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ミラネーゼ 池袋店/ミラノ大聖堂で抱きしめて
「参考になったの ?」
「サンコウニナッタヨォ~ !」
久々のY~ちゃんとの再開。
卒業作品のパンフレット製作の参考にするからと乞われ、私のコレクションの中から選りすぐったコッポラ監督「ワン・フロム・ザ・ハート」とリュック・ベッソン監督「サブウェイ」の映画パンフレットを、返そうと思って持ってくるの忘れた ! と申し分けなさそうにしているY~ちゃんに、そんな大昔のものが参考になったのかと問えば、お世辞なのかなんなのか十分に参考になったとのことで、それならばこちらとしても嬉しい。
と、界隈の女学生と思しきチームが「6人大丈夫ですか ?」と入ってきて、店長がそれを断った。
がらがらの店内、私はテレビを眺めながらウィスキィを舐めてる。Y~ちゃんが訝ったか、店長になんでお客を入れなかったのかと問うて、店長がいろいろ自分を正当化する為の屁理屈を並べ立てているのが、耳に纏わりついて仕方なかった ……
<R4.3.6>
「ミラネーゼ 池袋店」
池袋西口で頼りになるRestaurantを私はひとつしか知らないのだが、それを言ったら東口にだって、日本蕎麦屋をひとつ知ってるくらいだった。
今日はその西口たったひとつの、西城秀樹交差点とは到底読めない西口五差路交差点の一角に構える本格ミラノ料理店にやってきた。
鉄箱を下りてフロアに足を進め、犇めく人混みの中、私はそこでマストロヤンニと永遠にお別れしなければならないソフィア・ローレンの如く立ちずさんだが、驚くべきことにこの状況の中で感度高きホールの女性は私に気付いてくれて、卓に運ばなければならない料理をふた皿も抱えたまんま、そのついでに(そんな悪い言葉使わなくてもいいでしょ !/笑)私を奥のテーブルへと誘ってくれて、その手際の良さに舌を巻きつつ着いた椅子は ……
―― なんでこんな前傾姿勢を強いられるんだろ ? これって一つ目小僧のときのZX-9Rと同じポジションなんですけど ……
※ ほどなくして椅子の座面が凸面状となっていることに気付き、深く座れば大丈夫なことに気付いちゃうわけなんだけど、これもミラノ風 ?
“ペペロンチーノ アンチョビ風味” @860
“彩り野菜のミックスサラダ/ハーフ” @480
〆て1,340円也。
先ずサラダが到着。
グリーン野菜に対しては良いのだけれど、トマトに対してドレッシングの“のり”が悪くなるのが気に入らず、my1憶5千年前のNaClを挽きかける ! そしてトマトとNaClの、眩いくらいにエキゾチックな億千万の出逢いが厳かに執り行われる様を、ただうっとりと傍観していた。
そして畳み掛けるように、私とニンニクとが厳かに出逢う !
(どなたかニンニクの化学式を知っている方がいらっしゃったら私に教えてください)
もう舞い降りた瞬間から美味しさの約束されるという、それだけの香を存分に振りまきつつ !
またスパゲッティのこの艶、この琥珀も、それが上質なもの、紛れもなくデュラムセモリナ粉100%のイオンPB品と同等か(これほんと !/それだけイオンのPB商品が侮れないという意味で)、それ以上のものであることは間違いない !
その上質なペペロンチーノに、ふたたび億千万のNaClを隠し味で挽きかける !
たとえ2億6千万の瞳が、直近の新型コロナウィルス感染者数(それはおれの言うところの、とことんラフなポリメラーゼ・チェーン・リアクション検査陽性者数)が急減衰していることに何故だか落胆してきたとて(笑)、このJapanの生命のときめきは誰にも止めることはできない !
そのくらいにエキゾチック・ジャパン !
