2回
2020/08 訪問
名古屋から訪ねました!
名古屋からは比較的近いですが、まず立ち寄るような機会の無い焼津という土地、そして駅から徒歩20分くらいの距離に古めかしく立派なお屋敷が構えます
暖簾をくぐるとなぜか一旦外に案内され、趣味良く整備された庭を通って反対側の入口より席に着きます
この気の利いた儀式により、お屋敷の大きさを伺い知ることができます
すぐに感じたことは、店主がお若いということ
一見柔らかそうな印象ですが、料理に対しては厳しい目をお持ちなのだろうと、気配から感じ取れます
もうお会いした瞬間料理への期待が跳ね上がりました
ところでメニューにありさえすれば注文するジンジャーエールですが、こちらの自家製をすこぶる気に入りました
安価ですしオススメですよ!
さて、2品目は席に着く前から店主が目の前で剥き剥きしていた希少などうまん蟹です
味付けは何もしていませんが、蟹本来の味が強く、まず序盤で食材の地力の強さを見せつけられました
しかし、それだけで終わらないのが温石さんの凄みです
食材頼りの淡白な料理ばかりで無く、しっかり調理の腕が光っていました
落花生風味の豆腐、イカ飯、緑ナスの揚げ物など、心底感激しました
特に緑ナスは半ばスイーツを食べているかのようにまろやかで、衣の歯触りも火入れ加減も抜群で、大好きです
鯛の刺身や金目鯛の焼き物などはシンプルに食材の質を披露する場面だったのでしょう
金目鯛は皮がこれ以上ないほどパリパリの心地よい食感で、しっとりとして甘い身も含め、悶絶級のお味でした
手を加えるも加えずも、良い食材を旨い料理として提供する技術が高いと思います
バランス型の若き天才、そんな風に感じました
良い食材は、こういう料理人にこそ渡ってほしいです
極め付けは、これほどの感動を得ながら破格とも言うべき料金です
永く通うべきお店をまた見つけました
そして食事が終わると、最後のお抹茶に移るのですが、店主の空気が明らかにガラッと変わりました
目の前のこちらも緊張感を強いられますが、ここから全力の点茶を見届けます
最初から最後まで風流なお店です
どうやら温石さんもまた、本湖月さんや白さんと同じく、独自の哲学をお持ちのようですね
2020/09/12 更新
名古屋と東京のほぼ中間に位置する漁港の町、焼津には凄まじい料理屋があります!
今年、僕が最も感銘を受けた料理屋はここで間違いありません
今回は8月以来2回目の訪問となります
そして8月以来、再び大きな感動を得ていささか困っております…
どうしよう、近いし安いしもうここだけでええジャン・・・なーんて一介の食道楽にあるまじき邪な考えさえ沸き立ちます
ある意味それが正解かもしれませんが笑
身の丈に合わないお店ばかり目指していますが、そりゃ高けりゃ美味いに決まってますよね?
でもそんなの僕みたいなパンピーに、いつまでも続けられるわけがありません
実際、今年は100万円以上の大赤字で、僕のこれまでの人生でこんなにイカれていた時期は他に思い出せません
そのため本来は、温石さんのような手軽で美味しいお店を見つけねばならんのです
距離さえ無視すれば、奈良の白、福島の小判寿司、兵庫のあーぼんなどこれまでにもいくらか見つかりました!
そんな僕にピッタリのお店の一つ、大阪の火ノ鳥は今後一切予約できなくなり、未だに落ち込んでいますけど。。
ということで、来年の抱負は、持続可能な即ちサステナビリティのある食生活を送りたいと思います!笑
目指すは第二の温石っ!?
さて、いつも長々とつまらない前置きをすみません
こちら温石さんは、もうほとんど変態と言っても差し支えないと思います(中傷的な意味では無く、、、)
なぜこのコストでここまで素晴らしい料理を振る舞えるのか、理解不能だからです
そのような料理を単騎で仕上げるのは、これも天才と言って差し支えないであろう若き板前さんです
今までにも発想が天才だなと感嘆した板前さんはいますが、この方の場合は、その調理技術が天才だと思えます
目の前で正に孤軍奮闘、素早い身のこなしで、ただし慌ただしい様子でもなく、次々と調理工程をこなしていきます
包丁使いながら、焼き物見つつ、鍋に火をかけ、輻輳する工程を一部の狂いも無く自在に操るその隙無き姿は…
これぞマルチタスク型の超人、これぞ天晴れな天才調理師
なぜこれほど目まぐるしく調理を並行させながら、焼き魚の身の中がしっとりと脂が滴り落ちる最適な加減となるのか…
不思議です、意味不明です、やっぱり天才は理解不能ですっ!?
こんな凄まじい料理人が僕と同年代という第二の衝撃っ!?
この日は焼津おでんに鯖寿司、そして黒ムツとアオリイカの刺身と続き、椀物の内容はメバルとユキタケとなります
あさはた蓮根のかき揚げに赤座海老の塩焼き、白グジの焼き物に箸休め、2kgくらいの大穴子でクライマックスを迎え…
〆は松葉蟹の蟹味噌和えご飯に、大きめハマグリと椎茸の炊き合わせご飯で感動のフィナーレです
いかがでしょうか、食材だけ見ても、これが一万円台と思えますか??
黒ムツの脂のノリが堪らないッ!
蓮根のかき揚げのサクサクの表面が堪らないッ!
僕の知ってる穴子とは異なる大穴子の弾力が堪らないッ!
そして知名度あるグルメな有名人も絶賛の自家製ジンジャーエールが堪らないッ!
うわぁ好き過ぎる、好きになり過ぎてしまう、困ったもんです。。
かのダイソンさんも腰を抜かすほどの吸引力と、殿っ!このお茶を飲んではなりません的な中毒性があります
どなたもきっと困ったことになってしまうので、皆さま予約するときは慎重に…