従業員さんにみられる企業風土 : 宮崎県日南市 塚田農場 新宿本店

居酒屋さんを年間200日も巡り歩いていると、それぞれの店で、素晴らしい方針や努力に触れる時があります。
私はコスト的に「A－」～「C」級の居酒屋さんが大好きなのですが、これまで塚田農場（APカンパニー）さんに対して、飛び抜けた高評価をしている理由を書いてきませんでした。しかし、今回、一定の訪問数を達成した記念に、その一端を記してみたいと思います。
優良な経営方針を感じていただきたいとは思っているのですが、料理等とは直接関係ない記事になりますので、不要な方は★まで読み飛ばしてください。

塚田農場さんの「ある従業員さん」の人間性に触れた思い出です。約3年程前の話になります。
それまでは1ユーザーとして、たまに塚田農場系の店舗には訪問をしておったのですが、それ程の思い入れは無く、やや優秀な女性向きの居酒屋かなぁといった程度の認識でした。

当時、私はある街でボランティア的なお手伝いをしており、様々な社会問題の解決について提案する機会を持っていました。例えば育児放棄、例えば家庭内暴力、例えば高齢者や少年の不法行為などです。
そもそも、こういった社会問題の解決には多くの方の参画・支援が必要とされています。公助・共助・自助と言いますが、自治体・警察などの公的な力の他に、地域の助け合いである共助、自身の努力を指す自助です。しかし、この世知辛い世の中では、人に助けてもらうことは求めても、自身で何かをしようとする人は少なくなっています。権利ばかり主張して、自身は何も努力しない勝手な人が増えてしまっているのです。
その中で、飲食業界というのはどうでしょう。もちろん志の高い方はおられるのは知っていますが、殆どの方がこういった支援を担うコミュニティとは接点を持たずにおられます。利益を追う事に精一杯で、とても人の事にかまっている余裕がないのが実情だと思うのです。
そんな時、当社の社会参画の機会を知ることになりました。それも店長レベルでの発想により実施され、会社の承認を得ているとの事なのです。法人が利益の出ない事をする、、、これは宮仕えを経験した方なら如何に難しい事かご存知かと思います。そもそも当社には、従業員の発想で一定の金額をお客に還元できる制度があり、会計の際の「味噌」持ち帰りサービスはその一例と聞きます。その延長上に企業SR（社会貢献）の姿勢があると感じたのです。

ボランティア（的な活動）でご一緒した従業員さんが「当然です♪」と満面の笑顔で語るのを聞いた時、今の飲食業界で足りていない部分を多く持っている企業さんだと心から思いました。以来、完全に塚田推しとなってしまった私です。どうせ行くなら気持ち良く飲食したい、そして共助を受けた恩返しをしたい、、、そう考えて、最も美味しい店を選んで月に1回程度は訪問を重ねています。

★

さて、当店へは〇〇回目の訪問です。この先に酒を介した会合があるので、二人での軽い時間調整の飲みになります。
従業員さんには既に顔を覚えられているようで、入店するなりスナックのママばりの挨拶ですよ。
「あ～ら、スーさんご無沙汰じゃないのぉ♡」・・・（表現はあくまでイメージです）
早速オッサン二人の鼻の下が伸びまくりですｗ

ドリンクはとりあえずはビールで乾杯しましたが、2杯目からは従業員さんとの会話を楽しんで決めます。
「今日はお二人とも偉業達成で興奮されてますね、モヒートで体を冷やされてはいかがですか？」
うんうん。興奮してますｗ　
モヒートいただきます、ということで、日向夏モヒート（550円）、外マンゴーモヒート（同）を注文しました。

料理はせっかく塚田農場に来たのですから、お店独自のものを頼むとしましょう。
まずはニラ釜玉（490円）を注文します。
当店は季節限定商品として、稀に濃厚玉子を使った料理を出してきますね。以前もえのきカブを使った料理を出したことがあって、かなりの人気商品になっていた記憶があります。今回はニラに生卵のようです。いただく前に写真を撮りましたが、ニラの立ち具合も良いですが、卵の弾力をぜひ見てください。箸で摘まむことができる、しっかりとした濃厚な黄身を使用しています。味だってしっかり、ビタミンもたっぷりですな。

地頭鶏シュウマイ（480円）は4個入ったお得商品。テーブルで蓋を開放すると、アツアツのシュウマイが湯気の中から現れます。もともと鶏の肉質は素晴らしいシュウマイですから、冷めてもジューシーでしたよ。

地頭鶏たたき（650円）は当店の定番商品。葱や玉ネギをたっぷり乗せて新鮮な鶏をいただきましょう。マルタニ醤油とありますが、個人的にはあまり味を付けない方が好きです。

そして今回のお勧めは二つ。まずは地鶏の生姜焼きです。
あれ？以前は無かったよねと聞いたら、最近、塚田農場さんは生ショウガの料理に力を入れてるんだそうです。
食べた感想ですが、当店の鶏にしてはやや弾力が強い脂分の少ない肉を使っています。また、生姜は強烈なインパクトがありつつとても風味豊かです。結構それ自体でも美味しくて、久々に生姜を摘まんで食べました。これなら日本酒でいけるかもｗ
そういえばドリンクにも生姜系のものがありましたし、メニュー表にも栽培農家さんの紹介が記載されていました。しばらくは注文するのが楽しみになりそうなメニューです。