ということをぼくは、東京オリンピックには反対し、同じく新型コロナ、差別問題を抱えたまんまの北京オリンピックは諸手を挙げて受け入れたあなたたちの脳内構造に向かって言ってみてる。
分かってもらえないだろうけど、それでもね
【以下映画の話】
監督・脚本:片山慎三
2022年 123分 日本
「さがす」
まず貧乏くさい映画はなるたけ観たくないということと(言いかえてすべからく映画とは、「風と共に去りぬ」か、ルキーノ・ヴィスコンティ監督「若者のすべて」であるべきということと)、本作の宣伝に偽り有り、をほのめかす感想の勃興ということにロックされていたのだが、やっぱり気になってしまって(笑)やって来た。
ピンポン道場を営っていたお父ちゃんは経済的に行き詰り、その道場は差し押さえられていて、それがどうも、難病を患って亡くなったお母さんの治療費に起因するものらしいということが見えて来る。
警察からの電話を受けて大阪の下町(西成地区って言うんですか ?)を疾駆する娘。万引きで捕まったお父さんを引き取りに行く娘の気持ちとは、幾ばくのものだろうか。
200円かそこら足りなかったから万引きしてしまったというお父ちゃんを何とか許してもらおうと、スーパーのバックヤードへ駆けつけた娘が、お巡りさんと店長に頭を下げつつ、自分の財布から小銭を揃えた。
そんな地に堕ちたお父ちゃんは、お父ちゃんは懸賞金が懸けられている指名手配犯をみつけた、捕まえたら300万円貰えるんだ、と言い残したっきり、いなくなってしまった ……
未婚の私だが、自分にもこんな娘がいてくれればと心底思う。
願わくば、ルックス的には広瀬すずちゃんちゃんのような娘が欲しい。
そしてどうしようもないほどに酔っぱらい、自分のゲロの中で藻掻いているときには、どうかこのダメな父を助けに来て欲しい。
本作主人公の、「万引き家族」の中ではほんとうの子役だった伊東蒼ちゃんという娘を見て、自分の実の娘はあくまでも広瀬すずちゃんなんだけど、そう思った。
結論的に私の感覚では、本作はふつうに良く出来たサイコスリラーとして纏まっており、その意味では、予告編の看板に偽りなしだったじゃないか ! と思った。
すべてがラストに向けての辻褄合わせ的伏線ではないのか ? といった批判に対しても、フォレスト・ウィテカー出演「バンテージ・ポイント」や「カメラを止めるな !」的高度を感じなかった分、私としてはふつうに観切ってしまうことが出来てしまったわけで
学校の先生、また自分のことを好きだというクラスメートの男子から、“それなりに”助けてもらいつつ父親捜しを進める娘。
日雇い現場に父の名を見つけて猪突猛進するも、振り向いたのは見知らぬ若い男。
後日娘は、その男こそお父ちゃんが捕まえて懸賞金を貰おうとしていた連続殺人鬼だということに気付き、その男を追い回すうち、男から奪いとったズボンのポッケからお父ちゃんのスマホと、そして離島への船便の切符を見つけ、離島入りを決意するのだが、やはり一人で大人の殺人鬼と対峙するのは恐い ……
そこで自分と付き合いたいという同級生の男子を同伴者に引き込もうとするのだが、やはりそこは彼も子供で、大人の人殺しを追いかけるのは嫌だという。
そこで娘は、ならば彼女になってあげるからと彼に条件を持ち掛ける。
その一言で彼の心は強烈に動いたようだが(笑)しかし、その確証が欲しく、彼は娘の気持ちを確認する為に問うた
「おっぱい見せてくれたら一緒に行く」
その演出が21世紀的ではないという批判の声も目にしたが、でも私は、自分に対しておっぱいを見せてくれる女性と見せてくれない女性とでは、そこにこちらに対しての気持ち、思いの差というものが、もう崩し難いくらいに厳然と存在すると思う。
おっぱいを見せてくれない人は信用できないが、おっぱいを見せてくれたなら、その女(ひと)は信用できる !
これはPCR検査なんかよりもよっぽど精度の高い人間の検査法と言って間違いなかろう
―― なんか間違ったこと言ってます ? ぼく
それが言いたかっただけなので、宴もたけなわですが、今宵もこのあたりで ……
Fine
ミラネーゼ/おれたちの恩恵
この土日も天気が良くなさそう。
朝のヴァラエティ番組で、司会者が9月に入ってからの日照時間がゼロだと嘆いていたが、つったって9月に入ってからいくらも経たないじゃないか(笑)、とも思ったが、お盆休みの連続悪天候まで遡れば、否が応でもイライラが募ろうと言うもの ……
<R3.9.4>
「ミラネーゼ」
小雨が落ちて来るか来ないかの猥雑な西口を、とりあえず一周してみる。
相変わらずGirlsBarの女の子がそこかしこで私を誘惑しに掛かって来るが、そんなことで心を動かされる私ではない。いくら1,500円/30分飲み放題といえども、飲み“揉み”放題゛でなければ、私のこの熱いハートを鷲掴むことなどできはしないのだ ! 覚えておけお前たち !
そんなこんな、とくに収穫なきまま巨大な五差路交差点に還ってきてしまった。
となれば本場イタリア人たちから最高峰と言われるサイゼリヤに比べれば多少落ちるかも知れないが、その交差点角二階に佇む本格イタリア料理店の鉄箱に乗り込むよりほかなかった。
フロアに足を踏み込めば、若い女の子が窓際の方向に腕を突き出してどちらでもどうぞとなる。ならば窓際の真ん丸二人掛けのアベック席に着き、とことん打ちひしがれてみるのもまた一興であろう。
さらに奥に若い女性が、やはりお一人様で佇んでいたが、私の心の中内蔵のヴェリアのエロメータの針がぴくりともしなかった為、とくに気にはしない
“ペペロンチーノ アンチョビ風味” @860
“彩り野菜のミックスサラダ/ハーフ” @480
接客がどうにも雑だがそれこそがイタリア式でもあるので、寧ろそれすら評価したい。
何しろ日本での生活が長いイタリア人美女が、2週間ほどイタリアに帰っただけでもうホームシックになった(日本のことをもう祖国だと思っているのだ)とのリポートをYouTubeで見たことがあって、それはまさにこういうことだろう。
彩りも鮮やかなサラダはしかし、今日はいつもよりも気持ち元気がないかも知れない。
これはすぐに野菜に養分を与えてあげなければと、急いで1億5千万光年前の塩を挽いてあげたら、気持ち息を吹き返してくれたような気がした。
スパゲッティは逆に、足立区育ちの私にとってもからく、前回もサラダの塩っけが控えめでスパゲッティが塩からいということで一貫はしているものの、そこには当然、Restaurantとしての考えがお有りになってのことだろうと思い巡らせて、ちょっと答えにたどり着けそうもない ……
「まだ一年生か二年生ですよね ?」
隣の女性の料理がやけに遅れているなと思ったら、ただ食事が終わってもずっと居座っていただけだったよう。
そこへ入れ替わり収まった幼子連れの親子に、マネージャーと思しき彼が優しく声をかけ、小学校入学前だったらドリンクバーがサーヴィスになるのであろうか、まだ小さいですよね ? とやっているのだが、これってあれじゃない !?
