ノーゲスト : イベリコ豚おんどる焼 裏渋屋

2019年4月
　いつもそこそこ混んでいる店なのに、この日はノーゲスト。原因はなんだろうと思いつつ、この店のウリであるイベリコ豚おんどるトンテキランチ1,500円を注文。メニューを見ていると、毎週火曜日はフォアグラコンフィ丼1,800円が1,500円になるとある。この店は毎月29日は肉の日ということで、安売りしていた。たまたま29日に入店して、混雑していたことを憶えている。
　廉売をすると、廉売に慣れた客は廉売のときにしか来店しなくなる傾向にある。店はさらに別の廉売を始めることになる。それは悪いスパイラルである。高級レストランが安売りをすることは絶対にない。店の格が下がるからだ。
　そんなふうに考えているうちにおんどる焼きが登場。あれ？ジューッという音がしない。それに肉が熱々ではない。美味しいことは美味しいのだが、出来たての熱々という感動がない。もしかして肉汁が飛び跳ねて服が汚れたというクレームでもあったのだろうか。熱いフライパンに触って客が火傷したのか。
　この店のウリはフライパンで熱々で出すおんどるトンテキのシズル感である。一度や二度くらい事故やクレームがあったからといって、ウリを放棄する必要はないと思う。ラーメン屋には丼に油を注いで炎を上げる店もあるくらいだ。客が受け入れていればクレームにもならず、事故も起きないだろう。今回の料理だけで点数を下げることはしない。頑張ってほしい。

2018年12月
　前日が少し具合が悪くて何も食べなかったので、48時間ぶりの食事となるこの日は定食サトウの優しいランチにしようと訪問したが、なんと臨時休業。急遽近くにあるこちらのお店に変更して、油っぽくないオンドル焼きをいただこうと目論んだのだが、こちらもひと混雑あったようで、オンドル焼きは全部売り切れとのことで、メンチカツか生姜焼き、豚のコンフィ丼などから選択することになった。食べたことがなかったのでメンチカツ1,300円を選択。連れはコンフィ丼1,300円。
　さてメンチカツは揚げたてで、外はしっかり揚がった色をしていたが、割ってみると中はとてもジューシーで、所謂メンチカツとはまったく違う、とてもふくよかな食感である。豚肉の旨味も十分で、何もつけないでいただいた。ご飯にも合うし、体にもやさしい。48時間ぶりの食事でも胃がびっくりすることはなかったようだ。多分渋谷で一番美味しいメンチカツだと思う。

2018年7月
　毎月9のつく日は肉の日と称して安売りをしているのでかなり混雑する。だから9のつく日は避けてきたが、この日は前日の29日が日曜日で、代わりの肉の日だった。座ってメニューを見てから気がついた。いつもは1,500円のおんどる焼きが1,000円である。
　混雑する日はキッチンもテンポアップしているようで、提供も早い。いつもと同じく小鉢が2品とご飯と豚汁と鉄鍋のイベリコ豚が出る。量も普段と変わらない。これは本当に安いと思う。
　客としては有難いが、飲食店のような時間経過型の商売ではバーゲンは諸刃の剣である。よくあるファン感謝デーみたいにするなら、過去３ヶ月間に肉の日ではない日に来てくれた客限定にするなどの方法がある。
　気に入っている店にはなるべく安売りをしてほしくない客側の勝手な心理と言われれば、多分その通りなのだろう。まあ、いいか。

2018年7月
　この店のランチメニューでまたいただいていない黒カレーを注文。大盛りで980円。先客が3名いたが、10分ほどで提供された。
　たしかに見かけは黒い。黒い理由は聞かなかったが、エキセントリックな匂いはしなかったので竹炭などの炭系の材料を使っているのかもしれない。
　味は塩分の具合が丁度いい。あまり辛くないカレーにほんのり甘い豚肉がよく合う。大盛りでも少なく感じるくらい、あっという間に食べ終えてしまった。

