしっかりした弾力がとても強い、香り・甘味・うまみとも
         きわめて上質
    
◇ 造り2    めじまぐろと赤貝
         めじまぐろは赤~ピンクと美しい色合い、若さを感じつつも上品な脂
         赤貝は肉厚でとても地味深く、かつ、しまった味わい   
          
◇ 向付     ホタルイカ   
         熱せられた岩盤が供せられ、思い思いに火をいれます
         音・香りなど楽しめる演出、この時期ならではのホタルイカの
         密度の濃い味を楽しみます

◇ 焼き物    太刀魚炙り
         身のしまったきれいな脂がのった白身、甘味がとてもつよい

◇ 強肴     稚鮎の春巻き
         花独活のそえられた稚鮎の春巻き、水苔のとてもいい香りが
         広がります

◇ 追肴     ホワイトアスパラとフグ白子の炙り
         ホワイトアスバラは炙ることでうまみ・甘味が封じ込められています
         白子は破裂しないように皮の部分のみ炙った熟練の技、繊細かつ
         クリーミーな味わい

◇ 追肴2    筍と蕨の炊き合わせ
         筍は切り口が純白でみずみずしい、歯触りがよく優しい香り
         木の芽がアクセント

◇ ごはん    牛蒡出汁がほんのり効いた炊き込み
         牛蒡の香りとともにシャリシャリした食感をたのしみます

◇ ごはん代わり  蕎麦はいつもながら本職を凌駕するような香り・のど越し

◇ 水菓子    イチゴ・デコポン・オレンジ 

◇ 甘味     葛切り

こちらの冷酒は奥様の見立てですが、この日は日高見・みむろ杉・黒龍(生酒・吟風)といただきました。お料理にあわせて辛口からふくよかな味わいのお酒をおすすめいただきましたが、吟風は上品で落ち着いた吟醸香、軽快でなめらか、それでいて芯のある味わいでした。

樋口さんにはこの季節は何度も訪問していますが、この日のお料理は過去にいただいたことがないものが多く、ほんとうに研究熱心な方との印象をさらに強く持ちました。春の夜の夢心地の2時間半を過ごすことができました。次回も楽しみです。

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2020/10訪問4回目

4.6

  • 料理・味4.7
  • サービス4.3
  • 雰囲気4.3
  • CP4.2
  • 酒・ドリンク4.7
¥40,000~¥49,9991人

常に進化3

すっかり秋の気配を感じるこの日、明治神宮前から秋風を感じながら、前回から半年ぶりの樋口さんへ向かいます。玄関へのアプローチには打ち水がされ、さわやかさを感じます。
季節柄、秋の自然の恵みが楽しみでしたが、この日いただいたのは、

先付  焼きマツタケ   マツタケは焼いたものが一番風味やを感じられると思っていますが
             松の香り・土の香りがしっとりとしたマツタケに
             封じこめられています

お通し クチコ・銀杏・柿・イチジク  クチコ・銀杏は軽く炙られ、柿・イチジクは
                   彩りを添え、目にも美しい一品

お通し2 舞茸・香茸・アワビの天ぷら  香茸は初めていただきました、黒アワビも
                    磯の香を楽しみます

お凌ぎ  飯蒸し  モクズガニの甲羅に入った飯蒸しは、ススキの穂も添えられ
          中秋の名月のイメージ、蟹味噌も風味がいい

お椀   グジとほうき茸   上品なカツオ出汁の香りを感じながら、グジの甘さ・
               ほっこりした食感がとてもよい

造り   真鯛  樋口さんといえば真鯛ですが、甘みは今一つながら繊維の細かい身はさすが

造り2  鰆   鰆は皮目が軽く藁で炙られており香りも楽しみます
          
向付   春巻き  これは何だろうと訝しんでおりますと、中にはマツタケ、
          香がふわっと広がります

強肴   カマス  幽庵焼きですが、漬け込まれた脂ののったカマスがとてもよい

焼き物  アナゴ  蕪の炊き合せ供せられたアナゴもよく脂がのっています

焼き物2 ウナギ  八丁味噌の挟み焼き、花山椒がアクセントになっているが
          味噌はどうかなという印象

追肴   鱧とマツタケのミニ土鍋   丁寧に骨切された鱧、マツタケの香りが染み出ています

ごはん  マツタケご飯  マツタケの香りを楽しみながらいただきます、むかごの
             赤だしが胃にやさしい

ごはん代わり   そば  こちらのそばは本職でも高いレベル

水菓子  葛切り  

この日は季節柄マツタケがでればいいなと思っていましたが、焼き・お腕・ご飯・春巻き
と様々なバリエーションでマツタケを大いに堪能、魚も造りに加えて焼きものも随所に
工夫が感じられ、改めてさらに進化なさった樋口さんを垣間見ることができました。
イマジネーションをフル稼働させながらも、軸はぶらさないところがほんとうに素晴らしい、
一品一品を愛でながらいただきました。

