レザウルくんちの食卓へ 2 : アジアンダイニング&居酒屋 アミナ 南越谷

この口コミは、フードコート浜さんが訪問した当時の主観的なご意見・ご感想です。

最新の情報とは異なる可能性がありますので、お店の方にご確認ください。 詳しくはこちら

3.8

¥1,000~¥1,9991人
  • 料理・味3.6
  • サービス4.2
  • 雰囲気3.6
  • CP3.0
  • 酒・ドリンク3.0
2016/12訪問2回目

3.8

  • 料理・味3.6
  • サービス4.2
  • 雰囲気3.6
  • CP3.0
  • 酒・ドリンク3.0
¥1,000~¥1,9991人

レザウルくんちの食卓へ 2

身を切るような冷たい風がピュウっと南越の商店街を渡っていく。
その傍らで、モウモウと煙を上げながら、
「イラッシャイマセ~、ヤスイデスヨ~。」
真冬に似合わない軽装で、レザウル社長がスパイシー焼き鳥を焼いている。
見るからに寒い光景だ。

「寒くないの?」
「ゼンゼン、サムクナイ! コレヲヤルト、コッチニモ、オキャクサンクルカラ!」
と、エントランスの階段を顎でしゃくって、今日も屈託が無い。
彼がバングラデシュ人だから、よけいに寒そうに見えて仕方がないわけなのだが、
さほどでない様子である。
私はもうこんな寒いところに立っていたくなかった。

「キョウ、マトンアルヨ。」
「お、いいね! じゃ中でそれ食べてくるよ。」
焼き台の前には、ポツリポツリと客が寄りはじめている。


■まかないマトン \1,000(税別 ライス付 メニュー外) medium
料理名で言うとすれば、骨付きのブナ・マトン、ネパーリシェフ作である。
トマトの色めを映した赤褐色の粘度の濃いタマネギベースなんだが、
そんなに入れるの?ってくらいに塩と生姜がどっさり入っている。
過去No.1のしょっぱさで、これだけを食って旨いもんじゃない。
そう、これをライスにぶっかけて捏ねてみれば、ありゃ不思議、
霧が晴れていくように、塩気に隠れていた甘みと酸みと旨みが輪郭を見せはじめた。
飯が何杯でも食えるブルーカラー仕様、ここのスタッフの嗜好の直球なのである。
こんなの日常的に食ってれば、寒くもねえし風邪なんかひくわきゃねえとさえ
思うほど、ごついまかないだった。


勘定をして表に上がってみれば、社長はまだ、呼び売りを続けていた。
私は彼と同じ目線で、道行く人を少し眺めた後、
「アバール・デカ・ホベ」(また、来るよ!)とベンガルの挨拶をし、
駅の方向に向かって背を向けた。
何秒か間があって、「ハーイ……………アバール・デカ・ホベ!」、
彼はすぐにベンガル語が出てこない。
それは、街に溶けこみはじめている証拠だった。

  • アジアンダイニング&居酒屋 アミナ - 寒風の中、ヤキトリを焼くレザウル社長。(撮影承諾済)

    寒風の中、ヤキトリを焼くレザウル社長。(撮影承諾済)

  • アジアンダイニング&居酒屋 アミナ - これ、おもしろくないですか?

    これ、おもしろくないですか?

  • アジアンダイニング&居酒屋 アミナ - まかないマトン:もおんのすんげえ塩っぱい、けど、うんみゃい!

    まかないマトン:もおんのすんげえ塩っぱい、けど、うんみゃい!

  • {"count_target":".js-result-Review-62316271 .js-count","target":".js-like-button-Review-62316271","content_type":"Review","content_id":62316271,"voted_flag":null,"count":42,"user_status":"","blocked":false}
2016/10訪問1回目

3.8

  • 料理・味3.6
  • サービス4.2
  • 雰囲気3.6
  • CP3.0
  • 酒・ドリンク3.0
¥1,000~¥1,9991人

レザウルくんちの食卓へ

バングラデシュへ行こう! その22


赤いバンダナであねさんかぶりしたまだあどけなさの残るシャティさんが、
初々しい手つきで水を運んできた。
二十歳をいくつも出てはいないだろう。
間違いなく、ほんのこの間まで、いいとこのお嬢だった雰囲気を漂わせている。
7月からの営業、彼女はホール用語以外の日本語をまだほとんど理解しない。

