『 暹羅国綺談 』「シャコラ・エビラ・カニゴン南国の大決闘！」 : Sornthong Restaurant

バンコク来てるし、50オヤジ。
オヤジ1〜2号と忘年会を兼ねたオヤジ旅。
やって来た初日に早くも俺は大爆発 …

　　　　　　…　中略　…

コノレビュー書き終え、一息ついた年の瀬の或る日、突然神の啓示に打たれた50オヤジ。

｢　なぁ～オマエ～、最近いちびってんとちゃうか～？悔い改めなブログ停止ヤデ～！」

オォ～！神は偉大なり～！
神と供に約束の地を歩む為、忽ち悔い改める50オヤジ…
神よ、私は罪深い子羊デス～！怒りに任せ冒涜の言葉を吐いてしまいました。
御赦し下さい～！

「エッ？許さへん？エライすんません…コナイなとこで、どないだす～？」


　　　　　…ってコトで再び中略。


ハァハァって,コーフン覚めやらぬ50オヤジは、オヤジ共を引き連れ
《 ソーントーンポーチャナー 》にやって来た。

ココは、前にバンコク来た時に嵌ったトコ、シーフードが旨い人気店だ。
まだ早い時間なんで、店内は満席だけど外席にはまだ余裕がある。
オ〜、ラッキー！
冷房の効いた店内より、暑い外席の方がタイらしいじゃん。
んでも、冬の東京から、いきなり31℃のバンコクの暑さは、オヤジの身にはチョイきつい〜。
ジッとしてても、汗が噴き出る …
ってコトで、先ずはビール！ビール！ビール！
タイのビールも色々呑んだけど、俺達的には、やっぱ《 SINGHA 》が一番相性がイイ。
先ずは、キッチリ冷えた《 SINGHA 》で、旅の安全を祈ってカンパ〜イ！
（ って、早速トラブっちゃったけど … ）
黄金色のソレをゴッキュ！ゴッキュ！と一気呑み！
クゥ〜！ウメェ〜！
渇いた身体に染み渡る〜！
なんか、細胞一つ一つが「 父ちゃん、ウメェよ〜！」って喜んでるゼ！
やっぱ、《 SINGHA 》日本で呑むより、現地呑みが最高でんナ〜。
んで、注文は俺まかせのオヤジ共、前回旨かったモノを見繕ったゾ。

● 揚げシャコ（ 正式名は、よ〜ワカラン ）

ココの名物料理の一つ。
入口横の水槽で泳いでるココのシャコは超デカイ！
日本のシャコとは、全然違う大きさ。（ 香港なんかも同じ種類のモンあるよネ。）
大皿に素揚げされた巨大蝦蛄に揚げニンニクがドッサリ乗っかってるシンプルな料理だ。

「 なんか〜デカイ虫みたいで気味ワルいです〜 」

早くも逃げ腰オヤジ1号。
コイツは自称タイ好きオヤジ、今まで何回か来てんのに、
日本食か日本人向けタイ料理しか喰ったコトが無い根性ナシだ。

「お前ヨ〜、蟹・海老・蝦蛄の甲殻類は、海の中の虫みたいなモンだゼ。
蟹・海老は好きなんだろ？だったら一緒だから喰ってみろって、絶対ウメェからさ。」

んで、俺も早速イッてみる。
オォ〜！やっぱウメェ〜！
海老とは違う淡白な食感だけど、滋味深い味わい。
揚げニンニクが効いている。
付け合せの酢ダレとも相性がイイ。
コレは箸なんかじゃ喰い辛い、手掴みで身をせせるのが一番だゼ！
なんか前回よりも揚げがイイのは、気のせいかしらん？
フッと見ると、オヤジ1号未だ躊躇している …

「 オイ！早よ喰え！残すんじゃねーゾ！」って、半分脅迫50オヤジ。
観念したオヤジ1号が、恐る恐る口に入れたと思いねぇ…

「 アッ、なんか旨いです〜！」

「 だから旨いって言ってんじゃねーか！」って、勝ち誇る俺。

その後、堰を切ったように蝦蛄を貪るオヤジ1号は、人の分まで喰い尽くす勢いだ。
オヤジ1号よ、喰わず嫌い一つ克服できて良かったナ。

● 青菜炒め

何種類かある内、テキトーに選んだ。
南瓜の茎炒めだって、コレは珍しいナ〜。
ひと口イッてみると、しっかりとした独特な食感と微かな苦味が最高だ！
ニンニク＋プリッキーヌー（タイ唐辛子）＋出汁も絶妙じゃん！
コレは、旨いナ〜。

「え〜、カボチャの葉っぱっスか〜？」

今度は、オヤジ2号が躊躇した。
肉好き野菜嫌いなオヤジ2号、チョイ引き気味だ。
さらにオヤジ1号が、

「ソレ.辛くないですか？僕、辛いのチョット苦手なんですよね〜。」
（ お前ヨ〜、今迄タイで何食べてたの？）

コ、コイツら〜、好き嫌い言いやがって〜！

「あんな〜お前ら、イイ歳かっぱらって、海外来てまで喰わず嫌い言うんじゃねーヨ。
お子様じゃないんだからさ。
世界にゃ、ソノ日のメシに苦労している人達が多勢いるんだゼ。
喰う前から好きだ嫌いだなんて、そういう人達に申し訳無いだろ〜。
辛いんだって、その土地の気候や環境に理由があるんだからさ。
その土地のモノ喰うってコトは、その土地の文化を理解するコトなんだゼ。
理解するコト拒否してたら、旅行する意味なんてナイんじゃネ？」
って、懇切丁寧な50オヤジの教育的指導。

