2回
2017/09 訪問
金針菜(キンシンサイ),ホンカンゾウの蕾、わすれぐさ入りの四川担々麺おすすめセット。あいば(愛知県豊田市)。日本風汁有タンタンメンを食す。
「本格的」「本物」という表現が正しいとすれば、なにを持ってして“本格的”“本物”というのかを明確にする必要があるように思っています。これは長く表示や表現についての言い回しについてこだわってきたことによる悪習なんですが、今回の実食についてかなり“本格的”な料理であるという印象を受けました。
どのように本格的なのかは下記の通り。
『中華、特に四川料理を日本的味付けにアレンジして、多くの日本人の嗜好に合うように調理・味付けした日本的中華料理の先駆者である陳健民に師事した料理人が、長く勤務した鉄道・百貨店系中華レストランに務めていた時期に、その料理人の下で修行した当店ご主人が『陳建民→田恭平」と受け継がれたDNAをさらに当地(愛知県西三河地方)の嗜好にあわせながら、本人の創意と工夫でアレンジした四川風中華料理。材料、特に調味料は本場四川で使われている中華調味料を用いているため、日本にいながらにして、四川料理の風味を日本人の嗜好にあった味付けで堪能できる』
by食彩品館.jp
ここで、お断りしておかなければいけないのは、四川料理を中華人民共和国上海市や浙江省杭州市等、四川省以外の都市で29年前~25年前に10数回程度食べただけの経験で語っています。
すなわち本場の四川省では食べていないのです。ただし、29年前に食した上海の高級ホテルの四川料理は現地駐在員の方(四川省成都で勤務経験有)に言わせると「上海の四川料理店で、ここより現地(四川省)の四川料理を再現できている店はない」ということなので、かなり“本格的”な四川料理だったと思っています。
その“本格的”な四川料理は辛すぎてとても私には食べることができませんでした。当然、2回目以降は私でも食べることができる程度の辛さの料理を選択してもらうことで解決できたのですが、今でも“本格的な”麻婆豆腐の辛さ(案内していただいた方は「陳麻婆豆腐店より辛い」と言ってましたが)のキツかったことをかすかに記憶しています。
ということで、冒頭で“本格的”と表現したのは『』の内容に対して本格的と言う表現を使わせていただきました。
★「おすすめセット」1,100円(だったかな?)
メインの麺は汁有、汁なし等から選択できます。今回は汁有担々麺を選択。
上に金針菜(キンシンサイ)が乗せられています。ユリ科ワスレグサ属ホンカンゾウの蕾ですが、金針菜はホンカンゾウ、ヤブカンゾウ、ノカンゾウを乾燥させたものです。
インゲンのようにポリポリとした食感。心配事をすべて忘れる程、美味しいことから、「忘優草(ぼうゆうそう)」と表現されることもありますね。漢方薬にも使われます。
このあたりで“本格的”な鉄道・百貨店系中華レストランで修行されたということがわかります。
その他、八角や花椒の香辛料の香りや風味、そして芝麻と辣油の使い方。どっかで一度、この味を体験したことがあると記憶と記録をたどると「桂花(名古屋市)」を思い出しました。
・2013/12/30中国料理 桂花(名古屋市)
http://食彩品館.jp/?p=9730
麺は細麺で独特の食感があります。このあたりも最近のラーメン店系担々麺との違いか。
サラダも中華風ドレッシングを使い、デザートも手作り感ありですが、珍珠丸子(糯米肉丸)が出された時は思わず「オッ」と声を出してしまいました。肉団子のもち米蒸し。大好物なんです。
結論として、価格設定が原材料に対して低めに抑えられていて、売価に対する原価率が高そうだな(すなわち、コストパフォーマンス的に良)という印象。
通りがかりの中華料理店でたまたま飛び込んだのに、このレベルの料理をいただけた幸運に感謝。
ちなみに当日は平日で入店時間は午後13時。ピーク後のために客は先客2人1組。てっきり不人気店に入ってしまったかと少し後悔したものの、私が入ってしばらくすると3組6人が入店。ホッとしている時にこの料理がでてきたので脳判断の印象度は普段より少し増幅されていることを付け加えておく。
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●あいば(愛知県豊田市)
