妻が「名古屋めし」の禁断症状を起こした夜 : 世界の山ちゃん 北浦和店

８月中旬、２度目の夏休み最終日。

蓼科から帰ってきた翌日、妻が『世界の山ちゃん』へ行きたいという。
休暇中に私ひとりが名古屋へ行った事をうらめしく思ったのだろう。

と言うのも、妻は私以上に「名古屋めし」が好き。
我が家では、味噌カツや味噌煮込み（名古屋風だしで作った本格派）は月に一度は食卓に並び、
ナポリタンは必ず熱々鉄板に卵を流し入れて登場する（笑）

年に1～２度は、店でうなぎを焼いてくれる魚屋に頼んで、
安いうなぎで「直焼き＆よく焼」の蒲焼を作ってもらってそれでひつまぶしを作る事もある。
（スーパーのうなぎは蒸してあるのでひつまぶしには向かない）


この日の妻のメインテーマは「どて煮に串カツを突っ込んで食べる事」。

「それなら味噌串カツでいいじゃん」と思う方は「名古屋めし」の素人。
どて煮に串カツを突っ込む「味噌串カツ」は普通の「味噌串カツ」とは全く違う。

名古屋勤務時代及び名古屋勤務を終えた後も家族で名古屋に行くと、
名古屋駅前の『のんき』や私の前の会社の近くにあった「どて」の店へ行き、
「味噌おでん又はどて煮＆味噌串カツ」を食べに行っていた。
息子達もどての味噌をたっぷり浸けて貪るように食べていた。


この日、駅の反対側にある『山ちゃん』に行って、

まずは生ビールと「名物手羽先」（５本550円）、
懐かしい隠れ名古屋名物「鉄板玉せん」（580円）でウォーミングアップ。
（写真参照・・・チーズオムレツを海老せんべいに乗せて食べる）

その後、メインのどて煮（390円）×２と串カツ（２本280円）×４でゆっくりと楽しんだ。

ちなみにここの「味噌串カツ」も「串カツ」と同じく２本280円。
それなら・・・と思うのが先にも言った通り「素人」。
少し肉汁の交じった「どて煮」の味噌に浸けて食べるのが良いのだ。

でも・・・ここ『山ちゃん』の「どて煮」は名古屋で食べるそれとは違ってかなり「甘い」。
しかもおそらくは「味噌串カツ」と同じ味噌を使っているようにも思う。

それでも「気は心」。
ホルモンと一緒に仕上げる段階で多少はモツの風味が付いていると思って食べた。

そして締めはご飯（150円）をオーダー（信長???）して「どて飯」に。

そしてまだ余裕がある私は、
この手の店にしてはなかなかいい線いってると思う「鉄板ナポリタン」（680円）も楽しんだ。


お財布にも優しくお腹もいっぱい。
妻も満足そうだったし・・・。

でも・・・、私は翌月に名古屋出張が決まっていた。
まだ妻には話していなかった。

少しタイミングを見計らってから告げる事にしようと思った。

２月上旬の週末。
妻が突然夕食作りをボイコットした。

緊急事態宣言以降、私が家で夕食を食べる事が増えたのが気に入らないらしい。
別に私が作っても構わないのだから言ってくれれば良いのにね。

という事でこの日は外食することになった（これが妻の狙い？）。

話は遡って前月の末。
息子と駅の反対側に行った時に一軒の見覚えある看板を見付けた。

それが「世界の山ちゃん」。

こんな近く（というか埼玉に）あるとは全く知らなかった。
（実は埼玉には３店舗が有り、この店も10年以上前からあったらしい）

「名古屋めし」の好きな妻には丁度良いかもしれないと思った。

ただ、時期も時期。
私たちは早めの時間でしかもお店に
「混んでますか？」
「ガラガラです」
と電話も入れてから訪れた。

結構広い店内ながら本当にガラガラ。
先客は１組のみ。

私たちはまずお約束のビールとここの名物「幻の手羽先」を注文した。

「世界の山ちゃん」は私がちょうど名古屋に転勤した頃から注目を浴び始め、
それまでは名古屋で手羽先と言えば「風来坊」だったのを、
少し甘めの「風来坊派」とコショウ辛い「山ちゃん派」と人気を二分することになった。

私はどちらも好きなのだが、しいて言えば「山ちゃん派」かな???
手羽先を食べた後にコショウの付いた唇をなめながら飲むビールが好きだった（笑）

その後「世界の山ちゃん」は破竹の勢いで店舗を増やすことになり、
東京でも気軽に行けるようになった。

また、店舗拡大と共にメニューもバージョンアップを図り、
「手羽先」だけでなく「名古屋めし」を織り交ぜた様々な料理を提供するようになった。

私の東京の友人には「チャーハンは『山ちゃん』が最高だ」という人間もいた程だった。
それぐらい充実していた。

この日の私たちも久々の「名古屋めし」を中心にオーダー。
「手羽先」のお替りの他「味噌串カツ」「どて煮」オリジナルの「味噌きゅうり（美味）」などでビールを楽しみ、締めにはあの「鉄板ナポリタン」をオーダーした。

先ほどの「チャーハン」もそうなのだが、ここは締めが充実している。
「天むす」「どて飯」「台湾焼きそば」「あんかけスパゲティ」などの「名古屋めし」を初めオリジナルのご飯ものも美味しそうだ。

さて我々の締めの「鉄板ナポリタン」（748円）。
妻のリクエストでそうしたものの、ここは「あんかけスパゲティ」が美味しくないので私はあまり期待していなかったのだが、ひと口食べるとナントこれがとても「美味しい」。

おそらくレンチンだとは思うものの、
「チャーハン」と同じように「焼き」が見事に表現されている。

少し焦げたような風味と油っぽさが絶妙なのである。

また関東で食べるといつも焼き過ぎで出てくる鉄板の上の玉子の硬さも絶妙。
私たちは思わず「うそ～」と声を上げてしまうほど美味しかった。
これぞジャンクフードの極みと言える逸品だ。

こんな時期にもかかわらず、帰る頃には半分以上が埋まっている。
密になる前に帰らねば・・・。

名古屋を離れ遠い関東の地で奮闘する「山ちゃん」。
チャージやお通しが無いのもよい。
益々頑張って欲しいものだ。

「がんばれ山ちゃん！」

「若さだよ山ちゃん！」・・・って古っ!!!（汗）