「八百屋お七」のお奉行様の、「そちはまだ十五であろう」ってやつじゃない !?
しかし彼が私に意図的に見せたその人形浄瑠璃は、私が著名なフードライダーだということに気付いた彼の、私に依るSNSでの拡散を見込んだ彼のマーケティング戦略に外ならないということに、実は私は最初から気付いてしまっている
―― ああ、53才まで受けられるサーヴィスの用意って、なんかないのかなぁ …… ?
昨今の性差別追放の動きを受け、一部の映画館などではレディースデー廃止などの動きがみられるというが(それらの劇場では別のサーヴィスデーが設けられるようなので、形を変えて恩恵は受け続けられるよう)、それに則るなら、こういった子供だけのサーヴィスも廃止し、もっとおっさんにも平等にその恩恵を配分していただきたいと ……
でもやっぱり、そんなのいいかな(笑)
―― おれは映画くらい、ご飯くらい、やっぱりふつうにお金払って正々堂々とやりますよ。それが一番後腐れなくっていいわ !
※ 酔ってるんで差別に対してちょっと付け加えたくなったけど、それは“ハゲ”についてなのですが、それについてだけはこの期に及んで皆、無規制で面白おかしくやっているように見受けられ、そして俺自身もそれを自虐ネタで面白おかしくやってしまってますけど、あまりいないから気付かないのかも知れないけれど、女の人の薄毛って、それこそ笑えないくらいに、男よりもはるかに深刻だと思うんですよね。
ただハゲ=おっさんと短絡してバカにしてるだけのつもりなんだろうけど、そういうことちゃんと理解してから言えよって。
またそういうことになると、今度は、じゃ~「ハゲ天」って屋号が差別的だから変えろ ! ってことになる。
そ~じゃないでしょ ! って。お前らの心を入れ替えろ ! って話なんだけど悲しいかな、バカは死ななきゃ治らないもんだから、だったら一回豆腐の角に思いっきり頭ぶつけてみてくれほんと
ミラネーゼ/雨の日のスパゲッティ屋さんのにおいは ……
これはとくに最近の傾向だと思うが、上野仲通りでもそうだがここ池袋西口の路地にも、早い時間からGirl'sBarの呼び込みの女の子たちの姿が目立つ。
私のことで言えば、そのリーズナヴルさに引かれて今まで数度魔が差してしまったことがあるのだけれど、カウンターを隔ててでは当然のことながら、コミニュケイション手段は会話のみ。
しかしよくよく考えてみれば自分とはかけ離れて若い女の子たちなんかと話すことなどなく(笑/だったら行くな !)、そこで不貞腐れるか、またはなんとかこちらからの営業トークで話を繋げて疲労困憊するかの二者択一を迫られるという、そんなほろ苦い経験ばかりが掘り起こされる。
依って如何に若い女の子の店頭展覧会となろうとも(この期に及べばおれには若過ぎる、ということもある)、さして興味は持たずにthroughすることが出来ていたのだけれど、でも今まさに女の子たちが掲げているボードには、1,000円って見えるんですけど !? 何1,000円って !
さすがにその価格には目が眩むんだけど(眩むなよ !)、その分母が分からない !
―― 1,000円っつっても、5分1,000円かも知んないからな。気を付けねば ……
<R3.8.14>
「ミラネーゼ 池袋店」
雨の日の映画館は湿った傘のにおいがするというが、雨の日のこちらカジュアル・イタリアンのエレヴェータエントランスは、隣の立ち食いそば屋さんのダシの匂いがぷんぷんとする(笑)。
鉄箱が下りてくると若いアベックが私に続き乗り込んで来て、入店にあたってまた諸々気まずい思いをさせられるのかと半ばあきらめたかけたところ、2階までのほんのわずかな時間を終えると彼らはスッと先に降り(ここが意外と重要 !)、しかし鮮やかに私に進路を譲ってくれて、お先へどうぞしてくれるではないか !
私が想像した諸々の気まずい思いとは、
1. 未熟な店員から、私を彼らのお父さんとした3名チームと誤認されてしまうこと(それが一番致命傷 !)