2018年3月
　19日と29日のニクの日でなくても結構混んでいる。13時過ぎには売り切れメニュー続出で、かろうじてあと２人前残っていたおんどるトンテキ1,500円を注文。提供は5、6分ほど。先に付け合わせのもやしと茄子が出される。生で食べられる茄子？だそうだ。大抵の野菜は生で食べられるはずだが。
　さて、トンテキの登場だ。小さなフライパンの向こう側にキャベツの千切り、こちらに中ほどまで切れ目を入れたトンテキだ。ナイフでサクサクと全部切ってから箸でいただく。柔らかいがちゃんと食感があり、イベリコ豚のいい香りもする。ほんのり甘めのタレはしょっぱくなくて丁度いい感じ。肉の旨味が溢れ出て、食べていて飽きない。キャベツにはマヨネーズ。食べ進むとだんだん元気が湧いてきて、とっても身体にいいものをいただいた気分になる。
　メニューをみると、カレーがさらに美味しくなりました！と書かれてある。次はカレーかな。

2018年3月
　19日と29日の肉の日は混んでいる。前回は相席だったし上着を置く場所もなくてちょっと困ったが、今回はかなり空いていて先客は1組2名のみ。基本的に同じ店では前回と違うメニューを頼むので、今回はしょうが焼き1,000円を注文。
　付合せは前回と同じポテトサラダともやしのナムル。味も同じだ。ご飯にトン汁も同じ。しょうが焼きは少し変わったスタイルで、キャベツの千切りが添えられているのは一般的だが、肉が薄切りでもなく、ロースのスライスでもなく、ひと口大の厚めの肉。ひと口目はタレの濃さと酸味がガツンときてややしょっぱめに感じたが、二口目からはタレに入っているフルーツの甘みが前面に出てきて爽やかにいただける。何より肉の食感が独特で、歯ごたえがあるのに柔らかい。たぶんここ数年で食べたしょうが焼きの中でいちばん美味しい。
　ご飯も美味しく炊けているし、米の質もいい。カクテキやゴマ塩、ふりかけなどがご飯の友としてテーブルに置かれているが、生姜焼きとキャベツで十分だった。ご飯はおかわりしてくださいね、と言ってくれるので、お腹がペコペコのときには助かりそうだ。

2018年2月
　渋谷の裏路地を歩いていて小さなＡ看板を見つけて入店。イベリコ豚のコンフィがウリのようである。
　入店するとまず狭いのに驚く。４名かけのテーブルが２つと、奥に６名掛けのテーブル、その隣に２名用のテーブルだ。全部で１６席だが、相席、相席でだいたい埋まる。接客も内装も家庭的で、初めての訪問でもフレンドリーに接してくる。
　注文はイベリコ豚のトンテキ。普段は1,480円で提供しているようだが、この日は19日で肉の日だから1,000円とのこと。ラッキーである。
　上着を置く場所もないので、ダウンを膝の上に丸めてセカンドバッグを乗せる。テーブルに何やら鍋の下敷きのようなものが置いてるので、鉄板で供せられると予想。油が跳ねると困るなと思っているうちにトンテキが小さなフライパンで到着。それほど跳ねないのでダウンとバッグは大丈夫だった。
　肉はベーコンみたいな長い形状で、甘そうなたれがかかっていて、見るからに柔らかそうだ。ナイフで切っていただいてみると、これが本当に柔らかい。イベリコ豚のうま味がたっぷりな上に、甘さも塩加減も控えめなのでいくらでも食べられそうだ。小菜が２皿と、ゴボウ入りのトン汁がついている。
　店はとても混んでいるので、卓上のナムルやカクテキもいただきつつ、パクパクと食べ進んで早めに店を出る。会計は丁度1,000円。実に安い。勿論通常料金の1,480円でもまた食べに来るつもりだ。新感覚の焼肉屋である。