その視野の端に入るか入らないかのところで、
どこの南アジアのジャリも奔放だ。
奇声を発しながら愛娘のアヤちゃんが遊んでいる。

「メール ボヨシュ コト?」(娘はいくつなの?)
3時間前に憶えてきた付け焼き刃のベンガル語で、33度首を傾けながら私は訊いた。
すると、シャティさんは肩をヒクヒクさせながら笑いをこらえ、
涙目になり、ついに体を折って爆笑しはじめた。
そして、ひとしきり笑った後、
珍しいものでも見るような目で、私の目を覗きこみながら、
「ボヨシュ チャール」(4才)
ちいさく応えた。

「アッチャ」(わかった)
一呼吸を置いて、私がそれに応えると、
「ベ ン ガ リ ゴ」
シャティさんはうつむき加減、満面の笑みで自身に問いかけるようにつぶやき、
またキャッキャ、キャッキャと爆笑するのだった。
ここまでうけることは、年に1回あるかないかである。


半地下、85席の大箱の店内には、
何時間居ても気まずくならないファミレス的な空気が流れている。
それを、社長のレザウルさん、シャティさんのバングラデシュ人夫妻と、
ネパール人シェフの3人で切り盛りしている。

その小柄で日本語ペラペラのレザウルさんと
マトン・ブナをロティで食いながら、
バングラデシュについていろいろと話していたら、
ひょんなことから、日を改めて、家庭料理のご相伴にあずかることとなった。
料理人ではない夫妻の手によるものなので、
「レストランのまかない」でもなくレザウル家の家庭料理ということとなり、
提供の有無、内容、価格については、レザウルさんの裁量次第である。
こんなのが出てきた。


マチェル・ジョル(鮭のカレー) mild
味も色も淡いソースで鮭の切り身と大根が煮込まれている。
大量のきざみパクチーとマスタードオイルの香りがグイグイと立ち昇り、
やくみで食わせる鍋もののようだ。もはや、カレーとは言いがたい。

 ムルギール・ジョル(チキン・カレー) mild
これまた半透明レンガ色の淡いソースで、
タンドリーチキン用のドラムと骨付き胸肉が煮込まれている。
皮ごとクタクタになったトマトが沈み、ツンツンしたたところは一切なく穏やかだ。

マス・バジ(鰤のマスタード焼き) hot
何10本もの青唐辛子とニンニクとパクチーをマスタードオイルでテンパリングして、そのオイルで鰤の切り身を焼いた田舎っぺーな副菜。
なかなかに味わい深いが、冷めて身が固くしまってしまった。

カチャ・モリッツ・ボッタ(青唐辛子の和えもの) crazy hot
生の青唐辛子をブレンダーにかけて、
ニンニク、塩、マスタードオイルで和えた問答無用の味変要員。
大さじ5杯分はあるだろうか。ちびちびとライスに混ぜていく。
この人がいると、現場が締まるのだ。

ベグン・ボッタ(ナスの和えもの) medium
焼きナスのマッシュを生タマネギ、炒り赤唐辛子、マスタードオイルで和えた副菜。
どちらかと言えば、チャトニ的な位置付けで、炒り赤唐辛子がとても奔放に香る。


日本米ライスを手前に置き、5品のおかずをいろんな角度で混ぜながら、
手食してみて思うことは、
食卓全体が、自分でバランスを取りながら食べるようにできているということ。
スパイスの絶対量は少ない地味ベースの料理に、どぎついやくみ刺激が疾駆する。
元より売りものではないし、しもしないだろうし、なりもしないだろうけれども、
地味さ加減も半端ではない普通の家庭の普通の料理、
私は好きだ。

「ダイジョウブ デスカ?」
その間に、何回も何回も何回もシャティさんが様子をうかがいにやってきた。
自分が作ったものに、ジャパニがどう反応するのかが気になるのである。
「クブ モジャ!」(とてもおいしい)
その度に、私は眉を上下させ、ちょっとこぶしをきかして応えた。