2. 後からエレヴェータに乗り込んだ彼らが先に降りてそのまま入店を果たし、そこで満席となって私がはじかれてしまうこと(それはアヤついたら出てけばいいだけだと思ってるので、さしてダメイジは無し)
上記2点。
それらを若い彼が鮮やかに交通整理してみせてくれたわけだが、こういうことを上手くやれる人を、私は年齢に関わらず心から尊敬してしまうし、逆に言えばそ~ゆ~気の利いた人は、残念ながら今の日本を見渡しても稀有だと思っている
“ミートソース ボローニャ風” @1,080
“ポテトサラダ バジリコ風味” @ 330
〆て1,410円也。
スパゲッティだけでは何か口さみしいだろうと思い、一番安いサラダがポテトサラダだったもので、それを注文。
一口やってから、持っていた1億5千万光年前のNaClを挽き、ポテトのさらなるポテンシャルを引き出したはいいが、その塩っけのパンチに珍しく真っ昼間っからアルコール入りリカーが欲しくなる。けど我慢。
たっぷりとしたボリウムとも相まって、お酒のお供にはほんとにいいかも知んない。
(実際私はそれをやったことがあったと思ったけど)
おっかけオーヴァルの皿が舞い降りた。
と、こちらは随分と塩っ気がばっちりで私にはちょうど良かったが、逆に女子からは批判をウケそうなくらいのもの。
さてはさっき私がサラダに塩をふったところを見ていて調整してくれたのかも知れないと思ったが、、もしそうだとしたら、それも良し悪しになっちゃうかも ……
(笑/なにぶん、前菜の味が薄ければ他の皿もそうだと思って、味も見ずに塩ふっちゃうタイプなもので)
ともあれ、こちらは他の大箱チェーンと違って、“和風ではなく”ちゃんと乾麺茹で上げというのが、私にとっては有難いところだと思っている。
(「五右衛門」さんを中心とする和風のお店は茹で上げが多いけど、意外とふつうのスパゲッティ・チェーンに生パスタという地雷が多いような気がします)
そのスパ・ボローニャはちゃんとミートソースしてして挽肉感も申し分なく、美味しかった。
ふと気付けば、私の横の壁際のソファ席に、かなり綺麗な女の子がついているではないか。
その娘は東洋的な顔立ちが寧ろエキゾチックに思えるくらいに、可愛いというよりは綺麗タイプ。しかしその娘も御多分にもれず、スパゲッティの食べ方はあまり得意ではないよう ……
(また大きなお世話を !)
その昔、女性と知り合っておそばやスパゲッティを食べに行くと、その食べ方がどうにもひどくて途端に興覚めしてしまうのだけれどなんとかならないものか ? と友人に相談したことがあったが、そのときの友人の答えは、女性との初めてのデートでそ~ゆ~(麺類の)お店使うな ! といったものだったと思う。
同様に、「過去に付き合った女性のすべて、どうでもいいことで興覚めしてしまってうまくいかない。しかしそんな自分もとうとうこの人となら ! という人を見つけ結婚を考えていたが、その人が自分の尊敬する巨人軍の清原選手のことを悪く言ったので、結局別れてしまった。そんなボクはいったいどうしたらいいでしょう ?」と、北方健三氏の「モテないやつはソープへ行け !」コーナーに相談した人がいたが、その相談に対する北方氏の答えはきっぱりと、「お前はホモになれ !」であった
―― ああ、今度ほんとに行ってみるかな、桃山 ……
ミラネーゼ/紅一点に惹かれて
池袋駅終点、明治通りでバスを降り、トンネルを抜けると、そこにはさっきまでの鉛色の空が嘘のように、蒼天が広がっていた。
西口の「ROSA会館」にて、ありがちなstoryながら、いつも家族から虐げられて肩身の狭い思いをしているしょぼい父親が、しかしその正体は実は元特殊工作員かなんかで、ロシアンマフィアを敵に回して大暴れする、といった前宣伝の映画の切符をとっている。
巨大な五差路に立った。
とつとして照りつけ始めた陽射しに依って、気温がみるみる上昇していくことを、肌で感じとれるほどだった。長話の校長がいる小学校の朝礼では、こんな真夏のような炎天下、朝ごはんを抜いてきた子供が倒れやすい。
そんなことで私もいち早くご飯を食べておかねば倒れてしまうと、信号の向こうに見えるイタリアレストランを目指し、そこんちまさか、生パスタじゃなかったよなぁ ? なんて、もう何度も訪れているはずなのにあらためておっかなびっくり近づいていった
<R3.7.10>
「イタリア食堂 ミラネーゼ」
鉄箱を下りて、例によって新型コロナ過に合わせた人員削減の為であろうか、ホールは女の子一人体制のよう。
厨房からマネージャらしき方が私に気付いてくださり、どこへでもどうぞとなって、この客入りではその必要がないかと二人掛けのテーブルを通り越し、傲慢にも四人掛けのテーブルに陣取ってしまったのは、その二人掛けの席の利き手側にパーティションが迫っていたこともある。
女の子はスレンダーで美人だったが些か視野が狭いようで、私はほんとうはこういうことをやりたくないのだが、こちらから「すみません」と声を掛けなければならず。
ウィークデイから外れていたからかは知らないが、注文はア・ラ・カルトのようで、その中からもっともシンプルなスパゲッティと、もっとも野菜していそうなサラダを躊躇なく注文出来たことは、鞄の中に抜かりなく1億5千万年前の塩を忍ばせているからに他ならなかった
“ペペロンチーノ アンチョビ風味” @860
“彩野菜のミックスサラダ/ハーフ” @480
久しぶりに享受できた陽射しと、まるで協調するように映える野菜のgreenに気分も上々 !
