【まっ昼間っからの懐石料理は気分が充実するね】 : 下鴨茶寮 東のはなれ

5月末日のこと。数日前に銀座店の遅めスタートのランチ予約をしておいた。
京都「下鴨茶寮」のハナレとして東京銀座にある「下鴨茶寮 東のはなれ」を訪問。

カウンター席に通されるも、13時という少し遅い時間だったからか、客は僕ら2人だけ。実はその前週も予約をお願いしたら満席だったので、たまたまの事なのだろう。

料理は「昼懐石（税込9680円、別途サービス料＋10%）」をあらかじめお願いしてあった。

「樽生ビール（＝YEBISUビール 税込900円）」で喉を潤してからの会食スタート。


【先付】
「平貝、ひめ竹」…涼しげな器に少し焼き目を入れた涼しげな平貝。そしてシーズン終わりの名残のひめ竹がなんだか愛おしい。サッパリと美味。

【椀物】
「葛鱧、つる菜」…目の前で鱧の骨切りの音を聞きながら夏を感じる。鱧の身もふくよか。お椀の出汁は最初から中盤は絶妙なバランス。薄さと濃さのギリギリのせめぎ合い、そのバランスの良さが美味しくて感心していた…。ただ後半は味がだいぶ濃くなった感じがしたのはなんだったんだろ？ちょっと不思議。美味しいんだけどね。

【向付】
「マコガレイ」…これまた涼しげな透明な皿に乗る宮城県でとれたマコガレイ。朝イチに〆めて、薄造りにし、自家製ポン酢でいただく。
初夏らしいひと皿。山葵を乗せポン酢をつけるとより美味しい。

【八寸】
色とりどりの旬のお楽しみ八寸。
竹製のお猪口に入るのが金時草浸し…少しのぬめりが美味しい。夏バテ防止に効くと言う金時草（＝水前寺菜）がここで出てくるのは憎い演出。

菖蒲茶巾＝紫芋と百合根で作った菖蒲をイメージした茶巾…目に楽しく、甘み抑えめで上品な味。

粽寿司＝粽は5月の節句に出される縁起物、この日は5月末日だったので、男としてはギリギリ間に合った、という感じ。中身は海老のお寿司…海老の赤い色が鮮やかで目出たい。酢のあっさりした感じが初夏に合う。

その他、鴨のロースト、玉子のカステラ、丸十蜜煮、川海老、とひと口づつ楽しませていただいた。

【焼物】
「鮎の姿焼き」…遠火でじっくり2時間半程度かけて焼かれた和歌山の鮎。頭からバリバリ頬張り、香ばしさと味を楽しむ。

【鉢物】
「ニシン、茄子」…ふくよかなニシンの身と上にはパリパリに揚げた皮の食感も一緒に楽しむ一品。彩り鮮やかなインゲン豆、お出汁の染み込んだ京茄子も脇役ながら美味しくいただいた。

【食事】
穴子釜炊きご飯。…ふわっと炊き上がっているご飯。九条ネギとの相性がとても良い。留椀、香物ももちろんご飯のお供に合う。

【水菓子】
「キウイ、いちごゼリー寄せ」…意外にも和菓子ではないゼリーが出る。この裏切りが面白い。上にはレモンのムースも乗り、初夏らしくサッパリと美味しいデザート。

【抹茶カカオ羊羹とお薄】…と言いつつちゃんと和菓子的な抹茶羊羹が出てくる。密度濃く味も濃厚。このお茶菓子をいただいた後、お薄でゆっくりと食事を〆る。なんだか贅沢な気分。

やはりお薄で〆ると、ちゃんと京懐石をいただいた感じが自分の中で結実する。充実感あり。

ランチからこの料理と雰囲気とお値段ならとっても満足できるランチだと思う。
気分良く午後の仕事が頑張れる感じ。
ビールも一杯だけなら打ち合わせに支障なし…と思う事にしよう（笑）

ミシュランの星を持つ「下鴨茶寮」がデリバリーのmenu社限定で冷麺を出した、というので食べてみた。東京での注文先は「銀座下鴨茶寮 東のはなれ(銀座東急プラザ)」から。

冷麺と言ってもいわゆる町中華の酢醤油ベース『冷やし中華』とは違ってキレイな透明なスープベースの「すっぽん出汁冷麺」。

しかもデリバリーなので、30分後に美味しくなるように冷たい氷シャーベット状スープで運んで来るきめ細かさ。

上下で分割された容器の上部には色とりどりの具材、この色合いがキレイだ事。
食べる時の盛り付けセンスを問われる感じがしてちょいとプレッシャーがかかる。

容器の下部にある麺を箸でほぐしてからキンキンに冷えたスープをかける。
そこに具材を乗せていただく。
錦糸卵、海老、蒸し鶏、かき揚げ、新生姜、椎茸、白髪ネギ、胡瓜、バラエティーに富んだ具材は麺、スープと一緒に食べると味はもちろん、食感も様々で美味しく楽しい。
麺は極細ストレート麺。低温熟成しているほどのこだわりもある。

ベースとなる冷たいスープはスッポン出汁に昆布・鰹出汁も加えて味わい深い。
上品な味のスープながら旨味がしっかり感じられる。

うーん、冷やし麺としてはとっても優秀な発明品。めっちゃ美味しい。

価格は税込1,944円。ま、そんなもんでしょうね。デリバリーの際は本来配達料が加わるが、menuでは7月15日までは配達料無料なんだそう。

銀座から3.2km圏内の人はデリバリー出来るし(赤坂とか半蔵門、月島とかまで)、普通にテイクアウトも出来るので一度、試してみるのもおススメ。