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店名 |
凡味(ぼんみ)
|
---|---|
ジャンル | 日本料理 |
予約・ お問い合わせ |
03-3669-4671 |
予約可否 |
予約可 |
住所 | |
交通手段 |
日比谷線「人形町」駅より徒歩5分 人形町駅から263m |
営業時間 |
営業時間・定休日は変更となる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。 |
予算(口コミ集計) |
¥1,000~¥1,999
|
支払い方法 |
カード不可 電子マネー不可 |
個室 |
無 |
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貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙 |
駐車場 |
無 |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
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午の刻前、常(つね)ならず銀座で乘り換へ人形町で降りる。玉ひで門前に市のごとく溢(あふ)るゝを横目に、豫(かね)てより目星附けたる太田鮨。一通り摘(つま)みたる後(のち)暇(いとま)を乞ひ、邊(あた)りをそこはかとなく歩(あり)く。今半、芳味亭、小春軒と、音に聞く店ありて互(たが)ひに甍(いらか)をあらそふ。
彷徨(さまよ)ふほどに、ある店に辿(たど)り着きて硝子製陳列棚を眼にするや、忽(たちま)ちにして、雷(いかづち)に打たれたごとくなりぬ。「太郎梅」、「梅雨衣」とありて、茶とゝもにこれを味はふを得(う)べし。扉うち開き「御免下され」と大音聲(だいおんじやう)にて呼ばはりければ、奧より女將現れ出(い)づ。
「何處(いづこ)なりと」との勸めに從ひ、奧に坐りて上を見遣るに、網代(あじろ)に編まれし天井ありて、偏(ひとへ)に店のうつくしきをあらはす。壁には錦繪の類(たぐひ)ありて、四つばかりなる机は、僧が書籍(しよじやく)を讀み、經を冩すに用ゐる机に似たり。籐編みの筵(むしろ)を除き、一つとしてわびしきはなし。
女將によれば、「太郎梅」と稱(とな)ふるは鹽漬け梅の鹽を拔き、「梅雨衣(つゆごろも)」なるは青梅をその儘(まゝ)、蜜とゝもに柔(やは)らかに煮たるものとか。「梅雨衣(つゆごろも)」は皐月(さつき)の頃に限ると云ふ。他には「胡麻豆腐」。加(くは)ふるに、豫(あらかじ)め求めあらば、値七千圓にて「懐石膳」なるを供すとか。
・「太郎梅」、「梅雨衣(つゆごろも)」、茶、都合値一千二百圓也。
そも「梅(むめ)」なるは、唐土(もろこし)より傳はりし木にて「梅(むめ)」なる言の葉もまた然りと云へり。かの清少納言も「木の花は、濃きも薄きも紅梅」と櫻よりもなほめでたきものとす。縱令(たとひ)花散るとも、その實、梅干・梅酢となりて、或(あるひ)は味附けに、或(あるひ)は胃腸の妙藥として大いに用ゐらる。
二つの梅、ともに、大きく丸く、一度(ひとたび)箸を入れるや、忽(たちま)ちにして崩れ、口に含むや、泡雪よりも疾(と)く舌に融(と)け、胃の腑に収まる。「太郎梅」に仄(ほの)かに殘れる鹽氣、蜜と混じりて、ふくよかなる味はひをもたらす。片や「梅雨衣(つゆごろも)」の瑞々(みづみづ)しきは、いみじくもめざまし。
茶は幾つかありて、この中より煎茶を選ぶ。その味、一膳めしやの番茶と大きく異なるところなく、甘味・旨味ともに乏(とも)し。箸、いといやしき割り箸にて、盆もまた、いやし。店の設(しつら)へと氣配(けはひ)に京師・鎌倉の茶店のごとき趣(おもむき)あり。女將の客あしらひは、近頃、比ぶる店だになく、いとめでたし。
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注)冩眞は客誰(たれ)一人もなきに、女將の許しを得て後(のち)撮る。