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天正/水天宮 正常退化
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“天丼”
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Jackie_m
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店舗基本情報
| 店名 |
天正
|
|---|---|
| ジャンル | 天ぷら |
|
予約・ お問い合わせ |
03-3664-8139 |
| 予約可否 |
予約可 |
| 住所 | |
| 交通手段 |
水天宮前駅から128m |
| 営業時間 | |
| 予算 |
￥2,000～￥2,999 |
| 予算（口コミ集計） |
～￥999
|
| 支払い方法 |
カード可 （JCB、AMEX） 電子マネー不可 QRコード決済不可 |
席・設備
| 席数 |
16席 |
|---|---|
| 個室 |
無 |
| 貸切 |
不可 |
| 禁煙・喫煙 | |
| 駐車場 |
無 |
特徴・関連情報
| 利用シーン |
|
|---|---|
| 初投稿者 | |
| 最近の編集者 |
|
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<H25.10.31 水天宮>
晴れ。爽やかな青空の下の水天宮通り。
午前十一時半に少し届いていなかった。一瞬別天地を求めて移動しようかとも考えたが思い留まり、その巾広い一通を裏通りへと逸れ、時刻も十一時半に届いた頃、角に蕎麦屋が見えた。
近寄ってみれば、暖簾は下がっているが、看板は未だ準備中に返ったまんま。この界隈は余所よりもフライング気味にお昼タイムへと突入するところが多いなという実感を持っていたが、そうでもないのか。
その直ぐ先、どうやら営っているらしい、小さな天麩羅屋さんをみつけた。覗いてみると既に年嵩のご夫婦がカウンターに佇んでいたので、ひとまず安心してその暖簾を割った
「天正」
暖簾を割ったはいいが、未だ開店作業真っ直中のようである。大らかというか何というか……
玄関と裏戸を通り抜ける気持ちのよい微風に宥(なだ)められるように、暫し待った。いよいよ大将が、老眼鏡をウルトラアイに掛けなおし、上着を羽織った。同時に温まってきたごま油の良い香りが、微風にのって私を撫でてゆく。硝子ケースに入った日本人形と目が合って、まるでお婆ちゃん家にいるような、懐かしい気持ちになった
“天丼” @850也。
優しくも厳しい、赤出汁の味噌汁が嬉しかった。
お母さんが目の前で、例の金属製の、スクエアで宇宙戦艦ヤマトの主砲のように注ぎ口が三つそそり立った柄杓のような器具で、まずご飯にタレをまわしたそれは、それが必然であるかのように搭載された天麩羅までもくたくたになっていたが、私にとっては、それが実に魅力的であった。
世間に“あとのせサクサク”といった言葉があるが、私はそれを、一旦汁に埋めて、てろてろにしてからやる側の人種に他ならない。
ご飯は例の、天丼用の(と勝手に決めつけているが)小粒のもの。概ねぱらっと炊いている店が多いが、こちらのものはちょっと柔らか目。この界隈の飲食店の特性として、新興勢力の侵入しづらい(これは悪いことではないが)環境の元、ぬるま湯に浸かって正常進化が妨げられている店多し、というかもはや緩やかに退化し始めている店多し、と私は理解しはじめていて、こちらがそれに当てはまるかどうかは知らないが、どう考えてもこれは、“天丼”“天麩羅”というジャンルに救われているなと……
この街とともに、緩やかに朽ちて往くのかなと……