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1回
夜の点数:4.7
昼の点数:4.7
2015/11 訪問
夜の点数:4.7
昼の点数:4.7
京都に定着したヌーベルシノワという新しい風
2016/01/04 更新
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数年ぶりの投稿です。
まだレビューを続けておられる皆様の中には憶えていて下さる方もいらっしゃるでしょうか・・・。
こちらのお店は元々は祇園で婆沙羅という屋号でやっておられましたが、2014年の5月から泉涌寺にて屋号を斎華と改めて、斎藤博人氏がオーナーシェフとして自身のお店を改めて開店されました。
これまで京都において美味しい高級中華料理店と云えば、宮本シェフの京 静華ただ一軒が君臨している状況でしたが、現在では西渕氏のにしぶち飯店、そしてこちらの斎華と三強の時代へと突入致しました。
北京料理がベースの宮本氏、日本食と中華の融合を図る西渕氏に対して、斎藤氏の奏でる中華料理は四川料理を基本としたヌーベルシノワと三者三様に美味しい料理を楽しむことが出来ます。
斎華は泉涌寺の境内、悲田院の借景も楽しむことが出来る抜群のロケーションの中でカウンターのみの8席、完全予約制。
(月初めに予約が出来るので1日にお電話で。但し、営業中はシェフ、ソムリエ共にお忙しいのでなるべくお昼前、又は夕方にかけるよう心掛けて下さい)
既存の中華料理の概念を良い意味で裏切り続けてくれる斎藤シェフの料理は毎回新しい食材や調理法に対して驚きがあり何度食べても飽きる事がありません。
一皿ずつコース料理として鮮やかに盛り付けられてくる彼の料理はどれもかなりの完成度を誇りますが、特に酒醸(チューニャン)という四川料理に使われる日本の酒粕にも似た調味料を使った海老の炒め物の完成度は他の追随を許さないほどの出来栄えを誇ります。
主に葦切鮫を使った鱶鰭(フカヒレ)料理のバリエーションも豊富で姿煮やスープとしてだけではなく、前菜や唐揚げ、ステーキとして出してくることもあります。
こちらのスペシャリテの1つとして名高い鮑の肝のソースで和えた汁無し麺も白眉の出来栄え♪
冬虫夏草や様々な野菜、果実を取り入れた乾物ベースの湯(タン)も絶品。
滋味溢れる味わいは筆舌に尽くしがたいものがあります。
またキャビアやトリュフといったあまり中華料理に馴染みの無い高級食材を積極的に活用してくるのも楽しみの1つで今後更に磨きがかかってくることでしょう。
一般的に中華料理とはあまり相性が良くないとされるワインのセレクトもジュラ地方の一癖あるワインを巧く併せてきたりとなかなか秀逸です。
但し、上述の酒醸の使用等にもみられるようにかなり本格的な中国本土(主に四川省)の調味料や調理法、食材を用いた料理も多々あり、多くの日本人が慣れ親しんでいない辛さや味覚、塩辛さの料理も出てくる事があるので、その辺りの料理を楽しめるかどうかが斎藤氏の料理の虜になるかどうかの分水嶺となるでしょうか。
全国レベルで見ても一歩も引けを取らない斎藤氏のヌーベルシノワ、最近はなかなか予約も難しいお店となってしまいましたが機会があれば是非一度お試しあれ。