洗練された田舎料理 : 寒井観光余一やな

　家族旅行で那須方面に行った際におじゃましました．平日の１３時４０分頃です．
　はじめは『丁子屋』でウナギを食べようと思っていたのですが，予約で満席！　『ウナギがダメならアユをいってみようか』ということで，『食べログ』で検索して見つけた店です．

　店は，県道３４号線から，那珂川沿いの脇道を少し入った場所にあります．脇道には看板・幟が出ており，それらが県道から見えるので，スグにわかると思います．
　川と緑に囲まれた気持ちの良い環境です．

　新し目の平屋で，スッキリした外観です．
　建物の前に，２０台分くらいの広い駐車スペースがありました．

　店内は広く，木材が多用されています．窓が大きく，天井が高いので，開放感がありますね．毛針柄の壁紙が可愛らしかったです．
　店内には４人がけのテーブル席が３〜４卓と，囲炉裏周りの座卓席（板の間）３〜４卓ありました．あと，川沿いのテラスに，４〜６人がけのテーブル席が５卓くらいありました．自分たちは店内のテーブル席に着きました．母と姉が日焼けが気になるんだとか（苦笑）．
　テラスからは那珂川が良く見え，川風が心地良かったです．アユ釣り（友釣り）の釣り人が５〜６人見えました．テラス直下には小川が流れており（那珂川から引き込んだと思われます），アユ（？）の稚魚がたくさん泳いでいました．また，クレソンの花が満開でした．
　なお，店名にある『やな』は設置されていませんでした．ご主人に聞いたところ，『やな漁』の時期は８〜１０月末だそうです．

　平日のハンパな時間だったせいか，客は自分たち以外に２組しかいませんでした．いずれも年配の男女グループでした．
　スタッフもご主人（？）しかおらず，調理・接客をひとりで担当されていました．意外にお若く，また，気さくで気のきいた方でした．

　メニューには，アユ料理類・ジビエ（シカ・イノシシ）料理類・ウナギ料理類・蕎麦類・釜飯類・野菜料理類・デザート類等があります．なかなか魅力的なラインナップです．持ち帰り用の料理もありました．
　値段は，一部を除き手頃だと思います．

　４人でおじゃまして，「あゆ塩焼き（１尾）４００円」×６（自分はコレを２尾）と，「あゆ釜飯セット １,４５０円」（コレも），「白釜飯セット ６００円」×２，「なす田舎煮 ４００円」×２，「とまと だしゼリー掛け ４００円」×２を注文しました．
　なお，注文はカウンターで行います．１５〜３０分後に運ばれてきました．塩焼きと釜飯はやや時間がかかりましたが，仕方が無いでしょう．

　「あゆ塩焼き」は，串に刺さったまま供されます．焼きたてアツアツでした．やや小型ですが，むしろ食べやすかったです．頭から尾びれまで全部いただきました．
　表面はパリッと香ばしく，身はフックラで，上々の焼き上がりです．アユらしい風味・ハラワタの軽い苦味が良い感じでした．塩加減もちょうど良かったです．
　今シーズンの初物でしたが，大満足でしたね．

　「あゆ釜飯セット」と「白釜飯セット」は，釜飯・赤だし・漬物で構成されています．釜飯は，食べ頃・アツアツのものが小釜ごと供されました．
　「あゆ釜飯」は，ご飯に，ザックリほぐされた焼きアユの身（頭・骨・内臓は除いてあります）とフキの煮物がトッピングされています．木の芽（サンショウの葉）が散らされていました．小釜の蓋を開けたとたんに，アユ・フキ・サンショウの香りが立ち上りました．また，ご飯には，良い感じのオコゲができていました．
　ご飯自体は薄味で，上品な味わいです．アユの風味がハッキリと感じられました．そして，フキの煮物の風味・やや濃い目の甘辛味が良いアクセントになっています．かなり旨かったですね．
　赤だし・漬物もキチンとしたもので，ちょっとオドロキました．

　「なす田舎煮」は，１本が食べやすく切られて供されます．針ショウガが天盛りになっていました．よく見ると，ナスには竹串を刺した跡が多数あり，丁寧に調理されていることがわかります．
　濃い目の甘辛味で，ナスの中心まで味が染みていました．コレだけで白飯がバクバク食べられると思います．

　「とまと だしゼリー掛け」は，（おそらく）湯剥きしてダシに漬けたトマトに，甘酸っぱいジュレをかけ，揚げた玄米・白ゴマ・木の芽をトッピングしたものです．美しい盛り付けでした．
　ひんやりしており，爽やかな味わいでした．玄米の食感・香ばしさが良い感じです．


　思いがけずイカした料理に出会うことができました．いずれの料理も，田舎の素材を生かして上品な仕上がりになっています．
　再訪することがあれば，ウナギ料理やジビエ料理を食べてみたいですね．