正直、びっくり！穴場でした！焼いても痩せないプリプリの牡蠣に実直なおやっさんの人柄にも♡ : かき小屋 小江戸

　久しぶりに口コミ書く気にさせるイイお店に出会えた。

そう…話せば長くなるが、あれはもう10年近く前になるだろうか…。
無類の牡蠣好きである相方が牡蠣を喰いに行きたいと言い出した。

美味い牡蠣を心置きなく喰える所は何処だ！
三陸だ！
三陸の何処だ！
松島だ！松島には牡蠣小屋ってところがあるらしい！
牡蠣焼きーっ！牡蠣めし—っ！牡蠣フライーっ♡
発作的に松島駅へ出発したあの日…。
到着すると、そこは横殴りの猛吹雪。駅前には逃げ腰のタクシーが１台。
ワタクシ、『は、帰んべし…』と腹の中で思っておりましたよ。
相方、猛吹雪の中を牡蠣小屋目指してちぇすと一直線！
そ〜してコートをバリバリに凍らせながら辿り着いた牡蠣小屋には休業の文字…。
当たり前じゃないっスか。
まだあんな事になるなんて地球上で誰一人、思いもしていなかった美しく、平和な松島。

あれから、もう７年経ちました…。

そして2017年の初夏、地域の情報紙に「かき小屋・小江戸」の文字が…。
むむっ！何っ？そんな店が川越にあんの？
知ってた？？？
いや、知らない！
どこにあんのよ？
市場の敷地内にあるらしいんだよ。
何？クーポン券付き？！
牡蠣焼きーっ！牡蠣めし—っ！牡蠣フライーっ♡
発作的に川越市場へ出発しました５月某日水曜日午後５時過ぎ。

えぇとですね、結論から申し上げますと店内は、海の家みたいな気さくな印象。
店のおやっさんに、正直に牡蠣焼き初心者である事を伝えると「今日は手が空いているから焼いてあげられますよ」とニッコリ、快く準備して下さった。
メニューは基本牡蠣焼きと、バーベキュー的な食材が主力メンバー。
併せてコストパフォーマンス良好な定食、単品でカキフライやチヂミ、キムチ、ホッケなどが控えている。

用意された軍手とちょっとしたナイフの様な器具で焼いた牡蠣を開けると、ホワっとした湯気と何とも色っぽい艶のあるプックリと膨らんだ牡蠣が現れる。おやっさんは「味が足りなければしそポン酢もお勧めですよ」と言ってくれたが、いやいや、なんのなんの…。
縮む事無く、色白でポッチャリした栄養たっぷりのツルッとした牡蠣を頬張ると何とも云えず塩梅が良く、角が丸い様な美味い塩味♡いやはや、２人で１kgなんてすぐなのだ！
この日、２人で頂いたのはカキの通り（なんちゃって…）
・ビール２杯（相方）
・麦焼酎（相方）
・牡蠣　１kg
・カキフライ２人前（１人前５個）
・地元情報誌持参の特典（大蛤など）
・水キムチ
・牡蠣ご飯
　
ここで特筆させてもらいたいのがまず「水キムチ」だ。

お通し的にちょっと頂いたのだが、正直これは秀逸。
美味い…。
おやっさんは自衛隊在職中に東北地震に尽力出来なかった後悔の念から定年退職後に一念発起。このかき小屋を開いたと聞いたが、料理人でもないのにこれは一体どういう事だ…と想うほど、美味しかった。
実は我が家の隣人が韓国の方だった時期があり、度々自家製のキムチや水キムチを頂く事があった。
韓国の水キムチとは違うが、この「かき小屋・小江戸」の水キムチは色々な野菜がたっぷり入っている。
おやっさんが「これは乳酸発酵させてますんで、乳酸菌も豊富。具を食べたら汁まで飲んでみて下さい。美味しいですよ。女性にはピッタリです♪健康にもいいですし。」と勧めてくれた。
飲むと、汁はまるでガスパチョを飲んでる様な瑞々しいお汁…塩梅もイイ♡
セロリの清々しい風味も相まって飲んで美味しい「水キムチ」には正直、面食らった。
内心『これだけ、タッパー持って買いに来ようかな…』とふと、思ってしまう位、本当に美味しかったのだ。

それから、牡蠣ご飯だ。
このご飯の味付けが良かった。私はとても美味しい、と思った。
本当に自衛隊だったのか？…と、おやっさんの顔をしげしげと見てしまった。
炊き込みご飯界でナンバーワンを言え！と言われれば、迷うコト無く「福岡県のかしわ飯」！と即座に答えたいが、ここの牡蠣ご飯の味付けも美味かった。
相方は「おにぎりにして売れば♡」と水を向けると、おやっさんも微笑んだ。
もうそういうアイディアは胸の中にある様だった。

おやっさんは「牡蠣」というと「冬」という固定したイメージを何とか打破したいなぁ…と語っていた。
「牡蠣は通年で食べられるんですが、実は牡蠣ってこれから８月にかけてが旬で一番美味い時期に入ります。牡蠣っていうとだいたい「鍋」ってなっちゃうのが非常に残念。本当は女性にこそ食べて欲しい、栄養たっぷりで摂取すれば身体にも健康にも良い食材なんですが。」…と、ちょっと悲しそうな顔で話してくれた。
真面目なんだなぁ…と率直に感じる。

食材を生産してくれる人の事…
食べてくれる人の事…
誠実で実直な人柄に好感を持った。

そしておやっさんは、女性に喜んでもらえる様なランチ用の定食を考えているらしく、こんな構成どうでしょうね？…とスマホに撮った写真を見せてくれた。
カキフライに、牡蠣ご飯、もちろんあの特製「水キムチ」もあった。

ちょうどこの日は他にお客が居なかったので牡蠣や東北や九州について、東北出身のおやっさんと色々、話す事が出来た。
いい夕食だったなぁ。
また、今度は友人や家族を連れて行こうと思う。

　　
　アー逢うが別れの運命（さだめ）なら
　いつか逢う日も巡りくる　船は潮路の風次第…
　早く聞きたや　舟唄を　ヨサレ　ソラヨイヤー
　　（高橋竹山　津軽よされ節　より）