感動・感激レベルのバイキング！！ : 鳴門グランドホテル海月

娘夫婦がホテルを予約してくれた。だから文句は言わない。でも、旅の楽しみは食事。なのに朝晩「バイキング」のプランだって。。。
娘よ！父も歳を取る。昔ほど大喰らいではない。（未だ他人より大喰らいはあるが）旅に出た気くらいは質より量ではなく、おいしいものを少しずつに変わってきている。そして君と妹を連れ4人で行く旅には口にしたことはないがコストの関係もあった。それ故のバイキング。でも、親の心子知らず。「父＋旅＝ホテルのバイキング」の方程式が刷り込まれてしまったのだろう。。。

ホテルの方にお話を聞くと、経営の体制が変わり、懐石料理中心で部屋食もあったのを、徐々にバイキング中心に変えていっているのだそう。そのバイキングにもかなりの力を注いでいるようで「ぜひお楽しみください」だそう。有名ホテルの高級版を含む方々のバイキングを食べ歩き、人生経験上「食べ放題に旨いものなし」とようやく気付き始めた矢先、せっかくの四国、地元のおいしいもの、そして瀬戸内の海の幸を楽しみたかったのに複雑な心境。さて、いただいてみますか。。。

バイキングの神髄はビッフェ台が荒らされる前に口開けを狙う！まだおなかすいていないけど6時のオープンに予約。席に案内される。横一面、間口の広いステージキッチン。手前から寿司を握っている。多くのホテル（失礼ながらこちらも料金は決して高くないので）のこの手の寿司は、回転ずしみたいにシャリ玉にネタを乗っけてるだけのところも多い。屋台式のつけ場で職人らしき人がたってても傍らに鈴茂の「桶型ロボット」がある場合も多い。しかしこちらは職人さんが本当に握っていらっしゃる。そしてネタが新鮮でうまいのだから日頃回ってる寿司ばかり食べる私には感動モノの美味しさなわけでまずはテンション↑↑、そして天ぷらコーナー。旅館の天ぷら、バイキングの天ぷらともに良い印象がないが、なかなかおいしい天ぷらに当たった。また『鳴門わかめ』のようにご当地色を出すことも忘れない。
鉄板コーナーのステーキはカットした一口大の小さな肉片を焼く焼肉タイプのステーキのほうが圧倒的に提供効率が高いのだが、こちらの拘りは塊で時間をかけて焼きそれをカットして提供する。中はレアでうまみたっぷりのステーキが楽しめる。エビのグリルなども焼き立てで提供される。
そしてセンターのお刺身コーナーは瀬戸内の鯛、そして関西で刺身といえばハマチ！ぷりぷり、こりこりで鮮度抜群でうまい！！でもマグロは？？？と思っていると突然横笛の音が、、、従業員さんの演奏（上手すぎるから演奏してるふりだけかも）がマグロ解体ショーの始まりを告げる。
もちろん、これだけの人数、これだけの値段だから小ぶりのキハダマグロではあるが、なかなかの迫力、そして従業員さん手作りの演出と一生懸命さがスパイスとなりなかなか素敵な旅の思い出！ふるまわれた捌きたてのマグロをいただいたけど、そこはキハダマグロ、、、ちょっと大味で（笑）ハマチと鯛のうまさにはかないませんでした。そこに徳島名物のスダチをひと絞りすれば絶品！お刺身定食3人前分くらい？？大量にいただき大満足。
鳴門金時、阿波尾鶏、鳴門鯛など地元ブランド食材をちりばめた料理の数々に大満足。そして小さな鉄鍋に具材がセットされて、テーブルの固形燃料コンロで頂く一人鍋。鯛のアラの出汁で頂く海鮮の鍋と、鶏の鍋には鶏ガラの白湯を注ぐ。派手さはないがしみじみ旨い。

結果食べるもの食べるものみんなおいしく大満足。最初の印象は何だったのだろうか？「バイキングに旨いもの・・・」いやいや、あるよ！あるある！！大ありで結果大喰らい！！！娘！君は正しかった！！こんなバイキングなら父はいくつでも大好きだ。。。翌朝も大満足。朝から食べ散らかして結果昼めし食えず（笑）
経営が変わりF＆Bのテコ入れに相当力を入れているのだろう。高度成長からバブル期にかけてオーバーストアに開発された地方都市の観光ホテル、ゴールデンルート、ドラゴンルートや九州の一部などインバウンド特需で持ち直している地域とそうでない地域。この地域から淡路島にかけては高松空港INのインバウンド需要を狙うホテルもあるけど、高松ルートは数が少ないので恩恵を受けているホテルは限られている。こちらは滞在中、ほぼ日本語しか聞こえてこなかった。
目の前に広がる海とスケールの大きな鳴門大橋という素晴らしいオーシャンビュー、紅白で全国に脚光を浴びた大塚美術館。このエリアは日本人観光客に対する魅力的なコンテンツがあふれている。そして、その最たるものが豊富な海の幸と山の幸。この恵まれた「食」をウリにする事に力を入れるという戦略は素晴らしい！この先どのように評判が上がっていくのか楽しみだ、また娘夫婦と孫に会いに来る機会があれば、こんどはこのホテル指名で泊まりたい。