（再訪）おでん懐石の押し引き season2 : 銀座一期

予定していた寿司が店主急病によりキャンセル。口が寿司モード全開でありましたが、夏のおでんもオツだろうと代替店としてこちらを直前予約し1年ぶりに訪問しました（写真は最初の12枚）。紫蘇の香煎茶に引き続き供された3種コースのうち真ん中の「20000円コース（税サ別）」の内容は以下の通りです。

「食前の梅酒」
「車海老の白和え（青豆豆腐）」　○△
「蒸し鮑の生姜酢がけ」　○
「旬野菜の焼きびたし」　○
「長良川の鮎の一夜干し 蓼の葉揚げ」　○
「赤魚の椀」　○
「淡路の紫うに/海苔の佃煮」　◎・・・雲丹いと甘し
「明石の鯛」　◎・・・鯛しこしこ
「三田牛の冷しゃぶ」　○
「おでん（5種選択）：一期玉子/雲丹ワンタン/鯵つみれ/蓮根餅/牛スジ」　◎/○/◎/○/○・・・鯵つみれが絶品。中がレアでジューシー。鯵の旨みと出汁の上品な力強さがピタリと嵌る。玉子は安定の味も若干味が染み過ぎかも。
「食事（4種から選択）：四万十の鰻茶漬け」　○△
「宮崎マンゴー/自家製アイスと大納言炊き」　○
「わらびもち」　○△

これに日本酒、生ビール、ハイボールなどたっぷり三名で楽しみ、ひとり3万弱。

前回の際よりも少し割高に感じたのですが、もしかしたら1.5万円のコースが2万円になったのかなという印象です。それでも当日予約が可能な使い勝手と場所を勘案すれば納得の範囲内でしょうか。御主人は話好きの釣り好きで、綺麗に日焼けした笑顔からの白い歯が印象的です。釣りをしながら献立を模索しているとの事。夏には夏のおでんの良さを再確認したと同時に、心が洗われるような料理を今後も提供して頂きたいと感じた次第であります。
ごちそうさまでした♪
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（2015年5月）
まだ寒い時期、おでんが恋しくなり食べログ検索。すると銀座”煙事”と同じビルにおでんをメインにした懐石料理屋をヒット。当日予約を何度かトライしましたがいずれも満席、暖かく（暑く）なってようやく当日予約で潜り込めました。麻布十番”一期”の姉妹店である店内は6人用個室とカウンターが10席程で予約状況によって椅子を増減させるのでしょう。当日は空いていたので中央の鍋前に案内された上、かなり間隔を広く使わせて頂きました。メニューは無く、お任せの「15000円コース（税サ別）」一本のみ。内容は以下の通りです。

「胡麻豆腐」　〇・・・胡麻の風味は強くないが滑らかで丁寧な仕事を感じる
「前菜六種盛り合わせ」　〇・・・海老のお浸しや蓮根のきんぴら等、酒飲みの心をくすぐる品々。特に印象的なのがチーズケーキ風な一品（写真一枚目右下）で滑らか且つ酸味と甘味のバランスにテンション上がる三人衆。
「鬼カサゴと陣笠椎茸の吸い物」　〇・・・上品な一番出汁を含んだカサゴの淡白な身がホロホロと口中で崩れ解ける。
「造り：まこがれい（気仙沼）/鰹のヅケ（銚子）エシャレットのせ」　〇/◎・・・鰹をヅケにしてねっとりした濃厚な旨みをエシャレットが爽やかに纏め上げる。
「松坂牛の網焼き」　◎・・・脂の切れが良いし、肉質のたおやかさに目が丸くなる。牛の力強い味わいは好みの分かれるところかも。私は好きです。
～おでん（約20種のおでんメニューから好きな5種を選択）～
「一期玉子/大根/ロールキャベツ/鯨のさえずり/鯛の子と蕗」　◎/〇/△/〇/〇・・・オレンジの黄身も眩い玉子に昆布の出汁が染み込みとても美味。鯨の個性にも負けない塩気が特徴かな。そうはいっても嫌味でない力強い関西系お出汁で酒がとても進みます。同行者は今迄食べたおでんの中で一番好きな出汁だと言ってました。ロールキャベツはケチャップがけで出汁とは微妙な相性かな。
「だしかけ茶飯 とろろのせ/御新香」　〇・・・いわずもがなな美味。とろろのせに一工夫を感じる。
「宮崎マンゴー/水羊羹」　◎/〇・・・マンゴーは上品な甘さで芳醇。水羊羹は甘さ控えめながら小豆本来の味が前面に出ており、はったい粉を使用のせいなのか香ばしくも感じる。はったい粉には整腸作用・ダイエット効果もあるので今日の余分なカロリーは全部吸い取ってくれる事だろう（笑）

これに「エビス生」（750円×3）「麦焼酎120mlカラフェ 水割りセット」（1800円×3）「冷凍焼酎 40度」（1600円×3）「黒龍 生酒」（1200円×2）を三名で頂き、一人2.4万円。この料理なら決して高いとは思いません。

言葉は悪いかもしれませんが適度に下品で力強いおでん出汁であります。椀の出汁や胡麻豆腐の上品な味もあり、味の濃淡、コースのメリハリも感じ非常に計算された構成に感じます。まだオープンして1年半ですが、これなら人気の程も納得。ただコース一本のみという選択肢の無さは残念で、おでんだけというのもやって欲しいところ。しかしコース全体のクオリティとメリハリを考えれば致し方ないのかもしれませんね。最初こちらのレビュー画面をパッと見て「んっ？」とも思いましたが（笑）なかなかどうして侮れません。

滋賀の名店”招福楼”出身の店主は強面でとっつきにくそうですが、話しかけると気さくな対応、そのギャップがメリハリのある魅力的な料理に通じるやに感じました。雰囲気は殺風景と紙一重の清冽さ、凛とした雰囲気と言う方が判りやすいでしょうか。良く言えば、食を楽しむ事に徹した空間であります。送り出しは素っ気無くも感じましたが、それもまたクールな銀座の夜に嵌るといえばそうかも。
ごちそうさまでした♪