肉子のソロ打ち上げ : 凱旋門 ふじみ野店

節目の演奏会と会社の創立記念パーティーがはねた翌日。
２着分の着物と帯を無造作に掛けておいて、泥のような眠りから覚めた。
あああ・・・むっちゃくちゃ、お腹が空いた。

こんな日は、ここへ肉を食べに行くと、決めている。

平日休日、軽自動車を駐車するのも容易い昼を過ぎた時間。
予約無しでも、４人掛けテーブル席を独り占め、はあー、何て「ぜーたく」だ。

この日は石焼ビビンバランチを。
「予め混ぜてからお持ちすることもできます」とのご提案。
この日はサマルカンドブルーのワンピースを着ていた、是非とも混ぜちゃってくださいとお願い。
そしてこれが、大正解。運ばれてきた石鍋、「おこげ」がしっかりつくようにぴっとりとゴハンを張り付けて持ってきてくれた。
サラダ、お肉。
独り占めの自分専用のロースターで佐賀牛のいいとこをじゅうじゅう。
塩でたれでレモンで・・・うんうん、旨いなあ。

お肉を食べつつ追いかけるばっちりおこげのビビンバ、ちょろっと辛みそを混ぜつけて。
ふふっ、熱々だ、そんでもって、うまうまだ。

おひとりさま焼肉は・・・いいなあ。
普段より数段高めの位置の「ご褒美ランチ」が出来る幸せを噛み締める。
大好きな女優さんの江口のりこさんが「ソロ活女子のススメ」で「ソロ焼き肉」を楽しんでいた・・・行動パターンが似ている「早乙女恵」は、最近他人に思えない。

ひとりで、自分を労わる時間の、有難さ。
しかしそれは、普段多くの人に支えられているからこそ、成り立つという事も忘れてはならない。

改めてそんな思いと一緒に、最高のお肉を味わった。

「スタミナ」
「タイミング」
台湾の妖精ビビアン・スーの歌うこれらの楽曲が流行ってはスーパーのBGMでかかっていた頃、私は西新井のサティで特売のパンパースをヘロヘロになりながら担いでたワンオペ新米ママだった。
パンパースしていた0歳児の娘もすっかり大きくなり、この日は彼氏の誕生祝いに小手指の鰻屋に行くというので私の名で予約を取っておいた。
片や私は午前中は翌日からの資料作り、腹ペコになっては気が付けばそろそろお昼時。
「うん、今の私にはパワーランチが必要」、愛車の舵を切ったのは凱旋門。
12月25日を数日すぎた年末の貴重な半日休み、
クリスマスは松屋とマックと赤いきつねと緑のたぬきで乗り切ったのでここは奮発しちゃおうと、和牛の薄切りと厚切りの半々の乗ったのをポン酢で食べさせる定食。
ここは16時までランチしてるので遅めでも出遅れ感が無く助かる。女ひとりソロ焼き肉でも浮かない、そして広々テーブルが使える。

黒ニットのいでたちの私にホールの方が気を利かせて紙エプロンをくれた。
ひとり焼肉の、はじまり。
厚切りのはたれが絡んでおり、じっくりめに焼く。甘辛のたれにつけてはご飯に乗っけてばくばく食べる。
うはあ、肉×白飯が旨い。肉の味と油と歯応えが空腹にはたまんないわ。
薄切り和牛は牛脂を塗った網でささっと焼いて葱の入ったポン酢にくぐらせる。
ばくっとひとくち、速攻でごはんゴハンご飯ごはん、ゴハン足りなくなっちゃうじゃないのようー！！ってくらい旨い、香りがいい、うっまあい☆★

サラダはドレッシング無しで十分、キムチとスープを交互に、小鉢類もここのは丁寧なのが良い。

で、あっという間にパワーランチ完了。
川越にあるエステに向かう・・・ううう、2か月ぶりだわ。

程なくして娘から彼と一緒に鰻食べて来たよとLINEがあった。
ママも（ひとりで）焼肉食べて来たよと返事をした。

今度は3人でお食事だねえ、と。
エステ帰り、川越街道を行く愛車のBGMは「タイミング」。

「ぼくのココロ和ます　なんてフシギなチカラ」と、鼻歌♬

潤いたっぷりの切りたてのロースとカルビの横たわるお皿。
江戸小紋のような白いサシの入った綺麗なお肉の、
そのひとつひとつをひらひらとロースターに乗せて
表面に焼き色が付いたら「よしっ！」と拾い上げてたれの中にダイブ。
じゅわじゅわを、ひと口、まっしろいごはんを、ひと口。
その一連の動作の一回目で、咄嗟に思ったのは・・・「ごはん（小）は、間違いだったな」という事。

遡ること一週間前から。
年度末プラスアルファという繁忙期である。
お腹空いたよというアクションはイタすぎて人には見せられないので私は祈っていた・・・心の中で。
神さま。
今年の冬はさむいです、さむすぎます。
暖房の効いた室内でずっと仕事してると
身も心もかっさかさで干からびそうです。
コンビニのごはんも
赤いきつねも緑のたぬきも
スーパーの割引になったお弁当も
もう当分いりません。

だから私に、美味しいお肉をください。
と、祈った。

そしてすっかりいい干物感を醸し出してきた辺りに
ようやくやってきた休日は、肉日和だ。
だって今日はバレンタインデー、しかも月曜日。
こないだの連休に行こうと思ったら大混雑してていけなかった焼肉屋さんへ。

ここは以前、誕生会をしてもらったことがある・・・最高のお肉をいただいた場所。

平日月曜ランチの時間。
私にとってはようやく訪れた休日。

感染対策もばっちり、パーテーションの椅子席へ。きれいに掃除も行き届いている。
店員さんもてきぱき。注文はこれ、ランチのセットの一番いいやつに、しよう。

潤いたっぷりの切りたてのロースとカルビの横たわるお皿。
江戸小紋のような白いサシの入った綺麗なお肉の、
そのひとつひとつをひらひらとロースターに乗せて
表面に焼き色が付いたら「よしっ！」と拾い上げてたれの中にダイブ。
じゅわじゅわを、ひと口、まっしろいごはんを、ひと口。
その一連の動作の一回目で、咄嗟に思ったのは・・・「ごはん（小）は、間違いだったな」という事。

たれ、塩、檸檬をちょいちょいとつけながら。
ごはんと交互にいただく幸せ。
美味しくいただけることの幸せを噛み締める。
生きてるなあ、と、実感する瞬間をもっと味わいたかったのでやっぱりご飯の量はもう少し欲しかったと小さな後悔。
アルコール抜き、という事もあって。

肉子のバレンタイン★スペッシャル
因みに私の誕生日は８月２９日、である。