また、この日は黒龍 吟風なる大吟醸をいただきましたが、ふくよかさ・奥の深さ・香り・
全体のバランスと比類なき銘酒も堪能、こちらは奥様の見立てに感謝。

日本料理のお店もなんとなく似た傾向となるものですが、それを善しとせず常に高見を目指す樋口さんに圧倒され、次の訪問が楽しみになりました。               
         

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2020/02訪問3回目

4.5

  • 料理・味4.7
  • サービス4.3
  • 雰囲気4.3
  • CP4.2
  • 酒・ドリンク4.7
¥30,000~¥39,9991人

常に進化2

前回から1年ぶりの訪問です、昨今の騒ぎのせいか明治神宮前からの道中は混雑もなく到着。樋口さんの暖簾をくぐりカウンターへ入りますと暖かい空間が広がります。樋口さんと奥様の笑顔にほっとしつつビールを注文。こちらのビールは機器もグラスも手入れが行き届いており非常にクリーミーな泡立ち、のどを潤します。
この日も樋口さんの世界を楽しみにお邪魔しましたが、いただいたのは

先付け  粕汁(酒粕のコクがふかく体が温まります)
お通し  はまぐりのあんかけ、タラの芽の天ぷら(タラの芽は季節感を感じます)
お凌ぎ  のどぐろ炙りの鮨(とても肉厚ののどぐろ、脂ののりがすごいですが
              軽くあぶり抑えています、上質の海苔とともにいただきます)
お椀   甘鯛と新玉葱(カツオの出汁がすばらしい、甘鯛のホクホクした感触と
            新玉葱のシャリシャリ感を楽しみます)
向付   平目と赤貝の刺身(平目はまったり味わい、赤貝は地味深い)
向付2  鰆の炙りとメジマグロ(藁で炙られた鰆は非常に薫り高い、メジマグロは上質な脂)
強肴   ツキノワグマの西京焼き・海老芋の天ぷら・ゆずの砂糖漬け
     (熊は初めていただきましたがまったく癖がなく西京味噌との相性はばっちり、
      口直しにさっぱりとしたゆずを楽しみます)
焼き物  津居山蟹の炙り(蟹は焼きが一番好みです)
箸洗い  津居山蟹のしゃぶしゃぶ(焼き蟹のあとにさっぱりとした味わい)
追肴   津居山蟹の蟹味噌和え(蟹味噌の上質で濃い味わいを楽しみます)
ごはん代わり  蕎麦(こちらの蕎麦は本職と変わらない非常に高いレベル)
水菓子  葛切り(黒蜜がよく絡みます)

こちらでは奥様の目利きでセレクトされた冷酒のラインナップも楽しみですが、今回は鄙願 大吟醸をいただきました。単純な辛口ではなく飲むほどに麹の深い味わいが迫ってきます。香りもすばらしいですが、後味はすっとひいていくので秀逸な和食を邪魔しませんね。

樋口さんは常に進化されておられますが、この日は熊料理を堪能しました。猟師の方と綿密な交渉のもと仕入れされた上質な熊。ご自身も新しい境地でチャレンジなさっておられる由でしたが、深い味わいが素晴らしかったです。

この日も大いに満足してお店を後にしました。

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2019/03訪問2回目

4.5

  • 料理・味4.7
  • サービス4.3
  • 雰囲気4.3
  • CP4.2
  • 酒・ドリンク4.7
¥30,000~¥39,9991人

季節感ある料理

春に向かいつつありますが、樋口さんを訪問しました。雨上がりの夜でしたが、玄関に向かうアプローチから別の空間で期待感が高まります。
まずはビールで乾杯、手入れが行き届いておりきめ細かな泡立ちでたいへんおいしい。
さてお料理ですが

稚鮎の煮浸し、塩漬けされたサクラの葉がアクセント
(この時期は稚鮎というよりも稚々鮎ですが、しっかりと水ゴケの苦味を感じます)
赤貝と葱の鉄砲和え
(葱を処理するときの音が鉄砲のようだからとのこと、芥子味噌との相性がいい)
蛤のあんかけ、空豆を添えて
(桃の節句間近で蛤、パンフライされており美味しさが凝縮されています)
のどぐろの炙り鮨
(青々とした海苔でまかれ風味が抜群)
ぐじと蕪の椀
(出汁が繊細でぐじを引き立てています、蕪もとろけるよう)
鯛のお造り
(こちらの鯛はいつも素晴らしく身が引き締まっています、ブリブリとした食感)
メジマグロのお造り
(葱のたたきとポン酢でいただきました、本マグロの稚魚の味の深みを感じます)
煮鮑の葛あんかけ
(葛のまったりとしたあんが煮鮑とよくからみ味を引き立てています)
マナガツオの西京焼き
(マナガツオはスズキ目ですが、たいへんきめ細かく西京味噌との相性はたいへんいい)
すっぽん炙り
(これは前回もいただきましたが、山椒が引き締めています、癖になる美味しさ)
フグ白子の炙り
(フグの白子は繊細な味わいで大好きです)
フカひれと海老芋の餡かけ
(出汁のとった餡がよく絡みます、海老芋をもってくるところがいいですね)
そして、釜で炊いたご飯
(素晴らしいお米で銀色にかがやいています、たいへん甘く香り高い)
〆は蕎麦
(樋口さんの蕎麦はたいへんな腕前です、そば粉の香りも専門店トップレベル)
デザートは葛きり

