歌舞伎町の固定観念を一掃する名店 : 鉄板焼き ステーキ 湛山

日曜日の夜です。

赤坂から見附、四ツ谷を経由して歌舞伎町にたどり着きました。想定通り約20,000歩のブラ散歩。残すは歌舞伎町のど真ん中で鉄板焼きを食すのみ。

予約時間まで隙間があるのでゴールデン街を散策します。昨日の谷根千もそうでしたが、RWCの影響は計り知れません。

モニターのあるお店で、スコットランド vs アイルランドの一戦を食い入るように見つめるヨーロッパ系のインバウンド客。

表通りのパブで健全に呑んでくれよぉ〜！
なんでこんなディープな処に潜入してんのよぉ〜！
歌舞伎町に白人は似合わないんだよぉ〜！
白人はギロッポンが似合うんだよぉ〜！
歌舞伎町の体臭は大陸系の方達が醸すんだよぉ〜！

なんて勝手に呟くラッコ。

TOHOシネマズに至るメインストリートでは、熊野神社の御神輿が練り歩きます。担いでいるのは、歌舞伎町氏子レディースの面々、いや待てよ、なんだかオネェ系？の方もいらっしゃる模様。

だって歌舞伎町だもん。神様も目を瞑ります。アハッ、むしろ喜んでいらっしゃるかも。

時間を上手く潰してお店の前に立ったのは六時十分前。

えっ、この階段を地下に降りていくの？
だれか待ち伏せしてたりして？
大丈夫かなぁ〜？

まっ、いいや。ハッタリなら負けないもん。

こちらは『下手なホテルの鉄板焼きより美味いぞ』との噂をかねてより耳にし、BMしていたお店。

三連休は小旅行もせず、都内をブラ散歩し続けようと決めた日から、歩く飽食計画に組み入れておりました。

扉を開けます。
最初のお客です。

シェフ、オーナーさんかな、の正面に座ります。

ラッコと同年代でしょう。
聞けば三十数年前、コマ劇場前のディスコで踊っていたとのこと。当時の面影が残るのは風林会館くらいですよね、なんて昔話で盛り上がり、つかみはオッケー。

基本はコース料理ですが、オマールを伊勢海老にしたり、シャトーブリアンを選択したせいで、一体なんのコースか分からなくなってしまいました。

ラッコの食が太いことをいち早く察知したシェフからは、問答無用の裏メニュー攻め。ドM体質まで見抜かれてしまいました。

ああっ、もうおんなかが一杯。

いただいたものは以下の通りです。

暗くなった夜にこの場所までお伺いするのは逡巡しますが、味に間違いは有りません。三連休のなか日にも関わらず、七時頃から続々とお客様が訪れます。

知る人ぞ知るお店だったんですね。

参りました。
歌舞伎町ということで、どこか舐めていました。

やはり来てみて食べてみないことにはわかりません。

そしてご馳走さまでした。


＜お料理＞

●前菜：帆立のテリーヌ
タラバガニの身が入ることで海の香りが倍増。鰹昆布出汁と醤油味醂の和風ジュレ、バルサミコ、トマト、ジェノベーゼソースでいただきます。初っ端から、やるじゃん！

●野菜焼き：
オクラ、椎茸、パプリカ、マコモダケをガーリックバターでソテーします。薬味はタバスコ入りのタルタルソース

●魚介類：
鮪の赤身と帆立を笹の葉の上で焼き、香りを転写します。鮨屋の穴子と同じ流儀ですね。付け添えはホウレンソウのソテーと桃のコンポート。ソースは木苺、オレンジ、バジルクリームとカレー粉末。シェフのお勧めに従い全てをグチュグチュに混ぜていただきます。

●野菜サラダ：
サラダ菜、胡瓜、プチトマト、パプリカ、トレヴィス、オニオンスライスを紫蘇ドレッシングで。箸休めも手抜き無し。

●伊勢海老：
昨日良質な伊勢海老が入荷したとのことで、オマールから変更します。ガーリックバターでソテーし、白ワインでヴァプール。クリームチーズと伊勢海老とオマール殻のアメリケーヌ、バルサミコのトリプルソース。ウンマイ。ソースを残さずいただくためにバゲットを二枚所望します。

●裏メニュー①：牛スジ肉と大根のポトフ
こちらと②のポテトスープが御座います。是非お試しください、とのことで、こちらの牛スジをお願いします。
『お酒のアテが欲しいと仰るお客様が多いので、いくつか用意するようにしているんです』とのこと。
裏メニュー。ステキな響きです。裏がつくとなんでも有り難がるラッコは、鼻息荒くおつゆを啜ります。おあうっ！黄柚子の香りに悶絶。こりゃあウンマイ。

●裏メニュー②：ジャガイモのスープ
『お腹に隙間があるようでしたら、こちらもお試しください』なんて言われて、断るわけ、無いっしょ。
冷製にしたらヴィシソワーズですが、ほんのり人肌仕立て。お酒が冷たいハイボールなので、逆に胃が喜びます。

●シャトーブリアン：
仙台牛の80gをミディアムレアでいただきます。柔らかいヨォ〜。歯が抜け落ちた爺様になっても食べれるかも？
薬味は胡麻ソースとポン酢おろし。取り分け胡麻ソースが美味しかった。炒り胡麻に黒胡麻、ピスタチオ、クラッシュドアーモンド、クルミ他のナッツで食感に変化をつけます。

●ガーリックライス：
半分はガーリック醤油ライスで。『半分は残してくださいね』とのご託宣に従うと、鉄板の上で軽く温めたタラバガニと帆立の銀餡仕立てに味変。

●お椀とお漬物：
先程ソテーした伊勢海老の頭の赤出汁と胡瓜の浅漬け


＜デザート＞

●ヴァニラアイス
●焼きプリン
●メロンのパンナコッタ
●コーヒー
奥のソファに移動し、ゆったりとデザートを楽しみます。いずれも全く手抜き無し。


＜お酒＞

●知多ハイボール
●白州ハイボール
●山崎ハイボール

追記：
帰りがけにワインの棚を拝見してビックリ。
Gajaのバローロが鎮座。諭吉四枚超えとのこと。呑まれる方がいらっしゃるんですね。
さらにAmaのキャンティクラシコまで揃い踏み。イタリアワイン好きにはたまらないかも。