そう言えば、チェーン店での栽培農家の紹介というと、胡散臭い宣伝ばかりで、実体のない農場との契約の話をしばしば聞きます。その点は塚田農場さんは、大手チェーンなのにしっかりしてるなぁと感じるところがありますね。
以前、大宮店を訪問した際に、同期社員が農場を志願して頑張ってるという話を聞いたので
https://tabelog.com/rvwr/004200896/rvwdtl/B210792091/
当店の店長？に裏取りしたら、間違いなく本当の話でしたね。やはりというか、良い食材を提供したくて入社する新入社員も多いんですよ、との説明を受けると、当社の社風は業界内でも変わっているなぁと認識させられます。（業界を本当に知る訳ではありませんが）

また、鶏の食材の違いについて質問したところ、よくぞ聞いてくれたとばかりに1分にも及ぶ解説が・・・ｗ
塚田農場（APカンパニー）は、店名が示すように「宮崎県」「鹿児島県」「北海道」に大きく系統が別れるのだそうですが、基本的に食材はそれぞれ（＝その地域）で工夫して仕入れているのだそうです。ただし、地鶏の生姜焼きの場合は、調理上の相性から「北海道」の地鶏を使っているそうで、それが食感の違いとして感じられたみたいです。調理方法の違いかと思っていたのですが、こんなところもこだわっているのですね。ありがとう。

そして、二つ目のお勧めはフライドレンコンカレー（530円）です。
レンコンを輪切りでなく縦に切って揚げているのが特徴です。確かに食べてみると、ネバネバの繊維が元気に主張してきます。カレー粉が付いていましたが、下味があって十分に美味しいので、わたしはそのままでいただきました。
ちなみにレンコンが包まれた袋を見ると、印刷ではない白い何かの模様が。。。何かな？と思ってじっと見ていたら、従業員さんが恥ずかしそうに跳んできて
「それ、私が初めてやったんです～♪」
あー、いも版ならぬ、レンコン版ですか。どうりで何だか不格好ｗ・・・（ゴメンナサイ）
でも、こんなところの節々に当店の素晴らしさを感じる事が出来るんですよね。しなくてもいい努力を、自分たちの発想でしようとすることに、CS（顧客満足）の秘密があるような気がします。

ちなみに、今回の訪問でトイレにモンダミンと歯間ブラシが置いてあるのに気付きました。デートや合コンで勝負かけてる人に対して素晴らしい配慮ですね。店長さん？に「気遣いが素晴らしいねぇ」と指摘したところ、女子トイレはもっと凄いですよと返されました。

残念ながら私は男なので女子トイレの確認ができませんｗ
【塚田農場 新宿歌舞伎町店】にご訪問された女性がいらっしゃいましたら、ぜひともレポートをお願いいたしますｗｗｗ

■平成28年9月　再訪問
居酒屋の評価については私なりの判断基準がありまして、これは普通の方とはかなり違ったところがあると思っています。そして、何が良いのか悪いのかを説明し出すと、恥ずかしながら3時間は語りそうな位に熱くなりかねません。私にとっては、料理店は高級であれば良いというモノでもないし、費用対効果ばかりを見ている訳でもありません。強いて言えば抜群の努力とか工夫があるかというのが評価基準に近いのかもしれません。逆に言えば安直な金儲けに奔る飲食店は大嫌いです。
塚田農場（＝APカンパニー）さんは、昔は高値の華だった宮崎地鶏を手軽な居酒屋メニューにしてくれた会社の一つです。こういった努力を生み出す企業風土が従業員さんに影響しているのだと思います。今回もいろいろな気遣いありがとうございました。予約時の配慮、席の用意の気遣い、前回の訪問についての記憶、配膳時の一言、どれをとっても一生懸命さを感じるのは何故なんだろうと思います。私は飲食業の経験はありませんが、この店は良いところと思えます。
写真を撮りましたので追加しておきます。

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■平成28年8月訪問

歌舞伎町の入口にある雑居ビルにある【塚田農場】さんです。
コストパフォーマンスの良さは定評がある良チェーン店であるのはわかっていますが、この店はその中でも頭一つ抜けている店舗だと思っています。
数回程度の訪問客の顔を覚えていたり、店独自のサービスが充実していたりと、訪問する度に努力を感じさせられてしまいます。
今回は時間制限ある中での特急飲みだったので、定番のじとっこセット（中）とチキン南蛮を早速注文してビールをがブ飲み、、、しようとしたら表面にスマイルマークが（笑）。しかも相方のは違う表情（泣）の細かさ。こういうおせっかいが当店の良いところなんですよね。
鶏のたたきは安定の美味しさ。じとっこ焼きは強い炎であぶっているので、レア気味に焼いても本当に旨い。こんな暑い日（当日は最高気温37度）に頑張っている調理場の皆さんのおかげです。ごちそうさま。
ほか数品を頼みましたが、これに幾つかおまけがついて、一人３千円ちょっとのお勘定。やっぱり【塚田農場】さんは素晴らしい。入口近くで色んな店のキャッチに声をかけられると思いますが無視しましょう。ゴールの当店に入ると良いことありますよ。
おまけの内容はネタバレになるので記載を控えますが、表題に偽り無しです。ユーザーとして純粋に贔屓したい店の一つです。

後で従業員さんに聞いたのですが、【塚田農場】さんの社風として、学生アルバイトの（他社への！）就職を支援したり、女性の積極登用を行ったりしているのだそうです。勿論これだけではないと思いますが、スタッフさんが皆一生懸命なのは確かで、伸び盛りのお店にはやっぱり訳があるなーと感じました。