「バングラト オナジ…」
ライスとカレーとボッタをこねる私の右手を見つけて指差し、
またキャッキャキャッキャとはしゃぐのだった。

ご多分に漏れず、あと5・6年もすれば、
貫禄十二分の女将へと変貌を遂げることだろう。
すでに、老若男女、人数、客を選ばない雰囲気ができはじめており、
繁盛とまではいかないにしても、夜でも暇にならないくらいの客入りがある。
今後の盛衰の鍵を握るのはこの人なのだと、私には思えるのである。

  • アジアンダイニング&居酒屋 アミナ - 12時から時計周りに、チキンカレー、ナスの和えもの、青唐辛子の和えもの、
      鰤のマスタード焼き、鮭カレー:へぇぇ、ホームメイドってこうなんだねぇ!

    12時から時計周りに、チキンカレー、ナスの和えもの、青唐辛子の和えもの、 鰤のマスタード焼き、鮭カレー:へぇぇ、ホームメイドってこうなんだねぇ!

  • {"count_target":".js-result-Review-59942558 .js-count","target":".js-like-button-Review-59942558","content_type":"Review","content_id":59942558,"voted_flag":null,"count":37,"user_status":"","blocked":false}

口コミが参考になったらフォローしよう

フードコート浜

利用規約に違反している口コミは、右のリンクから報告することができます。問題のある口コミを連絡する

フードコート浜さんの他のお店の口コミ

フードコート浜さんの口コミ一覧(202件)を見る

店舗情報(詳細)

店舗基本情報

店名
掲載保留 アジアンダイニング&居酒屋 アミナ 南越谷

このお店は休業期間が未確定、移転・閉店の事実確認が出来ないなど、店舗の運営状況の確認が出来ておらず、掲載保留しております。店舗の掲載情報に関して

ジャンル インドカレー、インド料理、ネパール料理
住所

埼玉県越谷市南越谷1-2876-1

交通手段

JR武蔵野線から4分。
東武スカイツリーラインから4分。

新越谷駅から208m

営業時間
  • ■営業時間
    11:00 〜 23:00ラストオーダー10:30

    ■定休日
    無休たまに休む
予算(口コミ集計)
¥1,000~¥1,999

利用金額分布を見る

支払い方法

カード不可

席・設備

席数

85席

個室

貸切

禁煙・喫煙

全席喫煙可

2020年4月1日より受動喫煙対策に関する法律(改正健康増進法)が施行されており、最新の情報と異なる場合がございますので、ご来店前に店舗にご確認ください。

駐車場

地下駐車場1時間無料

空間・設備

オシャレな空間、席が広い、ソファー席あり

メニュー

コース

飲み放題

ドリンク

日本酒あり、焼酎あり、ワインあり、カクテルあり、日本酒にこだわる、焼酎にこだわる、ワインにこだわる、カクテルにこだわる

料理

野菜料理にこだわる

特徴・関連情報

利用シーン

サービス

お祝い・サプライズ可、テイクアウト

オープン日

2016年7月14日

お店のPR

本格インドカレー・ネパール料理★本場の素材と製法にこだわりました。居酒屋、カフェとしても!

1度食べたらまた来たくなる!お客様の声を聞きながら新メニューを考え、使いやすいお店になるように変化し続けます!お店の野菜は自家栽培のため新鮮・安全★大人数でのパーティ、お持ち帰りもできます~♪

初投稿者

親方姐さん親方姐さん(157)

ブログに店舗情報を貼る

このレストランは食べログ店舗会員等に登録しているため、ユーザーの皆様は編集することができません。

店舗情報に誤りを発見された場合には、ご連絡をお願いいたします。お問い合わせフォーム

周辺のお店ランキング

越谷×カレーのランキング(点数の高いお店)です。

  • 2 ジラソウ - メイン写真:

    ジラソウ (洋食、カレー、オムライス)

    3.72

  • 3 そうか食堂 - 料理写真:

    そうか食堂 (食堂、カレー)

    3.57

  • 4 麺屋 いちょう - 料理写真:

    麺屋 いちょう (ラーメン、つけ麺、カレー)

    3.52

  • 5 ニュールドリ - ドリンク写真:ドリンク

    ニュールドリ (インド料理、インドカレー、ダイニングバー)

    3.51

食べログ限定企画

店舗運営者の方へ