シンプルなドレッシングには自前の塩でパンチを与え、野菜をむしゃむしゃと食べる自分に十分な満足を覚えつつ、おっかけ舞い降りたスパゲッティが乾麺の茹上げだったことが確認できたなら、もうこれ以上求めることは何もなかった。
皿の底にややたっぷり目にOilを残すタイプのペペロンチーノ。
しかしこれは、ぱさぱさのペペロンチーノよりは、はるかに魅力的である。そしてこないだの“伏見唐辛子”というのが出てきたときも同様であったが、紅一点のとんがらしは鮮やかな赤をキープしており、となるとそれは“ディスプレイ用”であって、この辛さは別の方法に依って抽出されているのだろうと想像をつけた。
またこちらのスパゲッティの皿の塩っ気は一発で決まっており、私の古(いにしえ)のNaClの出番はなかった
猥雑な西口の町を往く。
そこかしこ、モーニング・ガールズバーを謳うお店の前に突っ立って、猫なで声でオトコを誘う女の子たちはそれなりにチャーミングだけど、実は私は、ガールズバーというものにはあまり興味がない。
何故ならば、ガールズバーが用いるカウンターという装置は、そのD寸法以上に決定的、且つ致命的に男と女を隔てるものであって、そこでのコミュニケイションは必然的に会話ということになろうが、私は別に、女の子との会話は求めていないから。
私はただ女の子と手を繋いだりとかお尻を揉んだりとか、そういった人間として当然のことがしたいまでであって、またそのほうが、いくら会話を重ねるよりも一瞬にして理解しあえるからね ……
急に訪れた夏。
スクリーンの中でオヤジが躍動していた。宣伝では家族から完全になおざりにされている設定であったと思ったがどうして、少なくとも幼い娘と奥さんは、彼のことを最悪なまでには軽蔑していないよう(笑)。
物語はオヤジのそのまたオヤジ。老人ホーム暮らしの父親をも巻き込んでの、派手なロシアンマフィア返り討ちの様相を呈し、そのおっさん、老人powerを強調することに依る痛快さが、本作品のロングランを支えているのかな、と。
映画とは逸れるけど、お父さんのことをあまりにもバカにするのってもうトレンドじゃなくなくってきたか、TVCMなどでもあまりにひどい表現を見かけなくなってきたことにそこはかとなく安心するのは、年齢だけはそこに達してしまった自分への擁護、ということになるのであろうか。
それを自分は未だ、認めたくはないのだけれど ……
ミラネーゼ/雨の物語
発売日より一日遅れで週刊のコミック、「モーニング」を読んでいた。
カウンターのいつもの席に先客が着いていたので、真ん中あたりの遊星席で。
しかし最近、天下の「モーニング」も、読んでいてドキドキするような作品がめっきりなくなったことをすごく憂いてる。
パッと思いつく作品だけでも、手塚治虫さんのアトムを下敷きにして浦沢直樹さんが仕上げた「プルートゥ」、天才永井豪さん「デビルマンレディ」、「大使閣下の料理人」、「バカボンド」、「ギャングース」、「天才柳沢教授の生活」、「沈黙の艦隊」、「ワニ男爵」 etc.
