この口コミは、covakazuさんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。
最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら
利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。
問題のある口コミを報告する
-
昼の点数:3.4
-
~¥999 / 1人
-
-
料理・味 3.6
-
|サービス 3.6
-
|雰囲気 3.6
-
|CP 2.9
-
|酒・ドリンク -
-
-
[ 料理・味3.6
-
| サービス3.6
-
| 雰囲気3.6
-
| CP2.9
-
| 酒・ドリンク- ]
織田作之助を偲ぶ
-
夫婦善哉
{"count_target":".js-result-ReviewImage-16820041 .js-count","target":".js-like-button-ReviewImage-16820041","content_type":"ReviewImage","content_id":16820041,"voted_flag":false,"count":3,"user_status":"","blocked":false}
-
善哉UP
{"count_target":".js-result-ReviewImage-16820042 .js-count","target":".js-like-button-ReviewImage-16820042","content_type":"ReviewImage","content_id":16820042,"voted_flag":false,"count":3,"user_status":"","blocked":false}
2013/01/19 更新
正月の帰省の最後の日の3日。宿泊先が大阪の南だったので、初詣で一番近いお寺さんは、どこかとのことで法善寺でお参りをし、その後、南をぶらぶら散歩していた。昼食にお好み焼きを食べた後、更にぶらぶらして、歩き疲れたので、こういう時は甘味だなとのことで、午前中にお参りをした法善寺の脇にこの店を見止めておいたので、出向いたのである。
夫婦善哉の起源は、文楽の竹本琴太夫が副業として、この法善寺の境内で始めたとあるが、僕が思うのは、織田作之助。僅か35歳程で夭逝した無頼の作家だが、その代表作が夫婦善哉である。だらしない亭主を、懸命にささえる妻という、50ページにもみたない小編であるが、間違いなく日本文学の名作で、近頃は読んだ本は人に進呈するか廃棄するかで蔵書をまずしないのだが、僅かに手元に残す文庫本で、手放せないのが、梶井基次郎の「檸檬」と、そして織田作之助である。勿論、他の作品もいい。偶然だが両方とも大阪出身である。
夫婦善哉には、他にも自由軒他、大阪の老舗の店が出てくるが、その表題でもあるこの善哉を折角、この地に居るのだから、食べるに如くはないとのことで、夫婦円満を謳っているのもあり、少し並んで入った。この店、今も変わらぬ老舗なのだが、店そのものは、サトレストランシステムズという会社で運営されている。経営がうまくいかない部分があったのだろうな。老舗を消すのは惜しいとのことで、今の状態になったのだな。前述の自由軒もそうである。
さて、この善哉、一人前に、小さな椀の善哉が二つ出てくる。全く、同じものである。これを相方と分けあって食べるのがいいのだろうな。けど、食べて判ったがそれじゃあほんのちょっぴりで、全然足りない。それにしても800円は高いね。名物として胡坐をかいている強気の値段である。大阪のやりくちではないね。結果的に、ちょっと本流からははずれるが、最初から二人前を頼んでおいて良かった。丸い小さな餅に小豆の甘さが優しいし、何より体が温まる。ほっこりしていい。泉下の織田作之助を偲びながら・・・