愛知県豊田市和会町南屋敷34-1
℡0565-25-9878
ランチ 11:00 〜 14:00(L.O)
ディナー 17:30 〜 20:30(L.O)
定休日
毎週水曜日、最終火曜日の夜
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以下の記事のリンク紹介は↓
http://wp.me/p66ssl-eUW
◇担担麺に関する記事
★・2013/12/30中国料理 桂花(名古屋市)担担麺
http://goo.gl/9Kgf0F
・2013/06/02本丸亭安城店で豚骨担担麺(安城市)
★・2014/07/16城北飯店でふかひれつゆそばランチを食す
http://goo.gl/E3YFZU
★・2014/12/28城北飯店で上海蟹(岡崎市)
http://goo.gl/nno65E
・2015/03/20拉麺みやち家(安城市)黒担担麺
・2015/11/08担々麺こころ家長久手店(愛知県長久手市)
・2016/03/13美杏(ビアン:愛知県あま市)担担麺
・2016/11/27担々麺はなび安城店(愛知県安城市)
・2016/12/04コク技!咖哩担々麺。浜木綿豊田店(愛知県)
・2016/12/11包子(パオズ:愛知県岡崎市)担々麺
・2017/10/09あいば(愛知県豊田市)四川担々麺セット
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以下の記事のリンク紹介は↓
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◇中華料理に関する記事
・2008/08/30 さそりを食す(中華人民共和国山東省にて)
・2010/08/01リーガロイヤルホテル堺「龍鳳」 (大阪府)
・2010/09/25長崎観光センターマリア館(長崎市)
・2012/01/21味仙日進で台湾ラーメン(日進市)と中国のこと
・2012/07/14マルナカ中国麺飯食堂 (愛知県蒲郡市)
・2013/03/07中華食房 石狩(岐阜県可児市)
・2013/12/30中国料理 桂花(名古屋市)
★・2014/07/16城北飯店でふかひれつゆそばランチを食す
http://goo.gl/zHE768
★・2014/12/28城北飯店で上海蟹(岡崎市)
http://goo.gl/OOhHcQ
・2015/09/05中華そば・大衆食堂 新京亭(長野県飯田市)
・2015/10/10中華・卵料理のお店 卯龍 う~ろん(愛知県)
・2015/11/28味覚亭(安城市)中華そばと味覚飯
・2016/04/17北京本店(愛知県安城市)王道セット北京飯
・2016/05/31好呷(Ho-ja)台湾屋台料理(愛知県岡崎市)
・2016/12/11包子(パオズ:愛知県岡崎市)担々麺
・2017/06/10昇龍岡崎八帖店(愛知県岡崎市)
・2017/10/09あいば(愛知県豊田市)四川担々麺セット
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2017/10/08 更新
時折、中華を日本の料理、中国料理を本土の料理とする場合もありますが、食彩品館.jpにおいては中華料理で統一して表現することにします。
中国の料理は「八大菜系」として区分されている。
すなわち山東料理、江蘇料理、浙江料理、安徽料理、福建料理、広東料理、湖南料理、四川料理だが、地域名称(省名)で区分されている通り、地域により食材、味付けが異なるものの、基本は「焼く・煮る・炒める・蒸す」。
当方、中国国内で現地料理を食した経験としてはさほどないものの、一応は山東料理、江蘇料理、浙江料理、安徽料理、福建料理、湖南料理を各省内の飲食店で、残りの四川料理と広東料理は上海で食している。その他東北・華北方面としては大連あたりで。
↓ 浙江省 杭州市 楼外楼 ここは“本格的”
(この部分は食彩品館.jp記事を参照)
https://wp.me/p66ssl-rY2
特に、浙江料理は馴染があり、今でもすっぽんや田うなぎの映像を見ると、独特の匂いの調味料ともども毎食出てきて辟易したことを思い出してしまう。
↓ 1989年 浙江省の山奥
(この部分は食彩品館.jp記事を参照)