ということで季節の旬の食材を樋口さん独自の工夫とイマジネーションで素晴らしいお料理の数々に昇華されており大満足でした。冷酒のほうは前半は辛口の緑川、後半は高砂(而今と同じ酒蔵)といただきましたが、こちらもお料理を引き立てる名脇役でした。

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2018/09訪問1回目

4.5

  • 料理・味4.7
  • サービス4.3
  • 雰囲気4.3
  • CP4.2
  • 酒・ドリンク4.7

常に進化

日本料理は好きでよく行きます。これまで様々なお店にお邪魔していますが、お店の雰囲気・客層、値段に見合わない食材、料理の単調さ、横柄な店主など自分にとっての相性から、再訪は1-2回で零れ落ちてゆきました。そうした中、こちらのお店は年に何度か必ずうかがいます。今回は季節的にもマツタケを楽しみにしてお邪魔しました。
いただいたものは

・どじょうと牛蒡の味噌椀
・湯引き炙り鱧と小肌
・銀杏、バチコ、小芋、ウニの湯葉包み
・松茸とグジと冬瓜の吸い物
・お造り : タイ
・お造り  : 戻り鰹、鰆
・のどぐろの寿司
・落ち鮎の塩焼き
・松茸と鱧のフライ
・フカひれの小鍋
・すっぽんと肝の炙り焼き
・食事 蕎麦
・甘味 葛切り

今年はマツタケが素晴らしかった、岩手産とのことでしたが、香り・しっとり感・滋味深い味わいと特にお椀が印象的でした。また、戻り鰹、落ち鮎とも上質、すっぽんの炙り焼きは初めてでしたがこんなうまいのかと驚いたくらいです。そしてフカひれの小鍋は和と中華の融合的な味わいでこちらも堪能しました。

こちらのお店の素晴らしいところは常に新しいものへチャレンジなさるところ、お料理は常に進化しています。店主も「お客様に飽きられないように」とのスタンスですが、そうしたプレッシャーとも戦いながら、常に研鑽なさっておられるところがお料理に現れています。また、店主は器にも拘っておられ、お料理の見栄えを引き立てる組み合わせにはいつも感心させられます。

あともう一つ素晴らしいのは日本酒のラインナップ、こちらは奥様のセレクトですが、定番以外のものが楽しく昨日は而今・高砂(いずれも木屋正酒造)といただきました。

上質な酒と上質な料理、これ以上の組み合わせがあるでしょうか、今後もうかがいます。


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店舗基本情報

店名
樋口(ひぐち)
受賞・選出歴
2024年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2024 Bronze 受賞店

2023年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2023 Bronze 受賞店

2022年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2022 Bronze 受賞店

2021年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2021 Bronze 受賞店

2020年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2020 Bronze 受賞店

2019年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2019 Bronze 受賞店

2018年Bronze受賞店

The Tabelog Award 2018 Bronze 受賞店

2017年Silver受賞店

The Tabelog Award 2017 Silver 受賞店

日本料理 百名店 2023 選出店

食べログ 日本料理 TOKYO 百名店 2023 選出店

日本料理 百名店 2021 選出店

食べログ 日本料理 TOKYO 百名店 2021 選出店

ジャンル 日本料理
予約・
お問い合わせ

03-3402-7038

予約可否

予約可

住所

東京都渋谷区神宮前2-19-12

交通手段

明治神宮前駅から734m

営業時間
  • 月・火・木・金・土

    • 18:00 - 21:00
  • 水・日・祝日

    • 定休日

営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

予算

¥30,000~¥39,999

予算(口コミ集計)
¥40,000~¥49,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード可

(AMEX、VISA、JCB、Master、Diners)

電子マネー不可

QRコード決済不可

席・設備

席数

14席

(カウンター6席、テーブル4席、個室4席)

個室

(2人可、4人可)

掘り炬燵

貸切

禁煙・喫煙

分煙

個室利用の場合喫煙可

2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

駐車場

空間・設備

落ち着いた空間、席が広い、カウンター席あり、座敷あり、掘りごたつあり

メニュー

ドリンク

日本酒あり、焼酎あり、日本酒にこだわる、焼酎にこだわる

料理

野菜料理にこだわる、魚料理にこだわる

特徴・関連情報

利用シーン

知人・友人と

こんな時によく使われます。

オープン日

2000年10月

備考

アメックスが使えます(情報提供元:アメックス)

初投稿者

hentaizuruhentaizuru(147)

最近の編集者

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  • 5 ビオ オジヤンカフェ - メイン写真:

    ビオ オジヤンカフェ (カフェ、日本料理、喫茶店)

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