華龍飯店/逆転の発想 : 華龍飯店 京橋本店

「飲みやすいからぐいぐいイケてヤバい !」

―― おれからしたらいっくら度数高いお酒だって、そんなに炭酸で割っちゃっちゃあ、どれも同じな気がすんだけどね ……

いつものスナックに突っ込んだところ、店の女の子が(と言っても30半ばから後半だが)ふたり揃って大酔っ払い、もう最初っから私に色仕掛けで擦り寄ってくりものだから、いったい誰が飲ませたのかと辺りを窺うと、板前のHくんがどこかで覚えてきたという、40°の焼酎を大盤振る舞いしているではないか。
それにしても女の人という生物は、ある場面では見ても触っても嫌悪感丸出しで拒絶してくるくせ、ある場面ではこうして、自分からおっぱいを押し付けてうっとりするのは何故か ?

―― そんなの聞いたことなかったけど、実は「時には娼婦のように」を歌い過ぎているのではなかろうか ?　ならばボクも、そこでまるで乳飲み子のように貪りついてあげなければいけなかったのか ……

<R5.11.18>

久々の有楽町。
今日は渋谷駅で山手線の改修工事とのこと。それに伴い京浜東北線が快速運転を中止しており、しかし私にとっては、各駅停車とはいえ乗りっ放しで良いので逆に楽チンであった。
すでに床屋に行くという今日最大のミッションは終えており、あとは映画の時間までゆっくりとお昼ご飯time&お散歩写真に興じればそれで良かったが、この界隈の探索は概ねやり切っているので、今日はメインストリームを外して銀座通りを日本橋方面に歩き、飲食エリアとしては寂しいところでスポット的に営業するお店の発掘を目論んでる

「華龍飯店」

既にメトロ宝町の駅を越えた。
もうその先の看板までいって、これ以上の北上はやめようと決めたそのお店は、そこら中に勃興する大陸中華よりは未だ全然真っ当な店構えに見えて、札もちゃんと営業中へと返っている。そこで寧ろこれはluckyとばかりに足を踏み込んでみれば、さきほどまで通過を余儀なくされてきたお店の大繁盛、飽和状態が嘘のように人っ子一人いない伽藍堂で !　これはヤバい ! (笑)
その時点で、これはもうどこかしらに相当の問題を抱えたお店だと、十死にゼロ生を覚悟したが、もう後退は許されないと思って、為す術なく角っこへと着席する。
しかしながらメニュウ写真はどれも比較的美味しそうで、この整然として高級感漂う店内とも相まれば、この閑散が何かの間違いとも思えてくる
いや、そう思いたい ! (笑)

“マーボーチャーハン” @1,200也。

“練り胡麻入り”というspecialな担々麺といこうか迷ったが、ご飯のもののhybrid料理にも心惹かれるものがあり、結局ご飯系でいくことに。
彼の国得意の玉子スープではなく黒いスープであって、ならば料理そのものも日本人向けにアジャストされたものであろうとは瞬時に想像できたものの、それが神道における浄不浄の精神が宿っていない者たちの見様見真似であったとき、このようにつゆが濁ってしまっていけない。
一方の麻婆豆腐は、色彩的には鮮やかな朱を纏っていたが、多様なフレイヴァの協調はなく、複雑な工程を経たものには思えず ……
同じ中国人の手に依るものとして上野広小路「再来宴」の麻婆豆腐、及び麻婆炒飯を知ってしまっている身としては、些か、中国5千万年の噎び泣きが聞こえてきてしまっていけない

こちらの麻婆炒飯の特徴は、多くの店でのそれは、ふつうの麻婆豆腐とのヴァランスを図る為にあっさり炒飯を合わせる、ということがtheoryだと思うのだが、逆にふつうの炒飯に味気ない麻婆豆腐を果敢に合わせにいっているところで(こらっ !)、その逆転の発想は興味深いなと
(もしもそれが意図的なものであったとしたらだけどね)

さっき入って来た御仁がビールをやり始めてる。
ホールの女性は手持無沙汰ということでもなく、客席のテーブルをひとつ使って黙々と内職作業に徹しているが、宴会でも入っているのか、それは夜の部への備えだと思う。
向こうの御仁が、これから本気飲みということでもなく、食中の一杯ということが見えたので、その御方お一人伽藍洞に残して去ることにもそれほどの罪悪感が募らずに済んだことを感謝しつつ、ふたたび昭和通りに飛び出せば、さっきまで厚く暗かったはずの雲の随所にバクっとしたクラックが入っており、skyblueがその隙間を懸命にこじ開けようとしていた

その後、こないだのキアヌ・リーブス同様、今更ながらというタイミングでデンゼル・ワシントンを鑑賞。
キアヌのほうは真田広之さん、ドニー・イェンさんの力を借りた3時間に迫る大作となっており、たしかに見ている間は面白かったものの、ある意味予想通りのもので、それを超えてはこなかったと感じた。
このデンゼル・ワシントンのほうも結果的にはそうなんだけれど、こちらは想像に反して意外に暴力描写が容赦なく、最初からこんな作風だったかなぁ ?　と、最初に出てたボクの好きなクロエ・モレッツちゃんがその後無視されていることは不服として、良い意味でそう思った。
それは良いとして、邦題のサブタイトル「THE FINAL」っゆ～のが !
スクリーンの中のタイトルだとただ「3」としか出てこないけど、ほんとにファイナルなの !

でもマッコール (デンゼル・ワシントン)とジョン・ウィック (キアヌ・リーブス)が闘ったら、どっちが勝つんだろうなぁ ?　あっ !　その対決を、両作の完結編にすればいいんだよ !　そうすれば2作分の予算かけれられるし !

―― またヒント与えちゃったかな ♪

そしてその成功の為には、「エイリアン対プレデター」を徹底的に研究して撮影に掛かって欲しいばかり。
なんてそれは冗談で、稀代の失敗作だったよなぁ、「エイリアン対プレデター」(笑)。プレデターと人間の女の人がいっしょに全力で駆けてそのスピードが同じだったとき、ほんとに、そんなときどんな顔していいのか分からなくなったもん ……