ランチでも【養生スープ】はマスト : 古月 新宿

久々にランチで訪問。
休日のお昼でしたが、超賑わっており驚きました。
引っ切り無しでお客さんが訪問され、
タイミングによっては行列が出来ておりましたが、
厨師のコントロールは良く、流石だなと感じさせられます。

そして、頂いた後の発汗作用は矢張り素晴らしい。
自然にデトックス出来るお店だと感じます。
なので、オプションの【季節の養生スープ】はオーダー必須です！

今回のメニュー
・前菜：白魚の中国風玉子焼き、芽クワイの沙茶醤和え、クラゲ
・サラダ
・点心：ほうれん草の焼売
・季節の養生スープ：牛筋、ビーツ、落花生、椎茸
・海老と季節野菜の炒めもの
・杏仁豆腐、金柑ソース

この度、ランチに初めて訪問しました。
ランチコースはお昼でも抜かりない完成度の高さ！
あくまでもシェフの真骨頂は夜の【季節の養生コース】なので、
初訪問の方は是非とも夜に訪問して頂きたいと思いますが、
お店のエッセンスを感じ取れるランチコースも中々魅力的です。
(レビュータイトルは【季節の養生コース】を指します)

【お昼のミニコース】2,100円の内容。

【ミニサラダ】
【前菜3種盛り合わせ】
皮蛋と甘長唐辛子：皮蛋に炙った甘長唐辛子の香りを纏わす面白い調理。
槍烏賊の山椒ソース：烏賊の火入れが良く、ねっとり感を残しており秀逸。ソースも良し。
蒸し鶏：ジューシィで柔らかい仕上げ。

【潮州風エビ蒸し餃子】
幾らでも入りそうな上質な味わい。
海老と肉の旨味に加えてナッツ、木耳、タケノコなどの食感が組み合わさる。
香り付けは紹興酒かな？

【メイン(豚スペアリブの豆豉蒸し)】
四川マーラー豆腐の誘惑を振り切ってオーダーしたところ、ヒット。
殊のほか肉が多く、野菜の種類も豊富。
豆豉の量も行き過ぎておらず良い塩梅で、ホロホロのジャガイモと肉に香りが移って良い。

【ご飯、スープ、おしんこ】
スープは野菜スープとなり、夜のものとは異なる。
ご飯はお替り一回サービス。

【杏仁豆腐】
柔らか過ぎず硬過ぎない食感。
夜はいつも亀ゼリーを頂いていたが、杏仁豆腐も美味。
ソースはパイナップルソース。


【2015年11月】
久々に訪問しました。
やはり、こちらの5,200円の【季節の養生コース】は満足度が非常に高いです。
ランチの単品レビューが多いですが、真骨頂は夜。
こちらのシェフ・前田克紀氏の料理は抑制と起伏を併せ持ち、
頂いていて非常に楽しいです。
香辛料や塩を利かすところでは利かせ、抑えるところでは抑える。
前回も感じましたが塩の使い方が巧く、素材を壊すことなく魅力を引き出しておられます。
同じ価格帯の中国料理店のみならず、少し上の価格帯のお店とも十分戦えるレヴェルです。
昨日アップした虎穴と同様に、実力とスコアの乖離がある美味しいお店。

【前菜盛合せ】
新潟産ピーナッツ、皮蛋豆腐、クラゲ甘酢、烏賊
【新潟産ピーナッツ】は八角を上品に漂わせ、ピーナッツの香りと巧く合わせております。
【皮蛋豆腐】過度に手を加えず、塩と胡麻油だけで皮蛋の魅力を引き出す。
【烏賊】は葱と胡麻の塩梅が良く、甘み、辛味の加減も抑制が利いている。微かに使用された老酒も佳い。

【鮮魚と銀杏の炒め物】
「鮮魚」は鯛。
腐竹(中国湯葉)は大豆の香りと旨味がたっぷりで上質。
椎茸とともに旨味を吸収し、鯛はレア目の火入れで柔らかく繊維がほどけゆく。
生姜のかすかな香りがアクセントとなり、油、塩分ともに上品。

