間を開けずの再来 : 幸寿司

たまに飲みに行く、中学生の時に通っていた塾の恩師としっぽり忘年会。
リクエストは「ひれ酒で寿司」というもの。

寿司といえば、先日こちらの印象が良かったので間を空けずに再訪することに。

今日は喜寿を迎えた大将ではなく、若い職人さん2人（若いと言っても僕より上だけど）。

まずがよく冷えたキリンの中瓶でぷはっと乾杯。先ほどまで立川で商談だったので秒で飲み干す。

お通し：焼塩サバ（皮がパリと香ばしく、身は脂がのっている）、浅漬け（自家製、さっぱり）、

さつま揚げと大和芋の煮物（味が染みていて美味い）。　お通しだけで3品、これに白飯と味噌汁があると軽い朝ごはんになりそう。

刺身2人前：青柳、コハダ、イカ、真鯛。真鯛がねっとり丁度いい熟成具合で旨味たっぷり。コハダがいい感じの〆具合。生臭さもなく、いい意味で青魚の香りが残っている。

細巻き：涙巻き（わさびとゴマだけ）、ひもキュウ、穴キュウ、メロリンキュー（言いたかっただけ）。

これにエンドレス熱燗で結構、満足してしまい、握りは頼まずに終えた。
すると、前回に比べてお会計が段違いに安い。前回、うに、いくら、ボタン海老など行き過ぎたね。

最後に氷菓子（柿）、味噌汁のサルビス。

この味噌汁が海老や魚の出汁が効きつつ、玉ねぎが溶けて優しい甘みが美味しかったなあ、
途中で若き職人と大将が交代。

1人は息子さん＝3代目ということだが、「お先に失礼します」と実夫＝大将に頭を下げて帰って行ったのが印象に残っていた。

実の親子でも、店の中では師弟関係。職人のびしっとした世界を垣間見て感心した。
73歳の女将さんに「コハダが美味しかったです！！」と帰り際に伝えると、「息子が喜びます」と嬉しそうな顔をしていた。

コハダは息子さんが仕込んだのね。

厳しさもありつつ、やはり、そこは可愛い息子さんという事か。
ほっこりするやん。

気づけばアラフォーになっていた自分。安い回転寿司で文句や蘊蓄を垂れ流してばかりではみっともない。たしなみとして、ボトルを置いている馴染みの寿司屋の一軒くらいあったほうがいい。

その候補にと思っていた前から気になっていた近所のお寿司屋さん。

同じく近所に住む人でこちらが気になっていたという人とご一緒することに。

食べログの事前情報からしてそう敷居の高い店ではないと踏んでいたが、入ってみれば喜寿を迎える柔和な大将、髪を染めて革のブーツなんぞを履く4つ下の女将さん、きびきびとよく働くベトナ
ム人の女の子が迎えてくれる、非常に親しみやすい店だった。

まずは瓶ビール。アサヒとキリンがあればキリンをチョイス。

突き出しがじゃが芋、さつま揚げのおでん風と、シラス下ろしの２つ。
このおでんの出汁がちゃんと美味くて、期待値が上がる。

以下、頼んだもの。

刺し盛（2人前）：真鯛、ほたて、中トロ、イカ。どれも鮮度抜群。真鯛は松笠作りになっており、皮の食感と身の食感がうまし。ホタテはきちんとしっかりとした繊維質が感じられ、鮮度の良さがわかる。イカ、中トロ、ねっとり美味し。

赤貝＆トリガイ：好きな貝が刺し盛似なかったので追加。赤貝は磯の香りが堪らない。逆にトリガイは茹でてあり、風味も乏しく、イマイチ。

あん肝ポン酢：自家製で大ぶり。日本酒泥棒。

塩から：自家製。コリコリとした歯ごたえのイカにワタたっぷり。これぞ寿司屋の自家製という醍醐味を味わえる。

細巻き各種：涙（わさびのみ）、かんぴょう、トロタクの3種類をお好みで。1口サイズなのでパクパクといいつまみ。

にぎり各種：各自好きなものを。僕はコハダ、あなご、ボタン海老、いなり。きちんと仕事がされた寿司ってやはり全然違う。いなり、普段食べないけど、ここなら自分でちゃんと揚げをにつけていると思って。黒ゴマが入っていて、香ばしさのいいアクセント。

日本酒はどれくらい飲んだだろうか。ツマミが美味くて、熱燗がすすんでしまった。
まあ、3人とは言え、1升飲んだかも。

ちょっと、食べすぎ、飲みすぎたので予算オーバーした感じはあるけど、内容をみるに適正か、少し安いくらいに感じる。

何かいいことがあったり、臨時収入があった時は再度訪れたい。

この地で60年、3代にわたり愛される町寿司屋。

何だかほのぼのする店で、入ってよかった。