高くてもたまに食べたくなるPAULのパン : PAUL ウィング新橋店

この日は新橋でのランチとなりました。
食べログのアジア・エスニック百名店にも選定されている「カーン・ケバブ・ビリヤニ」というお店で、ビリヤニを食べたのですが、やはりビリヤニは美味しいですよね。
同店は、かなり本格的なビリヤニを比較的リーズナブルに食べられるなかなかのお店でした。

ランチの後は、新橋駅近傍でのベーカリー探索となりますが、今回は、新橋駅直結のウィング新橋の中に2022年9月にオープンしたばかりのこちらのPAULを利用してみることにしました。

当店＝PAULブランドは、1889年、パン作りの名職人シャルルマーニュ・マイヨによってフランス北部のリールの近郊の街クロワで生まれた老舗で、今も高級ベーカリーカフェとして名高い存在です。
とある情報によれば、現在、パリ市内にはPAULのお店が30店以上あるそうです。
因みにシャルルマーニョ・マイヨは、現在のPAULの代表であるフランシス・ホルダーの曽祖父にあたるそうですね。

日本でのPAULは、パスコ=敷島製パングループの会社で、フォションやペックの展開で知られる株式会社レアールパスコベーカリーズが運営母体になっていますが、店舗数は全国で28店（北海道1、東京13、神奈川4、京都3、大阪4、兵庫2、福岡1）とそれほど大規模な展開には至っていません。

大都市圏のみの出店が基本のようですからまだまだ希少価値もあり、東京の店舗立地を見ると、NEWoMan新宿店、玉川高島屋店、大丸東京店、羽田空港店といった風に、有力な商業地域を中心とした展開に留まっています。
意外なのは、パスコの発祥地である愛知県に純粋なPAULブランドのお店が無い（デリカテッセン業態のポールボキューズは1店有り（ポール・ボキューズ キャレ 名古屋店））ということ。
名古屋のランドマーク的存在であるJR名古屋高島屋は、ペック＆フォションの体制になっています。

私がこれまで巡ったPAULのお店は8店舗ですが、このうち京王新宿店はリニューアル前後の両方をレビューしており（旧・PAUL 京王新宿店、新・PAUL 京王新宿店）、あざみ野店と横浜タカシマヤ店は閉店しているため、現在も営業しているPAULで利用、レビューしているのは、「品川駅店」と、「アトレ四谷店」、「六本木一丁目店」、青葉台店ということになります。
なお、この他、デリカテッセン業態の「ポール・ボキューズ大丸東京店」は利用、レビュー歴がありますね。

当店は、そんな中、東京都の13店舗目、全国27店舗目となるお店(いずれもその時点での店舗数)として前記の通り2022年9月にオープンしたものです。

ポールやフォションのお店はインストア型のお店が多い印象ですが、JR総武快速・横須賀線や都営浅草線の連絡口に当たる新橋駅東口地下街(ウィング新橋)にお店を構える当店も例外ではありません。
なので、オープン時間はベーカリーにしてはちょっと遅めの11時からとなっています。

この日は、ちょっと早めのランチを終えた11時45分頃の訪店になりました。
角地にあるお店の外観はやはりPAULらしくお洒落な感じを醸し出しています。
場所的に通勤帰りに立ち寄るにはうってつけですが、休日も営業しています。

ショーケースにズラッとパンが並び、対面販売方式のお店ですが、お店に向かって右手のショーケースにはサンドイッチ系の総菜パン、左手のショーケースにはヴィエノワズリーが中心に並べられており、ショーケースの上部にハード系のパン、食パンやパンドミなどが並んでいます。
やはりPAULですから、お値段は懐に優しくありません。
例えばクロワッサンが＠270円、クロワッサンダマンド＠410円などとそれなりのお値段がします。
ですので、3点購入ということにはならずに、以下2点の購入となりました。
・ジャンポン－滴－＠496円
・クイニーアマン＠334円
合計830円

私はベーカリーにおけるコスパの目安を2個でワンコインとしているのですが、それをあざ笑うかのようなお値段ですねｗ
持ち帰って、翌日の朝食に供しました。

ジャンボン－滴－は、レンジで20秒チンした後、600Wのオーブンで4分間加熱していただきました。
滴というのは、PAULオリジナルの多加水のパン生地の呼称で、水分が多いことから"滴"なんですね。
また、ジャンボンというのは、フランス語のハムで、この滴生地にショルダーハム、クリームチーズ、エメンタールチーズを乗せて焼き上げたものです。
もっちりした生地にハムとチーズの組み合わせですから相性ご良いのは当然としても、噛み締めるとジワッと湧き出てくる旨みが何とも言えないですね。
この一切れで@500円近いというのはめちゃくちゃ高いとは思いますが、美味しかったのは間違いありません。

クイニーアマンは、今や菓子パンとして日本でもすっかりお馴染みになっていますが、私が最初にクイニーアマンと出会ったのは、新橋駅構内にあったベーカリーカフェ（サンピエロ）で、食べログでも2012年9月に「絶品のクイニーアマン」としてレビューをアップしています。
奇しくも今回も同じ新橋でのクイニーアマンとなりました。
そんなことで、私にとってはまだ10年ほどの歴史ということになるクイニーアマンですが、流行ってくると粗悪品も出回る中、やはり当店のクイニーアマンは、正統派というか、しっかりしたクオリティをキープしていますね。
発酵バターを折り込んで焼き上げた芳醇な風味はクイニーアマンならではですが、ともするとぺちゃんこになっている(生地が詰まり過ぎている)クイニーアマンも見られる中で、こちらのはふっくらと仕上がっており、とても美味しかったです。

やはりPAULのパンはクオリティにかけては文句無いですよね。
問題はやはりお値段ということになりますが、この味ならたまには食べてみたくなるのも事実。
今の店数なら飽きられることもないでしょうし、やはり日本のベーカリー業界では一定の地位を築いていると言ってもいいのではないでしょうか。