唯一無二、劇場型スペクタクル・フレンチ！ : 銀座 大石

【Tabelog Awards : SILVER 2022】
【フレンチTOKYO百名店2021】

年末の贅沢ツアー第一弾、まずは銀座大石からスタートです。非常に高い評価を受ける同店、「楽しい」ということが口コミで並ぶフレンチとは？とても興味があり、ようやくの訪問となりました。

17時スタートの回、早い時間ではあるものの全部で13席が満席です。常連さんも多い中、私のような一見客もチラホラ。なぜわかるか？それが入店後すぐにわかるこちらの特徴、フレンチとは思えない活気の良さ。オーナーシェフ大石氏が盛り立てる店内はさながら元気の良い居酒屋のようで、シェフ自ら一人一人のお客様に名前を呼びながら声をかけ、話をしてくれます。まさに鮨屋の大将のよう。常連さんも一見さんも、分け隔てなく話をして下さり、一気にアットホームな雰囲気に引き込まれます。

素材の状態で今日使うものをお客様の目の前で見せてくれます。これも非常に面白い！自分がこれから食べるものを見れて、それにまつわる小話も。正しい理解で最大限今日の食事を楽しんで貰いたい、というシェフの気持ちが伝わります。

非常に品数の多いコースです。テンポよく提供されますが、それでも17時にスタートし退店したのは20:15くらい、ざっと3時間です。その間忙しいと思うくらいに、空き時間はあまりありません。それだけの品数があると理解ください。

また、大変興味深かったのが、フレンチなのにバターはパイ包以外にほとんど使っていない、ということ。そのおかげで、これだけの量を食べても胃への負担が少ない。少し外を歩いたら身体は落ち着いた、驚きです。どれだけバターがインパクトを与えているのかを痛感しました。

【おまかせコース】
・バター茶　(チャイのような味わい)
・スマ(魚)のタルタル、グリュイエールチーズを含んだ生地、キャビア乗せ
・カリフラワークリーム、馬糞雲丹、コンソメゼリー
・サラダ:一本ネギ、モロッコいんげん天ぷら、安納芋、雪下人参、アオリイカゲソ、春菊、貝(アサリっぽい？)
・すっぽんコンソメスープ、蕪
・前菜盛り合わせ　八寸　8種の野菜のゼリー寄せとホタテ、鰆/菜の花/ホタテ/じゃがいも/ベーコン、和牛頬肉の白ワイン煮/レンズ豆と茄子煮凝り
・白子とモンドールのグラタン
・黒トリュフとフォアグラのパイ包み　
・鴨　玉鋼(日本刀の刃の部分になる鋼)で肉を焼く
①塩焼きレモン胡椒添え　②骨と内臓で作った赤ワインソース、ジャガイモと根セロリのグラタン
・口直し　ルナピエナ(スイカ)
・松坂牛ヒレ肉、月光百合根のパイ包み
・毛ガニのご飯　
・カレーライス　
・口直し　クレームダンジュ/洋梨/シャンパンとゆずのゼリー
・タルト・タタン　

とにかくあまりにも特筆すべき品が多いことが驚きでした。どの品にもストーリーがあり、それがとても興味をそそられました。
特に黒トリュフとフォアグラのパイ包みは衝撃の一品！指の関節ほどの厚さで切った黒トリュフとフォアグラを重ねてパイ包みにしてくれたものですが、年間で2週間ほどしか出てこない、そして今年は黒トリュフが過去最高値、フォアグラは鳥インフルエンザの影響で数が出回っていないとのこともあり、非常に貴重。一人前14000円で追加して頂きました。世界で4軒しかこの形態での提供は無いとのことで、最も贅沢な黒トリュフの食べ方だと納得しました。香りだけでなく、初めて黒トリュフの食感と味を感じることが出来ました…。
鴨も玉鋼の上で焼くことで臭みもねっとり感もあまり感じない美味しい肉になります。もちろん、元々の鴨自体も網獲りで狩っているので極力傷つけずに捕らえているのはありますが、玉鋼の影響は大きいと思います。
毛ガニは三杯分も入ってるため、米と同じくらいの量の毛ガニが楽しめます。毛ガニの出汁をスープにしている、最高の旨味。
ルーを使ってないカレー、粉とバターも使われていません。口の中で溶けるという新食感をカレーで初体験。
タルトタタンは、バターを極限までに抜けるほどに調理している作り方をしているため、甘さ控えめで且つ軽い味わいを楽しめます。

他にも美しい松坂牛ヒレ肉もあり、本当に素敵な食材をふんだんに使っており、そりゃこれくらいの値段になるな、と納得しました。そして何度も言うように、お店の雰囲気がとても楽しめました。そして勉強にもなりました。
やはり学びながら美味しいものを食べるというのは最高の贅沢です。

再訪マスト！