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↓ 1989年 上海→杭州電車内食堂にて
(この部分は食彩品館.jp記事を参照)
https://wp.me/p66ssl-rY2
食材としても日本人が嫌がるであろうことを期待して現地の人がわざと出してくれる食材、ヘビ、サソリ、アヒルの舌等々、いろいろなものを食した。
↓ 1996年青島市 サソリ
(この部分は食彩品館.jp記事を参照)
https://wp.me/p66ssl-rY2
一番の苦手は「臭豆腐」。通訳の人は「腐豆腐」と訳していたが、豆腐を発酵させたもので、たしか寧波(浙江省)で食べたと思う。一口食べたら、もう次の料理を食べられなくほど強烈な食体験でした。
最初に訪れた1989年頃は日本人が入境してはいけない地区が多かった上、今のように日本人向けの料理が提供される場所は少なく、出されたものを食べるしかないという状況。
そんな中で、これは食べられる(美味しいという意味ではなく)という料理を見つけ出してはそればかり注文していました。
山奥に行けば行くほどそうなんですが、例えば、玉子と野菜を使った料理は大丈夫(食べられるの意)とか、チャーハンはどこでも大丈夫といったような具合に、何回か訪れる毎にわかってきます。
当時でも、上海や杭州等の大都市で有名な料理店でも口に合うかどうかが微妙な時があったのですが、間を10年ほど開けて訪れた1990年代後半から2000年になると、健康を意識した薬膳中華料理や、日本人向けの中華料理を出す店が増えていたことに驚き、特にビールが冷えていることに感動しました。生ビールまであって超感動。
街にも紺色の人民服を着た人はいなくなりました。
↓ 中国各地の産地風景 1989年~1996年撮影
(この部分は食彩品館.jp記事を参照)
https://wp.me/p66ssl-rY2
よく、「本格的な中華」という表現をする場合でも、上記のような体験をしているので、「本格的(中国国内で食す現地食材と調味料を使った料理)」と聞くとあまり良い印象がないのです。
で、何故、日本でも中華料理が人気かというと、日本人の味覚や嗜好にあわせてアレンジした料理人がいたわけで、例えば、四川省出身の陳建民が作る四川中華料理(エビチリ、麻婆豆腐、担担麺)は広く浸透しています。
ちなみにですが、私が30年以上前に上海の一流ホテル(今でいうところの5ツ星)食した“本格的(現地通訳談)”四川料理の麻婆豆腐や担担麺は辛すぎて食べることができませんでした。
当時、ご一緒した四川出身の方に言わせると「それでも、上海人に合うように辛さ押さえめ」ということなので、“本格的”はさらに辛いんだろうなと。
今回、食した中華料理店の「あいば」は陳建民→陳建一氏系譜で、日本人に合わせた中華料理を、さらに自店のアレンジを加えて提供してくれる店です。
尚且つ、リーズナブルで家庭的な雰囲気もあるお気に入りの中華料理店。
豊田市に隣接する岡崎市にも陳建民→陳建一系譜の城北飯店があるが、そちらよりもさらに家庭的な印象の料理を提供してくれるのが嬉しい。
今回も前回と同じく「四川担々麺セット」をオーダー。
茉莉花茶をチヒチビ飲みながら待っていると、すぐに提供してくれました。
辛さもさほどではなく、“美味しい辛さ”で、無理なくいただけます。
漢方薬剤を想像させる調味料もしっかりと調整・調合され、本家中国で修行したプロの料理人が日本人の嗜好にアレンジして、さらにそれを自店の味に仕上げる・・・そういった努力をし続けている店だと感じました。
グッジョブだと思います。
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●あいば(愛知県豊田市)
愛知県豊田市和会町南屋敷34-1
℡0565-25-9878
ランチ 11:00 〜 14:00(L.O)
ディナー 17:30 〜 20:30(L.O)
定休日
毎週水曜日、最終火曜日の夜
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◇全国のラーメンに関する記事一覧
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