【クレソンと無花果の和え物】
杏仁を使用しているところが面白く、「杏仁豆腐」の香りがします。
千切りにされた中国ハムの塩気が果物と野菜を繋ぎ、酸味と無花果の甘みがバランス良し。

【季節の養生スープ】
サボテン、シーココナッツを使用しているところが珍しい。
シーココナッツは中国で「海底椰」と呼ばれており、東南アジアでも使用される。
比較的若い漢方食材で、効能は滋陰潤肺。
乾燥で咳が出やすい秋に嬉しい漢方です。
百合根の独特な甘みと上湯の旨味が胃に染みる。

【豚スペアリブと昆布の煮込み】
下には里芋のペースト。
炒め油には葱油を使用か。
見た目以上にあっさりとした味わいで、コクが深く、更に昆布の旨味が嫌味なく調和している。

【四川麻辣豆腐と白ご飯】
【季節の養生粥】も選べるのですが、いつもついつい麻辣に。
こちらの麻辣豆腐は塩分控えめで麻強め。旨味と酸味が良いバランス。
前よりも美味しくなっている印象です。

【デザート】
この度は亀ゼリー(中国名：龟苓膏)を。
亀の腹甲を干して粉にしたものと、各種生薬を合わせて作る伝統的な水菓子。
こちらの亀ゼリーは特有の苦みや香りが無く、非常に食べやすい。
硬めの食感も噛みしめて気持ち良い。


【2014年5月】
日本では少ない中国政府認定高級栄養薬膳師の方のお店。
薬膳の効果は素晴しく、頂いた晩の代謝作用はもの凄かったです。
ちなみに、薬膳と言っても「苦い」というイメージが先行しがちな生薬は使っておらず、
食材や味わいの組み合わせで薬膳料理を作られているところが個性的です。

初夏の【食養生コース】は脾臓の力を強め、消化能力を高めるコンセプト。
頂いたものは下記。
【前菜盛合せ】
【鯉と石川芋と新ペコロスの炒め物】
【季節の養生スープ】
【牛肉の塩煮込み】
【四川マーラー豆腐と白ご飯】
【デザート】

【前菜盛合せ】
海老と山形産こごみの揚げ物、蓮根と海月、螢烏賊、ピータン、蒸し鶏の葱ソース。
こごみを使う発想も面白いが、蛍烏賊が自分の好みだった。
紹興酒と醤油を軽く煮詰めたソースと、青山椒の風味が爽やか。

【鯉と石川芋と新ペコロスの炒め物】
鯉は新鮮そのもので、石川芋のとろっとした甘み、ペコロスのしゃくっとした甘みが良いバランス。
甘酢ソースもキツくなくて美味しい。
そして、何よりも豆豉がフレッシュな風味で、適度な食感もあり面白い。
非常に良いバランスの炒め物でした。

【季節の養生スープ】
しじみ、はぐらうり、はとむぎを使用。
滋味に溢れるスープで一口ごとにほっと安らぐ。
鶏は付け合わせのピリ辛ソースで頂く。

【牛肉の塩煮込み】
柔らか〜い牛肉と、青葱のソースが秀逸なタッグ。
気付いたら食べ尽くしていたほど。
ただ、今までのメニューが塩分控えめであったのに対して、
これはバッチリ塩を利かせていて、しょっぱい。
これは恐らく薬膳的に体を冷やすためなのでしょうか。
次が熱い料理なので、コントラストが鮮烈でした。

【四川マーラー豆腐と白ご飯】
これは、美味しい。
麻と辣が鮮明に際立っているわけではないのに、凄く味わい深い。
そして、使われている豆腐が中国現地のものに似ていて泣かせる。

【デザート】
三種類から選べるので、迷わず最近作るのにハマっている杏仁豆腐にしました。
とろとろタイプで、杏仁霜の風味が強い、自分の好きな杏仁豆腐でした。

晩夏あたりに再訪したいと思います。