素晴らしい作品の目白押しだったのに ……
※ とりわけ「ワニ男爵」には、私だけのスーパーモデルとの恋に纏わり、たいへん強い思い入れを持っている
【以下「ワニ男爵」の話】
何故か揃って日本語を話す動物たちの(笑)、弱肉強食というヒエラルキーを理性で乗り越えての、いちおうの平和がキープされた世界のお話。
主人公は先生と呼ばれ、皆からの尊敬を集めるジェントルメンのワニ。その相棒は、食物連鎖の中でも底辺に属するくせ生意気なウサギのラビットボーイ。その二人が織り成す、究極のグルメ漫画。
その凸凹コンビのふたりは普段は仲良しなのだが、時折ひょんなことをトリガーとして野生に還ってしまう食物連鎖の頂点に君臨するワニ男爵の凶暴な本能には、実のところ相棒のラビットボーイ含め、皆どこかで、いつか食べられちゃうんじゃないかと怯えていて、そしてワニ男爵は、そんな自分を恥じていた ……
―― 今言えるのはここまで
「島耕作」は会長になってまだやってるけど、作者の弘兼憲史さんも嘆いていらっしゃるように、島耕作はゴルゴ13や釣りキチ三平とは違って成長してゆく(=年を食っていく)キャラなので、その寿命ももう尽きかけているし ……
だから昔は飛ばしていた「クッキングパパ」などが相対的に価値が上がってしまって、それを律儀に読んでしまうということが(そうしないとほとんど読む作品がなくなってしまうので、勿体ないと思って仕方なく読んでしまうことが)屈辱 ……(笑)
「モ~イイ ?」
そして私が読み終えたそれを、社会的底辺にいる私なんかよりも全然成功者である店長に読ませる為、Y~ちゃんが間髪を容れずに持っていってしまうことも、世の中、絶対なんか間違っている ……
<R2.10.17>
「ミラネーゼ 池袋店」
こちらは主にお正月、営業している飲食店を探すのに一番難儀するときに、ライフポッドとして使わさせていただいているお店である。
だからふだん来ることはないのだが(おいっ ! 日頃から利用しろよ !)、雨天ということもあり、また最近スパゲッティづいているということもあって、思いつきでやってきた。
鉄箱をわずかに二階で離脱しフロアに下り立てば、ホールの男性はそこと(そこってどこよ ?)、それか窓際で如何ですかとなったので、まだ正午に達していなく余裕のある状況を追い風に窓際の席へと陣取ってしまったが、それは同時に野郎一人、よけいにさみしい思いをすることに耐えなければならない、ということでもある。
目の前には、支配者としてさっきっからナプキン立てに君臨しているハロウィーンのおばけ。
無駄に情熱的なカンツォーネを伴奏に、目の前に座った私を不思議そうに見つめていたが、私は私で、彼と意気投合するつもりなど毛頭ない
“けっこう辛い ! トマトソース アラビアータ” @980
“ポテトサラダ バジリコ風味” @300
サラダのハーフが出来るかどうかを尋ねることが恥ずかしくて、サラダの中で一番安価なポテトサラダを注文した。
それを訪ねてしまうということは、洋食店に突っ込んで「餃子持ち帰りできますか ?」と宣うむちゃくちゃなおばちゃんたちと(実話)一緒になってしまうような気がしたから。
基本、メニュウに載っていないものはない、と先ずは了解しておくのが、成熟した大人というものである。
そのポテトサラダは奇妙なヴェルデを纏っており、さらに奇妙なことにはそれにはスプウンが添えられていたが、郷に入っては郷に従え、そのスプウンをかまえてやりはじめ、やはりそこはかとない違和感を覚えてあらためてフォウクに持ち替える(笑)。
ほんとうの、臨場感に溢れるポテトサラダではないんだけど、そして本来これはお酒と合わせる用に用意されているものであろうけど、でもこういうのもたまにはおいしい ♪
それをやりながら、スパゲッティが出てくるのに十分に時間が掛かっているということに、これはちゃんと乾麺を茹で上げてくれているのだなと逆に安心するのは、未だ“もちもちの生パスタ”の怨念から逃れられていない証拠か ……
そして「このアラビアータってロングパスタですよね ?」 とわざわざ確認して注文したアラビアータの登場 ! スパゲッティを食べたいのにマカロニみたいなので一人前来ちゃったら、堪ったもんじゃないなと思って。
それは十分に赤く、その見た目通りに十分に濃厚だった。
この“盛れる”状態、そのもちもち感こそがスパゲッティの真髄だと思っていて、どこかの東十条のスパゲッティ屋さんのように、麺を茹で上げたらラーメンとかそばのようにつゆ(スパゲッティの場合はソース)と素早く合わせてすぐにお客さんへ ! という考え方とは、スパゲッティという料理は少し違うような気が、最近すごくしてきてる。
やはりある程度パン上で、ソースと合わせた状態で火をくれてやってこその“もちもち”となろうかと、包丁人味平の端くれとしてそう思うのだ
―― そ~ゆ~私の得意料理はペヤングソース焼きそば。丸より四角が大きいの !
窓の外は雨、雨が降ってる
永遠のチョンガーの最後に
こんな雨の日、似合いすぎてる
レインドロップのつたうガラス窓越し、愚かな人間どもの織り成す交差点をおばけと一緒に見下ろしたって、優越感などにひたれるわけもない ……
食事を終えてフォウクの腹を見せるように、それを6時の位置で固定する。
そして天国の岡田茉莉子さんに、いつしか食べ物屋さん評価サイトで図らずも大きな影響力を持ってしまった(嘘をつけ ! イイネいくらもこないお前が !)この馬鹿な永遠のチョンガーを、今少し見守っていてくださいと心で念じつつレジスタカウンタに向かったところ !!
(岡田茉莉子さんの登場率高過ぎるなぁ、おれの電子日記/笑)
「丸井のカードをお持ちでしたら10%offとなります !」 となって、偶然持ってたのでまさかの〆て1,267円に !! これにはもう、全米が泣いた !!
―― じゃあ、南米はどうなの ?
