「東銀座 寿司周」素朴な酢飯が無性に美味い！120年の暖簾を受け継ぐ老舗町寿司 : 寿司周

東銀座の路地裏にひっそりと構える「寿司周」さん。
久しぶりにランチでお伺いした模様をご紹介。

「寿司周」は元々、八丁堀に本店を構えておられ、その本店で20年ほど修行を積まれた現在のご主人によって暖簾分けで東銀座に構えられて約35年。
今では本店もなくなり、その暖簾は120年以上も受け継がれる老舗寿司店。

場所は東銀座駅より徒歩3,4分ほどの歌舞伎座と首都高の間の路地。
以前と変わらぬ店構えに暖簾をくぐります。

右手にカウンターが8席、左手にテーブル席が3つ。
暗い空間に温かみを与える照明が映えるカウンターは、町寿司を思わせる味のある雰囲気。
ガラスのネタケースに仕込まれたネタが綺麗に揃えられ、AMのラジオがBGM代わりに響きます。

2年前に訪れた時はコロナ禍とあってランチでもお客さんは僅かでしたが、お昼過ぎに訪れるとほぼ満席。
ご主人とお母さんのお二人でお忙しそうに切り盛りされています。

ランチメニューはこの辺り。

・海鮮ちらし　1,100円
・北海丼　1,300円
　炙りサーモン/イクラ
・ミックス丼　1,300円
　炙りサーモン/イクラ/まぐろ
・鉄火丼　2,000円
　赤身/中トロ/大トロ
・三色丼　1,600円
　穴子/イクラ/まぐろ
・ランチ握り　1,300円
・上握り　1,900円
・特上握り　2,700円
・おまかせ握り　4,400円

この日は最もリーズナブルなこちらを選択。

●海鮮ちらし　1,100円


しっとりとした空気のなか、立て込んでいた注文に待つこと15分ほどで提供されました。

橙色で松が描かれた寿司桶に8種のネタが酢飯を覆うように敷き詰められます。

ネタは赤身、サーモン、海老、イカ、ホタルイカ、しらす、ホッキ貝、玉子と中央に瑞々しいガリを添えて。

赤身は鉄らしい酸味をしっとりと楽しめ、サーモンは軽く炙られた香ばしさが引き立つ味の共に2枚。
それぞれのネタを小皿の醤油に付けて酢飯とともに口へ運びます。

その酢飯の素朴さがどこかおいしく、水分量を抑えた口当たりはもちもちと纏まるほどに、温もりから酢が心地よく抜けていく。パラッと敷かれた刻み海苔の風味も加えて、無性においしい一口と感じさせるほど。

お味噌汁はカニの足を忍ばせてあり、優しいお出汁と葱の甘みが美味しいお椀。

極めつけは抹茶感をしっかり伝えるお茶まで美味しい！

東銀座ながら全てが素朴さにあふれる寿司周さんのランチを美味しく頂けました。


後半は落ち着いてきたようで、お待たせしてしまったお客さんにご主人が優しくお声がけされていたのが印象的。
きっと掛け合いもお好きで、お優しいお人柄の良さも伝わってきます。
お店を後にする際にはお元気なお声で送り出されて、午後の仕事に精が出るもの。

カウンター奥に飾られている今はなき本店から寄贈された立派な千社札にもぜひ注目してみてください。

こんなお店で夜にカウンターの明かりに向き合ったなら、グッとお酒を進ませてくれそうな心地よさ。

都会のなかでも人の温かみにふれることのできる素敵な寿司店です。


□寿司周
所在地：東京都中央区銀座4-14-19
　　　　第二カタヤマビル1F
電話番号：03-3546-7800
営業時間：11:30～14:00
　　　　　17:00～22:30 ※土曜は21:00まで
定休日：日曜、祝日

滞在時間：30分
お会計：1,100円税込
入店時間：平日12時半、待ち無し

東銀座の歌舞伎座からほど近い「寿司周」さん。
暖簾自体は120年続いているという歴史のある鮨店。

元々、八丁堀にあった本店で20年ほど修行を積まれたこちらの大将、暖簾分けより東銀座でお店を構えられて33年ほどになるそうです。
今となっては本店もなくなり、受け継がれるお店はこちらだけ。
そう気さくにお話してくださる大将は人の良さが表れているちょっと可愛らしいお人柄！

場所は歌舞伎座から築地方面へ晴海通りを下った2本目の細い道を進んだ右手、ビルの奥にある1階。
店内は入口から左右に分かれていて、左手はテーブル席が3つ、右手はカウンター6席の造り。


ランチメニューはこの辺りです。

「にぎり（1,200円）」
「上にぎり（1,800円）」
「特上にぎり」
「おまかせ（3,800円）」
「海鮮ちらし（1,000円）」
「北海丼（1,200円）」


せっかくですので「おまかせ」を注文させて頂きました。
にぎり10貫と巻物、お味噌汁のセットになります。


正統派の白シャリは柔らかめで酢も弱め。ほんのり甘みがあってネタを支えています。

目の前に寿司下駄がスタンバイされ、まずは鮪が2貫。
赤身とトロから空腹にぶつけられ、悪くはない味に少しずつ会話を弾ませます。

鮪はこれだよ！と2つのラベルを見せて頂きました。
鮪は仲卸の"樋長"さんより仕入れられているようです。

小鰭は〆加減も良く噛むほどに楽しめ、穴子はツメの甘さと目の前で炙った香ばしさ、縁側や小柱など鮮度の良さが分かる味わいと素材の味を生かした仕事はまさに江戸前寿司。

そして鉄火巻とかっぱ巻は胡麻の風味が香って最後までおいしく頂きました。

食べる前にお店の歴史を知ったことで、味にも深みが増していき、大将の職人としての生き方に拍手を送りたくなりました。

外に張られた時短営業の張り紙は何枚も重なっており、今まで経験したことのない状況下で要請に従って営業するしかできないと性がなく仰っておりました。でもお店を後にする時にはとても元気なお声で送り出して頂いたその瞬間に、素敵な大将とお店だったと実感できました。
もしも行きつけになったらな、抜群の居心地を与えてくれそうな予感をさせてくれる、明治から令和に暖簾を受け継ぐ「寿司周」さんです。