たかはしよしあきさんが投稿した中華そば屋 伊藤(東京/王子神谷)の口コミ詳細

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たかはしよしあき (30代後半・男性・東京都) 認証済

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中華そば屋 伊藤王子神谷/ラーメン

1

  • 昼の点数:4.8

    • ~¥999 / 1人
      • 料理・味 5.0
      • |サービス 5.0
      • |雰囲気 4.5
      • |CP 5.0
      • |酒・ドリンク 4.5
1回目

2016/02 訪問

  • 昼の点数:4.8

    • [ 料理・味5.0
    • | サービス5.0
    • | 雰囲気4.5
    • | CP5.0
    • | 酒・ドリンク4.5
    ~¥999
    / 1人

ラーメンというコンテンツ消費かつコミュニケーション消費物を極めた逸品

王子にある中華そば屋 伊藤の肉そばを食べた。
結論。ここがあらゆる意味で最強のラーメン屋。
コンテンツ消費、コミュニケーション消費、物語消費、カロリー消費において最強すぎる。
そして、ラーメンというコンテンツにも、原理主義ではないハイコンテクストな文脈主義が成立するのに驚愕した。

1.ラーメン(コンテンツ消費)
煮干し系ラーメンで、一口食って苦いなぁと思ったが、ネギで臭みは消えていた。
チャーシューを食べるうちに脂で苦味が消えていき、苦さと脂の甘さが絶妙なバランスで美味さを成立させていた。
一口目と最後の一口で味が違うというか、食べるごとに苦味と甘味のバランスが変わっていく不思議な味が病みつきになるし、苦味も必要な苦さなのだと納得。
麺もシコシコしてて美味いし、チャーシューだけでなく麺の味も煮干しの苦味と合わさって絶妙な美味さを成立させている。
そしてこの美味さは、ラーメンは脂と炭水化物が全てだからコッテリ脂の豚骨醤油ラーメンが最強!という、家系ラーメンが好きで若者系の舌しか持っていない人には理解しづらい味だと思う。
ラーメンはファストフードなんだからジャンキーであるべし、脂が美味しいのだ、という原理主義的アメリカ文化的な消費のされ方には勿論100%同意する。が、その一方、ラーメンというものを、作品と捉え、わかる人にだけしかわかってもらえない最強の味、という文脈主義的なものと捉えることもできるのか、と思い知らされた。
もう30になったからなのか、幸い食べた瞬間に作り手のこだわりが伝わってきたし、ミシュランに載る理由もわかった。
誰が作っても一定の味になる大量消費社会のアメリカ文化的な、マック的な製造方法と全く違い、非常に繊細な味だった。
だから絶妙なバランスだとおもったし、このバランスは一瞬で崩れるほど危ういものだとも思った。
多分煮干し系ラーメンがそういうジャンルなんだと思う。
食べログ4.21、八王子の圓という煮干しラーメンも、あまり並ばずに入れて、味もあまり美味しくなかったのは、あれは主人だけが繊細な味を実現できるのと、その芸術的なラーメンを理解できる人が少ないからだと思う。
今回の店も、実は客がゼロだった…笑
ええーー!って思った。
その話は次で。

2.客がいなくて驚いた(コミュニケーション消費)
店の前に行って、行列ゼロでラッキー、と思ったら、店内も客がゼロだった。
あれ?店間違えたかな?と思って見回したら、ミシュランとか雑誌とかトロフィーとか飾られていて、やっぱりここだよな、なんで客いないんだろう、と思った。
その理由は上記の通り、わかる人にしかわからないラーメンだから。
そして、こんなに美味しいラーメンが自宅から電車で5分圏内にあり、行列に並ばずに食べられることの喜びは計り知れない。
コンテンツは質と距離の掛け算で算出されるとすると、質が高く距離も近い、自分には最強のラーメン。

3.王子から世界へ(物語消費)
北区の王子という、決してど真ん中の都会ではない、それどころか街自体が高齢者がほとんどという高齢都市の、高齢化した商店街にポツンと存在する一軒のラーメン屋が、世界を極めた人にしか与えられないミシュランをゲットしているという物語が凄い。
商店街には餅つき大会で超行列が出来ていて、その後ろに総菜屋でまた行列ができていて、さらにその後ろにラーメン屋があってそこに客はゼロという、食べロガーからしたら異常な環境。
ミシュランや食べログがなければ王子なんて絶対こなかったし(来てみたら意外に愛着湧いた)、そういう、場所が文化を発信するのではなく、ラーメン(文化)というものが逆に王子という場所を発信するものとして機能している現象が面白かった。
これで高齢化した都市に大量の若い人が食べログパワーで流入してきたとしたら面白いのだけども。

4.アクセシビリティ(カロリー消費)
お店が王子駅から徒歩20分強という、強制的にウォーキングイベントが発生するような場所にあるので、だいたい往復で50分弱、7000歩で距離的には5キロ運動せざるをえない。
7000歩というのは、人間が健康的な身体を維持するのに必要な1日の歩数で、それをラーメン食べに行くだけで達成できる。(10000歩ではないらしいのです)
しかも途中で歩道橋乗降イベントが2回発生するので、意外とハード。
ラーメン食べると太るという抗えない事実に対し、強制的に歩かざるをえない環境に身を置くことでカロリーの何割かをキャンセルするという、アーキテクチャの力を発動できる、場所的にも最強のお店。
ということで、ラーメンも距離もエリアもカロリーも全て噛み合った完成されたラーメン屋でした。

2018/07/13 更新

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