ミラネーゼ/あの五叉路で軽く手を振り私たち、お別れなんですよ
<H26.7.20 池袋>
都バスがなかなか北本通り~明治通りを進まなく、いらいらした。
道は空いているのだが、乗降客が多過ぎるのか。原因は単純に、私の休日としては、いつになく早い時間から活動し始めているというだけの話だろう。何故なら、午前10時20分から一回っきり上映の映画を、池袋西口の、薔薇色の劇場で鑑賞する為に。
―― 俺の人生は全く以て、薔薇色にはほど遠いけど ……
<映画鑑賞後の、野郎独りの虚しいランチタイム>
「イタリア食堂 ミラネーゼ」
西池袋五叉路の大きな交差点を見渡せる、見事に一面硝子張りの明るい窓際に着くことは叶わなかったが、ウエイトレスの女の子がひどく可愛かったので、何も文句はなかった。すらっとしていながらあどけなく、すらっとしていながら、お尻がぷりっとしていた。お尻がぷりぷりっとしていた。
ラベルの貼っていないカティサークのようなボトルの中身が、ただのH2Oで良かった。別に、真っ昼間からアルコールは要求していない。寧ろ、その物体が何であるかに拘わらず、琥珀色というカラーリングそのものを、今は未だ受け付けないスコッチ野郎一匹である。
隣の卓をセットし直す女の子を横目に、一所懸命仕事する女の子っていうのはなおさら可愛いな、と思いつつ、“Holiday Menu”なるものを広げた。信号に冠された“西口五叉路”の名札に、いつだったか、東口五叉路が野口五郎に見えたのに、何故西口ではそう見えないのだろうと、ちょっと不思議な気持ちになった
“茄子の辛口ミートソース” @940
“サラダセット (新鮮野菜サラダ+ドリンク)” @460
税込みでなんだかんだ、\1,512也。
盛り付けられて冷蔵庫で出番待ちしていたと思われる、ちょっと草臥れた“新鮮野菜”のサラダが出てきたが、草臥れていても“New”と名乗る新橋のビルには長けているので、別段気にならなかった。
隣に入れ替わりで着いた親娘三人組の、少したれ目気味の女の子が、こちらもひどく可愛らしく見えた。もしも私が田中邦衛を子分に持っていたなら、きっと、この塀の中からヴァイオリンを彼女に贈ってくれと頼み、足長おじさんになる決心を固めたことだろう。
最初は、体の良いファミレス風なのかなと思っていて、まあ、それも間違ってはいないのだろうが、スパゲッティーニながら、乾麺をちゃんと茹であげてきてくれたことが嬉しかった。
ぷりぷりくんが、食べ終えた皿を滞り無くさげてくれて、カフィを持ってきてくれた。
それにミルクとガムシロップをたっぷりと入れた。たとえ地球の裏側に突如ふっ飛ばされたとしても、私は自身の、このプレイスタイルを変えるつもりは、これっぽっちもない。
そして再び、灼けた西口五叉路へ。
まだ全然高いところにいる太陽。さて、どうしましょうか。夕方から呑みはじめるまでの身の振りかた……
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つるや(浅草(東武・都営・メトロ)、浅草(つくばEXP)、田原町 / うなぎ、天ぷら、どじょう)
你好(水道橋、後楽園、九段下 / 餃子、中華料理)
江戸蕎麦手打處 岩ぶち(両国、森下、浅草橋 / そば、天ぷら)
春香園(蒲田、京急蒲田、蓮沼 / 餃子、中華料理、飲茶・点心)
店名 |
ミラネーゼ 池袋店
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ジャンル | イタリアン、パスタ、ピザ |
予約・ お問い合わせ |
03-6914-0320 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
池袋駅(副都心線・丸の内線・有楽町線 C6出口すぐ) 池袋駅から329m |
営業時間 |
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予算 |
¥2,000~¥2,999 ~¥999 |
予算(口コミ集計) |
¥2,000~¥2,999
¥1,000~¥1,999
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支払い方法 |
カード可 (VISA) 電子マネー可 (交通系電子マネー(Suicaなど)、楽天Edy、nanaco、WAON、QUICPay) QRコード決済可 (PayPay、d払い、楽天ペイ、au PAY) |
サービス料・ チャージ |
なし |
席数 |
66席 |
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個室 |
有 個室風パーティールーム有り! |
貸切 |
可 (20人以下可、20人~50人可、50人以上可) |
禁煙・喫煙 |
分煙 2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
駐車場 |
有 近隣にコインパーキングあり |
空間・設備 | オシャレな空間、落ち着いた空間、カップルシートあり |
ドリンク | ワインあり、カクテルあり、ワインにこだわる |
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利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
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サービス | お祝い・サプライズ可 |
お子様連れ |
子供可 |
ホームページ | |
オープン日 |
2011年6月20日 |
お店のPR |
本格的なイタリアン料理を気軽に楽しんでいただける都心型トラットリア!
