【再訪】銀座で1万円で飲み放題の本格寿司で新年会 : 羽田市場 ギンザセブン

食べログで知り合った日本酒好きの仲間との新年会に招かれて、銀座の「羽田市場銀座セブン」に集合しました。
寿司屋らしからぬ店名のせいか食べログ評価は低いが、ご主人は築地場外の人気寿司屋で評判だった柳大将で、今回も大将の目の前のカウンター席で握りの技を堪能しました。

女将さんの選ぶ日本酒のペアリング付きでつまみ10品に握り10貫のコースで1万円ぽっきりという明朗会計なので、当然一貫何千円もするような高級なネタは使えませんが、そこを仕込みと握りの技でカバーして美味しく食べさせてくれます。

一杯目はくどき上手。これに合わせるのは春タケノコと海苔のスープ。小さなカップでくいっと飲んでお腹を温めます。
続いてマグロとイカに鯖や野菜を赤酢のシャリで巻いた太巻き。ご飯ものを腹に入れて悪酔いを防ぐ工夫ですね。
刺身はヒラキンメの煎り酒浸し。ヒラキンメというのは初めていただきましたが、金目鯛とは別種の魚という事で、旨みの強い美味しい魚でしたから醤油じゃなく煎り酒で頂くのはぴったりでした。

日本酒の二本目は、雷神 八反錦 うすにごり。
これにはスルメイカの塩辛。烏賊の肝の旨味が濃厚で酒が進みます。
玉子焼きは甘くなくて箸休めに丁度良い。
海鮮ゴマ醤油漬け。色々な魚を混ぜて漬けているので何が当たるか分からないそうです。私のは多分鰤だと思いますが勘八だったかもしれません。
驚いたのは、つぶ貝とフォアグラです。
つぶ貝を小さく刻んでフォアグラを和えただけなんですが、これは恐ろしく日本酒に合う。
日本酒の三本目は、早瀬浦の限定酒に切り替えます。

ここで握りがスタートです。

愛媛宇和島産の天然シマアジ。身が厚くて脂がのって旨い。
小肌は細切りにして三つ編みに編んで握ってくれたので、食べやすくて小肌の味がダイレクトに舌に感じられる。

日本酒の四本目はみむろ杉dio abutaという無濾過純米酒。すっきりとした味わいながらも重厚感が感じられる。
中トロ握りは鉄板の美味しさです。
再びつまみで北海道産ヤナギダコ。程良い弾力の嚙みごたえで食感がリセットされました。
雲丹は軍艦ではなく握りなので純粋な雲丹の香りが鼻をくすぐる。
太刀魚は皮目に細かく包丁を入れて食べやすく握ってあり、握りでは初めていただきましたが美味しいです。
長崎産の1kg超の鯖の握りは鯖とは思えない脂の乗りで旨い。
大きな車海老は２つに切り分けて出してくれました。
これだけ大きいと旨味も濃厚です。

箸休めに、菜の花の辛子醤油和えでさっぱりしたところで、日本酒の五本目と六本目は福井の九頭竜の純米と逸品の飲み比べ。
大トロのねっとりとした脂には純米酒。
帆立の旨味には逸品が合います。

日本酒の七本目は磯自慢 辛口。
甘い穴子握りと干瓢巻きに合わせると丁度いい。
デザートは作り立ての葛切りで〆てご馳走様でした。
7人の新年会で男性は自分を入れて2人だけという花園で、日本酒と寿司を堪能して1万円ぽっきりは安過ぎでした。

全国の漁師さんと飲食店・小売を直結することで新鮮な魚介類を安価で提供するビジネススキームを展開している「羽田市場」が銀座でお店を出したので行ってみませんかという誘いを受けて訪ねてみました。
話の内容から、新橋の魚金みたいな居酒屋を想像していたのですが、店内は大きな寿司カウンターとテーブル席が並ぶ寿司割烹料理屋さんでした。

カウンター内には寿司職人が何人か居ましたが、中でも一際目立つ派手な花柄の鯉口シャツに金髪の大将が寿司を握っています。
この方が築地の人気寿司屋の紀之重(現 秀徳)で握っていた柳親方だそうです。

ここはお摘み10品に握り10貫に、飲み放題付きでジャスト1万円というシステムとのこと。
まずは金目鯛の出汁のカップスープから始まりです。
目鯛の刺身は煎り酒に浸し、鰹の藁焼きは酢味噌に辛子と調味料に対しても繊細な心配りが感じられる。
鰆西京焼、蛍烏賊、蛸と若布の酢の物、マグロのハンバーグ、イカ墨の最中、生うにと甘海老と怒涛のごとく日本酒にぴったりの摘みが次々に出てきます。
その間に柳親方が料理の説明を丁寧にしてくれて、日本酒はペアリング方式でワイングラスにたっぷり5勺は注いでくれます。それもグラスの中が少なくなると次を持って来てくれるサービスの良さが呑兵衛には嬉しい。
天吹の夏色からスタートして阿部勘純米辛口、紀土の純米大吟醸、播州一献の超辛口、澤屋まつもと、大盃とレアな日本酒ばかり6杯は呑んだので、普通に居酒屋で飲んだら一杯600円〜800円はしますから、ビールとお酒だけでも5000円以上は呑んでいます。

握りに入る頃には、すっかり良い気持ちになってお酒のペースは落ちて来ましたが、その分寿司の味に集中出来ます。
秀徳から続く紅白二色のガリが並び白身からスタートして小肌、赤身ヅケ、海栗握り、金目鯛、白烏賊、大トロ、細魚、穴子、海栗の手巻き寿司と頂いたのでお腹いっぱいになりました。

この満足感でお勘定は諭吉さん1枚で外税も無しという気持ち良さでした。

最近では銀座で寿司を食べようと思うと諭吉さん3枚では足りないのが普通になっていて、明らかにバブルの様相を呈していて、我々サラリーマンが自腹で行く事が難しくなっています。
その中に安価に美味しい酒と肴に握り寿司を財布の中を気にせずに頂けるのは素晴らしいと思います。
お客さんには外国人の方も多いので日本のいい思い出になるんじゃないでしょうか。