ホタルイカのしゃぶしゃぶを食いに行ってみた。 : 銀座しも田

毎年、この季節は、ホタルイカのしゃぶしゃぶを食うと決めているのだが。
かかるご時勢なので、いつも新橋の店には行きそびれてて。こちらのお店からの案内にて、ホタルイカのしゃぶしゃぶを供するということを知って、事前に連絡の上、お伺いしてみた。

このご時勢だし、ガラガラなのかと思ってたら、どうして、どうして、概ね、予約で席が埋まってらして。
お客さま方の、こちらの店に対するロイアリティを、まざまざと見せつけられたような気もした（小生自身は、数年にひょっこりと、顔を出せば、上々くらいのものなのだったりするのだがｗ）。

まずは、突き出しの３点盛り。
生ハムでワサビ菜を巻いたの。巻きエビの西京漬け。ワカメの煮凝り。
３点盛りに加えて、結構、たっぷりめのカニサラダ。キュウリが結構フィーチャーされてて。そこにキャベツとニンジンと。

刺身は、盛り合わせで。ヤリイカと青柳は食いたいということで、あとは、お任せしてみた。
お願いした、ヤリイカ（これは呼子の産とのよし）と青柳と。小肌は酢で〆て、そして、赤身（ＮＺ産の本マグロとのよし）。いずれも上等。

名物という、エビ揚げダンゴをお薦めに従って。２個づつでお願いする。
レモンが添えられてて。
それと、添えられた、山椒塩とケチャップも適宜。
カラっとした揚げ加減と、ふわっとした食感の絶妙なバランス。

で、メインのホタルイカのしゃぶしゃぶ。
野菜は、白菜、シイタケ、ニンジン、ネギ、豆腐に春菊。
白菜の芯は削げ切りにしてあったりと、芸が細かい。

ホタルイカは、しゃぶしゃぶして、お腹がぷっくらしたら、すぐに食すべく。
まさに、春を食してる感じとでも言えようかと。
〆の雑炊もお願いして、至極満足。

ビールは瓶。キリンのクラシック・ラガー。
その後、刺身を、ときたら。熱燗。使ってる酒は、開運の本醸造なんだそうで。
そして、日本酒を瓶で。店名のラベルのお酒。作っているのは、開運の土井酒造場。
なんでも、ラベルは、三遊亭 鳳楽師匠の直筆とのよし。飲み切れなかった酒は、自宅に持ち帰っての酒宴は続くよと。テレビを眺めながらの、いつもの寝落ちw

小生は今まで存じ上げなかったが、４０年の歴史でいらっしゃるそうだ。
先日、ちょっとした会食でお伺いさせていただいた。
銀座の最深部とでもいうべき、６丁目コリドー街脇の路地の雑居ビルの地下１階、横のバーだかスナックだかの風情もどことなく銀座。

右奥が畳敷きの座敷になってて、そちらの小卓をふたつくっつけて４名で陣取る。

最初に蟹サラダ。まだ、蟹の保護した身に温かみがあるとことも含めて、いろいろ考えて作っていらっしゃる。
三品盛りの突出し。これも、手のかかり方も相俟って、絶妙の酒のつまみ。白菜の肉巻、豆腐めんたい、テリーヌみたいのと。
ここまでがデフォ。

刺身は盛り合わせにてお願いした。
鱧は季節ものだし、特にとお願いして。タコ、小肌、甘えび、赤身、中とろ、シャコ、鯛、シマアジと種々盛り込まれる。
魚は、築地からひいてらっしゃるとか。値段はそれなりに嵩むんだろうなと想像するも、万全。

HPにて横浜市の柴漁港であがった江戸前シャコの話を取り上げていらっしゃっていたが。このシャコが江戸前だったのかどうかは、いまひとつ自信がないが、うまかった。
刺身のツマの大根にミョウガってのも。ツマは原則平らげる小生にとっては、ありがたい一工夫。

次に、名物とおっしゃるエビ揚げ団子。油をつかって揚げてあるのに、さっぱりしてるのも不思議なもの。熱々だから、いきなり口に入れると火傷すると注意されつつ。
アスパラの肉巻きも手堅い一品。

ジュンサイの好きな方が、このタイミングにて追加注文。
仁淀川の鮎ってのもオーダー。四万十川の支流で、鮎の著名な産地とのよし。かたちも大き過ぎからず、頭からまるごとで、ホントにうまかった。この鮎を季節のうちにもう一度、食いに行くだけのためにお伺いしたいところ。

〆の深川丼も良かった。ひとり分としてみると、丼で結構たっぷりめ。結局、数人で小分けの茶碗をもらって一口ずつに分けさせてもらった。ショウガの効かせ加減がこれまた粋。

生ビールのあと、店の名前の４合瓶、吟醸だったか。
冷たい酒はそれ一筋なのかもしれない。これだけの料理なのだから、もうちょいイロイロ揃ってても楽しいのにとは思った。

軽くつまんで、ちょいと飲むと１万円越えという価格設定は、正直、小生が日常遣いするとしてはシンドイ面もある。
でも、とにかく、良い店だと思った。

ご主人は、「みやこ」、「いさみ」とか、小生が知るよしもない数々の名店で修業されていらしたとか。
店の雰囲気、風格、味わいからして、談志が通ってたというのも、ちょっと分かるような気もする。
折々、落語会とかも催されることもあるらしいので、そちらの席にお伺いできるくらいになるまで、ちょこちょこ通ってみたいもの。