3回
2021/01 訪問
名古屋から訪ねました!
2回目の訪問です
前回自分の書いた投稿を読んでみたら、必ず再訪するとか宣言しちゃってました笑
有言実行で安心しました
確かに、ミシュラン三ツ星さながら、こちらを目指して広島へ向けて発つ価値を感じます
こんなに離れていてもねっ!
なかしまさんの魅力と言えば、そりゃまずは料理です
全体的にオーソドックスな分かりやすい料理ばかりで、洋の食材で小粋がるような垢抜けた感じもありません
食材に頼り過ぎるでもなく、創意工夫に力を入れ過ぎるでもなく、中庸という言葉がピッタリでしょうか
無理せず素朴に美味しい料理を作ろうとする姿勢を僕は感じます
次に、食器への偏愛です
目で楽しめる年代物の器を多用していらっしゃいますが、それを一つ一つ丁寧に説明して下さいます
これはどこそこの人間国宝が作った物だとか、これはどこそこの時代のこういう器だとか、聞いてるだけで勉強になります
と言っても、僕みたいなのは瞬く間に忘れてしまいますが…
そして、女将さんのマシンガントークが炸裂!
底抜けに明るい女将さんは、この日も変わらず健在でした
前回は一年半も前に関わらず途中で僕のことを思い出したようで、堰を切ったように話し出してくれました
大将さんは最初から気づいていたそうですが、料理しながらもよく見ていらっしゃるんですね!
この大将さん、一人で全ての料理をこなしていくスタイルで、最初から最後まで息つく暇も無いほど真剣そのものです
どこかで見たなぁと思ったら、焼津の温石さんを思い起こします
食事中は会話する隙がほとんど無いのですが、終われば気さくに話し相手になって下さる親切な方です
ご夫婦揃ってお素敵で、このお二人のお人柄もこのお店の一流たる所以であることは疑いありません
こうして改めて写真を見返しても、食材と食器が調和して、目で楽しめる見事な鮮やかさです
それと共にここで過ごした愉しいひと時が鮮明に甦ります
料理の味さえ良ければいいのでは無く、こういう温もりのあるお店で、一瞬一瞬を色濃く記憶に残したい
一人で食べ歩くうち、一人で食事の時間を過ごすうち、お一人であってもそんな理想を持てる気がしてきました
これまではひたすら美味い料理を目指して来ました
これから何回も何回も訪れたくなるお店というのは、たぶんなかしまさんみたいなお店なんだと思います
ここは料理の味と共に、鮮やかな時間を記憶に残せるお店です
2021/01/23 更新
2019/07 訪問
名古屋から訪ねました!
2013年、2018年と連続してミシュラン三ツ星を獲得した中国地方唯一のお店です
2~3週間前にお一人で予約できましたが、土曜は取りにくいそうで、運が良かったです
店内はヒノキのカウンターや白を基調とした内装など、こだわりの美意識を感じさせます
また食器に対するこだわりが凄まじく、女将さんが一つ一つ丁寧に説明してくださり、その中で何人もの人間国宝の名前が出てきました
特にこの女将さんが強烈な個性の持ち主で、こんなに愉快で話し上手な方は他にいません
一見無口に見える大将も温和な方で、話してみると、とても気さくでいらっしゃいました
そしてこの日はとんでもないサプライズが・・・なんと白甘鯛が手に入ったとのこと
京都なんかでグジと呼ばれる赤甘鯛とは異なり、白甘鯛は食べたくても食べようも無い、信じられないほどのレア魚です
年に何度も入手できる代物ではなく、3kg級の大物は久々だそうで、なんという幸運に恵まれたことでしょうか
焼き物で頂きましたが、皮がパリッパリで香ばしく、身は柔らかくホクホクで、味付けなど不要です
とんでもないモノを食べたという充実感はこれのみならず、この日食べた料理すべてが最高でした
特に鱧が椀物、炙り刺し、釜飯と3品並び、改めて鱧って良いお味なんだなと実感できました
接客も心底丁寧で、残った鱧飯を包んで持ち帰りにしてくださったり、大将の父君自家製の絵はがきをお土産にくださったりと、快適極まる2時間半でした
料理、接客、空間、それらに対する高い美意識に、完成された調和を感じました
なるほど~これがミシュラン三ツ星なのか~と全会一致で納得です
ミシュランの定義では、そのお店を目的地に旅をする価値があるとなりますが、これには完全同意です
僕はいろいろなお店を巡りたいため、高級店で2回以上訪れることはまずありませんが、なかしまさんは必ず再訪します
2019/07/15 更新
3回目のなかしまさん
ここに来ると、いつもお腹だけではなく心も満たされます
なぜこんな遠方にそんな心安らぐ場所を見つけてしまったのか
いえ、遠いからこそ寂しさを覚え、次はまだかと焦がれ、そして着いては充足を得るのでしょう
秋田だの福岡だの名残惜しい土地はいくらかありましたが、広島はダントツで心の故郷です
ときに、ミシュランの三つ星店も何軒か訪ねましたが、正直僕とはあまり相性が良くないようです
それもそのはず、プロの舌の評価は僕の素人舌には馴染まないということです
当時、なかしまさんの大当たりでお店選びにミシュランを意識するようになったのですが、以降はパッとしませんでした
それでも、このなかしまさんは料理の質のみならず、接客や快適な空間造りにまで圧倒されます
これぞザ・三つ星はと問われれば、僕に言わせて頂ければ、なかしまさんこそ三つ星中の三つ星です!
三つ星の真価を肌身に感じたければ、どうぞ広島までおいでなすって下せぇ
さて、この日はタイラギの炙り刺しがまず目を引きました!
とにかくデカい貝柱ですが、鮮度が確保されておりクセは無く、ペロっと食べちゃいました
そして鰻とノドグロの焼き物が続きましたが、なかしまさんは焼き物がホントに美味いっ!
鰻は表面パリッパリで鰻屋とはまた異なる表現力、そしてノドグロも皮はしっかり、中はしっとりで巧妙な焼き加減です
お次は(うろ覚えですが)桜鯛の桜餅風道明寺蒸しで、この季節だけの料理を楽しみに訪れるお客さんも多いそうな
定番の人気料理、蓮根饅頭の代わりになるくらいの自信作のようで、確かに桜を愛でるような楽しみがあります
〆のタケノコご飯もガチで美味かったっ!
若竹煮とかたまに苦手意識が高まるタケノコも、このときばかりは花形プレーヤーを見事演じてくれました
日本料理って(僕の主観ですが)まさかこんな食材がっ!?てくらいの食材が時にその隠れた爪を露わにします
たかがタケノコ、されどタケノコ・・・実に面白いですっ!!
料理が一息ついた頃、さてさて、女将さんのソロトーク劇場がこの日も待ってましたと言わんばかりに始まりました笑
それまで大将さんと喋っていたのですが、思わず大将さんが押し黙ってしまうほどの圧倒的火力で喋り続ける女将さん笑
いやぁ、僕にとってはどの観光名所よりこれが愉快なのかもしれない
素晴らしき連携プレーで、本当に素敵なご夫婦です
そしてこの投稿文を書いているこの時も、次はまだかと焦がれております