種類豊富パスタ料理、最も高精製度のイタリア産小麦粉TIPO 00粉(ゼロゼロ粉)を使用した香ばしいパリパリミラノ風ピッツァが自慢です。2~3名様用のお得なメニューやワイワイ!パーティーコースもご用意しております。是非とも様々なシーンでお気軽にご利用ください。女子会、ママ会も大歓迎です!! |
初投稿者 |
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ベルギーの老兄弟監督の金輪際救われない映画が終わり、床屋にいく気力も失せたぼくは、久しぶりに「木村家総本店」さんまで歩いていって、いつもの“餡バター”ではなく、小ぶりなあんぱん5個入り詰め合わせを入手。
もしも、万が一、今夜スナックに行ってしまったときの為に、その時、忙しない接客の合い間に口にしてもらうには、餡バターでは些か大きかろうと考えた為だった
「Fishfirst」さんにフラれて演芸場通りを東十条まで逆戻り、坂を下りてspaghetti屋のマスターのところへ。
すると銀座から十条まであれだけ賑わっていた人出が嘘のように、今夜先客の姿は無し。いつも寡黙なマスターに、いつも内職に夢中なぼくなもので、付き合いも長いが瞬間お互い手が空いたときくらいにしか会話を交わさないぼくたちであったが、そんなことでマスターも手持無沙汰、となればぼくも持ち前のサーヴィス精神を発揮して、気付けばチーズクラッカー一皿でお酒二つ目に入ってしまい、天板に置いたままの文庫本を開くこともなく、昔話から、昨今勃興する界隈の新興呑み屋の行く末などを、とめどなく語り合うことになるのだ ……
「オムレツと、お酒もう一つください」
顔の火照りを感じつつ、主食(spaghetti)をやらぬまま、万が一 ! 王子のスナックを目指してる。
そのひとはその夜も、身体にぴたりの桜色のワンピースを着ていた。すらりとスレンダー、ながら少し膨らんだお腹に、もしかして赤ちゃんでも出来ているのかなと疑ったこともあるが、その後1ヶ月ほど経過してもその膨らみは同じカーヴをキープしているので、こちらの取り越し苦労であったか、または想像妊娠のどっちかだと思う。
そのひとの、とりわけまぶしくすらりと伸びた脚が、ぼくの心を激しく乱しにかかってくる。通常、女の人の脚は60デニール生地のストッキングでラッピングされたときに最高の魅力を発揮すると言われているが、そのひとの脚は、まるで生足のように艶めかしい
ママがぼくの差し入れたアンパンをおいしい、おいしいと褒めてくれた。他のお客さんから600円のアンパンを貰ったこともあるが、それはパンの生地が薄くて餡子も今一つだったけれど、これは餡子もパンもおいしい、と。
なのでぼくは即座に言い放った !
「600円のアンパンなんて、もうアンパンじゃないからね。アンパンは300円まで ! 600円のアンパンの餡子なんか、もうアンコぢゃなくって、マ〇コだから ♪」
瞬間、すべての景色がスロウモーションのように減速していって、その視界の片隅で、ぼくの好きな女(ひと)の膝がゆっくりと折れていくのが見えた ……
―― ああっ ! そのひとに聞こえていたことにも気づかず、ぼくは得意のパンチの効いた下ネタを ! 最悪だ ! そのひとの前でぼくは、常に英国紳士を貫いていたのに !
ぼくは即座にスタープラチナを出そうとしたが、ぼくのスタープラチナは、わずかな時間時を止めることは出来ても、憐れ、時を戻す能力は持ち合わせていなかった
<その翌日 R5.4.23>
「ミラネーゼ」
池袋西口のピンクの映画館で(ピンク映画館ではない。ピンク色の建物の中の映画館である)、女の子ふたり組のだるい系殺し屋映画の続編を観にやってくる。
そこで昨夜、憧れのひとに地道に植え付けていた英国紳士のイメイジを、自ら一瞬でこなごなに破壊してしまった傷心のぼくは、矢も楯もたまらずにspaghettiが食べたくなり、余所が混雑していても比較的smoothな入店を可能にするこちら本格ミラノ料理店へのエレヴェータを上がり、目論見通りにふたり掛けのテーブル席をget !
ワンパターンで“いつものもの”を注文
“ペペロンチーノ アンチョビ風味” @880
“彩り野菜のミックスサラダ/ハーフ” @480
いつものようにオーヴァルの皿で、たっぷりとした粒状感を持つアイヴォリィのspaghettiがやってきて、その時点ですでに満足。
比較的さらりとたっぷりOilを皿の底に残すタイプの仕上りだが、十分なブロンズダイスにその“ノリ”は良く、この皿の場合は、そのことがネガとはなっていないと思う。
辛さのpunchは砕いたpeperoncinoで引き出しておいて、あくまでもデコレーションとして飾り付けられたワンピースのとんがらしのどぎついまでの赤さに、あのひとの中でのぼくのキャラクターの再構築を今後どう図っていったらよいのか ? と問うたところで、答えが返ってくるはずもなかった ……
昨晩カウンターの向こうでゆっくりと膝の折れていったあなたは、果たしてぼくのことを軽蔑したでしようか ?
膝が折れてSUSの流し台にもたれかかっての、肩を震わせながらの爆笑も、その中にもしもぼくへの強い軽蔑の気持ちが並行していたらと考えてしまうと、手放しで超ウケたわ ! と喜んでばかりもいられない今日この頃です ……