「わ、わかってマスって〜！ちょっと言ってみただけですヨ〜！」

コイツら付き合い長い分、教育的指導の影に隠された、
俺の怒りの火種が燻り出したコトを敏感に嗅ぎ取った …
（ さっきのタクシー騒ぎのあとだしね〜 ）

「んじゃ、騙されたと思って喰ってみなヨ。
今まで俺がウマイって言って、外したコト無かっただろ〜？」

「ソレもそうっスネ。んじゃ、いただきます〜。」

恐る恐る食べ始めたオヤジ1号2号。
それ以上は何にも言わずに黙って見てると、奴らの目付きが変わって来た。
やっぱ、アカンか？って思ってたら、

「50オヤジさん、僕らが悪うございました。めっちゃウマイっス〜！」

オォ〜そりゃ良かったナ〜。
その後、奴らは凄い勢いでガッツ喰い。
青菜炒めは、気がついたら無くなってた。
オイ！俺ひと口しか食べてナイし …

● プーパッポンカレー

さぁ、メインイベンターの登場だ！
ココの看板料理だゼ！
ノコギリガザミって種類のデカイ蟹や、卵と玉葱なんかの野菜をココナッツ風味のカレーで炒めたモノ。
大皿に盛られてドド〜ン！と運ばれて来た。

「オォ〜！スゲ〜！」

初めて見るオヤジ1号2号、大コーフンだゾ。
俺も久々で、超ウレシイ〜！
渡り蟹なんかに比べて、身がギッシリ詰まっている。
当然コレも手掴みだゼ！
オッ？なんか味付け変わってる。
前回よっか、超旨いゾ！
見た目はドギツイが、はんなりとした蟹肉と旨味たっぷりのカレーがイイカンジ〜！
コレは堪らんゼ〜！
玉葱もシャキッとして、カレーとの相性抜群じゃネ？
三人とも、手がギトギトになるのも構わず、一心不乱に喰い進む。

「50オヤジさん、超ウマイっス〜！」

オヤジ1号2号、大感激だヨ〜。
蟹を喰い尽くし、カレーもスプーンで最後のひと匙まで奪い合い。
皿まで舐めそうな勢いだゾ！

● 揚げ海老

蝦蛄・蟹と来たら、やっぱ海老喰いたいじゃん？
ココの海老料理も有名だからネ〜。

写真メニュー見て、テキトーに頼んだ一品。
素揚げした海老に揚げニンニク＋パクチーの茎の荒みじん＋プリッキーヌーの小口切りが乗っかっている。
さっきの蝦蛄と見た目被るけど、コレは全然違う味わいだ。
パクチーの風味とプリッキーヌーの辛味が効いている。
コレも香ばしくって超ウメェ〜！
ビールと共に喰い進む。

（ 揚げニンニク＋パクチー荒みじん＋プリッキーヌー小口切り ）
揚げモンや炒めモノに、この組合せはイイなぁ。
今度、家でも作ってみる。
タイメシのレパートリー広がりそうだゼ〜！

ココまで、コーフンして喰い倒したオヤジ達。
フッて気付けば、外の熱気とプリッキーヌーの辛さで、滝のような汗が吹き出している。
でも、なんだか爽快汗だくオヤジ。
追加《 SINGHA 》をゴッキュ！ゴッキュ！と呑み干し、プハ〜ッ！ってやると、
バンコクにやって来た実感が改めて湧いて来た。

なんか幸せ気分の俺 … 辛いの苦手なオヤジ1号も汗だくだ。

「 いゃあ〜辛いけど、気持ちイイですね〜！」
そうか、そうか、良かったナ〜オヤジ1号。

「ホント、コノ店ウマイっス〜！なんか、もう一品喰いたいっス〜！他にウマイの無いっスか？」

畏まりましたオヤジ2号様。
全て50オヤジめにお任せあれ〜。

● オースワン

要は牡蠣の卵とじ、モヤシの上に乗っかっている。
結構ドコでも有るポピュラーな料理なんだけど、店によってはイマイチなトコも有る。
ココのは、以前イイカンジだったんでお願いした。

鉄板に乗っかって御登場。
ジュウジュウいわしてまんがナ〜！
早速、一口 …

アレ？なんか、以前よりウマイんじゃネ？
前は、も少しトロっとしてたよナ？
モヤシがシャキシャキして、卵の食感が全然違う。
コレはイイなぁ！
如何でしょうか、オヤジ2号様？

「 モヤシが超ウマイっス〜！」
（ お前、野菜嫌いだったんじゃ？）

コレもアッという間に喰い尽くし、お腹イッパイのオヤジ達は大満足だゼ！
シャコ・エビ・カニ超絶旨かった〜！

コノ店、以前より確実に旨くなっている。
なんか、味わいがワンランク上ったナ。
機会があれば、また来たいゾ！

さて、コレからどうする？って、オヤジ共とご相談。

「 いやぁ、僕らノープランだから、50オヤジさんにお任せしますよ〜。」

「 なんだよ、お前ら海外来てんだから、少しは下調べして来いよナ〜！
んじゃ、少し歩くけど、近くに面白そうなBARが在るから行ってみっか？」

（ さてはコイツら、最初から俺にオンブするつもりだったナ〜？）


ノープラン汗だくオヤジ共を引き連れた俺は、今後の旅に一抹の不安を抱えながら、
ソイ スクンビット 24 通りをプロンポン駅を目指し歩き始めた …